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論文

Chemisorption behavior of CsOH vapor on UO$$_{2}$$ under high temperatures and various water vapor concentrations

Mohamad, A. B.; 中島 邦久; 井元 純平*; 高野 公秀

Journal of Nuclear Materials, 631, p.156826_1 - 156826_12, 2026/09

It is estimated that considerable amounts of Cs remain in the reactors at the Fukushima Daiichi nuclear power plant and may react with the reactor materials such as UO$$_{2}$$ fuel as reported by our previous paper. In order to understand the chemisorption behavior of CsOH vapor on UO$$_{2}$$ fuel, chemisorption tests between CsOH vapor on UO$$_{2}$$ under different water vapor concentrations and temperatures were performed. As predicted by the thermodynamic analysis, the experimental result indicated that, under the poor water vapor condition, chemisorption to form Cs$$_{2}$$UO$$_{4}$$ occurred even at 1273 K. On the other hand, as predicted by the thermodynamic analysis, the experimental result indicated that, under the rich water vapor condition, chemisorption to form Cs$$_{2}$$U$$_{4}$$O$$_{12}$$ occurred at 1273 K and 1473 K. Therefore, this study demonstrates the crucial role of thermodynamics in predicting the conditions under which chemisorption occurs. In addition, it was suggested that the chemisorption rate of CsOH vapor on UO$$_{2}$$ pellet was considerably higher than that onto type 304 stainless steel.

論文

Real-time inversion of radioactive source distribution using air dose rate measurements via least absolute shrinkage and selection operator method

Shi, W.*; 町田 昌彦; 岡本 孝司*; Luo, X.*; Feng, W.*; Liu, X.*

Reliability Engineering & System Safety, 272, Part1, p.112538_1 - 112538_18, 2026/08

深刻な原子力事故時における緊急対応の信頼性は、放射性線源分布をリアルタイムで確実に監視できるかどうかに大きく依存する。しかし、この安全機能は、監視の死角を生じさせる物理的制約や動的な放出を追跡するには静的手法が不十分であるという問題によって大きく制約されている。本研究では、線源推定の信頼性およびロバスト性を向上させるため、時間正則化を導入したLASSO回帰に基づく動的再構成フレームワークを提案する。具体的には、スライディングウィンドウ型の時間ペナルティ機構を導入し、時間ステップ間の線源変化に対して$$L_2$$ノルム制約を課すことで、物理的連続性を確保する。また、放射線遮蔽や時間的に変動する強度によるバイアスを補正するため、寄与行列および測定ベクトルを正規化した。検証には、内部遮蔽を有する二室モデルを用い、PHITS(モンテカルロシミュレーション)を用いて実施した結果、遠隔測定データから動的線源を高精度に再構成できることが示された。時間正則化は、空間エイリアシングを抑制し、状況認識能力を向上させる。スライディングウィンドウ幅$$T = 1$$(正則化なし)の場合、ホットスポット位置は大きく変動し、平均絶対誤差の変動量は約$$5.4 times 10^{-3}$$であった。一方、$$T geq 2$$では空間的一貫性が改善され、誤差変動量は$$3.1 times 10^{-3}$$程度まで低減した。比較解析の結果、精度と計算コストのバランスの観点から$$T = 2$$が最適であることが示された。本研究は、困難な条件下においても線源位置および強度を高精度で追跡可能とする、動的ハザード評価のためのより信頼性の高い手法を提示するものである。提案手法は、原子力施設における緊急時管理のレジリエンスと安全性を向上させる意思決定支援ツールとしての活用が期待される。

論文

Implementation of ideal cascade model for uranium enrichment to nuclear fuel cycle simulator

阿部 拓海; 鈴木 大河*; 岡村 知拓*; 中瀬 正彦*

Annals of Nuclear Energy, 232, p.112224_1 - 112224_7, 2026/07

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)

Reprocessed uranium is important for sustainable nuclear fuel use. It contains isotopes such as U-232, U-234, and U-236, which influence enrichment and later nuclear fuel cycle steps. To evaluate these effects, nuclear fuel cycle simulators require cascade models capable of handling multi-isotopic uranium. In this study, an ideal cascade model based on the matched abundance ratio cascade was implemented in a nuclear fuel cycle simulator NMB4, developed by the Institute of Science Tokyo and Japan Atomic Energy Agency. A three-component approximation was introduced to simplify calculations. Validation against numerical solutions and experimental data showed good agreement. Compared with the simple coefficient method, the ideal cascade model improved predictions for isotopes such as U-232 and U-236, which affect radiation, separative work, and actinide production. These results demonstrate that the new model enhances the accuracy of reprocessed uranium evaluation, aiding future fuel cycle planning.

