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論文

On the hydrogen production of geopolymer wasteforms under irradiation

Cantarel, V.; 有阪 真; 山岸 功

Journal of the American Ceramic Society, 102(12), p.7553 - 7563, 2019/12

放射性廃棄物固化において、固化体からの水素発生は安全上の主要な懸念事項である。ジオポリマー材で固化する場合、材の多孔質構造中に多量の水が存在するため、水の放射線分解による水素発生が重要な因子となる。本研究では、ジオポリマー材単独またはゼオライト(模擬廃棄物)を含むジオポリマー固化体を、水飽和度と試料サイズを変えてコバルト60$$gamma$$線で照射し、水素放出量を測定した。試料が塊状でサイズが大きく(円筒形40cm長)かつ水で飽和している場合(円筒形40cm長)の水素ガス放出量は1.9$$times$$10$$^{-10}$$mol.J$$^{-1}$$であり、粉末試料の放出量2.2$$times$$10$$^{-8}$$mol.J$$^{-1}$$よりも2桁小さかった。測定結果をジオポリマー中での水素の発生、再結合および拡散挙動を考慮したモデルにより解釈した。ジオポリマー中の拡散係数が既知であれば、モデルは水素放出量を水飽和度の関数として再現でき、試料サイズ40cmまでの放出量を予測できることがわかった。

報告書

バックエンド技術部年報; 2017年度

バックエンド技術部

JAEA-Review 2019-011, 91 Pages, 2019/10

JAEA-Review-2019-011.pdf:5.25MB

本報告書は、日本原子力研究開発機構原子力科学研究部門原子力科学研究所バックエンド技術部における2017年度(2017年4月1日から2018年3月31日まで)の活動をまとめたものであり、所掌する施設の運転・管理、放射性廃棄物の処理と管理、施設の廃止措置に関する業務、関連する技術開発及び研究成果の概要を取りまとめた。

報告書

1MW核破砕中性子源の低温水素システム用アキュムレータの改良

麻生 智一; 達本 衡輝*; 大都 起一*; 川上 善彦*; 小守 慎司*; 武藤 秀生*; 高田 弘

JAEA-Technology 2019-013, 77 Pages, 2019/09

JAEA-Technology-2019-013.pdf:5.59MB

大強度陽子加速器施設(J-PARC)物質・生命科学実験施設において1MWの陽子ビームで駆動する核破砕中性子源では、水銀ターゲットで発生した高速中性子を冷中性子に冷却するために、液体水素(1.5MPa, 20K以下)を3基のモデレータに供給し、そこで発生する核発熱(3.8kW)を強制方式で冷却する低温水素システムを備えている。この低温水素システムでは、核発熱に伴う系内の圧力変動を低減するためにベローズ構造で圧力を吸収するアキュムレータを採用していることが特徴である。しかしながら、初期に使用したベローズで不具合が生じたため、高耐圧, 長寿命のアキュムレータが必要となった。厚肉プレートによる高耐圧性を有する溶接ベローズ(内ベローズ)の要素技術開発を行い、最適条件を見出すことができた。内ベローズの試作機を製作し、2MPaの圧力印加を繰り返す耐久試験により、設計寿命(1万回以上)を満たすことを確認した。また、その製作法による内ベローズを導入したアキュムレータの組立時、溶接歪等によって内ベローズの機能性や寿命に影響しないように、水平・垂直度を0.1$$^{circ}$$以内に抑えた。改良したアキュムレータは既に約25,000時間(繰り返し伸縮約16,000回(運転中40mm伸縮の設計寿命は50万回))の運転を実現できており、2019年1月現在、500kWビーム出力で運転中である。2018年7月には932kWビーム入射した運転を行い、アキュムレータの圧力変動抑制機能が設計どおりの性能を有することを確認し、今後の高出力において安定運転ができる見通しを得た。

