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報告書

平成30年度東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故に伴う放射性物質の分布データの集約(受託研究)

福島マップ事業対応部門横断グループ

JAEA-Technology 2019-019, 135 Pages, 2020/03

JAEA-Technology-2019-019.pdf:22.01MB

東京電力福島第一原子力発電所(福島第一原発)事故発生後、文部科学省(後に原子力規制庁)からの委託を受け、平成23年6月から平成30年度まで放射性物質の分布状況調査等を実施してきた。本報告書は、平成30年度に実施した調査により得られた結果をまとめたものである。走行サーベイ、サーベイメータによる平坦地上の測定、歩行サーベイ及び無人ヘリコプターサーベイを実施し、測定結果から空間線量率分布マップを作成するとともに空間線量率の経時変化を分析した。放射性セシウムの土壌沈着量に関しては、in-situ測定及び土壌中深度分布調査をそれぞれ実施した。これら測定結果を基に空間線量率及び沈着量の実効半減期を評価した。これまでの分布状況調査で得られた放射線モニタリングデータや既存のモニタリングポストの設置位置などを考慮して測定箇所の重要度の「スコア」化を試みた。階層ベイズモデルを用いて、福島第一原発から80km圏内全域を対象として、航空機モニタリング、走行サーベイ、歩行サーベイにより取得した空間線量率分布データを統合した統合マップを作成した。平成30年度の測定結果を「放射線量等分布マップ拡大サイト」に公開するとともに、測定データをCSV化しデータベースとして保存した。国の総合モニタリング計画に基づく放射線モニタリング及び環境試料分析を実施した。

報告書

放射性核種の長期安定化を指向した使用済みゼオライト焼結固化技術の開発(委託研究); 平成30年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉国際共同研究センター; 芝浦工業大学*

JAEA-Review 2019-028, 71 Pages, 2020/03

JAEA-Review-2019-028.pdf:6.46MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉国際共同研究センター(CLADS)では、平成30年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、平成30年度「放射性核種の長期安定化を指向した使用済みゼオライト焼結固化技術の開発」について取りまとめたものである。本研究は、継続して発生するCs等の放射性核種を吸着したゼオライト(使用済みゼオライト)の焼結固化法の開発を目的とする。焼結固化法は、使用済みゼオライトにガラスをバインダーとして添加し、それらを焼結することで核種を固定化する新たな固化法である。本法は、ガラス固化と比較して固化体の大幅な減容や焼成固化と同程度の安定な固化体の形成が期待できる。本事業では、コールド試験により焼結固化に適したガラスの選定、焼結温度等の最適化を図りホット試験で実証する。平成30年度においてバインダーの候補ガラスの熱特性、及び加熱雰囲気が焼結固化に及ぼす影響について調査した。また、放射性核種を含む模擬汚染水を作成するための照射済燃料を選定し、試料の状態を確認した。さらに、ゼオライトの固化、焼成固化等に関する既存の研究成果及び最新の研究動向を調査した。

報告書

Fission product chemistry database ECUME version 1.1

性能高度化技術開発グループ

JAEA-Data/Code 2019-017, 59 Pages, 2020/03

JAEA-Data-Code-2019-017.pdf:3.26MB
JAEA-Data-Code-2019-017-appendix(CD-ROM).zip:0.09MB

核分裂生成物(FP)化学挙動データベースECUME($$underline{E}$$ffective $$underline{C}$$hemistry database of fission products $$underline{U}$$nder $$underline{M}$$ultiphase r$$underline{E}$$action)は、軽水炉等の原子力施設の重大事故時のFP挙動を支配する化学挙動を評価するために必要な化学反応速度定数データセットCRK (dataset for $$underline{C}$$hemical $$underline{R}$$eaction $$underline{K}$$inetics)、要素モデルセットEM ($$underline{E}$$lemental $$underline{M}$$odel set)、そして熱力学データセットTD ($$underline{T}$$hermo$$underline{D}$$ynamic dataset)の3つのデータセットを格納している。ECUME ver. 1.1は、特に東京電力福島第一原子力発電所の廃炉やそれを受けた軽水炉の安全性向上の取り組みにおいて重要なセシウム, ヨウ素を主な対象として、これらの炉内分布や環境放出量をより正確に評価できるように整備したものである。