報告書

令和6年度工務技術部年報

原子力科学研究所 工務技術部

JAEA-Review 2026-011, 97 Pages, 2026/06

JAEA-Review-2026-011.pdf:4.39MB

工務技術部は、原子力科学研究所及びJ-PARCの水、電気、蒸気、排水等のユーティリティ施設、原子炉施設、核燃料物質使用施設等の特定施設(受変電設備、非常用電源設備、気体・液体廃棄設備、圧縮空気設備)並びに一般施設の機械室設備の運転、保守管理を担っている。さらに、建物・設備の補修・改修工事及び点検・整備業務、電子装置及び機械装置の工作業務も担っている。本報告書は、令和6年度の当部の業務実績の概況、主な管理データ及び技術開発の概要を記録したものであり、今後の業務の推進に役立てられることを期待する。

報告書

高線量かつ不可視環境下での炉内可視化を可能とするレーザ偏向検出型超音波広帯域3Dイメージングシステムの開発(委託研究); 令和6年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 東京科学大学*

JAEA-Review 2026-007, 65 Pages, 2026/06

JAEA-Review-2026-007.pdf:4.67MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和元年度から英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、さまざまな分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究および人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和6年度に採択された研究課題のうち、「高線量かつ不可視環境下での炉内可視化を可能とするレーザ偏向検出型超音波広帯域3Dイメージングシステムの開発」の令和6年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、デブリ切り出し作業の安全性を最大限保証するため、作業中におけるダストおよび濁水環境下での炉内構造物/燃料デブリ形状および飛散物の可視化を数メートルオーダーの距離で可能とし、ロボットや作業アームへの搭載を鑑みて、小型かつ可搬性に優れた超音波装置を用いたレーザ偏向検出型超音波広帯域3Dイメージングシステムの開発を目的としている。令和6年度は、超音波イメージングシステムのイメージング性能評価および高度化/高速化検討、数値シミュレーション、システム試作と実スケール検証、耐放射線性検証、超音波サブミリ測距システムの構築、LIBSへの超音波サブミリ測距システムの適用、計測システムのバッテリ駆動遠隔化などを行い、本報告書に取りまとめた。

報告書

燃料デブリ取り出しに向けた遠隔ロボット-計測技術の統合のための研究教育人材育成(委託研究); 令和6年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 東京大学*

JAEA-Review 2026-001, 140 Pages, 2026/06

JAEA-Review-2026-001.pdf:9.25MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和元年度から英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(1F)の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、さまざまな分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和6年度に採択された研究課題のうち、「燃料デブリ取り出しに向けた遠隔ロボット-計測技術の統合のための研究教育人材育成」の令和6年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、1Fにおける燃料デブリ取り出しに関して、性状把握・キャラクタリゼーションを遠隔で実現するためのロボット技術やセンサ及び放射線計測技術の開発、そして、それらの技術をシステムとして統合できる人材の育成を目指す。また、関連する研究実績や講義等のリソースを再整理することでSEEM学の構築を目指すとともに、実際の教育現場へ展開する。令和6年度の実績としては、過酷環境での放射線計測・センサ技術において、高い放射線耐性が見込める中性子検出器の最適化や放射線の入射イベントを適切に生成できるシミュレータの構築、3次元体積モデル生成のためのローバーの設計・開発を行った。また、取り出し工法に調和した遠隔ロボット技術では、遠隔操作支援のためのシミュレーション及び実機環境の構築と放射線分布推定を実現するためのセンサ構成の検討を行うとともに、運搬機能を備えたモジュール分割型軌道構造体として吊下式多腕型軌道構造体の提案、デブリサンプリングのための軽量化アームの検討、多視点遠隔操縦システム及び軌道計画器に入力するインタフェースを検討した。計測-遠隔ロボット統合技術と実証では、実スケール環境構造モデリングのための画像処理手法の開発や画像データ伝送法の検討、統合DXプラットフォームの開発、センサ・ロボットのモジュール化の基礎検討を行った。そして、廃炉工程を俯瞰した性状把握、キャラクタリゼーションでは、燃料デブリ分布推定に向けた剛体・弾性体解析手法の開発に着手するとともに、気中工法における性状把握・廃棄物管理方針を検討し、ジオポリマーの充填材として適用性を検討した。また、SEEM学の構築では、未知の課題の抽出並びに課題解決方法や高等専門学校におけるSEEM学教育を検討した。

