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論文

Dissolution behavior and aging of iron-uranium oxide

頓名 龍太郎*; 佐々木 隆之*; 岡本 芳浩; 小林 大志*; 秋山 大輔*; 桐島 陽*; 佐藤 修彰*

Journal of Nuclear Materials, 589, p.154862_1 - 154862_10, 2024/02

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Materials Science, Multidisciplinary)

原子炉構造材料のステンレス鋼成分である鉄とUO$$_{2}$$の高温反応により生成したFeUO$$_{4}$$化合物の溶解挙動を大気条件下で調べた。化合物はU$$_{3}$$O$$_{8}$$とFe$$_{3}$$O$$_{4}$$を出発原料として電気炉で調製し、X線回折、走査型電子顕微鏡-エネルギー分散型X線分光法、X線吸収微細構造分光法を用いて固体状態を分析した。FeUO$$_{4}$$化合物の浸出試験を最長3か月行い、水中に溶存する核種の濃度を調べた。FeUO$$_{4}$$の溶解の初期段階で3価のFeイオンと5価のUイオンの間で酸化還元反応が起こることが提案された。還元された2価のFeイオンは、溶存酸素の存在下で最終的に3価のイオンに酸化され、水酸化鉄がFeの溶解度を制限することが熱力学的に推論された。一方、6価のU(すなわちウラニルイオン)の濃度は、メタショエパイトやウラン酸ナトリウムなどの二次鉱物の存在によって制限され、その後、Fe酸化物などへの収着によって減少したと考えられる。RuやCeなどの核分裂生成物の多価イオン濃度も減少したが、これは上記の理由によるものと考えられる。一方、可溶性Csイオンの濃度は減少しなかった。この解釈の妥当性は、参照試料(Feを含まないU$$_{3}$$O$$_{8}$$)の溶解挙動と比較することで裏付けられた。

論文

Structural change by phosphorus addition to borosilicate glass containing simulated waste components

岡本 芳浩; 塩飽 秀啓; 嶋村 圭介*; 小林 秀和; 永井 崇之; 猪瀬 毅彦*; 佐藤 誠一*; 畠山 清司*

Journal of Nuclear Materials, 570, p.153962_1 - 153962_13, 2022/11

モリブデンの溶解度を高める効果があるリンを含む模擬核廃棄物ガラス試料を作製し、放射光X線吸収微細構造(XAFS)分析によりいくつかの構成元素を、ラマン分光分析によりその配位構造を分析した。分析では、リンの添加量や廃棄物積載率の違いによる局所構造および化学状態の変化を系統的に調べた。その結果、最大廃棄物量30wt%(MoO$$_3$$ 1.87mol%に相当)においても、モリブデン酸塩化合物による結晶相は観察されなかった。廃棄物充填率を上げると酸化が進行し、リンを添加すると還元が進行した。さらに、それらの酸化と還元の効果が相殺されるケースもみられた。特定元素の周辺局所構造は、主に廃棄物充填率の影響を受けるZn、廃棄物充填率とリン添加の両方の影響を受けるCe、どちらの影響も受けないZr元素に分類された。Moと他の元素の分析結果の比較から、添加したリンは遊離されたPO$$_4$$構造単位として存在し、モリブデン酸イオンに配位するアルカリ金属を奪い取っている可能性があると考えられた。

論文

Two-step model for reduction reaction of ultrathin nickel oxide by hydrogen

小川 修一*; 多賀 稜*; 吉越 章隆; 高桑 雄二*

Journal of Vacuum Science and Technology A, 39(4), p.043207_1 - 043207_9, 2021/07

 被引用回数:1 パーセンタイル:7.12(Materials Science, Coatings & Films)

ニッケル(Ni)は、一酸化窒素分解やアンモニア生成の触媒として使用されているが、酸化されやすく、失活しやすいという特徴がある。酸化したNiの還元過程を明らかにすることは、Ni触媒のより効率的な利用を促進するために不可欠である。本研究では、その場で時間分解光電子分光法を用いて還元過程を調べた。我々は、2段階の還元反応モデルを提案する。第1段階の律速過程は酸素原子の表面析出であり、第2段階の律速過程はH$$_{2}$$分子の解離である。