論文

Measurements of thermal-neutron capture cross-section of cesium-135 by applying mass spectrometry

中村 詔司; 芝原 雄司*; 木村 敦; 岩本 修; 上原 章寛*; 藤井 俊行*

Journal of Nuclear Science and Technology, 57(3), p.388 - 400, 2020/03

 被引用回数:0 パーセンタイル:100(Nuclear Science & Technology)

$$^{135}$$Cs(n,$$gamma$$)$$^{136}$$Cs反応の熱中性子捕獲断面積($$sigma_{0}$$)及び共鳴積分(I$$_{0}$$)を、ガンマ線及びマススペクトロメトリーにより測定した。我々は、$$^{137}$$Cs標準溶液に不純物として含まれている$$^{135}$$Csを利用した。$$^{137}$$Cs溶液中の$$^{135}$$Csを定量するために、$$^{135}$$Csと$$^{137}$$Csの同位対比をマススぺクトロメトリーにより求めた。分析した$$^{137}$$Cs試料を、京都大学複合原子力科学研究所の研究炉の水圧輸送管を用いて中性子照射を行った。照射位置の中性子成分を求めるために、Co/AlとAu/Alモニタも一緒に照射した。$$sigma_{0}$$を求めるために、Gdフィルターを用いて、中性子カットオフエネルギーを0.133eVに設定した。$$^{137}$$Cs, $$^{136}$$Csとモニタの放射能をガンマ線スペクトロメトリーにより測定した。Westcottコンベンションに基づき、$$sigma_{0}$$とI$$_{0}$$を、それぞれ8.57$$pm$$0.25barn及び45.3$$pm$$3.2barnと導出した。今回得られた$$sigma_{0}$$は、過去の測定値8.3$$pm$$0.3barnと誤差の範囲で一致した。

報告書

汚染土壌の減容を目的とした重液分離による放射性微粒子回収法の高度化(委託研究); 平成30年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉国際共同研究センター; 筑波大学*

JAEA-Review 2019-023, 33 Pages, 2020/01

JAEA-Review-2019-023.pdf:1.97MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉国際共同研究センター(CLADS)では、平成30年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、平成30年度「汚染土壌の減容を目的とした重液分離による放射性微粒子回収法の高度化」について取りまとめたものである。福島第一原子力発電所の事故では、放射性微粒子や粘土鉱物の存在により、放射性セシウムは表層土壌において不均一に存在することが分かっている。このため、これらの粒子を選択的に取り除くことで汚染土壌の減容に繋がると考えられる。本研究は、放射性微粒子を選択的に土壌から取り除く手法の検討や、土壌の減容を目的とした、粒子の比重の違いを利用した分離法(重液分離法)の実用化の可能性について探る。

論文

Cesium chemisorbed species onto stainless steel surfaces; An Atomistic scale study

Miradji, F.; 鈴木 知史; 中島 邦久; 逢坂 正彦

Journal of Physics and Chemistry of Solids, 136, p.109168_1 - 109168_9, 2020/01

 被引用回数:0 パーセンタイル:100(Chemistry, Multidisciplinary)

Under the scope of Fukushima Daiichi Nuclear Power Station (1-F) severe accident (SA), Cs retention is of high interest as its impacts Cs distribution, decommissioning and dismantling work of the reactor. To derive consistent and appropriate models for such process, accurate thermodynamic properties of Cs chemisorbed species are required by the SA analysis codes. In particular, for CsFeSiO$$_4$$, a newly identified Cs chemisorbed species under conditions similar to 1-F SA, the thermodynamic data are unknown in literature. We propose in this work the obtention of the fundamental properties of this substance by theoretical approaches. The consistency and appropriateness of derived computational methodology have been investigated by calculating the thermodynamic properties of relatively known Cs-Si-O substances. It was found that our computational methodology provides excellent agreement with literature data lying between 1-4% for the formation energy, 1-5% for standard entropy and heat capacity. The thermodynamic properties of CsFeSiO$$_4$$ in function of temperature have been estimated for the first time using harmonic and quasi-harmonic approximations, values being consistent with both methodologies.

