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田口 富嗣; 井川 直樹; 美留町 厚; 朝岡 秀人; 三輪 周平; 逢坂 正彦
e-Journal of Surface Science and Nanotechnology (Internet), 13, p.339 - 342, 2015/06
希土類元素を添加したセリアはイオン伝導および電子伝導を有するが、電子伝導に対してイオン伝導の割合が高いセリアは燃料電池用固体電極材として利用される。本研究では、NdO
を添加したセリアについて、電子伝導を低く抑えるために重要な結晶中の電子伝導経路を特定するため、X線回折実験を実施し、Rietveld解析および最大エントロピー法解析を行った。本材料の結晶構造は基本的に無添加材と同じ構造を有し、CeとNdはランダムに4
サイトを占有し、酸素は8
サイトを占有する。また、4
-8
と8
-8
サイト間に電子の伝導経路が観察された。発表ではこれら結晶構造と電子伝導経路のNd添加量依存性についても議論する予定である。
河野 康則; 仲野 友英; 朝倉 伸幸; 玉井 広史; 諫山 明彦; 近藤 貴; 波多江 仰紀; 竹永 秀信; 井手 俊介
プラズマ・核融合学会誌, 81(10), p.743 - 744, 2005/10
ディスラプションにより発生する逃走電子プラズマが急速に消滅する際の特性理解を目的として、JT-60Uにおいて、接線炭酸ガスレーザ干渉計を用いた電子密度計測を行った。その結果、1回目の逃走電子電流急速減衰時には、直後に電子密度が急増することを観測した。また、2回目の急速減衰時には、電子密度が周期約1ミリ秒のスパイク状電子密度変動を伴い増加する場合があることを見いだした。このとき、増加した電子密度により電流減衰が速まっている可能性が示唆された。
波多江 仰紀; 中塚 正大*; 吉田 英次*
プラズマ・核融合学会誌, 80(10), p.870 - 882, 2004/10
高性能の誘導ブリルアン散乱(SBS)位相共役鏡を、初めてJT-60のトムソン散乱計測システムへ応用し測定性能の改善を図った。SBS位相共役鏡は一般の全反射鏡と異なり精密な光学調整を必要とせず、比較的簡単な位置合わせを行うだけで反射光が入射光と全く同じ光路を逆進する。この性質を利用し、プラズマ中でレーザー光を往復させ散乱光量を約2倍にするダブルパストムソン散乱測定法を開発した。初期実験では1.6倍の散乱光を観測し、この測定手法の有効性を確認した。さらに、この手法を発展させ、レーザー光を何度も往復させ散乱光を数倍以上発生させるマルチパストムソン散乱法も新たに提案した。一方、既存のYAGレーザーに組み込むことにより、レーザー増幅器で誘起される波面の乱れを補正しダブルパス増幅を行った結果、YAGレーザーの性能は[エネルギー:1.5J,繰り返し:30Hz,平均出力:45W]から[7.4J, 50Hz, 368W]となり、著しくレーザー性能を向上することができた。将来展望として、このレーザーシステムをITERのトムソン散乱計測へ応用することについて考察した。
千原 順三*; 山極 満
Progress of Theoretical Physics, 111(3), p.339 - 359, 2004/03
被引用回数:5 パーセンタイル:36.82(Physics, Multidisciplinary)密度汎関数理論は外部ポテンシャルの下での相互作用系の特性を、対応する非相互作用系と関連付けることにより計算する簡便な手法を提供する。ここでは、この非相互作用系の幾つかの関係式を見いだし、中性の電子-原子核混合系に対する熱力学関係式を、非相互作用系の諸量及び交換相関効果を用いて記述する。これにより、原子核に及ぼされる力の定理が容易に証明される。
河野 康則; 千葉 真一; 井上 昭*
Review of Scientific Instruments, 75(1), p.279 - 280, 2004/01