報告書

令和6年度計算科学技術研究実績評価報告

システム計算科学センター

JAEA-Evaluation 2026-003, 41 Pages, 2026/06

システム計算科学センターでは、「国立研究開発法人日本原子力研究開発機構の中長期目標を達成するための計画(中長期計画)」に基づき、原子力分野における計算科学技術研究に関する研究開発を実施してきた。その計算科学技術研究の実績については、計算科学技術研究・評価委員会(以下「委員会」という。)により評価された。本報告は、システム計算科学センターにおいて実施された計算科学技術研究の、令和6年度における業務の実績及びそれらに対する委員会による評価結果をとりまとめたものである。

報告書

Proceedings of the 2024 Symposium on Nuclear Data; November 14-15, 2024, Kumatori Community Center "Smiles Rengakan", Kumatori Town, Osaka, Japan

堀 順一*; 木村 敦; 寺田 和司*

JAEA-Conf 2026-001, 165 Pages, 2026/06

JAEA-Conf-2026-001.pdf:13.0MB

2024年度核データ研究会は、2024年11月14日$$sim$$15日に、大阪府熊取町にある「熊取交流センターすまいるズ煉瓦館」にて開催された。本研究会は、日本原子力学会核データ部会および京都大学複合原子力科学研究所が主催、日本原子力学会「シグマ」調査専門委員会、日本原子力研究開発機構原子力基礎工学研究センター、高エネルギー加速器研究機構が共催した。研究会では、6つの口頭発表のセッションとポスターセッションが開催され、17件の講演と29件のポスターが発表された。参加者数は80名で、それぞれの口頭発表およびポスター発表では活発な質疑応答が行われた。本報告書は、本研究会における口頭発表8件、ポスター発表19件の合計27件の論文を掲載している。

論文

Analysis of fracture conditions of Cr-coated Zr alloy claddings under LOCA conditions calculated using FEMAXI fuel performance code

Luu, V. N.; 谷口 良徳; 宇田川 豊; 田崎 雄大; 勝山 仁哉

Annals of Nuclear Energy, 230, p.112114_1 - 112114_14, 2026/06

 被引用回数:1 パーセンタイル:94.63(Nuclear Science & Technology)

Fracture behavior of chromium (Cr) coated cladding under loss of coolant accident (LOCA) conditions was investigated utilizing the FEMAXI fuel performance code. Cr coating degradation models were introduced to FEMAXI to calculate oxygen diffusion behavior within the cladding tube. The FEMAXI code reasonably simulated the observed evolution of cladding metallic and oxide layers under the simulated LOCA conditions, accounting for factors such as wall thinning due to cladding high temperature creep, Cr layer thinning by Cr$$_{2}$$O$$_{3}$$ formation and Cr/Zr interdiffusion, weight increase by oxygen absorption, associated oxide growth, and increased oxygen concentration in $$beta$$-Zr phase. According to sensitivity analyses of the cladding oxygen concentration, where the effects of wall thickness change and eutectic reactions were taken into account, the fracture condition of the Cr-coated cladding samples can be reasonably modelled by the fracture criteria based on the remaining $$beta$$-Zr thickness with an oxygen concentration of $$leqq$$ 0.9 wt%.

