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Verzilov, Y. M.; 佐藤 聡; 落合 謙太郎; 和田 政行*; Klix, A.*; 西谷 健夫
Fusion Engineering and Design, 82(1), p.1 - 9, 2007/01
被引用回数:10 パーセンタイル:57.29(Nuclear Science & Technology)増殖ブランケット核特性実験に使用するベリリウムの核的特性の検証を目的として、ベリリウム体系の積分ベンチマーク実験を原子力機構FNSで実施した。直径628mm,厚さ355mmの疑似円柱体系に14MeV中性子を照射し、体系内に埋め込んだ炭酸リチウムペレットのトリチウム生成率を液体シンシレーションカウンタ法で測定した。実験結果は、中性子モンテカルロコードMCNP-4Cで解析した。なお中性子輸送用核データとしてはFENDL/MC-2.0及びJENDL-3.2/3.3、リチウムの反応率用にはJENDLドジメトリファイル及びENDF/B-VIを使用した。どの核データを使用した計算も、実験値と誤差10%以内で一致し、ベリリウムの核的特性に大きな問題はないことを確認した。
西谷 健夫; 山内 通則*; 西尾 敏; 和田 政行*
Fusion Engineering and Design, 81(8-14), p.1245 - 1249, 2006/02
被引用回数:13 パーセンタイル:64.88(Nuclear Science & Technology)低アスペクト比(アスペクト比2.3)のトカマクVECTORにおいて、超電導トロイダル磁場コイルの十分な遮蔽と1以上のトリチウム増殖比を確保することを目標に中性子工学設計を行った。増殖ブランケットとして自己冷役型LiPbブランケットを採用した場合、外側にLiPb自己冷役型ブランケットだけでは1以上のトリチウム増殖比は困難であるが、水素化バナジウムを主遮蔽材とする内側ブランケットに約13cm厚のLiPb層を追加することにより、内側超電導トロイダル磁場コイルの遮蔽と、1以上のトリチウム増殖比を同時に満足できることを示した。
山内 通則*; 西谷 健夫; 西尾 敏
電気学会論文誌,A, 125(11), p.943 - 946, 2005/11
内側トロイダル磁場コイルに超伝導を用いた低アスペクト比トカマク炉を実現するために、中性子工学の観点から遮蔽体やトリチウム増殖ブランケットの設計条件を検討した。炉の形状を考慮するとトーラス内側は超伝導コイルの遮蔽専用、トーラス外側はトリチウムの増殖を主たる機能に特化するのが有利と考え、内側遮蔽体には先進的な遮蔽材を採用して最適な組成とコイル遮蔽に必要な遮蔽厚さを評価した。また外側には、先進的なトリチウム増殖材を用いて、増殖比を最大にするために最適なブランケットの組成や構造を検討した。さらに、アスペクト比に対するトリチウム増殖比の変化を求め、アスペクト比が22.5程度の幾つかのブランケット構造に対するトリチウム増殖比とそれらを1.1以上にするための条件を明らかにした。
大久保 努; 内川 貞夫; 久語 輝彦; 秋江 拓志; 竹田 練三*
Proceedings of International Conference on Nuclear Energy System for Future Generation and Global Sustainability (GLOBAL 2005) (CD-ROM), 6 Pages, 2005/10
軽水炉技術に立脚した将来の持続的なエネルギー供給のため、革新的水冷却炉(FLWR)概念の研究を原研で進めている。本論文では、種々の再処理方法の下でのFLWRのリサイクル特性の検討結果を報告する。転換比が0.9程度の高転換型炉心においても、比較的高い除染係数を有する簡素化PUREX法の下で、核分裂性プルトニウムの割合が60%以上であれば、リサイクルが可能である。増殖型炉心においては、比較的低い除染係数を有し全MAをリサイクル再処理法の下でもリサイクル可能であり、自らの炉から発生する全てのMAがリサイクルできることが示された。しかし、MAやFPの混入量に応じて炉心性能は低下する。
内川 貞夫; 大久保 努; 久語 輝彦; 秋江 拓志; 中野 佳洋; 大貫 晃; 岩村 公道
