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論文

Measurement of nuclide production cross sections for proton-induced reactions on Mn and Co at 1.3, 2.2, and 3.0 GeV

竹下 隼人*; 明午 伸一郎; 松田 洋樹*; 岩元 大樹; 中野 敬太; 渡辺 幸信*; 前川 藤夫

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 511, p.30 - 41, 2022/01

1.3, 2.2および3.0GeVの陽子入射によるMnおよびCoの核種生成断面積を放射化法によりJ-PARCで測定した。$$^{55}$$Mn(p,X)$$^{38}$$S, $$^{55}$$Mn(p,X)$$^{41}$$Ar、および$$^{59}$$Co(p,X)$$^{38}$$Sの生成断面積を世界で初めて取得した。安定した陽子ビームと確立されたビームモニタにより、系統的不確かさを典型的に5%以下に低減することができ、過去のデータよりも優れたものとなった。核破砕反応モデルと評価済み核データライブラリの予測精度の検証のため、測定データをPHITSの核破砕反応モデル(INCL4.6/GEM, Bertini/GEM, JAM/GEM)、INCL++/ABLA07、およびJENDL/HE-2007ライブラリの断面積と比較した。平均二乗偏差係数の比較により、INCL4.6/GEMとJENDL/HE-2007は他のモデルよりも実測データとのよい一致を示すことがわかった。

論文

Influence of distant scatterer on air kerma measurement in the evaluation of diagnostic X-rays using Monte Carlo simulation

富永 正英*; 永安 結花里*; 佐々木 幹治*; 古田 琢哉; 林 裕晃*; 笈田 将皇*; 西山 祐一*; 芳賀 昭弘*

Radiological Physics and Technology, 14(4), p.381 - 389, 2021/12

放射線診断技術の発展により、患者の被ばく線量の増大が問題となっており、医療被ばくの最適化を目的として、日本国内で共通の診断参考レベルが策定された。この中で、X線一般撮影については、患者の体表面における線量を各施設の診断線量レベルとして評価することが推奨されている。体表面の線量は、体内部からの後方散乱を表す係数を機器設置やメンテナンス等で測られる空中空気カーマに乗じることで、簡便に導出できる。しかし、障害物からの距離を十分取れない状況では、測定される空中空気カーマへ散乱X線が混入するため、線量評価の誤差の要因となる。そこで、モンテカルロシミュレーション計算により、散乱体の物質や距離が散乱X線へ与える影響を評価した。診断X線のエネルギー領域では、軽元素と重元素で散乱に関する物理現象が異なり、物質毎にX線の照射野やエネルギーへの依存性が変化することがわかった。また、どの物質でも35cm程度の距離を取れば、散乱X線の混入をほぼ無視できることがわかった。

論文

Technical Note: Validation of a material assignment method for a retrospective study of carbon-ion radiotherapy using Monte Carlo simulation

Chang, W.*; 古場 裕介*; 古田 琢哉; 米内 俊祐*; 橋本 慎太郎; 松本 真之介*; 佐藤 達彦

Journal of Radiation Research (Internet), 62(5), p.846 - 855, 2021/09

炭素線治療の治療計画をモンテカルロシミュレーションによって再評価するためのツール開発の一環として二つの重要な手法を考案した。一つは治療計画装置に含まれる校正済みのCT-水阻止能表を反映しつつ、患者CT画像から物質識別を行う手法である。もう一つの手法は、粒子およびエネルギー毎に生体物質と水との阻止能比を考慮し、水等価線量を導出することを目的としたものである。これらの手法の有効性を確認するため、生体物質および水で構成される均質および不均質ファントムに対し、SOBPサイズ8cmの炭素線を400MeV/uで照射するシミュレーションをPHITSで計算し、得られた線量深さ分布を従来の治療計画装置による結果と比較した。その結果、従来の治療計画装置で採用されている生体物質を全て水に置換する手法では、異なる物質において二次粒子の発生率が一次粒子の阻止能に単純に比例するため、二次粒子による線量寄与を評価する上で不適切であることが分かった。一方、各物質の二次粒子の発生率を適切に考慮した新しい手法は炭素線治療の再評価において、重要な役割を果たすことが期待できることが分かった。

論文

Medical application of Particle and Heavy Ion Transport code System PHITS

古田 琢哉; 佐藤 達彦

Radiological Physics and Technology, 14(3), p.215 - 225, 2021/09

PHITSユーザー数は、集計を開始した2010年以降に順調な増加傾向を示している。その中で、近年は医学物理分野における新規ユーザー数の増加が顕著となっている。そのため、PHITSを利用した数多くの研究が発表されており、その内容も放射線治療応用、施設の遮蔽計算、放射線生物学応用、医療機器研究開発等、多岐に渡っている。本稿では、これら応用研究の具体例を示しつつレビューを行うとともに、医学物理応用研究で有益なPHITSの機能を紹介する。

