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塙 悟史; 角田 淳弥; 柴田 大受; 石原 正博; 伊与久 達夫; 沢 和弘
Transactions of 18th International Conference on Structural Mechanics in Reactor Technology (SMiRT-18), p.600 - 605, 2005/08
炭素繊維強化炭素複合材料(C/C複合材)は高強度かつ優れた耐熱性を有することから高温ガス炉の炉内構造材として有望視されている。C/C複合材の原子力適用に際しては、黒鉛材料と同様に中性子照射による損傷がC/C複合材にも生じることが予想される。そこで、C/C複合材の熱・照射応力を評価するためにC/C複合材の高い異方性を考慮できる有限要素コードVIENUSを開発した。本報告では、炉心拘束機構への2次元C/C複合材の適用を想定し、C/C複合材の厚さや炉心拘束機構取付時のギャップをパラメータとした熱・照射応力解析を実施した。その結果、厚さとギャップの適切な設定によりC/C複合材は炉心拘束機構へ適用可能であること、また照射による寸法収縮に起因してC/C複合材に生じる周方向引張応力は増加するが、炉心拘束機構としてのC/C複合材の適用を考えた場合その増加は十分に小さいことが明らかとなった。
石倉 修一*; 志賀 章朗*; 二川 正敏; 粉川 広行; 佐藤 博; 羽賀 勝洋; 池田 裕二郎
JAERI-Tech 2005-026, 65 Pages, 2005/03
本報は、大強度陽子加速器計画(J-PARC: Japan Proton Accelerator Complex)の中核施設である物質・生命科学実験施設の核破砕中性子源となる水銀ターゲット容器(3重壁構造)の構造健全性評価を行うための基本データとするために、水銀容器及び保護容器(別名セーフティーハルで2重壁リブ構造)で想定される荷重条件下(水銀容器及び保護容器の内外圧と定常熱応力,水銀容器内の25Hzの熱衝撃に伴う圧力波による応力)で発生する応力値をもとに、実験から求められた照射と壊食による材料強度劣化(疲労寿命の低下)を考慮して、確率論的手法により破損確率の算定を行った。水銀容器と保護容器の破損確率を評価した結果、(1)水銀容器は圧力波による応力サイクルと壊食による疲労強度の低下が大きいために、5000hrを仮定した寿命中の破損確率は12%である。(2)保護容器は圧力波が作用しないために寿命中の破損確率は10と十分低く、破損する可能性はほとんどない。したがって、万が一水銀容器が破損して水銀が漏洩した場合でも、保護容器が漏洩水銀を収納するとともに、同時に水銀漏洩検知器が機能することにより、漏洩水銀は保護容器内部に閉じ込めることが十分可能であることを定量的に示した。
中村 博雄; 井田 瑞穂*; 松廣 健二郎; Fischer, U.*; 林 巧; 森 清治*; 中村 博文; 西谷 健夫; 清水 克祐*; Simakov, S.*; et al.
JAERI-Review 2005-005, 40 Pages, 2005/03
国際核融合材料照射施設(IFMIF)は、核融合炉材料の開発のために、十分な照射体積(500cm)を有し照射量200dpaまで照射可能な強力中性子束(2MW/m
)を発生可能な加速器型中性子源である。このような中性子を発生させるために、最大エネルギー40MeV,最大電流250mAの重水素ビームを、最大流速20m/sの液体リチウム流ターゲットに入射させる。ターゲット系では、7Be,トリチウムや放射化腐食生成物等が発生する。また、背面壁は、年間50dpaの中性子照射下で使用する必要がある。本報告では、平成16年度の原研におけるターゲット系の活動主要なトピックスとして、ターゲットアセンブリの熱・熱応力解析、放射化腐食性生物によるリチウムループ近接性の影響評価,トリチウムインベントリと透過量評価を取りまとめた。
中野 純一; 三輪 幸夫; 高野 利夫; 塚田 隆
Journal of Nuclear Materials, 329-333(Part1), p.643 - 647, 2004/08
被引用回数:9 パーセンタイル:51.70(Materials Science, Multidisciplinary)照射誘起応力腐食割れ(IASCC)における微量元素の影響を調べるために、高純度のSUS304及び316ステンレス鋼を製作し、SiまたはCを添加した。3.510
n/m
(E