被引用回数:12 パーセンタイル:52.95(Instruments & Instrumentation)トカマク装置JT-60Uにおける電子密度診断のための赤外COレーザ干渉・偏光計測において、CVDダイヤモンド板を真空窓として適用することに成功した。従来のジンクセレン窓と比較して、ダイヤモンド窓では、窓部で発生するファラデー回転成分を無視できるほど小さくできた。結果として、偏光法によるトカマクプラズマでのファラデー回転測定の改善を得た。
松本 太郎; 徳田 伸二; 岸本 泰明; 内藤 裕志*
Physics of Plasmas, 10(1), p.195 - 203, 2003/01
被引用回数:5 パーセンタイル:16.68(Physics, Fluids & Plasmas)高温プラズマにおける磁力線の再結合現象の要因として、温度上昇に伴い低減する電子の衝突による抵抗に加えて、温度に依存しない電子慣性などのプラズマの粒子性に起因する運動論的な効果が重要な役割を担うと考えられる。本研究ではプラズマ中における鋸歯状振動の内部崩壊現象の非線形的な振る舞いを解明するために、ジャイロ運動論的粒子モデルに密度勾配の効果を考慮した無衝突m=1モードのシミュレーションを行ってきた。完全磁気再結合過程は変化させない程度の密度勾配が、自己形成径電場、すなわちm=0モードを生成し、この径電場が二次再結合及び安全係数分布の時間発展等の完全再結合後の現象を大きく変化させることが明かにされた。径電場の成長メカニズムは、イオンと電子のEBドリフトの差異により説明され、その差異は磁場方向の電子の速い運動が引き起こしている。m=1モードによる対照的なフローにより、一度径電場が引き起こされると、m=0モードがm=1モードと同レベルまで成長し、イオン反磁性方向にE
Bプラズマ回転を駆動する。完全再結合後の密度及び電流分布、そして安全係数の最小値は、m=1及びm=0モードによる非対称フローによって大きく影響される。
小河 浩晃*; 木内 清
JAERI-Research 2002-037, 48 Pages, 2002/12
革新的軽水炉燃料被覆管材の長期健全性にかかわる水素-金属相互作用に関する基礎検討として、原研開発材25Cr-35Ni系合金とNbライナー材、及び、比較材として従来被覆管仕様ステンレス鋼,現用軽水炉被覆管材ベース金属Zr、及びNiの5つの材料間の水素透過挙動の違いを、放射線励起効果の観点から基礎評価した。RF駆動型低温プラズマ源を用いた励起水素透過試験装置を整備して、同一水素分圧で低温プラズマと熱平衡の水素透過の温度依存性及び電場のバイアス効果等を解析した。低温プラズマ励起による水素透過の促進傾向が全材料の中低温領域に見られ、約530K以下の低温側の水素透過挙動は水素-欠陥相互作用に伴い変化した。NbはZrのような水素化物脆化を生じずに多量に水素が固溶出来る水素ゲッター材としての適性が確認された。電場効果では、電子引き込み条件に依存した水素透過能の増大傾向を示し、表面直上の低速電子励起効果の重要性が確認された。水素溶解の新モデルを構築して材料間の励起水素透過の促進傾向の違いを評価した。
松本 太郎; 徳田 伸二; 岸本 泰明; 滝塚 知典; 内藤 裕志*
プラズマ・核融合学会誌, 75(10), P. 1194, 1999/10
プラズマにおける鋸歯状振動の内部崩壊現象の非線形的な振る舞いを解明するために、ジャイロ運動論的粒子モデルに密度勾配の効果を考慮し、円柱プラズマにおける運動論的m=1内部キンクモードのシミュレーションを行った。一様密度の場合の成長率よりも小さい反磁性周波数を与える密度勾配は、このモードの線形成長課程に及ぼす影響は小さく、プラズマは完全磁気再結合を伴って内部崩壊することが示された。しかし、再結合後に自己生成する径電場のために、非線形課程が大きく変化することが明らかになった、これは、一様密度の場合に得られたトロイダル電場の対照的な流れは、非一様密度の場合は密度勾配によって生じる径電場により対称性が破られることが原因と考えられる。この結果、電流の再集中が阻害され、二次的な磁力線再結合が抑制されることが明らかになった。本発表では、数値トカマク研究におけるこれらの成果を報告する。