論文

Land use types control solid wash-off rate and entrainment coefficient of Fukushima-derived $$^{137}$$Cs, and their time dependence

脇山 義史*; 恩田 裕一*; 吉村 和也; 五十嵐 康記*; 加藤 弘亮*

Journal of Environmental Radioactivity, 210, p.105990_1 - 105990_12, 2019/12

 被引用回数:2 パーセンタイル:57.19(Environmental Sciences)

This study provides the results of observations of plot-scale $$^{137}$$Cs wash-off from various land uses (two uncultivated farmlands, two cultivated farmlands, three grasslands and one forest) from 2011 to 2014. Annual $$^{137}$$Cs wash-off rate ranged from 0.0026 to 7.5% per year, and more vegetation cover resulted in lower sediment discharge. $$^{137}$$Cs concentration observed in uncultivated farmland plot decreased with time and the rate was lower than those of riverine, suggesting that contributions of $$^{137}$$Cs from the upslope area may be insignificant to that in riverine. A negative relationship between $$^{137}$$Cs concentration normalized by initial deposition amount and sediment concentration in runoff water was found. Cultivation appeared to cause enhanced soil erosion and resulted in constant relatively low $$^{137}$$Cs concentration. A contribution of coarse organic matter to $$^{137}$$Cs wash-off was suggested in the forest, which had relatively high $$^{137}$$Cs concentration and low sediment discharge.

論文

Numerical study of transport pathways of $$^{137}$$Cs from forests to freshwater fish living in mountain streams in Fukushima, Japan

操上 広志; 佐久間 一幸; Malins, A.; 佐々木 祥人; 新里 忠史

Journal of Environmental Radioactivity, 208-209, p.106005_1 - 106005_11, 2019/11

 被引用回数:1 パーセンタイル:57.19(Environmental Sciences)

本報告では、セシウム137の森林内での循環と河川への流出、渓流に生息する淡水魚への移行を考慮したコンパートメントモデルを構築し、福島の環境に基づいて一般化した流域を対象に解析を行い、淡水魚へ移行するセシウム137の森林内の流出源を推定した。その結果、セシウム137の流出源は、落葉の河川への直接流入、落葉層からの側方流入、土壌層からの側方流入の3つからなることがわかった。また、森林内のセシウム137の循環は事故後10年程度で平衡状態に近づき、それに伴って河川水や淡水魚のセシウム137濃度は物理減衰程度になると推測された。

論文

Characterizing vertical migration of $$^{137}$$Cs in organic layer and mineral soil in Japanese forests; Four-year observation and model analysis

武藤 琴美; 安藤 麻里子; 松永 武*; 小嵐 淳

Journal of Environmental Radioactivity, 208-209, p.106040_1 - 106040_10, 2019/11

 被引用回数:0 パーセンタイル:100(Environmental Sciences)

福島第一原子力発電所事故により森林に沈着した放射性Csによる長期的な放射線のリスクを評価するためには、森林の表層土壌における放射性Csの挙動を明らかにすることが重要である。本研究では、事故後4.4年間で5回、福島県内の植生の異なる森林5地点において放射性Csの鉛直分布の調査を行い、モデル計算の結果との比較を行った。また、欧州の森林における文献値と比較を行い、日本の森林における有機物層と表層土壌における放射性Csの移行特性を考察した。調査の結果、有機物層から鉱物土壌への$$^{137}$$Cs移行は欧州よりも早く、日本の森林では$$^{137}$$Csの移動度や生物利用性が急速に抑制されることが示唆された。鉱物土壌中の$$^{137}$$Cs拡散係数は0.042-0.55cm$$^2$$y$$^{-1}$$と推定され、日本と欧州で同程度であった。これらのパラメータを用いた予測計算では事故から10年後では$$^{137}$$Csは主に表層鉱物土壌に分布していることが示され、森林に沈着した放射性Csは表層土壌に長期的に保持されることが示唆された。

論文

An Experimental investigation of influencing chemical factors on Cs-chemisorption behavior onto stainless steel

西岡 俊一郎; 中島 邦久; 鈴木 恵理子; 逢坂 正彦

Journal of Nuclear Science and Technology, 56(11), p.988 - 995, 2019/11

 被引用回数:2 パーセンタイル:39.69(Nuclear Science & Technology)