Proceedings of International Conference on Nuclear Energy System for Future Generation and Global Sustainability (GLOBAL 2005) (CD-ROM), 6 Pages, 2005/10
軽水炉技術に立脚し、現行軽水炉燃料サイクルに適合したプルトニウム有効利用を実現し、将来的には同一炉心構成の下で増殖型への発展が可能な革新的水冷却炉概念(FLWR)を、低減速軽水炉概念を発展させて構築した。本論文では、軽水炉技術によるプルトニウム利用高度化の考え方,FLWRの基本構成と主要特性、並び関連する要素技術の研究開発状況を報告する。
秋本 肇; 玉井 秀定; 大貫 晃; 高瀬 和之
日本混相流学会年会講演会2005講演論文集, p.229 - 230, 2005/08
日本原子力研究所(原研)では、軽水炉技術をベースとし、プルトニウムの有効利用を図るため、転換比1を超える性能を視野に入れた超高燃焼水冷却増殖炉(RMWR; Reduced-Moderation Water Reactor)の設計研究を進めている。水冷却増殖炉では、炉物理上の要請から減速材体積割合を低減する必要がある。このため、燃料棒間隙が1mm程度の稠密格子燃料集合体が採用されており、その除熱性能を把握することが炉心熱設計の重要な課題であり、実験と3次元二相流解析技術の開発を2002年から進めている。本報告では、稠密格子燃料集合体の除熱技術開発に関する研究計画の概要と37本バンドル試験部による稠密格子炉心熱特性試験,モデル実験などで得られた主な実験結果について報告する。
Verzilov, Y. M.; 落合 謙太郎; 西谷 健夫
Fusion Science and Technology, 48(1), p.650 - 653, 2005/07
被引用回数:7 パーセンタイル:44.26(Nuclear Science & Technology)ブランケット設計のための核特性実験においては、トリチウム生成率の精度を確認することが必要である。実験体系はブランケットの設計にしたがって、できるだけ忠実に模擬した多層体系が必要であり、その中のトリチウム生成率分布を測定する手法は、感度と位置分解能が大きく、かつ中性子場を乱さないことが重要である。トリチウム生成率の精度検証のためにはトリチウム生成率を直接測定することが必要である。ここでは炭酸リチウムの粉末を圧縮したぺレットをトリチウム増殖層の埋め込み、照射後、ペレットを酸で溶解し、中和後液体シンチレーション法で測定する。2Bq/gのトリチウム生成量で測定誤差5%が得られるが、FNSでは8時間以上の照射が必要となる。間接的測定法はパラメータサーベイ的な実験に便利である。もしリチウムと同じようなエネルギー応答関数を持つ放射化反応があれば、リチウムペレットの代用として使用できる。そこでLiのトリチウム生成反応に対し
P(n,
)
P、
Liのトリチウム生成反応に対し
S(n,p)
Pに着目し、ぺレットとしてNH
PH
O
.とCH
SO
CH
を採用した。これらを用いることにより、リチウムのぺレットの1/100の照射事件で十分な計数を得られることを明らかにした。
岩村 公道; 内川 貞夫; 大久保 努; 久語 輝彦; 秋江 拓志; 中塚 亨
Proceedings of 13th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-13) (CD-ROM), 8 Pages, 2005/05
原研では、実績のある軽水炉技術と軽水炉MOX利用技術に基づき、プルトニウムの有効利用を実現し、将来の持続的エネルギー供給を可能にする革新的水冷却炉(FLWR)を開発している。炉心以外は現行軽水炉技術を利用するため、運転・保守性に優れる。炉心は燃料棒を稠密に配置し、高速炉に近いスペクトルを実現して、燃料の転換比を高める。本概念は、高転換型炉心と、低減速軽水炉炉心との2段階からなる。前者は、軽水炉やMOX軽水炉の代替プラントとして導入するもので、再処理工場からの回収プルトニウムを少数基で集中的に利用できる。後者では、さらに炉心を稠密化し、増殖を伴うMOX燃料多重リサイクル利用に移行し、天然ウラン資源消費量を抑制する。2つの炉心は同一サイズの六角燃料集合体を使用しており、集合体内の燃料棒本数や燃料棒間隔,プルトニウム富化度などを変更することで、燃料サイクル環境に柔軟に対応できる。
久語 輝彦; 小嶋 健介; 安藤 真樹; 岡嶋 成晃; 森 貴正; 竹田 敏一*; 北田 孝典*; 松岡 正悟*