匂坂 明人*; 永島 圭介; 山極 満; 的場 徹; 宅間 宏*
Journal of the Physical Society of Japan, 68(4), p.1221 - 1227, 1999/04
被引用回数:2 パーセンタイル:26.00(Physics, Multidisciplinary)高強度極短パルスレーザーを用いた光電界電離(OFI)による再結合型X線レーザーの場合、生成される電子のエネルギー分布は非マクスウェル分布となる。そのため、加熱機構を含む分布関数の時間変化を計算し、X線レーザーの反転分布生成に与える影響を定量的に評価する必要がある。本研究では、水素様ヘリウムに注目し利得の計算を行った。電子の分布関数については、電子-電子衝突による緩和過程を取り入れフォッカー・プランク方程式により計算した。この結果、緩和過程の影響が大きく、非マクスウェル性が抑制されてしまうことがわかった。しかしながら、入力レーザーのパルス幅を短くしていくことで(~10fs)最大12cmの利得を得られることが示され、X線レーザーの発振の可能性が期待される。
吉田 英俊; 内藤 磨; 山下 修; 北村 繁; 佐久間 猛*; 小野瀬 義秋*; 根本 博文*; 浜野 隆*; 波多江 仰紀; 長島 章; et al.
Review of Scientific Instruments, 70(1), p.751 - 754, 1999/01
被引用回数:16 パーセンタイル:69.57(Instruments & Instrumentation)JT-60Uトムソン散乱測定装置の最新の設計と測定実績について総合報告する。本装置は超高温な電子温度や高精度な電子密度の過渡変化を、定量的であるがゆえに精密なアラインメントの常時監視下で高信頼測定が可能であるという特長を有する。2台のルビーレーザから発せられるビームを光学的に同質かつ同一直線上に伝搬させる、施光子とファラデー回転子から成るビーム合成装置を開発して、2ミリ秒の時間差での過渡事象現象測定を可能にした。プラズマ炉心部から周辺部まで約2mにわたって60空間点のトムソン散乱光を8~22mmの高分解能で2台の集光器で集光する。低電子密度プラズマを小立体角かつ高空間分解能で高精度に測定するため超高感度の光電子増倍管を採用し、また高温高密度の炉心プラズマを対象に高繰返し計測が可能な2次元型検出器を開発・導入した。講演では、最新の測定結果についても言及する。
松本 太郎; 徳田 伸二; 岸本 泰明; 滝塚 知典; 内藤 裕志*
Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.2, p.97 - 100, 1999/00
プラズマ中における鋸歯状振動の内部崩壊現象の非線形的な振る舞いを解明するために、ジャイロ運動論的粒子モデルに密度勾配の効果を考慮し、円柱プラズマにおける運動論的m=1内部キンクモードのシミュレーションを行った。一様密度の場合の内部キンクモードの成長率よりも反磁性周波数が小さい場合、密度勾配は内部キンクモードの線形成長率に与える影響は小さく、磁力線の完全再結合が生じる。しかし、再結合後に自己生成する径電場のために、このモードの非線形過程が大きく変化する結果が得られた。一様密度の場合に得られたトロイダル電流の対称的な流れは、密度勾配によって生じる径電場により対称性が破られる。そのために電流の集中が阻害され、二次的な磁力線の再結合が制御されるという結果が得られた。本発表では、数値トカマク(NEXT)研究におけるこれらの成果を報告する。
ディスラプション・プラズマ制御・MHDグループ
Nuclear Fusion, 39(12), p.2251 - 2389, 1999/00