論文

An Electron-capture efficiency in femtosecond filamentation

中島 信昭*; 八ッ橋 知幸*; 迫田 憲治*; 岩倉 いずみ*; 橋本 征奈*; 横山 啓一; 松田 晶平

Chemical Physics Letters, 752, p.137570_1 - 137570_5, 2020/08

 被引用回数:1 パーセンタイル:4.74(Chemistry, Physical)

溶液中のユウロピウムイオンにレーザー光を照射することによりEu$$^{3+}$$とEu$$^{2+}$$との間の光酸化還元反応を調べた。3種類のレーザーを用いてその反応効率、波長依存性、レーザーパワー依存性などを観察した。波長308nmのナノ秒レーザーでは1光子過程が起こり酸化・還元とも量子収率0.5前後の高い値が得られた。394nm、5mJのナノ秒レーザーパルスでは2光子過程が起こり還元の量子収率は0.015程度になった。308nmの結果よりも1桁以上低い値ではあるが、容易に光還元を起こすことができることを明らかにした。パルスエネルギーを増やすことにより効率をもっと上げることができると考えられる。

論文

Corrosion in nuclear fuel reprocessing plants; Corrosion in boiling nitric acid

加藤 千明

Comprehensive Nuclear Materials, 2nd Edition, Vol.4, p.528 - 563, 2020/08

使用済み燃料の再処理プラントに使用されるPUREXプロセス法では、核分裂生成物,ウラン,プルトニウムの分離に硝酸が使用される。このPUREXプロセスは、使用済み燃料から生じる酸化性金属イオンを含む高濃度の硝酸溶液を高温で用いられるため、非常に腐食性が高くなる。本解説では、硝酸のユニークな化学的性質を最初に説明する。その次に、沸騰伝達における硝酸における酸化力の発現プロセスを、酸化還元電位と沸騰硝酸の熱力学的モデルを使用して説明する。最後に、再処理環境に固有の腐食挙動と腐食促進メカニズムを、溶液化学の観点から説明する。

論文

Unusual redox behavior of ruthenocene confined in the micropores of activated carbon

糸井 弘行*; Ninomiya, Takeru*; 長谷川 英之*; Maki, Shintaro*; Sakakibara, Akihiro*; 鈴木 隆太郎*; 笠井 湧斗*; 岩田 博之*; 松村 大樹; 大和田 真生*; et al.

Journal of Physical Chemistry C, 124(28), p.15205 - 15215, 2020/07

 被引用回数:8 パーセンタイル:38.60(Chemistry, Physical)

We demonstrate reversible charge/discharge in ruthenocene, RuCp$$_{2}$$ (Cp = $$eta^5$$-C$$_{5}$$H$$_{5}$$), using activated carbon (AC) as a support. Upon subsequent electrochemical oxidation using an aqueous H$$_{2}$$SO$$_{4}$$ electrolyte, the clusters are disassembled and the RuCp$$_{2}$$ molecules are finely dispersed in the micropores. The resulting RuCp$$_{2}$$ has a large contact area with conductive carbon surfaces, thereby realizing rapid charge transfer at the contact interface. Consequently, rapid charge storage occurs via the reversible redox reaction of the supported RuCp$$_{2}$$ in aqueous H$$_{2}$$SO$$_{4}$$ without dimerization or disproportionation reactions, which is confirmed by X-ray absorption spectroscopy. Since hybridization can produce different properties of the host and guest materials, their infinite combinations would have the possibility to yield properties far surpassing those of existing materials.