1MeV)の中性子照射後、照射材に対して低ひずみ速度引張試験(SSRT)を561Kの高温水中で行った。SSRT後に試験片の破面観察を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて行った。中性子フルエンスの増加とともに、ステンレス鋼の降伏応力は増加し、伸びは減少した。SiあるいはMoを含有するステンレス鋼では、6.7
10
n/m
の照射後のSSRTにおいて20%以上の全伸びを示したが、3.5
10
n/m
まで照射した全ての試料が降伏応力の増加と10%以下の伸びの低下を示した。SSRT後の破面の粒界型応力腐食割れ(IGSCC)の破面率は中性子フルエンスの増加とともに増加した。Cを含む高純度ステンレス鋼においては、照射硬化が全試料中最大であったにもかかわらず、IGSCC破面率が全試料中最小となり、Cの添加によりIGSCCが抑制された。
シュラウド・再循環系配管サンプル調査チーム
JAERI-Tech 2004-004, 74 Pages, 2004/02
東京電力(株)福島第一原子力発電所4号機(沸騰水型,定格出力78.4万kW)において、第12回定期検査(平成5年9月平成6年2月)の自主点検の際に、炉心シュラウド中間部胴H4溶接部にき裂が発見された。本研究は、東京電力(株)が日本核燃料開発(株)にて実施するき裂を含むSUS304Lの材料サンプルの調査・評価に関して、原研が第三者機関として加わり、最終的に得られた調査データを入手し、原研独自の調査報告書を作成することにより、調査の透明性を確保することを目的として実施した。本研究により、以下の結論が得られた。(1)観察したき裂のほぼ全体が粒界割れであった。き裂内部には腐食生成物が付着し、一部は粒内に成長していた。また、2次き裂の一部は溶接金属に達していた。(2)表面近傍のビッカース硬さは300程度に高くなっていた。また、照射による母材の硬化が認められた。(3)結晶粒界ではCr濃度の低下とNi及びSi濃度の増加が観察された。これら合金元素の濃度変化は照射により誘起された拡散,偏析過程により生じたものと考えられる。本研究の結果と、溶接によりき裂付近に発生していたと考えられる引張残留応力及び炉水中の溶存酸素濃度等を考慮すると、このき裂は応力腐食割れ(SCC)であると結論される。
中野 純一; 塚田 隆; 辻 宏和; 寺門 正吾; 高野 利夫; 遠藤 慎也
JAERI-Tech 2003-092, 54 Pages, 2004/01
照射誘起応力腐食割れ(Irradiation Assisted Stress Corrosion Cracking, IASCC)は中性子照射,応力及び高温水等の腐食環境が複雑に作用して生じる炉内構造材料の損傷現象であり、軽水炉の高経年化に伴う重要な検討課題となっている。IASCCにおけるき裂の発生・成長のメカニズムを解明するにはき裂成長のプロセスとき裂発生のプロセスを分離して検討することが必要である。そのため、照射材を用いて高温高圧水中での低ひずみ速度試験(Slow Strain Rate Test, SSRT)を無人で長時間連続して行いながら、試験片表面のその場観察が可能な装置を開発した。本装置の性能確証試験として、未照射のSUS304ステンレス鋼試験片を用いて561K, 9MPaの高温高圧水中において、試験片表面のその場観察を実施しながらの引張試験と未観察でのSSRTを行った。それらの結果から以下のことを確認した。(1)ホットセル内での遠隔操作による試験片の取扱・観察,データの記録が可能であること。(2)高温水中でのその場観察が可能であり、試験片形状は平板型が観察に適していること。(3)長期の試験期間において、試験条件を一定に制御可能であるとともに無人で安全にデータ取得が可能であること。
奥 達雄*; 石原 正博
Nuclear Engineering and Design, 227(2), p.209 - 217, 2004/01
被引用回数:35 パーセンタイル:87.99(Nuclear Science & Technology)黒鉛材料の寿命と黒鉛構造物の寿命はそれぞれ異なる観点から論じられ、しばしば材料研究者や設計者に混同されることがある。黒鉛材料の寿命は、照射による寸法収縮が初期値に戻る照射量を材料の寿命と考えている。一方、黒鉛構造物の寿命は、構造物に生じる発生応力が許容応力に達した照射量を構造物の寿命と考えている。そこで、HTTR黒鉛ブロックを一例として、黒鉛ブロックの発生応力から評価される構造物の寿命と照射誘起寸法変化から評価される材料の寿命についての比較検討を行った。その結果、黒鉛構造物の寿命は、発生応力と許容応力の関係からの制限及び照射誘起寸法変化の両者の短い方によって定義すべきことを明らかとした。
塚田 隆
材料と環境, 52(2), p.66 - 72, 2003/02