ITERの設計建設のために必要なトカマクプラズマのMHD安定性、ディスラプション特性、運転限界についての物理基準を示した。日、米、露、欧の4極の専門家グループを中心に世界中のITER物理R&Dの成果をレビューした。MHD安定性では、理想MHD、壁による安定化効果、抵抗性壁モード、鋸歯状振動、新古典ティアリングモード、エラー磁場不安定性、ELM等についての特性を示した。ディスラプションでは、熱消滅、プラズマ電流消滅、垂直位置移動現象(VDE)、ハロー電流、逃走電子、ディスラプション頻度の各特性をレビューし、ITERの設計基準に反映した。運転限界では、密度限界、値限界等についてレビューし、炉心プラズマとして安定な性能が得られる領域を示した。
久保 博孝; 後藤 基志*; 竹永 秀信; 熊谷 晃*; 杉江 達夫; 櫻井 真治; 朝倉 伸幸; 東島 智; 逆井 章
プラズマ・核融合学会誌, 75(8), p.945 - 951, 1999/00
ダイバータプラズマの電子温度密度の測定は、ダイバータプラズマの理解に欠かすことはできない。この測定には、通常静電プローブが用いられているが、それは熱流束による損傷を免れ得ない。熱流束の影響を受けない方法として、He Iスペクトル線(668nm,706nm,728nm)の放射強度比を用いた測定が考えられた。JT-60Uダイバータプラズマでは、この3つのスペクトル線の放射強度を同時に測定した。この強度比を用いた温度密度測定の可能性を評価するために、測定した強度比を静電プローブで測定した温度密度に基づいて計算した強度比と比較した。その結果、測定結果は計算結果と誤差約12%で一致した。したがって、これらスペクトル線に対する放射係数は、温度密度測定に十分適用できる精度を有することがわかった。
芳野 隆治; 近藤 貴; 閨谷 譲; 伊丹 潔; 河野 康則; 伊世井 宣明
Plasma Physics and Controlled Fusion, 39(2), p.313 - 332, 1997/02
被引用回数:100 パーセンタイル:92.93(Physics, Fluids & Plasmas)キラーペレットは、不純物ペレットのことであり、トカマク装置に損傷を与えずに放電を急速に停止することを目的として、プラズマ中に入射される。JT-60Uでは、ネオンの氷ペレットをプラズマに入射し、(1)垂直位置移動現象の回避、(2)ダイバータ板への熱負荷の低減、(3)逃走電子の発生回避の3つを同時に達成しつつ、高速のプラズマ停止を得ることに成功した。・垂直位置移動現象は、プラズマ電流中心の初期値を中立平衡点の近傍に置くことで回避できた。・ダイバータ板への熱負荷の低減は、熱流束パルスの高さと時間幅を小さくすることで実現した。・逃走電子の発生は、磁場揺動の高い条件を得ることにより回避できた。以上の結果は、キラーペレットの入射が、安全な高速のプラズマ停止を得る有効な手段であることを示している。
吉田 英俊; 内藤 磨; 山下 修; 北村 繁; 波多江 仰紀; 長島 章
JAERI-Research 96-061, 20 Pages, 1996/11
高温なJT-60Uプラズマの電子温度Tと電子密度n
をマルチルビーレーザを活用して空間点数60点で測定するトムソン散乱計測システムの1996年現在までの設計と測定実績を記述する。分光器と新開発の2次元検出器の高スペクトル帯域化によって、高精度かつ高い信頼性を確保しつつ負磁気シア放電で炉心内部に形成される高電子温度プラズマの測定を可能にした。また高空間分解能測定によって、Hモード放電でプラズマ周辺部に形成されるT
とn
の急峻な分布勾配の正確な測定を可能にした。最小時間差2ミリ秒まで可能なマルチレーザの活用は、固体燃料ペレットの入射実験等の過渡現象測定に必要不可欠なものとなった。JT-60UプラズマのT
とN
分布の最近の測定例から、本システムの設計の妥当性と性能を具体的に記した。
芳野 隆治; 閨谷 譲; 伊世井 宣明; 小出 芳彦; 河野 康則; A.Tanga*; Campbell, D. J.*; M.F.Johnson*; L.Rossi*
IAEA-CN-60/A5-8, 0, p.685 - 695, 1995/00