シビアアクシデント(SA)解析コードで用いられているCs化学吸着モデルの改良に資する知見取得のため、セシウムの鋼材への化学吸着挙動に影響を与える化学的要因(温度・雰囲気・関係する元素のの濃度など)を実験的に評価した。その結果、既存のCs化学吸着モデルで使用されている表面反応速度定数が、既に知られている温度依存性だけでなく、雰囲気,気相中の水酸化セシウム(CsOH)濃度、SUS304中に含まれるケイ素(Si)濃度にも影響を受け、Cs化学吸着モデルの改良においてはこれらの化学的要因を考慮すべきであることがわかった。加えて、873K程度の比較的低温での化学吸着においてはCs-Fe-O化合物が主な化合物として生成し、Cs-Si-Fe-Oが主に生成する1073K以上の化学吸着とは挙動が異なることがわかった。

報告書

福島における放射性セシウムの環境動態研究の現状(平成30年度版)

長尾 郁弥; 新里 忠史; 佐々木 祥人; 伊藤 聡美; 渡辺 貴善; 土肥 輝美; 中西 貴宏; 佐久間 一幸; 萩原 大樹; 舟木 泰智; et al.

JAEA-Research 2019-002, 235 Pages, 2019/08

JAEA-Research-2019-002.pdf:21.04MB

2011年3月11日に発生した太平洋三陸沖を震源とするマグニチュード9.0の東北地方太平洋沖地震とそれに伴って発生した津波により、東京電力福島第一原子力発電所の事故が発生し、その結果、環境中へ大量の放射性物質が放出され、その大部分が森林に沈着している。これに対し、面積が広大であり大量の除去土壌等が生じる、多面的な森林の機能が損なわれる可能性があるなどの問題があり、生活圏近傍を除き、汚染された森林の具体的な除染計画はない。そのため、未除染の森林から放射性セシウムが流出し、既に除染された生活圏に流入することに対する懸念があり、避難住民の帰還や産業再開の妨げとなる可能性があった。原子力機構では、環境中に放出された放射性物質、特に放射性セシウムの移動挙動に関する「長期環境動態研究」を2012年11月より実施している。この目的は、自治体の施策立案を科学的側面から補助する、住民の環境安全に関する不安を低減し、帰還や産業再開を促進するといった点にある。本報告書は、原子力機構が福島県で実施した環境動態研究におけるこれまでの研究成果について取りまとめたものである。

論文

Activation measurement for thermal-neutron capture cross-section of Cesium-135

中村 詔司; 木村 敦; 岩本 修; 芝原 雄司*; 上原 章寛*; 藤井 俊行*

KURNS Progress Report 2018, P. 106, 2019/08

核変換による高レベル放射性廃棄物の大幅な低減化、資源化を目指した革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)において、長寿命核分裂生成核種$$^{135}$$Csの中性子捕獲断面積測定研究を京都大学複合原子力科学研究所にて行った。本論文は、京大原子炉(KUR)を用いた$$^{135}$$Csの熱中性子捕獲断面積の測定について報告するものである。

論文

Modelling of cesium chemisorption under nuclear power plant severe accident conditions

Miradji, F.; 鈴木 知史; 西岡 俊一郎; 鈴木 恵理子; 中島 邦久; 逢坂 正彦; Barrachin, M.*; Do, T. M. D.*; 村上 健太*; 鈴木 雅秀*

Proceedings of 9th Conference on Severe Accident Research (ERMSAR 2019) (Internet), 21 Pages, 2019/03

Under the scope of analyses of Fukushima Daiichi Nuclear Power Station (1F) Severe Accident (SA), estimation of Cs distribution, especially localization in the upper part of the core, has large uncertainties partly caused by the current implemented Cs-chemisorption models in SA analysis codes. This is in part due to the scarce knowledge related to Cs chemisorption mechanisms onto structure surfaces. The objective of this work is, therefore, to improve Cs chemisorption models by consolidation and extension of knowledge in the chemical process of Cs chemisorption. In this study, we will present in the first part experimental tests for grasping the phenomenology of Cs chemisorption onto stainless steel (SS) surfaces under reproductive conditions of 1F SA. The chemical factors involving in the Cs chemisorption process were investigated and implemented in an improved Cs chemisorption model based on a mass transfer theory. The second part of the study will discuss further improvement of built Cs chemisorption model to take into account revaporizaton process of Cs chemisorbed species. For such improvement, the thermodynamic properties of all possible Cs-(Fe)-Si-O chemisorbed species were provided using first-principles calculations. In the last part of the study, chemical equilibrium calculations were conducted to evaluate the relative stability of possible Cs-(Fe)-Si-O chemisorbed species in SA conditions.