報告書

HTTRの起動用中性子源の交換時期の推定

小野 正人; 小澤 太教; 藤本 望*

JAEA-Technology 2019-012, 15 Pages, 2019/09

JAEA-Technology-2019-012.pdf:2.83MB

HTTRでは、原子炉の起動及び広領域中性子検出器の計数率の確認を目的として、起動用中性子源$$^{252}$$Cfを用いているが、半減期が約2.6年と短いことから適切な時期に交換する必要がある。交換時期の推定には、広領域中性子検出器の「WRM計数率低」の警報発報を防ぐために、半減期のみならず、ゆらぎを考慮する必要がある。このため、広領域中性子検出器の計数率と標準偏差の関係式等から計数率の最小値を予測する手法を考案した。本手法を用いて広領域中性子検出器の計数率の変化を予測した結果、計数率が3.0cpsに低下するのが2022年、1.5cpsに低下するのが2024年となり、2024年までに交換を完了する必要があることが明らかとなった。

論文

Formation mechanisms of insoluble Cs particles observed in Kanto district four days after Fukushima Daiichi NPP accident

日高 昭秀

Journal of Nuclear Science and Technology, 56(9-10), p.831 - 841, 2019/09

2011年3月15日午前中に関東地方(つくば市)で観測された不溶性Cs粒子(Aタイプ)は、$$^{134}$$Cs/$$^{137}$$Cs同位体比や炉の温度状況等から、福島第一原子力発電所2号機の炉内で生成されたと考えられてきた。しかしながら、AタイプCs粒子はほぼ純粋なケイ酸塩ガラスに覆われて急冷の痕跡があること、1号機起源のBタイプCs粒子より小粒径であること等を考えると、3号機の水素爆轟(3/14, 11:01)時に、爆轟の火炎により非常用ガス処理系(SGTS)内の高性能特殊空気(HEPA)フィルタが溶融してシリカ源となり、爆風による微粒化とそれに伴う急冷が同時に起きて粒子は生成された可能性が高い。また、爆轟時の風速場から、粒子の大部分は海方向に流されたが、一部が爆風で原子炉建屋(R/B)深部に移動し、3/15未明の3号機の炉心注水再開時に発生した蒸気の流れによって再浮遊して環境中に放出されたとすることで、観測データを矛盾無く説明できる。

論文

Development of phosphate modified CAC cementitious systems with reduced water content for the immobilization of radioactive wastes

Garcia-Lodeiro, I.*; 入澤 啓太; 目黒 義弘; 木下 肇*

Proceedings of 15th International Congress on the Chemistry of Cement (ICCC 2019) (Internet), 10 Pages, 2019/09

低中レベルの放射性廃棄物を閉じ込めるために、ポルトランドセメントと添加剤の混合物であるグラウトが、低中レベルの放射性廃棄物に対して一般的に使用されている。しかしながら、ポルトランドセメントを用いた従来のセメント固化工程では、マトリクス中に存在する間隙水や水和物といった水の放射線分解により、水素ガス発生のリスクが残る。カルシウムアルミネートセメントに対してリン酸を添加すると、酸塩基反応によって硬化することが知られている。従来のセメントとは異なる反応メカニズムであることから、放射性廃棄物による水の放射線分解に相当する水素ガスのリスクを最小化する利点があると考えられ、低含水セメント固化体の作製を試みた。本研究は、初期の7日間養生時に温度(35$$^{circ}$$C, 60$$^{circ}$$C, 95$$^{circ}$$C, 110$$^{circ}$$C,180$$^{circ}$$C)を変化させた条件でリン酸添加カルシウムアルミネートセメントに及ぼす含水率低減の影響を調査した。実験結果は、試験された条件において従来のカルシウムアルミネートセメントに結晶性水和物が生成されず、大量の水を減少できたにも関わらず構造的に問題ないことを示した。95$$^{circ}$$Cで養生したサンプルにおいては、水酸化アパタイトの形成が確認された。

報告書

平成30年度研究開発・評価報告書; 評価課題「核燃料物質の再処理に関する技術開発(ガラス固化技術)」、「原子力施設の廃止措置及び関連する技術開発」及び「放射性廃棄物処理処分及び関連する技術開発」(中間評価)