Proceedings of 2005 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP '05) (CD-ROM), 10 Pages, 2005/05
MOX燃料稠密格子水冷却炉心用に実施したFCA臨界実験を活用して、バイアス因子法に基づき、水冷却増殖炉実機炉心性能の予測誤差の低減を予備的に評価した。kに対する予測誤差は、FCA-XV-2(65V)炉心の結果を用いることにより、0.62%から0.39%に減少した。
U捕獲対
Pu核分裂反応率比については、実機の上部炉心及び上部ブランケットに対しては、FCA-XXII-1(95V)炉心及びFCA-XV-2(95V)炉心が適し、実機の下部炉心及び中間ブランケットに対しては、FCA-XXII-1(65V)炉心及びFCA-XV-2(65V)炉心が適していることがわかった。
与能本 泰介; 秋江 拓志; 小林 登; 大久保 努; 内川 貞夫; 岩村 公道
Proceedings of 6th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics, Operations and Safety (NUTHOS-6) (CD-ROM), 11 Pages, 2004/10
低減速軽水炉RMWRは、産業界と協力し原研で検討が進められている高転換軽水冷却炉である。高富化度のプルトニウム燃料を使用することから、液体金属冷却増殖炉と同様に、安全性の検討ではシビアアクシデント時の再臨界性の検討が重要である。本研究では、この問題を検討するためRMWRのシビアアクシデントの特徴を検討した。これまでの検討より、(1)炉心で再臨界が生じると仮定する場合でも、水が存在しないことから機械的な衝撃は小さい,(2)下部ヘッドにおいて燃料と被覆材がよく混合しデブリベッド上面が平らな場合、再臨界状態にならない,(3)下部ヘッドにおいて燃料のみが球状に集積することを想定する場合でも、現実的な形状の中性子吸収材の設置により再臨界を防止することができる、等の結果が得られている。
Verzilov, Y. M.; 落合 謙太郎; Klix, A.; 佐藤 聡; 和田 政行*; 山内 通則*; 西谷 健夫
Journal of Nuclear Materials, 329-333(Part2), p.1337 - 1341, 2004/08
被引用回数:4 パーセンタイル:28.86(Materials Science, Multidisciplinary)これまで濃縮チタン酸リチウム,ベリリウム及び低放射化フェライト鋼F82Hから構成された多層ブランケット模擬体系に対して14MeV中性子源FNSを用いた核特性系積分実験を実施してきたが、実測されたトリチウムの生成率はモンテカルロ中性子輸送計算コードMCNPと核データJENDL-3.2による計算値よりトリチウム増殖層平均で20%小さかった。その主要な原因として、ベリリウム中の微量不純物(B, Li, Gd等)が寄与していると考察し、FNSを用いて中性子透過実験を行い、実験的評価を行った。大きさの異なるベリリウム単体の体系にパルス状DT中性子を入射し、BF3中性子検出器により、熱中性子束の減衰時間を測定した。全ての試験体で、測定した熱中性子の減衰時間は計算値より早かった。これはベリリウム中の微量不純物により熱中性子束が吸収されるためと考えられる。熱中性子の減衰時間から実行的な吸収断面積を評価した結果、核データから評価した断面積より30%大きな値が得られた。不純物の主要成分を検討し、トリチウム増殖率への影響を評価している。
Verzilov, Y. M.; 落合 謙太郎; 佐藤 聡; 和田 政行*; 山内 通則*; 西谷 健夫
JAERI-Research 2004-005, 30 Pages, 2004/03
ほとんどの核融合炉の概念設計において、ブランケットにおける中性子増倍材としてベリリウムの利用が提案されている。その核融合炉のトリチウム増殖比やベリリウムの放射化と核変換の評価においてはベリリウムの詳細な化学組成が必要である。本報告ではトリチウム増殖比の評価に関連する詳細な不純物分析に特に注目した。ここでは2つの異なった方法で不純物を調べた。1つはICP質量分析法による一部の試料の分析であり、もう1つはパルス化中性子を用いたベリリウム体系の積分的分析である。特に後者はLiによるトリチウム生成に対するベリリウム中の不純物の積分的効果の最も有効な分析法として提案した。D-T中性子のパルスをベリリウム体系に入射し、その後の熱中性子密度の時間変化を観測することにより積分的効果を評価した。本研究では構造材級ベリリウムを使用した。この不純物の影響は寄生的な中性子の吸収により実験で得られた
