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廃炉環境国際共同研究センター; 北海道大学*
JAEA-Review 2026-017, 78 Pages, 2026/09
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和元年度から英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(1F)の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、さまざまな分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究および人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和5年度に採択された研究課題のうち「遮蔽不要な耐放射線性ダイヤモンド中性子計測システムのプロトタイプ開発」の令和6年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、1F廃炉事業で強いニーズのある遮蔽不要な中性子計測システムのプロトタイプを開発する。本システムは、ダイヤモンド中性子検出素子と耐放射線性シリコン集積回路から構成され、将来的な用途としてデブリ調査用中性子検出器、臨界近接監視モニタ、圧力容器内ドライチューブ調査用中性子検出器等への適用が想定される。本開発では、5mm角相当のダイヤモンド検出素子100枚規模からなるプロトタイプを開発し、システム構築技術の獲得とシステム性能を評価する。あわせて未臨界度評価手法の開発を進める。令和6年度は、北海道大学では自立膜型ダイヤモンド検出素子の量産技術の確立が進んだ。産業技術総合研究所(AIST)ではCVD法による検出器用積層膜の成膜条件の探索が進んだ。高エネルギー加速器研究機構(KEK)では改良したASICの動作確認ができ、配線用印刷装置を使用して検出素子を信号処理回路基板に実装し、中性子の計測試験を行った。名古屋大学を中心に進めている臨界近接監視手法の開発は基本的検討が進み、近畿大学原子炉(UTR-KINKI)でのダイヤモンド中性子計測システムの評価試験を計画している。九州大学、原子力機構に関しても
線照射場、熱中性子等方場でのダイヤモンド中性子計測システムの評価が予定通り進んだ。
廃炉環境国際共同研究センター; 京都大学*
JAEA-Review 2026-014, 61 Pages, 2026/08
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和元年度から英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、さまざまな分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究および人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和6年度に採択された研究課題のうち、「デブリ取り出しの安全性確保を目的とした中性子源等のイメージング手法の研究」の令和6年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、廃炉を安全かつ迅速に行うため、燃料デブリ取り出し作業時に期せずして発生した中性子源の方向特定を目的に、小型軽量な全方位型中性子イメージャーを開発する。想定する使用環境は、作業員が立ち入る原子炉建屋内と原子炉格納容器周囲の超高線量環境下の二つである。前者は、これまでに開発した
線・
線に対する全方位型検出器を中性子に応用し、中性子が飛来する方角を指示することで作業員の避難指示等に活用できる。令和6年度では、検出器を校正する検出素子の中性子/
線弁別性能、方向依存性などの諸特性をモンテカルロ計算および実験的に評価した。また、全方位型中性子検出器により得られた情報を360度カメラと組み合わせ、中性子の飛来方向を視覚的に取得できるようなシステムを構築した。後者は、超高線量環境下において、バックグラウンドとなる
線との極めて優れた弁別性能を有する検出器が必要となるため、減衰時間が非常に短い検出素子を選定した。前者の全方位中性子検出器の構造を参考に、中性子の飛来方向を特定可能な検出器構造を構築する。これら開発する検出器の特性評価を行うために研究用原子炉を使用するが、あらかじめ照射場の特性評価試験を実施した。
原田 正英; 田島 考浩*; 伊藤 卓*; 増田 志歩; 木下 秀孝; 酒井 健二; 武藤 儀一*; 鈴木 彰夫*; 羽賀 勝洋
JPS Conference Proceedings (Internet), 45, p.011053_1 - 011053_5, 2026/06
J-PARCの物質・生命科学実験施設(MLF)では、大強度核破砕中性子源の水銀ターゲットに3GeV・1MWの陽子ビームを照射し、大強度の中性子ビームを中性子実験装置に供給する。水銀ターゲットと水銀循環システムから漏洩する放射性物質をゲルマニウム半導体検出器によるガンマ線エネルギー分析で検出し、水銀ターゲットと水銀循環システムの故障の兆候を見つけるための統合水銀放射能モニター(UHAM)が設置されている。サンプリングポートと放射線モニタからなる3つのユニットで構成される: 1)ターゲット容器とセーフティハルとの間のヘリウムガス層を測定するHAM、2)水銀循環システムが設置されているホットセル内の雰囲気を測定するCAM、3)ターゲット容器が設置されるヘリウム容器内のヘリウムガスを測定するVAMである。放射性物質の漏えいが検出されると、直ちに加速器制御システムに警報信号が発せられ、ビーム運転が停止される。ソフトウェアとハードウェアは毎年アップグレードされている。例えば、HAMには冗長性を持たせるために2台のGe検出器が使用されており、高計数率事象に対するシステムの可用性を維持するためにGe検出器の補助としてNaIシンチレーション検出器も使用されている。さらに、CAMにはトリチウムを検出するためのガスモニターが設置されている。現在までに以下のような運転実績がある。1)CAMではXe-121とXe-123ガスを検出できる。これらの放射性ガス状放射性核種は、水銀ターゲットのカバーガスからわずかに漏洩する。2)VAMでは、ヘリウム容器内の湿度が検出され、消滅ガンマ線とN-15の検出が増加した。3)Ar-41の検出は、ヘリウム雰囲気中の空気の混合を示す。