論文

Chemical reaction kinetics dataset of Cs-I-B-Mo-O-H system for evaluation of fission product chemistry under LWR severe accident conditions

宮原 直哉; 三輪 周平; 堀口 直樹; 佐藤 勇*; 逢坂 正彦

Journal of Nuclear Science and Technology, 56(2), p.228 - 240, 2019/02

 被引用回数:2 パーセンタイル:17.59(Nuclear Science & Technology)

軽水炉シビアアクシデント時のソースターム評価における核分裂生成物(FP)化学挙動評価モデルを高度化するため、FP化学データベース「ECUME」の初版を構築した。ECUMEには、代表的な事故シーケンスにおける主要な化学反応と、その実効的な化学反応速度定数を実装する計画である。初版においては、300-3000Kの温度領域におけるCs-I-B-Mo-O-H系の主要化学種に対し、それらの生成に係る化学反応の速度定数を文献調査または第一原理に基づく理論計算によって整備した。構築した化学反応データセットを用いた解析の一例として化学反応解析を実施した結果、1000Kにおいて有意な化学反応速度の効果が見られた。また、平衡に至った後の化学組成を化学平衡計算の結果と比較したところ、代表的なCs-I-B-Mo-O-H系化学種に対して良く整合する結果が得られた。これらの結果から、構築したデータセットは、速度論の考慮が必要なシビアアクシデント時のCs-I-B-Mo-O-H系FP化学挙動評価のために有用であるとの結論を得た。

論文

Study on restricted use of contaminated rubble on Fukushima Daiichi NPS site, 2; Validation of reference radiocesium concentration for recycling materials

三輪 一爾; 島田 太郎; 武田 聖司

Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 6, p.166 - 170, 2019/01

本報告では(その1)において算出した限定再利用に対するめやす濃度の妥当性を確認するため、再利用後の線源(再生資材)に対し、(1)1F敷地内の作業者に対する追加被ばく線量、(2)1F敷地境界の空間線量率への寄与、(3)地下水移行による海洋出口での水中濃度、について評価した。(1)の評価では、1F敷地内で線源に最も接近をする作業者の被ばく線量を評価し、その線量が放射線作業従事者の年間被ばく限度20mSv/yと比較し十分に低い値であることを確認した。(2)の評価では、1F敷地内で再利用された全再生資材から受ける敷地境界での空間線量率を解析し、その結果がバックグラウンドを合算しても敷地境界での目標値1mSv/y以下を満足することを確認した。さらに(3)の評価として、敷地内の流速条件等を考慮した道路路盤材及びコンクリート構造物の基礎から溶出する核種の移行解析を行い、算出した水中放射性セシウム濃度が現在の1F敷地内の排水基準を満足していることを示した。

論文

Modelling the effect of mechanical remediation on dose rates above radiocesium contaminated land

Malins, A.; 操上 広志; 北村 哲浩; 町田 昌彦

Remediation Measures for Radioactively Contaminated Areas, p.259 - 272, 2019/00

Mechanical strategies for remediating radiocesium contaminated soils, e.g. at farms, schoolyards, gardens or parks, lower air dose rates in one of two characteristic ways. The first is to physically remove radiocesium from the environment, for example by stripping topsoil and sending it for disposal. The second is to redistribute the radiocesium deeper within the ground, e.g. by mixing the topsoil or switching the positions of different soil layers, in order that soil attenuates radiocesium gamma rays before they reach the surface. The amount that air dose rates reduce because of remediation can be calculated using radiation transport methods. This chapter summarizes modelling results for the effect of topsoil removal (with and without recovering with a clean soil layer), topsoil mixing, and soil layer interchange on dose rates. Using measurements of the depth profile of $$^{134}$$Cs and $$^{137}$$Cs activity in soil at un-remediated sites across North East Japan, the potential effectiveness of remediation work was estimated considering remediation to different soil depths and different time lags after the accident. The results show that remediation performance would have been essentially constant irrespective of the time at which it was undertaken in the initial five year period following the fallout.