Liによるトリチウム生成の反応率を減少させる。核データセットJENDL-3.2を用いたMCNPモンテカルロ計算と実験値を比較した結果、測定された吸収断面積は製作会社の特性値から評価した値より約30%大きくなった。ベリリウム中のLi, B, Cd等の不純物はたとえ10ppm以下でも吸収断面積に影響する。
鹿園 直哉; 長谷 純宏; 坂本 綾子; 大野 豊; 田中 淳
JAERI-Conf 2004-001, 72 Pages, 2004/03
日本原子力研究所(原研)ではイオンビームを用いた植物資源創成の研究を進めている。このイオンビーム育種の研究開発の現状を把握し、将来を展望して研究計画に反映させることを目的として、昨年高崎研究所イオンビーム生物応用研究部を中心に第1回イオンビーム生物応用ワークショップを開催した。さらに高崎研究所イオンビーム生物応用研究部は本年、この研究分野の産学官の連携を効率的に進めるとともに、関連研究者が一堂に会しこの研究を今後より一層発展させることを目指し、第2回イオンビーム生物応用ワークショップを主催した。本ワークショップは、平成15年11月21日日本原子力研究所高崎研究所ベンチャー棟大会議室において、日本原子力研究所高崎研究所主催、日本育種学会, 日本原子力学会関東・甲越支部、及び日本遺伝学会共催で行われ、134人が参加した。イオンビーム照射技術による生物応用研究,イオンビーム育種技術をもちいた品種改良並びに今後の研究展開に関して非常に質の高い、充実した発表がなされた。今後イオンビームによりますます多くの有用な植物資源が創成されることが期待される。
秋場 真人; 石塚 悦男; 榎枝 幹男; 西谷 健夫; 小西 哲之
プラズマ・核融合学会誌, 79(9), p.929 - 934, 2003/09
原研における超臨界圧水を冷却水に用いた核融合発電プラント用ブランケットの設計,開発の現状に関するレビュー論文である。原研では超臨界圧水を用いた核融合発電プラントの概念設計を進めた結果、システムの発電効率として40%以上が得られる見通しを得た。この成果に基づき、発電プラント用ブランケットのより詳細な構造検討を実施した。まず2次元コードを用いてブランケット内の固体増殖・増倍材の温度分布を評価し、各々の充填層の厚さを決定した。これに基づいて2次元輸送コードを用いてトリチウム増殖比の評価した結果、局所で1.4以上、全体で1以上のTBRを得られる見通しを得た。さらに複雑な構造の製作手法として高温等方加圧法を採用して第一壁の模擬試験体を製作し、5000回以上の熱サイクルに耐えることを実証した。
鈴木 哲; 上田 良夫*; 徳永 和俊*; 佐藤 和義; 秋場 真人
Fusion Science and Technology, 44(1), p.41 - 48, 2003/07
被引用回数:30 パーセンタイル:85.75(Nuclear Science & Technology)本論文は日本における核融合発電プラントのダイバータ、プラズマ対向機器に関する研究のレビューである。発電プラントの実現に向けて、トリチウム増殖比や熱・粒子相互作用を考慮したプラズマ対向材料の選定,発電に向けた伝熱流動の研究,プラズマ対向材料として最も有望なタングステンに関する接合技術などの製作技術開発、そして発電プラントの設計などの我が国の研究の現状について報告する。
古作 泰雄; 黒田 敏公*; 榎枝 幹男; 秦野 歳久; 佐藤 聡; 佐藤 真一*; 大崎 敏雄*; 三木 信晴*; 秋場 真人
JAERI-Tech 2003-058, 69 Pages, 2003/06
ITERの増殖ブランケット設計は、中性子増倍材微小球充填層中にトリチウム増殖材微小球の管状充填層(BIT)を置く構造を採用している。設計は、遮蔽ブランケットと同一のモジュール支持構造と冷却マニフォールドを使用することを仮定したものである。本研究では、微小球充填層型増殖ブランケットに特有の設計課題である、トリチウム増殖性能核解析,トリチウム放出挙動解析,ペブル充填層を考慮した熱機械特性解析を実施し、設計が妥当であることを明らかにした。
核融合炉研究委員会; 核融合材料研究委員会
JAERI-Review 2003-015, 123 Pages, 2003/05