核燃料・バックエンド研究開発部門

JAEA-Evaluation 2019-006, 122 Pages, 2019/08

JAEA-Evaluation-2019-006.pdf:8.35MB

日本原子力研究開発機構(以下、「原子力機構」という。)は、「国の研究開発評価に関する大綱的指針(平成28年12月21日内閣総理大臣決定)」及び「文部科学省における研究及び開発に関する評価指針(平成29年4月1日文部科学大臣最終改定)」、並びに原子力機構の「研究開発課題評価実施規程」(平成30年3月29日改正)等に基づき、「核燃料物質の再処理に関する技術開発(ガラス固化技術)」、「原子力施設の廃止措置及び関連する技術開発」及び「放射性廃棄物処理処分及び関連する技術開発」に関する中間評価を研究開発・評価委員会(バックエンド対策研究開発・評価委員会)に諮問した。これを受けて、バックエンド対策研究開発・評価委員会は、委員会にて評価方法を定め、「研究開発の進捗状況の妥当性」、「情勢変化に対応した研究開発の目的・目標・進め方など」、「効果・効用(アウトカム)の暫定的確認」の観点から中間評価を行い、妥当であると評価した。

論文

Evaluation growing and collapsing behaviors of cavitation bubbles under flowing condition

川村 駿介; 直江 崇; 池田 翼*; 田中 伸厚*; 二川 正敏

Advanced Experimental Mechanics, 4, p.33 - 37, 2019/08

J-PARCのパルス核破砕中性子源のステンレス鋼製の水銀ターゲット容器は、圧力波によって誘発されるキャビテーションによる損傷を受ける。キャビテーション損傷の低減化を期待して水銀の狭隘流路を有する二重壁構造の容器が採用された。狭隘流路によるキャビテーション損傷の低減効果は、実験的には確認されているもののそのメカニズムは明らかにされていない。本研究では狭隘流路におけるキャビテーション損傷低減効果を明らかにするための基礎研究として、流れ場における火花放電によるキャビテーション気泡の挙動を高速度ビデオカメラを用いて可視化した。さらに、キャビテーション気泡崩壊時の衝撃による壁面の振動を流速を変化させて測定した。流れがない場合は、気泡崩壊時のマイクロジェットは壁面に垂直に放出される、一方、流れ場ではその角度は斜めに変化する。その結果、壁面への衝撃力は流動によって低下することが分かった。

論文

Dispersion modelling of radioactive materials

永井 晴康; 山澤 弘実*

Environmental Contamination from the Fukushima Nuclear Disaster; Dispersion, Monitoring, Mitigation and Lessons Learned, p.230 - 242, 2019/08

福島第一原子力発電所事故により大気に放出された放射性物質への対応として、国の緊急時対応システムであるSPEEDIの適用状況と課題について解説する。SPEEDI開発の経緯や機能、原子力防災体制における役割を概説するとともに、今回の原子力発電所事故対応においてどのように使われたか、また、使われるべきであったかを、開発者の視点で検証する。これにより得られる教訓と課題が、原子力防災体制の再構築も含めた予測システムの改善や活用方法の検証に役立てられるとともに、今後、万一同様な事故が起こってしまった際に公開される予測情報を適切に理解し、有効に活用するための一助となる。

論文

Development of regional downscaling capability in STEAMER ocean prediction system based on multi-nested ROMS model

上平 雄基; 川村 英之; 小林 卓也; 内山 雄介*

Journal of Nuclear Science and Technology, 56(8), p.752 - 763, 2019/08

STEAMERにROMSによるダウンスケーリングシステムを導入し、海況場及び原子力施設から放出された放射性物質の濃度分布の詳細な予報値が計算可能となるシステムを構築した。構築したシステムを用いて2016年1月寒冷期の福島県沖のサブメソスケール現象及び潮汐が流動構造、濃度分布に与える影響を評価した。その結果、解析領域での寒冷期の濃度分散、三次元的な物質混合にはサブメソスケール現象による寄与が大きいことが示唆された。潮汐は水平の混合を抑制する一方で鉛直混合を強化し、結果として潮汐非考慮では見られなかった放出口近傍沿岸に張り付いた濃度分布を形成していた。潮汐による寄与はサブメソスケール現象に比べて小さいが、濃度希釈過程に影響を及ぼすことが示唆された。

報告書

2018年度夏期休暇実習報告; HTTR炉心を用いた原子力電池に関する予備的検討; 核設計のための予備検討

石塚 悦男; 松中 一朗*; 石田 大樹*; Ho, H. Q.; 石井 俊晃; 濱本 真平; 高松 邦吉; Kenzhina, I.*; Chikhray, Y.*; 近藤 篤*; et al.