論文

坑道閉鎖試験に基づく坑道掘削・閉鎖時の化学環境変化プロセスの考察

林田 一貴; 加藤 利弘*; 久保田 満*; 村上 裕晃; 天野 由記; 岩月 輝希

地球化学, 52(1), p.55 - 71, 2018/03

坑道の建設・操業により乱された地質環境の坑道閉鎖後の定常化過程の確認を目的として、岐阜県瑞浪市の瑞浪超深地層研究所において深度500mの花崗岩中に模擬実験坑道を建設・閉鎖し、地下水の溶存成分や酸化還元電位、pHの経時変化の観測を行った。その結果、坑道建設時には坑道周囲の割れ目を介した地下水流動状態の変化に伴い坑道周囲の地下水水質が変化した。また坑道から坑道周囲の岩盤中への酸素の侵入により、酸化還元電位が上昇することが確認された。坑道閉鎖後は、微生物の還元作用により坑道内の地下水の酸化還元電位が低下するとともに、坑道周囲では岩盤中から還元的な地下水がもたらされることによって酸化還元電位が回復した。一方で、吹付コンクリートなどセメント材料の影響で坑道内の地下水がアルカリ化することが確認された。このアルカリ化に消費されたセメント材料はわずかであることから、その影響はセメント使用量に応じて長期的に続くと考えられた。

論文

REDOX state analysis of platinoid elements in simulated high-level radioactive waste glass by synchrotron radiation based EXAFS

岡本 芳浩; 塩飽 秀啓; 中田 正美; 駒嶺 哲*; 越智 英治*; 赤堀 光雄

Journal of Nuclear Materials, 471, p.110 - 115, 2016/02

 被引用回数:6 パーセンタイル:48.81(Materials Science, Multidisciplinary)

複数種類の温度と雰囲気の組み合わせ熱処理によって調製された模擬ガラス試料中の白金族元素の酸化還元状態を調べるために、放射光EXAFS分析を実施した。まず、EXAFS関数をRuO$$_2$$のような標準物質のスペクトルと比較し、カーブフィッティング解析から構造パラメーターを取得した。加えて、2種類の標準物質のデータの線形結合解析から、金属と酸化物の割合の導出を試み、熱処理温度の上昇に伴い、金属成分の割合が増加することを明らかにした。確認されたロジウムの化学形は、Rh$$_2$$O$$_3$$ではなくRhO$$_2$$であり、酸化物の形態ではルテニウムと同伴した挙動を示すことも明らかになった。

論文

Electrochemical behavior of actinides and actinide nitrides in LiCl-KCl eutectic melts

白井 理*; 山名 元*; 荒井 康夫

Journal of Alloys and Compounds, 408-412, p.1267 - 1273, 2006/02

 被引用回数:41 パーセンタイル:85.07(Chemistry, Physical)

ウラン,ネプツニウム,プルトニウムの金属及び窒化物のLiCl-KCl共晶塩中の電気化学的挙動を、固体電極(Mo)並びに液体電極(Cd, Bi)を用いて調べた。金属の3価/0価の平衡電位は、液体電極上ではアクチノイド金属の活量が低下するために、固体電極の場合よりも正側にシフトした。また、窒化物の平衡電位も、窒化物の生成自由エネルギーにほぼ相当する電位分だけ、正側にシフトした。これらの挙動をアクチノイド系列と希土類系列について比較して議論した。

論文

Plutonium(VI) accumulation and reduction by lichen biomass; Correlation with U(VI)

大貫 敏彦; 青柳 寿夫*; 北辻 章浩; Samadfam, M.; 木村 康彦; Purvis, O. W.*

Journal of Environmental Radioactivity, 77(3), p.339 - 353, 2004/08

 被引用回数:16 パーセンタイル:33.90(Environmental Sciences)

地衣類によるPu(VI)及びU(VI)の濃集実験を行い、吸着したPu及びUの分布をSEMで分析し、溶液中及び吸着したPuの酸化数を吸光光度計で測定した。その結果、Puは地衣の表面に濃集したがUはずい層にも浸透していた。溶液中及び吸着したPuはV及びIVに還元された。一方、UはVIのままであった。これらの結果から、Pu(VI)が地衣類により溶解度の低いPu(IV)に還元されて、地衣表面に濃集したことがわかった。

論文

Effects of heat-transfer on corrosion of zirconium in a boiling nitric acid solution