軽水炉の炉内構造材料は、高レベルの中性子・線の照射を伴う約300
Cの高温高圧水中という他の工業プラントにはない環境で使用され、照射と化学環境の作用により特有の劣化損傷を生じる。中性子照射を受けると、合金のミクロ組織や粒界近傍等の局所的な化学組成は、格子原子のはじき出しに始まる照射損傷過程により刻々と変化する。ここで紹介する照射誘起応力腐食割れ(IASCC: Irradiation Assisted Stress Corrosion Cracking)は、炉内中性子照射の影響により発生するSCC現象である。IASCCの研究は、1980年代中頃に軽水炉高経年化・長寿命化の検討に伴い各国で本格化した。重大な問題へつながるIASCC損傷はこれまで経験されていないが、IASCCの発生と進展のメカニズムについてはまだ十分解明されておらず、さらに基礎的な研究が必要な状況にある。また、IASCCは軽水炉のみならず照射場に水冷却系を有するシステムに共通の材料損傷要因となり得る。例えば、国際熱核融合実験炉ITERの第1壁ブランケット構造物の材料についてもIASCCの検討が行われている。本解説では、IASCCについてこれまでに得られた主な知見と研究の動向を紹介する。
根本 義之; 三輪 幸夫; 辻 宏和; 塚田 隆
第12回MAGDAコンファレンス(大分)講演論文集, p.191 - 196, 2003/00
現在、軽水炉の高経年化との関連において重要な検討課題とされているオーステナイト・ステンレス鋼の照射誘起応力腐食割れ(IASCC: Irradiation Assisted Stress Corrosion Cracking)の基礎的な研究のため、照射材における腐食挙動の評価方法の開発及び解析を行った。イオン照射を適用し、照射温度,照射損傷量,ヘリウム(He)注入量を変化させて照射を行った。照射材の腐食挙動の評価には原子間力顕微鏡(AFM: Atomic Force Microscope)を適用し、その評価のために最適な腐食条件などについて検討した。その結果、照射材の腐食挙動の評価方法を開発し、粒界及び粒内の腐食挙動について評価を行った。方位像顕微鏡(EBSP: Electron Backscatter Diffraction Pattern)による観察結果との組合せにより、粒界性格と腐食挙動の相関について検討した。また照射条件と腐食挙動の相関について検討した。
佐久間 隆昭*; 本橋 嘉信*; 小林 友和*; Harjo, S.*; 柴田 大受; 石原 正博; 馬場 信一; 星屋 泰二
日本機械学会関東支部茨城講演会(2002)講演論文集(No.020-3), p.125 - 126, 2002/09
セラミックス材料はほとんど塑性変形を示さないが、数種のセラミックスでは極めて大きな塑性変形(超塑性)を示すことが近年明らかになった。熱・機械的特性に優れたセラミックスを複雑形状へ加工することが可能になることから、超塑性セラミックス材料は高温炉内材料として魅力的であるが、照射による材料特性変化についての研究はほとんど行われていない。本研究では、典型的な超塑性セラミックス3Y-TZPを供試材としてZrイオン照射を行い、照射による材料特性の変化や焼鈍による照射の影響の変化について調べた。その結果、照射により粒界が相対的に弱くなり粒界の機械的特性が低下すること、また、この照射の影響はその後の1173Kでの焼鈍により取り除かれることがわかった。
塚田 隆; 小森 芳廣; 辻 宏和; 中島 甫; 伊藤 治彦
Proceedings of International Conference on Water Chemistry in Nuclear Reactor Systems 2002 (CD-ROM), 5 Pages, 2002/00
照射誘起応力腐食割れ(以下、IASCC)研究における試験データは、従来ほとんどすべてが照射後試験により得られて来た。その結果、IASCCに関して多くの知見が得られたことは事実である。しかし、IASCCは本来炉内で使用される構造材で問題となり、そこでは照射,化学環境(高温水)そして応力は同時に材料に作用している。これらの作用には照射後試験では再現不可能な現象があり、照射は高温水の放射線分解をもたらし、応力付加状態での照射損傷組織は無負荷状態のそれと異なることも知られている。近年、IASCC研究では炉内の照射下高温水中で材料試験を行い、上記の炉内複合環境におけるIASCC挙動を調べようとする機運が高まっている。既にハルデン炉では、照射下IASCC試験を開始しているが、チェコLVR-15炉,ベルギーBR-2炉においても照射下IASCC試験のための高温水ループを炉内に設置して試験の実施を目指している。本発表では、平成13年度にJMTRに設置されたIASCC研究用高温水ループについて、その設計の考え方と装置の仕様と特徴などを報告する。