-ray beam measurementsOmer, M.; 静間 俊行*; 小泉 光生; 平 義隆*; Zen, H.*; 大垣 英明*; 羽島 良一*
Radiation Physics and Chemistry, 240, p.113467_1 - 113467_8, 2026/03
被引用回数:1 パーセンタイル:37.36(Chemistry, Physical)Coaxial high-purity germanium detectors are widely used in applications requiring high-resolution
-ray spectroscopy. However, the internal structure of these detectors, particularly the geometry of the inactive volumes inside the detector core, can significantly influence their performance in beam detection configurations. This study investigates the impact of detector structure on the spectral response to pencil-like
-ray beams, based on a comparison of
-ray spectra measured with two coaxial high-purity germanium detectors that have similar active volumes but distinct internal geometries. Experimental measurements were conducted at the UVSOR synchrotron facility using collimated laser Compton scattered
-ray beams with an energy of
MeV. Monte Carlo simulations using the Geant4 toolkit were performed to refine the detector models and replicate experimental results. The results reveal that the front layer thickness and the presence of structural elements such as the cold finger strongly affect the spectral features, particularly the appearance of a coincidence sum peak of the annihilation radiation at 1.022 MeV. Off-axis irradiation significantly improves the detection efficiency and reduces undesired induced interactions within inactive volumes. Additionally, the observed pair production signatures are validated through the available theoretical cross section data, confirming the dominant role of internal structures in shaping the detector response under beam geometry. These findings are essential for optimizing detector configurations in precision
-ray beam experiments. This work is a contribution of the Japan Atomic Energy Agency (JAEA) to the International Atomic Energy Agency (IAEA) under the agreement of the coordinated research program (CRP), J02015 (Facilitation of Safe and Secure Trade Using Nuclear Detection Technology - Detection of RN and Other Contraband). A part of this work was conducted at the BL1U of UVSOR Synchrotron Facility, Institute for Molecular Science (IMS program 23IMS6602).