拡大核融合炉・材料合同研究委員会が、2002年7月12日に東京で開催された。この合同研究委員会では、原研及び大学におけるブランケット,材料及び国際核融合材料照射施設(IFMIF)の開発計画と開発の現状に関する報告が行われるとともに、今後の原研と大学の協力に関する議論が行われた。本報告書は、合同委員会で用いられた資料及びその纏めから構成されている。
岡村 正愛*; 安野 紀子*; 大塚 雅子*; 田中 淳; 鹿園 直哉; 長谷 純宏
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 206, p.574 - 578, 2003/05
被引用回数:93 パーセンタイル:97.72(Instruments & Instrumentation)近年、イオンビームの突然変異率が線等に比べて高いことが植物でも報告されているが、変異のスペクトルについては不明である。本研究ではイオン照射と組織培養を組み合わせる方法を使って、花色及び花弁の形態変異を誘発する効率について調査した。カーネーション(品種ビタル,チェリーピンク,フリル花弁)から採取した葉にカーボンイオンもしくはX線を照射し、シュートが再生されるまで培地上で培養した。カーボンイオン照射では、705個体の再生植物体から16個体の変異体が得られた。これらの変異体は非常にバラエティーに富んでおり、ピンク,濃ピンク,淡ピンク,サーモン,レッドの花色に加え、複色やストライプの花色,丸弁やダイアンサスタイプの花弁を持つ個体が得られた。それに対して
線では、556個体の再生植物体から7個体の変異体が得られたが、それらはピンク,濃ピンク,淡ピンクの3種類だけであった。これらの結果は、イオンビームがX線に比べて花色及び花弁の形態変異において広い変異スペクトルを有すること、ならびに、イオン照射と組織培養を組み合わせた方法によって短期間で実用品種を育成できることを示している。
寺田 泰陽*; 落合 謙太郎; 佐藤 聡; 和田 政行*; Klix, A.; 山内 通則*; 堀 順一; 西谷 健夫
JAERI-Research 2002-019, 70 Pages, 2002/10
低放射化フェライト鋼 F82Hは核融合炉の有力な構造材料である。核融合中性子源FNSを用いて、F82Hの放射化特性を得ることを目的として原型炉ブランケット模擬体系に対するD-T中性子照射試験を行い、F82Hシート,クロム箔,タングステン箔における放射性核種56Mn,54Mn,51Cr,187Wの生成反応率を測定した。併せて、評価済み核データJENDL-3.2とFENDL/E-2.0を用いてモンテカルロ輸送コードMCNPによる計算値との比較検討を行った。計算結果は、56Mn,54Mn,51Crともに10~20%程度の精度で測定結果と一致した。しかし、タングステンに関しては、30~40%の精度であることがわかった。また、タングステンの放射化断面積に使用する核データによって大きく計算結果が変わり、タングステンの中性子捕獲反応の共鳴領域における断面積評価に核データによって相違があることを示唆する結果となった。
柳 義彦*; 古作 泰雄; 秦野 歳久; 黒田 敏公*; 榎枝 幹男; 秋場 真人
JAERI-Tech 2002-046, 45 Pages, 2002/05
ITER増殖ブランケットにおいて熱サイクルで誘起されるペブル充填層と増殖管との熱機械的相互作用を評価するため、模擬試験体を製作し熱サイクル試験を実施した。ペブル充填層の熱挙動は、ぺブル間ですべりを生じるなどの粒子充填層での複雑な機械挙動により、解析で予測するのは困難である。そのため、実機ITER のBIT(Breeder Inside Tube)設計を模擬した試験体を設計し、熱サイクルによる構造健全性を実証した。増殖材としてLiTiO
ぺブルを増殖管に充填し、中性子増倍材であるBe の模擬材としてAl ペブルを用いた。加熱試験では、増殖管の中心に配したヒータにて、増殖材Li
TiO
を加熱し外部を常温の水で冷却し、増殖材の温度はヒータの出力で制御した。昇温、降温を繰り返す熱サイクル試験の後、X 線-CT 装置を用いて試験体の断層寸法を観察した。試験の結果、ヒータの最高温度600
Cで5 回の熱サイクル試験後においても充填率の顕著な変化は観察されなかった。また、管の膨れやペブルの割れも観察されなかった。以上の結果から、増殖管と増殖ペブル充填層の熱サイクルに対する機械的健全性を確認した。