論文

加速器施設の安全性向上の研究; 金属構造材の放射線損傷を高精度で評価

明午 伸一郎; 岩元 洋介; 松田 洋樹

Isotope News, (774), p.27 - 31, 2021/04

加速器駆動核変換システム(ADS)等の大強度陽子加速器施設では、ビーム窓や標的に用いられる材料の損傷評価が重要となる。放射線に起因する材料の弾き出し損傷は、弾き出し断面積と粒子束との積による原子あたりの弾き出し数(dpa)により評価される。弾き出し断面積の計算モデル評価には実験データが必要だが、20MeV以上のエネルギー領域に実験データはほとんど無かったため、本グループではJ-PARC 3GeVシンクロトロン加速器施設において、3GeVまでの陽子エネルギーにおける弾き出し断面積を測定し、計算モデルの精度評価を行った。

論文

Feasibility study on tritium recoil barrier for neutron reflectors of research and test reactors

Kenzhina, I.*; 石塚 悦男; Ho, H. Q.; 坂本 直樹*; 奥村 啓介; 竹本 紀之; Chikhray, Y.*

Fusion Engineering and Design, 164, p.112181_1 - 112181_5, 2021/03

JMTRとJRR-3Mの運転中に一次冷却水へ放出されるトリチウムについて研究してきた結果、ベリリウム中性子反射体の二段核反応による$$^{6}$$Li(n$$_{t}$$,$$alpha$$)$$^{3}$$Hで生成する反跳トリチウムが主要因であることが明らかになった。この結果から、一次冷却水へ放出するトリチウムを少なくするためには、ベリリウム中性子反射体の表面積を小さくするか、他の材料で反跳トリチウムを遮蔽する必要がある。本報告では、ベリリウム中性子反射体のトリチウム反跳防止材の概念検討として、Al, Ti, V, Ni, Zr等の多様な材料を候補材として、障壁厚み、長期運転後の放射能、反応度への影響を評価した。この結果、Alがベリリウム中性子反射体のトリチウム反跳防止材として適した候補材になり得るとの結果を得た。

論文

Measurement of displacement cross section for proton in the kinetic energy range from 0.4 GeV to 3 GeV

明午 伸一郎; 松田 洋樹; 岩元 洋介; 吉田 誠*; 長谷川 勝一; 前川 藤夫; 岩元 大樹; 中本 建志*; 石田 卓*; 牧村 俊助*

JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011050_1 - 011050_6, 2021/03

加速器駆動型核変換システム(ADS)では、加速器の真空領域と標的領域の隔壁となるビーム入射窓の開発が重要となる。ビーム窓の損傷評価には、原子当たりの弾き出し数(DPA)が用いられるが、DPAの導出に用いられる弾き出し断面積の実験データは20MeV以上のエネルギー領域の陽子に対しほとんどないため、ADSにおいて重要な0.4$$sim$$3GeV陽子における弾き出し断面積の測定を開始した。弾き出し断面積は、損傷を維持するため極低温に冷却された試料の陽子入射に伴う抵抗率変化を陽子フルエンスとフランケル対当たりの抵抗率変化で除することにより導出できる。実験はJ-PARCセンターの3GeV陽子シンクロトロン施設で行い、アルミ及び銅を試料として用いた。実験で得られた断面積と一般的に弾き出し断面積の計算に使用されるNRTモデルの計算との比較の結果、NRTモデルの計算は実験を約3倍過大評価することが判明した。

論文

Nuclide production cross sections of Ni and Zr irradiated with 0.4-, 1.3-, 2.2-, and 3.0-GeV protons

竹下 隼人; 明午 伸一郎; 松田 洋樹; 岩元 大樹; 前川 藤夫; 渡辺 幸信*

JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011045_1 - 011045_6, 2021/03

加速器駆動核変換システム(ADS)における核設計の高度化のため、ADSで使われる材料であるNiとZrについて、数GeVエネルギー領域における陽子入射の核種生成断面積測定を行い、核設計に用いる計算コードPHITSによる計算値やJENDL/HE-2007との比較検討を行った。

論文

Measurement of nuclide production cross-sections of $$^{mathrm{nat}}$$Fe for 0.4-3.0 GeV protons in J-PARC

松田 洋樹; 竹下 隼人*; 明午 伸一郎; 前川 藤夫; 岩元 大樹

JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011047_1 - 011047_6, 2021/03

精度の良い核種生成断面積は加速器駆動核変換システム(ADS)設計における放射性廃棄物の取り扱い、放射性廃棄物の遠隔での取り扱い方法の設計、及び放射線作業従事者の被ばく評価に必要とされる。今日まで数多くの実験が行われてきたが、測定データ誤差が数十%を超えるものが時には存在し、いくつか重要な核種に対してはGeVエネルギー領域において実験データが存在しないものがある。この研究では鋼材の最も重要な構成元素である鉄の陽子入射による核種生成断面積を測定した。実験データはPHITSコードに組み込まれているBertiniやINCL4.6モデルを用いて計算した値、及び評価済み核データJENDL-HE/2007と比較した。この研究では(p,xn)反応を介した生成断面積に大きな食い違いがあることが明らかとなった。これは核子-核子散乱やパウリブロッキングなどのさらなる改良が核内カスケードモデルに必要であることを示唆するものであった。