論文

Design study of new 3-GeV proton beam transport line for MLF second target station

山口 雄司; 近藤 恭弘; 明午 伸一郎; 小栗 英知; 大井 元貴; Saha, P. K.; 篠崎 信一; 高柳 智弘; 山本 風海

JPS Conference Proceedings (Internet), 45, p.011162_1 - 011162_7, 2026/06

J-PARCでは、3GeV陽子ビーム輸送施設によって3GeVシンクロトロンから物質・生命科学実験施設へ大強度陽子ビームを輸送しており、最近、設計出力1MWを達成した。この成果を受けて、MLFでは将来計画として中性子、ミュオンビームのさらなる輝度の増大を目指す第2ターゲットステーション(TS2)の建設が検討されている。TS2の計画には新しい陽子ビーム輸送ラインが必要となるため、設計検討を開始した。本発表では、ビームラインの光学や遮蔽等、設計検討の現状を報告する。

論文

Investigation of differences in the mean time between beam trips between normal-conducting and superconducting acceleration cavities

武井 早憲

JPS Conference Proceedings (Internet), 45, p.011175_1 - 011175_7, 2026/06

原子力機構(JAEA)はマイナーアクチニドを効率的に核変換するADSの研究開発を行っている。JAEAが提案するADSは、未臨界炉と大強度超伝導陽子線形加速器の組み合わせである。ADS用陽子加速器の開発課題の一つとしてビームトリップ事象の低減がある。すなわち、ビームトリップ事象により未臨界炉の機器が熱サイクル疲労で損傷するおそれがあるからである。この損傷を防ぐため、ADS用陽子加速器のビームトリップ頻度を許容ビームトリップ頻度以下まで低減させる必要がある。武井らはADS用陽子加速器の許容ビームトリップ頻度を算出するとともに、J-PARCリニアックの運転データを用いてADS用陽子加速器のビームトリップ頻度を推測した。推測では、J-PARCリニアックのイオン源、RFQ、常伝導加速空洞における5年分の運転データを用いた。その結果、ビームトリップ時間が10秒を超えるビームトリップ頻度は許容ビームトリップ頻度を満たさないことがわかった。ところで、大強度陽子リニアックの一つであるSNSの超伝導加速空洞におけるビームトリップ事象のデータが公表された。このデータは超伝導空洞を用いるADS用陽子加速器のビームトリップ頻度を推測するうえで重要となる。そこで、本研究では、J-PARCリニアックにおける常伝導加速空洞とSNSリニアックの超伝導加速空洞における平均ビームトリップ間隔を比較し、両者の相違などについて述べる。

論文

Activation experiment of the $$^{rm nat}$$Ag(p,X) reaction at J-PARC

杉原 健太*; 明午 伸一郎; 岩元 大樹; 前川 藤夫

JPS Conference Proceedings (Internet), 45, p.011181_1 - 011181_10, 2026/06

加速器駆動システムなどの加速器施設では、残留ガンマ線量率を見積もることが不可欠である。計算機性能の向上により、物理モデルによる核種生成断面積の予測が可能になったが、モデルの予測精度をさらに確認する必要がある。そこで、われわれは、J-PARCで放射化技法を用いて様々な標的に陽子を照射し、核種生成断面積を測定してきた。本研究では、$$^{rm nat}$$Ag(p,X)反応の核種生成断面積を測定した。

論文

No detectable impact of ALPS-treated water discharge on tritium levels in terrestrial waters of the upper Ota River catchment, Fukushima, Japan

佐久間 一幸; 吉村 和也

Journal of Environmental Radioactivity, 297, p.108055_1 - 108055_4, 2026/06

トリチウム($$^{3}$$H)は、福島第一原子力発電所(FDNPP)から放出されるALPS処理水中に残留する主要な放射性核種であり、その環境への潜在的な影響は大きな注目を集めている。陸域への影響を評価するため、福島県内の太田川上流域において、降水、地下水、河川水中の$$^{3}$$H濃度をモニタリングした。2023年8月の海洋放出開始前後に、月次で試料を採取した。時系列比較の結果、放出開始後、いずれの環境水においても$$^{3}$$H濃度の顕著な上昇は認められなかった。非パラメトリック統計解析により、地下水および河川水において有意な差がないことが確認された。観測された変動は、日本の降水における自然のバックグラウンドレベルおよび既知の季節的パターンと一致していた。これらの結果は、ALPS処理水の放出が、調査地域の陸域水に対して検出可能な影響を与えていないことを示している。

論文

Cold sintering of whitlockite-based phosphate ceramics for ALPS carbonate slurry waste immobilization