根本 義之; 三輪 幸夫; 塚田 隆; 菊地 正彦; 辻 宏和
JAERI-Tech 2001-079, 25 Pages, 2001/12
現在、軽水炉の高経年化との関連において重要な検討課題とされているオーステナイト・ステンレス鋼の照射誘起応力腐食割れ(IASCC: Irradiation Assisted Stress Corrosion Cracking)の基礎的な研究のため、表面酸化皮膜の解析技術の検討及び解析を行った。酸化皮膜の微細構造観察用の薄膜試料の作製を集束イオンビーム加工法(FIB: Focused Ion Beam)によって行い、加工の際の表面酸化皮膜の保護方法などについて検討した。断面観察用試料作製時の酸化皮膜の保護方法として、Ni(ニッケル)メッキとCu(銅)メッキの比較を行った。その結果、表面酸化皮膜が合金から剥離せず、破壊されない状態で観察可能な薄膜試料にまで仕上げる方法を得た。またその方法によって試料を作製し、SUS304及びSUS304Si(シリコン)添加材の表面に288,飽和溶存酸素濃度の高温高圧水中で生成させた酸化皮膜の断面の微細構造観察及び化学組成分析を行った。酸化皮膜は厚いところで約1
mの厚さで、酸化スケールは直径約100nm程度の微細なFe(鉄)酸化物の析出物で構成されていた。また合金素地との境界には厚さ10nm程度のCr(クロム)酸化物の不動態皮膜が生成していた。
沢 和弘; 塩沢 周策; 湊 和生; 福田 幸朔
Journal of Nuclear Science and Technology, 33(9), p.712 - 720, 1996/09
被引用回数:25 パーセンタイル:86.78(Nuclear Science & Technology)高温ガス炉技術の高度化のために高燃焼度四重被覆燃料粒子を開発してきた。四重被覆燃料粒子は、球状燃料核の外側に低密度熱分解炭素(PyC)層、高密度PyC層、SiC層、高密度PyC層を被覆したものである。高温ガス炉燃料の安全設計においては、核分裂生成物を粒子内に閉込め、1次冷却材中の放射能量を許容レベル以下に保つことが重要であり、燃料の設計方針は製造時の被覆層破損率を小さくし、かつ運転中に著しい破損が生じないようにすることである。被覆燃料粒子では、核分裂に伴い発生するガス及び中性子照射により発生する応力が被覆層に加わり高燃焼度下で被覆層破損が生じる可能性があり、信頼できる評価モデルの開発が必要であった。そこで、高燃焼度下における各被覆層の破損確率に基づき破損率を評価する破損モデルを新たに開発した。さらに、本モデルを用いてHTTR初装荷燃料及び高燃焼度燃料に関するパラメータ計算を行った。
星屋 泰二; 後藤 一郎; 近江 正男; 安藤 弘栄; 江南 和幸*; 西川 雅弘*
Journal of Nuclear Materials, 212-215, p.818 - 822, 1994/00
被引用回数:3 パーセンタイル:35.51(Materials Science, Multidisciplinary)原子力関連機器設計において、構成材料の弾性力を利用した構成要素の拘束・支持機構の設計が数多くなされてきた。最近、こうした構造材料の弾性力が、照射中に急激に低減・消滅する照射誘起応力緩和現象の存在が深刻な課題となっている。母相の弾性力を形状回復力として利用する形状記憶合金においても、同現象は不可避の問題である。本報告では、JMTRにおいてTiNi及びTiPd系形状記憶合金の中性子照射実験を実施し、照射誘起応力緩和機構を解明するとともに、TiPd系合金の中性子照射挙動について明らかにすることを目的とした。照射後の応力緩和実験結果から、照射下における形状記憶合金の応力緩和機構は、格子間原子以外の空孔の挙動に大きく左右され、空孔依存型の現象であること、さらに、環境温度を制御することによって、この応力緩和が抑制できることを見出した。
伊与久 達夫; 石原 正博; 白井 浩史*
Journal of Nuclear Science and Technology, 28(10), p.921 - 931, 1991/10