加藤 千明; 矢野 昌也*; 木内 清; 杉本 克久*

Corrosion Engineering, 52(1), p.53 - 67, 2003/01

沸騰硝酸環境におけるジルコニウムの耐食性に及ぼす伝熱の影響を各硝酸濃度で調べた。伝熱面及び等温浸漬面における腐食減量と電気化学的分極曲線を測定した。その結果、ジルコニウムの腐食速度は等温浸漬面よりも伝熱面の方が大きくなることが明らかになった。その速度は硝酸濃度と溶液温度の上昇により大きくなった。沸騰伝熱面における硝酸の酸化力上昇は、伝熱面上での熱分解による亜硝酸濃度の低下と沸騰バブルによって分解生成物が溶液から排出されることにより引き起こされる。沸騰伝熱面における12mol/dm$$^{3}$$硝酸水溶液の酸化還元電位はジルコニウムの一次不働態皮膜の破壊電位に非常に近づいた。これは、核燃料再処理プロセスの沸騰伝熱面において応力腐食割れが生じることを示唆している。

論文

Thermodynamic study on redox reactions of boiling nitric acid solutions

加藤 千明; 木内 清; 杉本 克久*

Corrosion Engineering, 52(1), p.69 - 85, 2003/01

沸騰硝酸水溶液中における金属の腐食を理解するためには、溶液中、特に沸騰状態における高い平衡電位の発生機構を知る必要がある。最初に、ラマン分光法を用いて硝酸水溶液中に存在する窒素酸化物を分析した。そのうえで、SOLGASMIX計算コードを用いた熱力学的な計算により存在する窒素酸化物量を検討した。ラマン分光分析から硝酸濃度と温度が上昇すると解離していないHNO$$_{3}$$の存在量が多くなった。また、NO$$_{2}$$の存在量は硝酸の熱分解により多くなった。熱力学計算から、硝酸水溶液中に含まれる重要な窒素酸化物はNO$$_{3}$$$$^{-}$$, HNO$$_{3}$$, HNO$$_{2}$$, NO, NO$$_{2}$$であることがわかった。しかしながら、硝酸水溶液中の平衡電位は、おもにHNO$$_{3}$$/HNO$$_{2}$$平衡によって決定された。また、熱力学計算から沸騰伝熱面における硝酸の酸化力上昇は伝熱面上でのHNO$$_{2}$$の熱分解と沸騰バブルによって溶液から分解生成物が連続的に排出することによりHNO$$_{2}$$濃度が低下して生じることが示唆された。

論文

沸騰硝酸水溶液の酸化還元反応に対する熱力学的考察

加藤 千明; 木内 清; 杉本 克久*

材料と環境, 52(1), p.44 - 52, 2003/01

沸騰硝酸水溶液中における金属の腐食を理解するためには、溶液中、特に沸騰状態における高い平衡電位の発生機構を知る必要がある。最初に、ラマン分光法を用いて硝酸水溶液中に存在する窒素酸化物を分析した。そのうえで、SOLGASMIX計算コードを用いた熱力学的な計算により存在する窒素酸化物量を検討した。ラマン分光分析から硝酸濃度と温度が上昇すると解離していないHNO$$_{3}$$の存在量が多くなった。また、NO$$_{2}$$の存在量は硝酸の熱分解により多くなった。熱力学計算から、硝酸水溶液中に含まれる重要な窒素酸化物はNO$$_{3}^{-}$$,HNO$$_{3}$$,HNO$$_{2}$$,NO,NO$$_{2}$$であることがわかった。しかしながら、硝酸水溶液中の平衡電位は、おもにHNO$$_{3}$$/HNO$$_{2}$$平衡によって決定された。また、熱力学計算から沸騰伝熱面における硝酸の酸化力上昇は伝熱面上でのHNO$$_{2}$$の熱分解と沸騰バブルによって溶液から分解生成物が連続的に排出することによりHNO$$_{2}$$濃度が低下して生じることが示唆された。