JAEA-Technology 2019-008, 12 Pages, 2019/07

JAEA-Technology-2019-008.pdf:2.37MB

2018年度の夏期休暇実習として、HTTR炉心を原子力電池に見立てた場合の核的な予備検討を実施した。この結果、熱出力2MWで約30年、3MWで約25年、4MWで約18年、5MWで約15年の運転が可能であるこが明らかとなった。また、熱的な予備検討として、自然循環冷却かつ可動機器のない発電システムを有する原子力電池のイメージを提案した。今後は、次年度の夏期休暇実習として更に検討を進め、原子力電池の成立性について検討する予定である。

報告書

幌延深地層研究計画; 平成31年度調査研究計画

青柳 和平

JAEA-Review 2019-008, 20 Pages, 2019/07

JAEA-Review-2019-008.pdf:3.33MB

幌延深地層研究計画(本計画)は、日本原子力研究開発機構(原子力機構)が堆積岩を対象に北海道幌延町で実施しているものである。原子力機構の第3期中長期計画では、本計画について、「実際の地質環境における人工バリアの適用性確認、処分概念オプションの実証、地殻変動に対する堆積岩の緩衝能力の検証に重点的に取り組む。また、平成31年度末までに研究終了までの工程やその後の埋戻しについて決定する。」としている。幌延深地層研究計画は、「地上からの調査研究段階(第1段階)」、「坑道掘削(地下施設建設)時の調査研究段階(第2段階)」、「地下施設での調査研究段階(第3段階)」の3つの調査研究段階に分けて進めることとしており、全体の期間は20年程度を考えている。平成31年度は、地下施設での調査研究段階(第3段階)を継続しながら、第3期中長期計画の5年度目として、同計画に掲げた3つの課題を達成していくための調査研究を実施するとともに、成果の取りまとめを行う。

論文

Research and development on membrane IS process for hydrogen production using solar heat

Odtsetseg, M.; 岩月 仁; 田中 伸幸; 野口 弘喜; 上地 優; 井岡 郁夫; 久保 真治; 野村 幹弘*; 八巻 徹也*; 澤田 真一*; et al.

International Journal of Hydrogen Energy, 44(35), p.19141 - 19152, 2019/07

Thermochemical hydrogen production has attracted considerable interest as a clean energy solution to address the challenges of climate change and environmental sustainability. The thermochemical water-splitting iodine-sulfur (IS) process uses heat from nuclear or solar power and thus is a promising next-generation thermochemical hydrogen production method that is independent of fossil fuels and can provide energy security. This paper presents the current state of research and development of the IS process based on membrane techniques using solar energy at a medium temperature of 600$$^{circ}$$C. Membrane design strategies have the most potential for making the IS process using solar energy highly efficient and economical and are illustrated here in detail. Three aspects of membrane design proposed herein for the IS process have led to a considerable improvement of the total thermal efficiency of the process: membrane reactors, membranes, and reaction catalysts. Experimental studies in the applications of these membrane design techniques to the Bunsen reaction, sulfuric acid decomposition, and hydrogen iodide decomposition are discussed.

論文

Visualizing an ignition process of hydrogen jets containing sodium mist by high-speed imaging

土井 大輔; 清野 裕; 宮原 信哉*; 宇埜 正美*

Journal of Nuclear Science and Technology, 56(6), p.521 - 532, 2019/06

In severe accident scenarios for sodium-cooled fast reactors, it is desirable to gradually consume hydrogen generated by various ex-vessel phenomena without posting a challenge to containment integrity. An effective means is combustion of hydrogen jets containing sodium vapor and mist, but previous studies have been limited to determining ignition thresholds experimentally. The aim of this study was to visualize the ignition process in detail to investigate the ignition mechanism of hydrogen-sodium mixed jets. The ignition experiments of the hydrogen jet containing sodium mist were carried out under a condition of little turbulence. The ignition process was measured with an optical measurement system comprised of a high-speed camera and an image intensifier, and a spatial distribution of luminance was analyzed by image processing. Detail observation revealed that sodium mist particles burned as scattering sparks inside the jet and that hydrogen ignited around the mist particles. Additionally, the experimental results and a simple heat balance calculation indicated that the combustion heat of sodium mist particles could ignite the hydrogen as the heterogeneous ignition source in the fuel temperature range where the mist particle formation was promoted.