Gubarevich, A.*; 久保 遼太郎*; 有阪 真; 大杉 武史; 吉田 克己*; 竹下 健二*

Journal of Nuclear Science and Technology, 63(6), p.667 - 676, 2026/06

 被引用回数:1 パーセンタイル:54.69(Nuclear Science & Technology)

多核種除去設備(ALPS)で発生する炭酸塩スラリー廃棄物を固定化・固化するため、これらの廃棄物をリン酸カルシウムおよびリン酸マグネシウム相に変換する化学変換プロセスと続いてそれらを緻密化する新しい低温焼結プレス(CSP)技術の導入について検討した。炭酸カルシウム-マグネシウムスラリーの模擬物をリン酸処理してリン酸カルシウムおよびリン酸マグネシウムを合成し、CSPを用いて300-500$$^{circ}$$Cで焼結した。カルシウムとマグネシウムの比率、ストロンチウムの取り込み、および塩化ナトリウムの添加が相組成およびCSPの緻密化に及ぼす影響を調査した。バルクサンプルを作製し、X線回折、走査型電子顕微鏡、エネルギー分散型X線分光法、およびアルキメデス法を用いて特性評価を行った。これらの結果から、(1)化学変換プロセスによってウィットロカイトとニューベライトが形成され、カルシウムとマグネシウムの比率によってこれらの相の相対的な割合が決定されること、(2)ストロンチウムはウィットロカイトの結晶構造に効果的に組み込まれ、ニューベライトは脱水促進プロセスによって緻密化を促進すること、(3)塩化ナトリウムは化学変換に影響を与えず、最終的な固体生成物には含まれないことがわかった。これらの結果は、炭酸カルシウム-マグネシウムスラリーをウィットロカイト系リン酸塩セラミックスに直接変換し、その後CSPを行うことで安定した固化が可能になることを示しており、この方法がALPS炭酸塩スラリー廃棄物の管理に有望であることを示している。

論文

Water-leaching behavior for cesium chemisorbed on stainless steel at room temperature

中島 邦久; 井元 純平*; 西岡 俊一郎*; 逢坂 正彦; 三輪 周平

Journal of Nuclear Science and Technology, 63(6), p.727 - 736, 2026/06

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)

ステンレス鋼に化学吸着されたセシウム(Cs)の長期的な溶解挙動を調べるため、303Kでの水浸出試験を実施した。その結果、Csは1200時間経過後も水に溶解し続け、Csはリング状粒子としてケイ素と共存していることがわかった。このことから、既存のシビアアクシデント解析コードに組み込まれているCsの化学吸着モデルで定義されている水不溶性Csでさえ、リング状のCsケイ酸塩粒子から長期間にわたってCsが水に溶出することが明らかとなった。さらに、これらの水浸出挙動については、Noyes-Whitneyの式でうまく記述できたことから化学吸着モデルにおける水不溶性Csの水溶解モデルの開発につながる可能性を示唆した。これらの知見から、福島第一原子力発電所の原子炉圧力容器内で化学吸着したCsについては、長期的な再分布が起こる可能性があることを意味しており、水相を介したCsの再分布を予測するための水溶解モデルが必要になることが分かった。

論文

Neutron capture cross-section measurements at TC-Pn in KUR for tungsten among nuclides in decommissioning

中村 詔司; 芝原 雄司*; 木村 敦; 遠藤 駿典; Rovira Leveroni, G.

KURNS Progress Report 2025, P. 101, 2026/06

本研究は、生成放射能を評価するために、廃止措置で問題となる核種について熱中性子捕獲断面積を測定するものである。本件では、対象核種の中から$$^{186}$$Wを選定し、京大原子炉にて放射化法によりその熱中性子捕獲断面積を測定した。今回、結果の再現性を確認するために2回の断面積測定を行い、$$^{186}$$W(n,$$gamma$$) $$^{187}$$W反応について43.5$$pm$$1.2 barns、43.1$$pm$$1.3 barnsを得た。従来の評価値38.1$$pm$$0.5 barnsは、1.4%ほど過小評価されている可能性がある。得られた断面積の結果の確かさを検証するために、Wを中性子束モニタとして使用した照射実験を1回実施した。今回得られた断面積の結果は、AuやCoモニタで求められる中性子束の結果と整合性のある中性子束を与えることを確認できた。