論文

沸騰硝酸環境におけるジルコニウムの耐食性に及ぼす伝熱の影響

加藤 千明; 矢野 昌也*; 木内 清; 杉本 克久*

材料と環境, 52(1), p.35 - 43, 2003/01

沸騰硝酸環境におけるジルコニウムの耐食性に及ぼす伝熱の影響を各硝酸濃度で調べた。伝熱面及び等温浸漬面における腐食減量と電気化学的分極曲線を測定した。その結果、ジルコニウムの腐食速度は等温浸漬面よりも伝熱面の方が大きくなることが明らかになった。その速度は硝酸濃度と溶液温度の上昇により大きくなった。沸騰伝熱面における硝酸の酸化力上昇は、伝熱面上での熱分解による亜硝酸濃度の低下と沸騰バブルによって分解生成物が溶液から排出されることにより引き起こされる。沸騰伝熱面における12mol/dm$$^{3}$$硝酸水溶液の酸化還元電位はジルコニウムの一次不働態皮膜の破壊電位に非常に近づいた。これは、核燃料再処理プロセスの沸騰伝熱面において応力腐食割れが生じることを示唆している。

報告書

脱窒細菌のアルカリ性及び還元環境下での耐性に関する実験的研究

嶺 達也*; 三原 守弘; 大井 貴夫

JNC TN8430 2000-009, 35 Pages, 2000/07

JNC-TN8430-2000-009.pdf:0.88MB

TRU廃棄物の処分方法として、地層処分施設へ埋設する方法が検討されている。使用済核燃料の再処理埋設より発生するTRU廃棄物である低レベルプロセス濃縮廃液の固化体には、多量の硝酸塩が含まれている。硝酸塩は微生物の脱窒作用により、最終的に窒素まで還元される可能性がある。このため、嫌気条件での微生物による硝酸塩の脱窒にともなって発生する窒素が人工バリアの破壊や人工バリア中の汚染水の押し出しといった物理的な影響を与える可能性があることが指摘されている。したがって、脱窒能を有する微生物(以下、脱窒細菌と記す)が処分システムに与える影響は重要であると考えられる。本研究では、高アルカリ、還元性となる処分環境に対する脱窒細菌の耐性を調査することを目的として、脱窒細菌としてPseudomonas denitrificansを使用し、pH及びEhが脱窒細菌の活性に与える影響を把握するための実験的研究を実施した。その結果、pHが脱窒細菌の活性に与える影響については、本研究で使用した脱窒細菌では、pHが中性より高くなるにつれて低下し、pH=9.5以上では定量下限値以下となることが示された。Ehが脱窒細菌の活性に与える影響については、把握することはできなかったが、試験条件が還元環境に制御されていれば、脱窒細菌は活性を持つことが明らかとなった。いずれにしても、pHが12.5程度の高アルカリとなる処分環境条件においては、本研究で使用した脱窒細菌の活性はEhにかかわらず、中性領域での活性と比較すると小さくなると考えられた。

報告書

雑固体廃棄物の一括溶融処理に関する高温物理化学的研究(III)(核燃料サイクル開発機構 委託研究成果報告書)

岩瀬 正則*

JNC TJ8400 2000-063, 78 Pages, 2000/03

JNC-TJ8400-2000-063.pdf:1.93MB

本研究は、焼却灰を介した溶融金属の酸化反応を制御し、かつそれをスラグ除染に積極的に利用する手段を確立すること最終目的としており、本年は焼却灰の主成分である複数のアルカリ硫酸塩を含む混合溶融塩の物理化学的性質、中でも融体中の酸化物イオンの物理化学的挙動を、溶融塩中のCu2+/Cu+酸化還元平衡によって調査した。2元系、3元系アルカリ金属硫酸塩中のCu2+/Cu+平衡におよぼす諸因子の影響のうち、本年度は特にガス分圧(酸素分圧、SO2分圧)について重点的に調査した。硫酸塩融体中におけるCu2+/Cu+比の酸素分圧、SO2分圧依存の関数形を提示し、その妥当性を熱力学的に検証した。さらに本年度は、高温腐食現象の機構解明の端緒として、複数のアルカリ硫酸塩を含む混合溶融塩中へCr2O3溶解実験を行った。結果から、一定温度および雰囲気において平均イオン半径、換言すれば酸素イオン活量が同じ融体は、同様の酸化物溶解挙動を示すという重要な知見が得られた。