高温工学試験研究炉(HTTR)の黒鉛ブロックに発生する熱・照射応力を解析するためのコードVIENUSを開発した。本コードは、照射下の黒鉛材料の挙動を詳細に考慮した2次元の粘弾性有限要素法解析コードである。解析においては、物性値の高速中性子照射量と温度の依存性を考慮している。米国の高温ガス炉であるPeach Bottom炉の試験燃料要素の照射試験結果に基づいて、本コードで解析する黒鉛ブロック内の熱・照射応力の妥当性を評価した。その結果、解析値は照射試験の結果を予測し得ることが出来、かつ、照射クリープと照射寸法変化が熱・照射応力解析において最も重要であることが明らかになった。本研究により、HTTRの黒鉛ブロックの熱・照射応力解析に本コードが有効であることが分かった。
林 君夫; 佐藤 貞夫; 豊田 純二*; 塩沢 周策; 沢 和弘; 鹿志村 悟*; 菊池 輝男; 福田 幸朔
JAERI-M 91-111, 38 Pages, 1991/07
高温工学試験研究炉(HTTR)の燃料について、HTTR条件下での照射に伴なう被覆燃料粒子の被覆層応力の解析をMICROSコードを用いて行なった。改良型SiC被覆粒子燃料(B-1型燃料)は、標準燃料(A型燃料)に比べて第1層(低密度熱分解炭素層)および第3層(SiC層)を厚くしているため、被覆層の応力は緩和される。ZrC被覆粒子燃料(B-2型燃料)については、ZrC層の照射寸法変化がないと仮定したことから、B-1型燃料の場合と殆んど同一の結果が得られた。以上の結果は、被覆層の照射応力による破損に対して、B-1型およびB-2型燃料がA型燃料に比べて、より健全性を保ちうることを示している。最後に、燃料挙動解析コードの開発に向けての課題について述べた。
湊 和生; 福田 幸朔; 小林 紀昭; 井川 勝市
JAERI-M 83-167, 24 Pages, 1983/10
1本燃料棒型のOGL-1照射燃料体用黒鉛ブロックに対して、照射によって生じる熱応力に耐え得ることを確認する目的で、熱応力解析を行なった。第6次燃料体の照射試験データを用いた。黒鉛物性値には、黒鉛ブロックの素材であるIG-11黒鉛の物性値に基づいた値を用いた。解析の結果、照射により黒鉛物性値が変化するために、最大引張応力および最大圧縮応力は、タイロッド挿人用孔径が8mmあるいは9mmの場合ともに、高速中性子照射量が0~310
n/cm
の範囲で、それぞれの許容応力よりも小さかった。このことから、1本燃料棒型燃料体の黒鉛ブロックの耐熱応力強度は、計画されている最長の照射期間の場合でも、十分に確保されていることがわかった。
山田 礼司; 原山 泰雄; 石橋 明弘*; 小野 正夫*
JAERI-M 8468, 77 Pages, 1979/09
燃料の局所的な変化の大部分は燃料ペレットの照射による変化に起因している。この変化を理解する手段として有限要素法に基づいた解析のプログラムを作成した。プログラムはペレットのクラックの解析に重点をおき、現段階ではペレットと被覆管の機械的相互作用は考慮していない。 -Z系の2次元モデルに基づくFEMFと
-Q体系の平面モデルに基づくFREB4の二つのプログラムを作成した。本報告書はプログラムの概要とペレットのクラックがその出力によってどのように変化するかについて記述した。
原山 泰雄; 泉 文男; 藤田 操
JAERI-M 8407, 75 Pages, 1979/08
プログラムFREC-3は、原子炉燃料棒の設計パラメータが照射に従ってどのように変化するかを計算し、燃料棒の安全性評価を行うことを目的にしている。特に被覆管の歪の照射による変化を評価することに重点をおいている。この報告書は、FREC-3の計算方法およびそれに含まれるモデルについて記述する。
小川 豊; 近藤 達男; 石本 清; 大塚 保
Proc.of 2nd Japan-US HTGR Safety Technology Seminar,Material Properties and Design Method Session, 9 Pages, 1978/00
ハステロイ-Xの照射後クリープ試験結果を主体とし、併せて高温照射脆化改善の試みとして、低ホウ素ハステロイ-XRに関する予備的な試験結果を報告する。照射条件は、T=670~880C、
t=6.6
10
n/cm
(thermal)、
t=1.1
10
n/cm
(fast)、t=1040hr、である。クリープでは900
C、大気中で行ない、応力は1.5~5.0kg/mm
である。クリープ挙動は、応力22kg/mm
近傍、破断時間約100hrを境として、2つに区分できる。これより高応力短時間側では延性と寿命の低下が著しい。一方低応力長時間側では延性と寿命の低下が少ない。金相試験から、低応力側では試料の平行部全面にわたって多数のクラックが発生しており、これがクリープ試験中にみかけの延性を保っている原因であると結論された。ホウ素含有量を低減化したハステロイ-XRについて、炉水温照射後の高温引張試験を行ない、ホウ素の低減化が照射による延性低下の改善に有効であることを確認した。