論文

Development of a fiber laser-based method to generate Cs-bearing microparticles from glass fiber filters

萩原 大樹; 小菅 淳; 斉藤 淳一; 浪江 将成; 木曽原 直之; 峰原 英介*; 坪井 昭彦; 石森 有

Next Research (Internet), 8, p.101581_1 - 101581_9, 2026/06

To understand how Type-A Cs-bearing microparticles were generated at the Fukushima Daiichi nuclear power plant, identifying the materials from which these particles originated is important. In this study, we focus on a methodological approach for generating Cs-bearing microparticles by laser irradiation of glass-fibers-based filter materials, with the aim of producing surrogate particles under controlled laboratory conditions. To evaluate this approach, a series of experiments was conducted, including vapor-phase exposure and aqueous loading of Cs, Fe, and Zn onto filter substrates, followed by laser irradiation to induce rapid, localized high-temperature effects. Morphology and size distributions of the Cs-containing surrogate particles were found to be comparable to those reported for Type-A particles, within the scope of the applied analytical methods. Overall, a reproducible laboratory framework was established for producing Cs-bearing surrogate microparticles suitable for systematic characterization, while not aiming to fully reproduce specific accident conditions.

論文

Implementation of a new function for handling nuclear data of outgoing particles and residual excitation states in PHITS

古田 琢哉; 橋本 慎太郎; 小川 達彦; 谷村 嘉彦

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 1086, p.171320_1 - 171320_8, 2026/06

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Instruments & Instrumentation)

物質に対する中性子照射から荷電粒子が放出される反応において、放出粒子と特定の励起状態にある残留核を同時に扱う核データライブラリを組み込むための新機能を、モンテカルロシミュレーションコードである 粒子・重イオン輸送計算コードPHITSに実装した。本機能により、残留核の生成および脱励起ガンマ線の放出を考慮しつつ、各事象における全エネルギーおよび運動量保存を満たした上で、核データライブラリに基づく放出粒子のエネルギースペクトルおよび角度分布の高精度な予測が可能となる。この機能を用いることで、検出器応答や材料中の放射線損傷の高精度シミュレーションが実施できる。

論文

Floating object removal in underwater ROV video images using segment anything model and generative image in-painting

高橋 弘毅*; 加藤 徹*; 山下 圏*; 土井 章男*; 今渕 貴志

Artificial Life and Robotics, 31(2), p.598 - 610, 2026/05

To create accurate 3D models from video footage, it is essential to use high-quality videos without floating objects that could interfere with the process. In this study, we applied the Segment Anything Model (SAM) and Generative Image Inpainting to enhance the quality of video frames by detecting and removing floating objects on a frame-by-frame basis. The results demonstrated the effectiveness of this approach in detecting and eliminating such objects, contributing to the improvement of video quality.

論文

異なる粒径を有する粒子充填層の透過率およびForchheimer係数

河部 友三郎*; 佐野 吉彦*; 桑原 不二朗*; 上澤 伸一郎; 吉田 啓之

第63回日本伝熱シンポジウム講演論文集(インターネット), 1 Pages, 2026/05

東京電力福島第一原子力発電所の原子炉格納容器(PCV)内に存在する燃料デブリの熱挙動を推定するため、多孔質体モデルを追加したJUPITERコードによる解析手法の開発が進められている。しかしながら、多孔質体の内部構造に応じたモデルおよびそのパラメータの選定が、シミュレーション結果に大きく影響することが明らかとなっており、これらを適切に選定する手法の確立が求められている。本研究では、多孔質体の一形態である粒子充填層に着目し、その流動特性を記述するモデル定数の算出手法について検討を行った。特に、粒径比や充填構造が不均一な粒子充填層に関する系統的な知見は限られており、構造差を考慮した包括的な整理は十分になされていないことから、本研究では数値シミュレーションを用いて、粒径比や充填構造が異なる粒子充填層の透過率、Forchheimer係数について評価した。得られた結果に基づき粒子充填層の構造特性に応じてこれらのパラメータを適切に算出する手法を提案するとともに,多孔質体内の流動解析モデルの精度向上を確認した。

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