報告書

Sorption studies of plutonium on geological materials - year 2

J. A. BERRY*; M. BROWNSWORD*; D. J. ILETT*; Linklater, C. M.*; Mason, C.*; TWEED, C. J.*

JNC TJ8400 2000-060, 60 Pages, 2000/02

JNC-TJ8400-2000-060.pdf:2.95MB

本報告書では、以下の2つの事項について報告する。異なる酸化条件下における、玄武岩及び砂岩へのプルトニウムの収着挙動を明らかにするために実験的研究を行った。溶液中の酸化還元電位は、還元剤2種類及び酸化剤1種類を使用し、制御を行った。熱力学モデルを使用し、試験結果の解析を行った。今回、酸化鉄をベースとした収着モデルを使用した。砂岩については、プルトニウムの収着データを再現することができたが、玄武岩については、収着データを低めに予測する傾向が見られた。

報告書

ニアフィールドにおける酸化還元反応に関する文献調査

三木 崇史*; 笹本 広; 千葉 保*; 稲垣 学*; 油井 三和

JNC TN8400 2000-007, 32 Pages, 2000/01

JNC-TN8400-2000-007.pdf:0.69MB

本資料では、ニアフィールド母岩や緩衝材中の酸化還元状態を評価する上で重要と考えられる地球化学反応について文献調査をもとに整理した。以下に調査の結果をまとめる。・酸化還元反応に寄与する物質としては、岩石中に含まれる二価鉄を含む鉱物や有機物が重要である。特に、黄鉄鉱は、溶存酸素との反応が比較的速いため、処分場閉鎖後初期の段階では、酸素は黄鉄鉱により消費されると考えられる。・還元性物質による還元能力は、室内での岩石(鉱物)-水反応をもとに、定量的な評価が可能である。なお、二価鉄の含有量が多く、空隙率の大きいほど、岩石の有する還元能が大きいことが期待されている。・還元性物質による溶存酸素の消費速度についても、二価鉄を含む主要な鉱物について、実験的に求められている。また、溶液中に溶解した二価鉄イオンと溶存酸素との反応に関する速度式や速度定数も求められている。 従って、これらの既存の文献でまとめられているデータを用いることにより、坑道掘削に伴い変化するニアフィールド母岩や緩衝材中の地球化学的状態を速度論的に検討することが可能であると考えられる。

論文

表面拡散研究会の海外調査; Migration'99会議に参加して

山口 徹治

原安協だより, (173), p.11 - 14, 2000/01

平成11年9月26日から1週間、米国、ネバダ州レイクタホにおいて開催されたMigration'99(地圏におけるアクチニド元素と核分裂生成元素の化学と移行に関する第7回国際会議)に参加した。原子力安全研究協会の表面拡散研究会の成果の一部を発表し、諸外国の専門家と議論するためであった。筆者は、花崗岩内におけるバリウムイオンの拡散について表面拡散が寄与することを示した実験結果についてポスター発表した。この国際会議は放射性元素の地中挙動評価に対する科学的な裏付けを、最も精力的に議論している国際会議である。発表件数274件、参加者は300余人を数えた。内容的には、溶解度・溶解反応,酸化還元反応,収着現象等の研究において新しい分析手法の発達により反応のしくみが明らかにされつつあること、吸着モデルが開発段階から検証,応用段階へと進みつつあること等が印象的であった。

論文

Migration '99参加記

山口 徹治

原子力バックエンド研究, 6(1), p.147 - 149, 1999/12

1999年9月26日から10月1日まで、米国ネバダ州レイクタホにおいてMigration '99(地圏におけるアクチニド元素と核分裂生成元素の化学と移行に関する第7回国際会議)が開催された。この国際会議は放射性元素の地中挙動評価に対する化学的裏付けを、最も精力的に議論している国際会議である。8時から18時まで参加者全員が一同に会するというスタイルで18のセッション(口頭発表65件)が行われた。また初日と2日目には19時半から22時半までポスターセッションが行われ、熱心な議論が交わされた。発表件数は274件、参加者は303名を数えた。内容的には、溶解度・溶解反応,酸化還元反応,収着現象等の研究において新しい分析手法の発達により反応のしくみが明らかにされつつあること、吸着モデルが開発段階から検証・応用段階へと進みつつあること等が印象的であった。有意義な意見交換の場面が随所に見られた良い会議であった。

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