論文

Quantitative analysis of Cs extraction by some dialkoxycalix[4]arene-crown-6 extractants

Simonnet, M.; 宮崎 有史*; 鈴木 伸一; 矢板 毅

Solvent Extraction and Ion Exchange, 37(1), p.81 - 95, 2019/00

 被引用回数:1 パーセンタイル:58.65(Chemistry, Multidisciplinary)

Cesium extraction from acidic media by seven dialkoxy-calix[4]arene-crown-6 compounds in several diluents was studied. 2-Nonanone was found to be a suitable diluent for cesium extraction. Nitric acid concentration variation reveals a maximum distribution ratio, whose position depends on extractant and diluent. This maximum was explained quantitatively by a competitive extraction of H$$^{+}$$. An analytical mass-action extraction model accounting for activity effects is proposed that fits correctly the different datasets. The analysis showed a nitrate hyper-stoichiometry in alkyl ketone diluents. This effect yields efficient back-extraction at low acidity. Benzo substitution on the crown ether lowers nitric acid extraction, improves sodium separation, but also degrades potassium and rubidium separation.

論文

Analysis of $$^{135}$$Cs/$$^{137}$$Cs isotopic ratio for samples used for neutron capture cross section measurement project by thermal ionization mass spectrometry

芝原 雄司*; 上原 章寛*; 藤井 俊行*; 中村 詔司; 木村 敦; Hales, B. P.; 岩本 修

JAEA-Conf 2018-001, p.205 - 210, 2018/12

ImPACT事業の中性子捕獲断面積研究において、$$^{135}$$Cs中性子捕獲断面積測定に使用する試料として$$^{137}$$Cs標準溶液中に含まれる$$^{135}$$Csの利用を考えた。$$^{135}$$Cs試料を定量するためには、$$^{135}$$Csと$$^{137}$$Csの同位体比を高精度で分析する必要がある。そこで、熱イオン化質量分析器(TIMS)を用いて、最初のサンプルとして$$^{137}$$Cs標準溶液の質量分析試験を行なった。分析試験の結果、わずか10Bq(pgオーダー)の$$^{137}$$Cs標準溶液でも$$^{135}$$Csと$$^{137}$$Csの同位体比を0.5%の高精度で導出することができた。

論文

Evaluation of ecological half-life of dose rate based on airborne radiation monitoring following the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant accident

眞田 幸尚; 卜部 嘉*; 佐々木 美雪; 越智 康太郎; 鳥居 建男

Journal of Environmental Radioactivity, 192, p.417 - 425, 2018/12

 被引用回数:3 パーセンタイル:58.61(Environmental Sciences)

Many time of the airborne radiation monitoring was conducted. Temporal change of dose rate was evaluated based on airborne radiation monitoring. The air dose rate 5.6 years after the FDNPS accident has decreased by 80%. The increasing attenuation by radioactive cesium penetration into the soil was effective.

論文

An Experimental investigation for atmospheric effects on Cs chemisorption onto stainless steel

中島 邦久; 鈴木 恵理子; 宮原 直哉; 逢坂 正彦

Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 5, p.168 - 170, 2018/11

軽水炉シビアアクシデント(SA)時には、化学吸着と呼ばれるセシウム(Cs)蒸気とステンレス鋼との高温化学反応により、有意量のCsが圧力容器内表面に付着している可能性がある。この化学吸着挙動は、温度や雰囲気の影響を受けることが知られているが、詳細は不明である。本研究においては、福島第一原子力発電所事故のような多様な条件下での挙動評価に資するため、水蒸気と水素の混合ガス下でのCs化学吸着挙動を実験的に調べた。その結果、水蒸気を含む雰囲気中でのステンレス鋼へのCs吸着量は、水蒸気を含まない場合よりも大きくなることが分かった。この原因として、化学吸着による生成物からのCsの再蒸発の可能性が考えられた。

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