論文

Optimum temperature for HIP bonding invar alloy and stainless steel

涌井 隆; 石井 秀亮*; 直江 崇; 粉川 広行; 羽賀 勝洋; 若井 栄一; 高田 弘; 二川 正敏

Materials Transactions, 60(6), p.1026 - 1033, 2019/06

J-PARCの核破砕中性子源で使用する水銀ターゲット容器は、1.3$$times$$1.3$$times$$2.5m$$^{3}$$と大きいため、使用済み容器の廃棄量を低減する観点で、損傷量の大きい前半部を分割できる構造を検討している。分割部のフランジには、高いシール性能(1$$times$$10$$^{-6}$$Pa・m$$^{3}$$/s以下)が必要である。このフランジの材料として、ビーム運転時の熱変形を低減するために低熱膨張材であるインバー合金は有望であるが、弾性係数が低いためボルト締結時の変形が大きくなる。実用上はステンレス鋼で補強するが、HIP接合により広い面積を全面にわたって確実に接合する条件を見出すことが課題であった。そこで、接合温度が異なる試験片(973, 1173, 1373及び1473K)について、引張試験及び数値解析による残留応力評価を行った。973Kで接合した試験片は、拡散層厚さが殆どなく接合界面で破断した。引張強度は、接合温度の上昇とともに減少し、1473Kの場合、約10%低下した。接合面近傍の残留応力は最大50%増加した。これらの結果から、1173Kが最適な接合温度であることを結論付けた。

論文

再処理施設の高レベル廃液蒸発乾固事故でのFP硝酸塩の脱硝に伴い発生するNOxの化学的挙動解析

吉田 一雄; 玉置 等史; 吉田 尚生; 吉田 涼一朗; 天野 祐希; 阿部 仁

日本原子力学会和文論文誌, 18(2), p.69 - 80, 2019/06

再処理施設で想定される重大事故の一つに高レベル廃液貯槽の蒸発乾固事故がある。高レベル廃液には、再処理で取り除かれた核分裂生成物の硝酸塩が含まれ、それらの崩壊熱で発熱するため常時冷却する必要がある。このため全電源の喪失により冷却機能が全喪失した状態が継続した場合、廃液が沸騰しいずれ乾固する。乾固時には、廃液に含まれる硝酸塩の熱分解による脱硝反応が進行しNOxガスが発生する。本報では、硝酸-水混合蒸気系の雰囲気でのNOx系の化学種の化学変化をレビューし、それに基づき再処理施設の高レベル廃液の蒸発乾固事故での建屋区画内での熱流動及び各化学種の濃度変化の解析モデルを提案し、実規模体系での解析を試行した結果を示す。その結果を基にRuの施設外への移行量評価の高度化に向けた課題を提言する。

論文

福島第一原子力発電所における事故対応ワークロード分析に基づく緊急時対応力向上に関する研究

吉澤 厚文*; 大場 恭子; 北村 正晴*

日本原子力学会和文論文誌, 18(2), p.55 - 68, 2019/06

本研究は、東京電力福島第一原子力発電所の緊急時対策本部における事故時のワークロードマネジメントを分析することにより、緊急時対応力向上を目的としたものである。選定した事象は、緊急時対応力が求められた福島第一原子力発電所の3号機におけるHPCIの停止による原子炉注水停止から、原子炉への注水回復を暫定的に回復することに成功した時間帯の緊急時対策本部の対応である。テレビ会議システムの映像を文字起こししたデータを基本データとし、会議録では事実関係の把握が難しい時には、各報告書や調書を参照した。また、ワークロードマネジメントを評価する手法は、Crew Resource Managementの手法を参照した。本研究により、発電所対策本部のワークロードマネジメントの実態が明らかになるとともに、緊急対応力向上のために、発電所対策本部および関係する外部組織に求められる課題が明らかになった。