シンチレーション検出システムの開発(委託研究); 令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業廃炉環境国際共同研究センター; 東北大学*
JAEA-Review 2025-046, 70 Pages, 2026/01
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(1F)の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和5年度に採択された研究課題のうち、「簡易非破壊測定に向けた革新的なn・
シンチレーション検出システムの開発」の令和5年度の研究成果について取りまとめたものである。令和5年度に1Fでは、原子炉格納容器(PCV)からの燃料デブリの取り出しが予定され、さらに、将来的には段階的な取り出し規模の拡大が検討されている。本研究では、標的試料取り出し時のスクリーニングならびに連続監視に資する、革新的なシンチレーション放射線検出システムを開発する。また、1Fをはじめとした原子力施設廃止措置の炉内調査に資する遠隔測定システムを実用化する。より具体的には、(1)革新的な中性子・
線核種弁別シンチレータの研究(東北大学)、(2)センサーならびに信号処理システムの小型化(東京大学)、(3)多様な放射線場構築と特性評価(産業技術総合研究所)、(4)簡易非破壊測定システムの開発とホットセル内実証試験(原子力機構)の各要素技術に対し、垂直統合的に研究を展開することでPCV内や各受け入れセル内において、10Gy/hを超える環境下で
線、中性子線を弁別し、それぞれの線量率と核種同定を同時に行う検出器の開発に向け、令和5年度に計画した各研究項目に関する研究開発を実施した。
廃炉環境国際共同研究センター; 理化学研究所*
JAEA-Review 2025-031, 124 Pages, 2025/12
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(1F)の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和4年度に採択された研究課題のうち、「高放射線耐性の低照度用太陽電池を利用した放射線場マッピング観測システム開発」の令和5年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、自立・遠隔で駆動するセンサーを応用した放射線場マッピングが可能なシステムを開発することで、原子炉格納容器(PCV)内の放射線情報を網羅的かつリアルタイムで取得し、非常に透過性が高く、事故の要因となりえるガンマ線や中性子などの漏洩監視により、作業員や住民に対する安全性が担保可能なシステムを実環境に実装するため実証研究を行うものである。太陽電池型線量計は、宇宙用太陽電池として開発された高放射線耐性を有する半導体素子を利用し、自立駆動形の省電力・小型センサーとして開発を進め、PCVへの適応可能性について議論してきたが、CIGS太陽電池型線量計をベースとした1F実装には、素子の高機能化及びシステム化が必要となる。高機能化として、さらなる難アクセス箇所への探索を目指したフレキシブルシート化、マッピングモニタリングシステム開発基盤となる多接続化及び再臨界事故評価システム開発に向けたガンマ線・中性子検出構造の最適化を実施している。令和5年度は、CIGS太陽電池素子構造をベースとしたフレキシブル素子作成条件の探査とガラス基板CIGS素子を用いた試作機による初期特性をガンマ線、電子線及び中性子線照射試験により解明する。中性子検出構造においては、変換材料のホウ素を塗布による成膜条件の探査、ミリングによる粉末材料粒径の調整条件の解明や塗布法及び溶剤条件に関する選定を行う。また、マッピング計測では、複数のセンサーの計測及び線量情報を表示可能なシステム開発を行う。
高橋 時音; 持丸 貴則*; 小泉 光生; 吉見 優希*; 山西 弘城*; 若林 源一郎*; 伊藤 史哲*
JAEA-Review 2025-039, 34 Pages, 2025/11
大規模イベント等において、核・放射性物質を用いたテロ行為を未然に防ぐために、それらの物質を持ち込ませない、あるいは、持ち込まれたとしても迅速に検知し対応するための監視技術の強化が求められている。従来は、イベント会場及びその周辺の要所にゲートモニターを設置し、通過する人や車両等を監視して、不審な物品の持ち込みがないことを確認する手法がとられてきたが、監視をすり抜ける場合を考慮すると、ゲート内のエリアを継続的にサーベイする補完的な技術が必要である。サーベイする領域が広い場合には、移動しながら放射線を測定し、各測定点の放射線量を地図上に記録していく放射線マッピングが有効である。複数の検出器を用いて並行して測定を進め、結果を集約することで、より効率的にサーベイを行うことができる。そこで本技術開発では、屋外で位置情報と放射線を同時に計測できる可搬型検出器を開発し、測定結果をネットワークで集約し、即時にマップ上で確認できる技術の開発を進めた。屋内においては、通過した場所の周辺環境地図を作成するSLAMに放射線測定結果を統合し、3次元地図を作成する技術を開発した。また、核物質を含む中性子源の迅速な検知のために、高速中性子検出器を用いた線源探索技術開発を進めた。本稿では、広域サーベイシステムのコンセプトについて述べるとともに、これまでの技術開発で得られた成果等について報告する。
廃炉環境国際共同研究センター; 北海道大学*
JAEA-Review 2025-028, 66 Pages, 2025/11
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(1F)の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和5年度に採択された研究課題のうち、「遮蔽不要な耐放射線性ダイヤモンド中性子計測システムのプロトタイプ開発」の令和5年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、1F廃炉事業で強いニーズのある遮蔽不要な中性子計測システムのプロトタイプを開発する。本システムは、ダイヤモンド中性子検出素子と耐放射線性シリコン集積回路から構成され、部品レベルでは積算線量でそれぞれ10MGy以上、4MGy以上の耐放射線性を有し、1.5kGy/hの