主ディスラプションは、トカマク型核融合炉を開発する上で大きな問題であり、大型トカマク装置JT-60UとJETでは、主ディスラプションの緩和を目的とした研究を進めてきている。本論文は、これら両装置における最新の実験成果について報告し、ITERなどの大型トカマク炉におけるディスラプション回避とその緩和策について指針を与えることを目的としている。特に、以下の3点についての実験結果を示す。(1)主ディスラプションの緩和と回避(2)プラズマ電流クウェンチ中の垂直位置不安定性と逃走電子の抑制(3)ロックモードディスラプションの回避
大和田 謙; 鈴木 和弥
Spectrochimica Acta, Part A, 50(6), p.1057 - 1063, 1994/00
赤外・ラマンスペクトルデータの基準振動解析から得られる二次のポテンシャル定数(力の定数)を応用して、多原子分子形成時の電子化学ポテンシャルを求める方法を検討した。本報では密度汎関数理論を採用して、これに単純結合一電荷モデル(Simple Bond-Charge Model)を試験的に組み込んだ近似法を提案した。この方法を用いて、種々の異核二原子分子及び多原子分子の電子化学ポテンシャルを計算し、実験値及びab-initio SCF計算から得られる値と比較した結果、本法の有用性を確かめることができた。
大和田 謙
Journal of Physical Chemistry, 97(9), p.1832 - 1834, 1993/00
被引用回数:10 パーセンタイル:40.89(Chemistry, Physical)密度汎関数理論において、分子中の各原子の電子エネルギーが電子数と核ポテンシャルについて汎関数展開できることを利用し、多原子分子系の電子化学ポテンシャルを評価するための基本式を導いた。これを用いて種々の多原子分子の電子化学ポテンシャルを計算し、実験値及びサンダーソンの原理から得られる値と比較した結果、基本式の有用性を確かめることができた。
芳野 隆治; 閨谷 譲; 細金 延幸; S.W.Wolfe*; 松川 誠; 二宮 博正
Nuclear Fusion, 33(11), p.1599 - 1612, 1993/00
被引用回数:34 パーセンタイル:71.10(Physics, Fluids & Plasmas)ディスラプションにおける、プラズマ電流低減速度の緩和(低速化)と、逃走電子の抑制に関わる一般的手法の開発を目的として、JT-60Uダイバータプラズマにおける電流クウェンチを調べた。その結果、1)エネルギークウェンチ時の不純物発生の軽減、2)その不純物の主プラズマへの混入の抑制、及び、3)電流クウェンチ時の電子温度の高温化が、プラズマ電流低減速度を緩和するのに有効であることを明らかにした。具体的な手法としては、エネルギークウェンチ直前の蓄積エネルギーを下げることにより、不純物発生量を低減できること、実効安全係数を増大することにより、不純物の主プラズマへの混入を抑制できること、さらに、電流クウェンチ時のNB加熱により、電子温度の低減を抑制できることを示した。一方、逃走電子の発生は、エネルギークウェンチ直前の電子密度を増大することにより、回避できることを明らかにした。以上の結果を用いて、-6MA/sのプラズマ電流の急速低減を実証した。
西村 昭彦; 大場 弘則; 柴田 猛順
Journal of Nuclear Science and Technology, 29(11), p.1054 - 1060, 1992/11
原子法レーザー同位体分離では、電子ビームによる局所加熱により発生させた高密度原子ビームの速度分布がパルスレーザーの繰り返し周波数の決定や回収電極の設計を行う上で重要である。このため、レーザー光照射領域での原子密度を10個/cm
まで増加させて原子ビームの速度分布を行い、原子ビーム速度及び平行及び垂直方向の並進温度の測定を行なった。原子ビーム速度は蒸着速度とともに増加に単原子気体の断熱膨張時の最大速度800m/sまで加速される。一方平行方向の並進温度は200Kまで低下する。また、垂直方向の並進温度は次第に増加の傾向を示し、蒸着速度500
以上では平行方向の並進温度と一致する。本実験結果を偏向型電子銃による実験結果と比較した結果、電子ビームと原子ビームの衝突領域の長さや加速電圧が蒸発原子の速度分布に影響することが判明した。