論文

Thick target neutron yields from 100- and 230-MeV/nucleon helium ions bombarding water, PMMA, and iron

Tsai, P.-E.; Heilbronn, L. H.*; Lai, B.-L.*; 岩田 義之*; 村上 武*; Sheu, R.-J.*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 449, p.62 - 70, 2019/06

100および230MeV/核子のヘリウムイオンが厚い鉄, PMMA,水ターゲットで止まった際に放出される二次中性子について波形弁別法と飛行時間法を用いて液体シンチレータで測定した。測定値を分析したところ、二次中性子は入射粒子の破砕、入射粒子と標的原子核の重複部からの放出、標的核の蒸発の成分に分類できることが分かった。測定された中性子収量の二重微分,角度微分,生成総量については、PHITS, FLUKA, MCNPの各計算コードのベンチマークに使用した。デフォルトのモデルを使用したこれらのコードの計算値は、低中エネルギーで中大角度に放出された場合の、実験値とよく一致した。一方、PHITSの核反応モデルは一部の核反応メカニズムで改善が必要なことも見いだされ、本実験結果はモデル改良にとって重要な参考データとなる。

論文

3D X Ray micro-tomography as a tool to formulate metakaolin-based geopolymer-oil emulsions

Lambertin, D.*; Davy, C. A.*; Hauss, G.*; Planel, B.*; Marchand, B.*; Cantarel, V.

Proceedings of 1st International Conference on Innovation in Low-Carbon Cement and Concrete Technology (ILCCC 2019) (USB Flash Drive), 4 Pages, 2019/06

ジオポリマー(GP)セメントと有機液体からなる複合材料は、放射性有機液体廃棄物の管理のために、または相変化材料(PCM)として、多孔性制御媒体を合成するのに有用である。GPセメントは、大量の有機オイルをエマルションで新鮮なペーストに閉じ込めることができる。そのエマルション(GEOIL)は、GP硬化中は安定なままである。本報告では、1ミクロン$$^{3}$$ (= 1$$times$$10$$^{-6}$$m$$^{3}$$)のボクセルサイズの3D X線マイクロコンピューター断層撮影(マイクロCT)を使用することによって、GEOILペーストの3D油滴構造に対する調合パラメータ(油の割合, Si/Alモル比,界面活性剤)の影響を調べた。試料は新鮮な状態で乳し、硬化した状態で画像撮影した。気孔率,油滴サイズ分布、および油滴間の平均距離の全てを定量的に決定した。界面活性剤の存在により、著しく小さい油滴の形成が観察された。Si/Al比の増加も油滴サイズを減少させるが、その程度はより少ない。

報告書

内圧が上昇した核燃料物質貯蔵容器の開封点検用チャンバーの設計

丸藤 崇人; 佐藤 匠; 伊東 秀明; 鈴木 尚; 藤島 雅継; 中野 朋之

JAEA-Technology 2019-006, 22 Pages, 2019/05

JAEA-Technology-2019-006.pdf:2.84MB

2017年6月6日に日本原子力研究開発機構大洗研究所燃料研究棟において発生した核燃料物質による汚染事故では、点検のためにフード内で核燃料物質を収納したプルトニウム・濃縮ウラン貯蔵容器の蓋を開封した際に、内部の樹脂製の袋(PVCバッグ)が破裂して核燃料物質の一部が実験室内に飛散した。事故の主原因は、核燃料物質と混在していたエポキシ樹脂の放射線分解によってガスが発生したことによる貯蔵容器の内圧上昇であった。燃料研究棟には他にも核燃料物質を収納している貯蔵容器が約70個存在するため、今後これらの貯蔵容器を開封点検し、内容物の状態確認及び有機物を含む試料等の安定化処理を実施する計画である。グローブボックス内において内圧の上昇した貯蔵容器の開封点検を安全・確実に実施するためには、気密環境下で貯蔵容器の蓋を開放して内部を点検できる耐圧チャンバー(開封チャンバー)の開発が必要となる。本報告書は、この開封チャンバーの設計に関する課題、その対策及び設計結果についてまとめたものである。

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