線線量率環境下で安定動作した実績を持つ。将来的な用途として、デブリ調査用中性子検出器、臨界近接監視モニタ、圧力容器内ドライチューブ調査用中性子検出器等への適用が想定される。本開発では、5mm角相当のダイヤモンド検出素子100枚規模からなるプロトタイプを開発し、システム構築技術の獲得とシステム性能を評価する。併せて未臨界度評価手法の開発も進める。これによりシステム開発までを完了し、メーカーとの連携による実機開発、1F廃炉事業への投入につなげる。令和5年度は、合成装置の電源改修や2cm角以上の合成範囲での検出器グレードのダイヤモンド単結晶合成条件を探索し、中性子・荷電粒子コンバータの合成条件を探索した。積層型ダイヤモンド検出素子の開発では、メタン濃度(CH
/H
)、酸素濃度(O/C)が積層型構造のp-層中の不純物濃度や表面形態に与える影響を調べ、さらに中性子検出素子用信号処理集積回路では、特性ばらつきを評価し、キャリブレーション手法を検討した。また、臨界近接監視法の開発では、1Fにおける燃料デブリ取り出し作業時の臨界近接監視を行うための方法論の検討を進め、
線照射試験では、照射場の整備を進めた。中性子感度測定試験では、必要な照射設備や照射方法等について参画機関と協議し、試験環境の整備を進めた。
汚染可視化ハンドフットクロスモニタの要素技術開発(委託研究); 令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業廃炉環境国際共同研究センター; 北海道大学*
JAEA-Review 2025-021, 63 Pages, 2025/10
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和4年度に採択された研究課題のうち、「
汚染可視化ハンドフットクロスモニタの要素技術開発」の令和5年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、「
汚染可視化ハンドフットモニタ」及び「
・
汚染可視化クロスモニタ」の装置開発を目標としている。
線シンチレータ材料として、令和4年度に引き続きAD法によるZnS(Ag)厚膜作製及び希土類錯体について検討した。AD法による厚膜作製においては、ZnS(Ag)単独粉末及びZnS(Ag)/アルミナ混合粉末によるAD成膜体について、シンチレーション特性評価を実施した。その結果、
線に対する発光量は令和4年度から向上した。また、希土類錯体をポリスチレンに分散させた膜を用いて、市販プラスチックシンチレータ(サンゴバン製、BC400)よりも最大で12.5倍大きいシンチレーション強度を得た。
線撮像技術の開発においては、新規シンチレータの評価を重点的に行った。AD法によるZnS膜については5分測定で、希土類錯体については1分測定で
線の分布を確認できた。ホスウィッチ用シンチレータの開発では、La-GPS多結晶体薄板の製造工程における、成形用金型、焼結条件、切断工程、アニール条件、研削/研磨工程を最適化し、50mm角のLa-GPS多結晶薄板をほぼルーチンに製造する工程を確立した。また、
線検出用材料として、十分な性能を発揮できることを確認した。
・
汚染可視化クロスモニタの開発では、現場での使い勝手も含めた改善点を抽出・改良型の装置に反映した。さらに、試作したクロスモニタの基本性能を評価し、
線エネルギーと位置分布情報を得た。ホスウィッチ検出器の評価試験では、検出器出力波形の全積分と部分積分から、
線と
線を明確に弁別することに成功した。
石川 諒尚; 瀬川 麻里子; 藤 暢輔; 渡辺 賢一*; 増田 明彦*; 松本 哲郎*; 山崎 淳*; 吉橋 幸子*; 瓜谷 章*; 原野 英樹*
Journal of Radiation Research (Internet), 66(5), p.563 - 569, 2025/09
被引用回数:1 パーセンタイル:33.21(Biology)An optical fiber-based neutron detector is a real-time neutron monitor for an intense neutron field. A small piece of neutron scintillator, such as Ce-doped lithium glass (Li-glass), used in the detector has a random shape with a grain size of 200-400
m. This causes shape-dependent effects on the detector response. However, it is difficult to control or clarify the micro shape due to its small size. Here we propose a technique to obtain the fine structure of a small piece of the scintillator using a microcomputed tomography (CT) system. To verify accuracy, the mass estimated based on the volume extracted from the obtained CT image was compared to the mass measured in advance using an electronic balance. In the obtained CT images, the fine shape of the small piece of Li-glass was clearly visible, and no false signals from the surrounding components were observed. The estimated mass was in good agreement with the measured value, however, a slight underestimation was observed when the total number of projection images was 2000. This was mitigated by increasing the number of projection images, and the difference between the estimated and measured mass was 1.6% when the number of the projection images was 3141. This was equivalent to the uncertainty of the measured mass. The proposed technique will be useful when high accuracy is needed, such as for medical applications.
廃炉環境国際共同研究センター; 東北大学*
JAEA-Review 2025-011, 74 Pages, 2025/08
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。本研究は、令和3年度に採択された研究課題のうち、「連携計測による線源探査ロボットシステムの開発研究」の令和3年度から令和5年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、ガンマ線の飛来方向を検出可能な検出器を開発し、これを搭載した複数のロボットの連携により、単一センサーでは得られない広視野・迅速・安価な放射線源探査を実現するロボットシステム(Cooperative Operation Robot system for RAdiation Source Exploration: CORRASE、コラッセ)を開発することを目的とする。令和5年度は、これまでの研究で得られた成果を結集させて線源探査に関する実証試験を中心に研究を実施した。ガンマ線の飛来方向を検出可能な指向性検出器として、8個のBGOシンチレータと遮蔽体を用いた多面体型指向性検出器を製作した。この検出器とIMU(Inertial Measurement Unit)、LiDAR(Light Detection And Ranging)を多脚ロボットに搭載したシステムを3組構築し、連携計測による線源探査実験を行った。7.8
5.3m
の部屋に障害物及び模擬放射能汚染源として10MBqの
Cs密封線源を配置して線源探査実験のための未知環境とした。本システムを用いて環境地図の作成、探索計画の立案、放射線カウントのヒートマップ作成、計算された最適観測配置からの線源イメージングを行った。得られた環境地図と線源イメージを融合させて表示することに成功し、3台のロボットシステムの連携により模擬放射能汚染源の位置の特定に成功した。以上の成果から、本研究では広視野・迅速・安価な放射線源探査を実現するロボットシステムの開発に成功し、当初の目標は達成されたと結論できる。
-,
- and X-ray spectra大島 真澄*; 後藤 淳*; 早川 岳人*; 浅井 雅人; 篠原 宏文*; 鈴木 勝行*; Shen, H.*
Journal of Nuclear Science and Technology, 62(4), p.379 - 388, 2025/04
被引用回数:1 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)スペクトル定量法(SDM)は、
線や
線のスペクトル全体の形を、標準
線及び
線スペクトルを用いて最小自乗フィッティング解析することで放射能を定量する方法である。本論文では、Ge検出器と液体シンチレーション検出器で測定された2つのスペクトルを統合した統合スペクトルに対して新しくSDMを適用した。統合スペクトルを解析することで、放射能の値の不確かさを改善することができた。40核種が等しい強度で含まれる統合スペクトルを解析し、それぞれの放射能の値を正しく求めることができた。
田辺 鴻典*; 米田 政夫; 藤 暢輔; 北村 康則*; 三澤 毅*
日本原子力学会誌ATOMO
, 67(3), p.198 - 202, 2025/03
鉛等で隠匿された
Uに対する非破壊測定技術の開発は、長年、核セキュリティ上の最重要課題と言われてきたが、依然として現場レベルでの検知は困難な状況にある。我々は
Cf回転照射法と呼ばれる新たな核物質非破壊測定手法を提案し、回転照射装置と水チェレンコフ中性子検出器で構成される運搬性の高い現場検知システムを開発、本システムによる核物質検知を実証した。本報では、開発したシステムを概説するとともに今後の展望について解説する。
木村 祥紀; 山口 知輝
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 7, p.60 - 66, 2025/03
Rapid and precise detection or identification of artificial radioisotopes is one of the challenging issues in the field of nuclear detection and nuclear security. Although many handheld instruments capable of automated radioisotope detection and identification using small gamma-ray detectors have been recently employed in the field of nuclear security, the performance of such instruments is suffered from the limitation on cost of their detectors in many cases due to limited efficiency or limited energy resolution of the small size detectors. In this paper, a mobile radiation measurement system using multiple small gamma-ray detectors for radioisotope detection and identification has been proposed. The performance of the proposed mobile system for radioisotope identification has been tested for measured gamma-ray spectra of artificial radioisotopes and nuclear materials by CZT detector and CsI(Tl) detector. By analyzing the combined spectrum to be output by the proposed system, significant improvements in the minimum detection time for peaks from radioisotopes and lower detection limits for nuclear materials have been confirmed, comparing to the spectra measured by individual detectors. The authors have also discussed the optimization of detector combinations in terms of detector cost and improvement of sensitivity performance by performing simulations for several types of gamma-ray detectors.
-ray fields冠城 雅晃; 鎌田 圭*; 石井 隼也*; 松本 哲郎*; 真鍋 征也*; 増田 明彦*; 原野 英樹*; 加藤 昌弘*; 島添 健次*
Journal of Instrumentation (Internet), 19(11), p.P11019_1 - P11019_16, 2024/11
被引用回数:3 パーセンタイル:30.91(Instruments & Instrumentation)A new LiCAF:Ce detector with an ultra-thick (99
m) crystal and optimized readout was developed. The LiCAF:Ce and KG2 detectors were used to detect a sealed Cf-252 neutron source (neutron emission rate of ~
) using a 5 cm thick high-density polyethylene (HDPE) block located at the front of the detector. At the air kerma rates at the front surface of the HDPE block (
) of up to 1.07 Gy/h, the effective neutron count rate (
) for the LiCAF:Ce detector was the same within margins of errors, but it decreased by 5.7
0.8% at 2.97 Gy/h. In contrast, for the KG2 detector, with
increased up to 1.07 Gy/h,
for KG2 increased up to 20
1.0 % at 1.07 Gy/h. Then,
decreased by 20
1.0% at 2.97 Gy/h. Therefore, the LiCAF:Ce detector exhibited a smaller influence on neutron count rates by
-rays compared to the KG2 detector because of the faster decay time and optimization of digital pulse processing.
上澤 伸一郎; 吉田 啓之
Journal of Nuclear Science and Technology, 61(11), p.1438 - 1452, 2024/11
被引用回数:4 パーセンタイル:60.05(Nuclear Science & Technology)本研究では、重なり合う気泡の中から個々の気泡を検出・分割するために、Shifted window Transformer (Swin Transformer)を用いた深層学習ベースの気泡検出器を開発した。検出器の性能を検証するため、学習画像数を変えて平均適合率(AP)を計算した。APは、訓練画像の数が50枚以下の場合は、トレーニング画像の数の増加とともに増加したが、50枚を超える場合は一定であった。50枚以上ではSwin Transformerと一般的なCNNであるResNetのAPはほぼ同じであったが、学習画像が少ない場合はSwin TransformerのAPがResNetのAPを上回った。また、ボイド率が増加すると、Swin TransformerのAPはResNetの場合と同様の減少を示したものの、学習画像が少ない場合はSwin TransformerのAPが全てのボイド率においてResNetのAPを上回った。さらに、合成気泡画像で学習した検出器で、気泡流可視化実験の重なった気泡や変形気泡の検出が可能であることを確認した。このように、Swin Transformerを用いた新しい気泡検出器は、ResNetを用いた検出器よりも少ない学習画像で高いAPを得られることが確認された。
廃炉環境国際共同研究センター; 海上・港湾・航空技術研究所*
JAEA-Review 2024-020, 77 Pages, 2024/09
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和4年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和2年度に採択された研究課題のうち、「無人航走体を用いた燃料デブリサンプルリターン技術の研究開発」の令和2年度から令和4年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、日英共同研究体制の下、耐放射線性を持ちつつ中性子検出効率を向上させた中性子検出器と、強力な切削能と収集能を持ったエンドエフェクタ並びにマニピュレータを融合させた燃料デブリサンプリング装置を開発し、それらを無人航走体へ搭載させた燃料デブリサンプリングシステムを構築することを目指したものである。さらに、システム位置を同定する測位システムと、光学カメラ、ソナー、今回開発する中性子検出器の計数情報を仮想現実システムへ投影させる技術を開発し、遠隔操作技術の向上に貢献する技術開発を行った。日本側が担当した燃料デブリマッピングツールの開発では、1)高耐放射線小型高効率中性子センサの開発、2)UUVプラットホームの開発、3)放射線環境シミュレーション及び積算中性子線量計の特性評価を実施した。実施項目1)ではシリコン半導体検出器に微細構造を施して中性子の感度を上げ、ガンマ線の感度を下げたMSNDの特性評価と専用集積回路を開発し、小型高効率中性子センサを実現した。実施項目2)では、燃料デブリマッピングツール構成要素(中性子センサ、水中カメラ、ソナー、LiDAR)が連動するための通信制御系とUUVプラットホームとのインターフェースを完成させた。
Cf rotation method with a water Cherenkov neutron detector田辺 鴻典*; 米田 政夫; 藤 暢輔; 北村 康則*; 三澤 毅*; 土屋 兼一*; 相楽 洋*
Scientific Reports (Internet), 14, p.18828_1 - 18828_10, 2024/08
被引用回数:1 パーセンタイル:16.94(Multidisciplinary Sciences)The global challenge of on-site detection of highly enriched uranium (HEU), a substance with considerable potential for unauthorized use in nuclear security, is a critical concern. Traditional passive nondestructive assay (NDA) techniques, such as gamma-ray spectroscopy with high-purity germanium detectors, face significant challenges in detecting HEU when it is shielded by heavy metals. Addressing this critical security need, we introduce an on-site detection method for lead-shielded HEU employing a transportable NDA system that utilizes the
Cf rotation method with a water Cherenkov neutron detector. This cost-effective NDA system is capable of detecting 4.17 g of
U within a 12 min measurement period using a
Cf source of 3.7 MBq. Integrating this system into border control measures can enhance the prevention of HEU proliferation significantly and offer robust deterrence against nuclear terrorism.
沖田 将一朗; 櫻井 辰大*; 江嵜 巌*; 都木 克之*; 中野 貴之*; 日野 正裕*
KURNS Progress Report 2023, P. 97, 2024/07
BGaN semiconductor neutron detectors are currently under development at Shizuoka University as promising compact and high-temperature resistant neutron detectors. In this experiment, we observe the pulsed detection signals for thermal neutron beams irradiated to the BGaN semiconductor neutron detectors installed on a high-temperature hot plate wih ambient temperatures of 300 Celsius degree. This experiment is performed in the cold neutron beam line (CN-3) in KUR, which has relatively low background noise and can irradiate low-energy neutrons for sensitive detection. As a result, clear pulsed detection signals were successfully found several times per hour for both detectors. These results suggest that BGaN semiconductor neutron detectors demonstrate the operability at around 300 Celsius degree at least.
Li-glass detector to gamma rays by a coincidence method伊藤 史哲*; Lee, J.; 弘中 浩太; 高橋 時音; 鈴木 敏*; 持丸 貴則*; 堀 順一*; 寺田 和司*; 小泉 光生
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 1064, p.169465_1 - 169465_9, 2024/07
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Instruments & Instrumentation)The response of a gamma-ray spectrometer is generally determined by analyzing full-energy peaks. However, full-energy peaks cannot be measured easily in the case of scintillation detectors that consist of light elements, such as glass scintillators. Only a strong Compton plateau appears in the spectrum of such detectors. Therefore, Compton edgers were used to evaluate the response of these detectors. The response of a low-resolution
Li-glass detector to gamma rays was measured for the first time by a coincidence method with a high-resolution LaBr
:Ce detector using cascade gamma rays (2.75 and 1.37 MeV) from a
Na source. Coincidence gates were applied at the peaks of the spectrum of the LaBr
:Ce detector at the 0.51 MeV annihilation peak, and the sum peaks of a gamma ray and a backscattered gamma ray. By analyzing the gated spectra of the
Li-glass detector, the energy-dependent detector response (i.e., the output strength and its dispersion) was determined.