論文

A Prediction method for the dose rate of fuel debris depending on the constituent elements

寺島 顕一; 奥村 啓介

Journal of Advanced Simulation in Science and Engineering (Internet), 8(1), p.73 - 86, 2021/03

In 2021, fuel debris samplings are planned to start as part of a step-by-step process at the Fukushima Daiichi nuclear power station. The dose rate of the fuel debris for safety treatments of the fuel debris should be predicted. However, various elements are mixed in the fuel debris, and thus predicting the dose rate will be challenging. Therefore, we conducted a large number of Monte Carlo radiation transport simulations for cases where parameters such as fuel debris size, composition, and density were significantly changed. Consequently, we obtained a simple and analytical formula that can predict the dose rate using a minimum number of parameters.

報告書

ガンマ線画像スペクトル分光法による高放射線場環境の画像化による定量的放射能分布解析法(委託研究); 令和元年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 京都大学*

JAEA-Review 2020-044, 79 Pages, 2021/01

JAEA-Review-2020-044.pdf:4.39MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和元年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、平成30年度に採択された「ガンマ線画像スペクトル分光法による高放射線場環境の画像化による定量的放射能分布解析法」の令和元年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究では、ガンマ線イメージング装置であるETCCを高線量環境下で動作可能に改良するとともに、可搬型システムを構築して、福島第一原子力発電所(1F)の現場に導入できるようにする。また、ETCCを応用した定量的放射能分布解析法を開発し組み合わせることで、1Fの廃炉に係る解決すべき6つの重点課題に革新的な進歩をもたらす。これにより、3次元放射線分布、その由来の放射能分布を定量的に可視化できるシステムを実現させる。

論文

Calculations for ambient dose equivalent rates in nine forests in eastern Japan from $$^{134}$$Cs and $$^{137}$$Cs radioactivity measurements

Malins, A.; 今村 直広*; 新里 忠史; 高橋 純子*; Kim, M.; 佐久間 一幸; 篠宮 佳樹*; 三浦 覚*; 町田 昌彦

Journal of Environmental Radioactivity, 226, p.106456_1 - 106456_12, 2021/01

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Environmental Sciences)

Understanding the relationship between the distribution of radioactive $textsuperscript{134}$Cs and $textsuperscript{137}$Cs in forests and ambient dose equivalent rates ($textit{.{H}}$*(10)) in the air is important for researching forests in eastern Japan affected by the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant (FDNPP) accident. This study used a large number of measurements from forest samples, including $$^{134}$$Cs and $textsuperscript{137}$Cs radioactivity concentrations, densities and moisture contents, to perform Monte Carlo radiation transport simulations for $textit{.{H}}$*(10) between 2011 and 2017. Calculated $textit{.{H}}$*(10) at 0.1 and 1 m above the ground had mean residual errors of 19% and 16%, respectively, from measurements taken with handheld NaI(Tl) scintillator survey meters. Setting aside the contributions from natural background radiation, $textsuperscript{134}$Cs and $textsuperscript{137}$Cs in the organic layer and the top 5 cm of forest soil generally made the largest contributions to calculated $textit{.{H}}$*(10). The contributions from $textsuperscript{134}$Cs and $textsuperscript{137}$Cs in the forest canopy were calculated to be largest in the first two years following the accident. Uncertainties were evaluated in the simulation results due to the measurement uncertainties in the model inputs by assuming Gaussian measurement errors. The mean uncertainty (relative standard deviation) of the simulated $textit{.{H}}$*(10) at 1 m height was 11%. The main contributors to the total uncertainty in the simulation results were the accuracies to which the $textsuperscript{134}$Cs and $textsuperscript{137}$Cs radioactivities of the organic layer and top 5 cm of soil, and the vertical distribution of $textsuperscript{134}$Cs and $textsuperscript{137}$Cs within the 5 cm soil layers, were known. Radioactive cesium located in the top 5 cm of soil was the main contributor to $textit{.{H}}$*(10) at 1 m by 2016 or 2017 in the calculation results for all sites.

論文

Evaluation of tritium release into primary coolant for research and testing reactors

Kenzhina, I.*; 石塚 悦男; 奥村 啓介; Ho, H. Q.; 竹本 紀之; Chikhray, Y.*

Journal of Nuclear Science and Technology, 58(1), p.1 - 8, 2021/01

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)

ベリリウム反射体を有するJMTRとJRR-3の一次冷却水へのトリチウム放出源と放出機構について評価した。この結果、トリチウム放出は$$^{9}$$Beの二段核反応によるものがほとんどであり、計算結果は一次冷却水のトリチウム測定の誤差範囲で良く一致した。また、ベリリウム反射体からの反跳放出を用いた簡易計算法は、ベリリウム反射体を有する試験研究炉の一次冷却水へのトリチウム放出量を予測する上で有用であることが明らかとなった。

論文

Re-evaluation of radiation-energy transfer to an extraction solvent in a minor-actinide-separation process based on consideration of radiation permeability

樋川 智洋; 津幡 靖宏; 甲斐 健師; 古田 琢哉; 熊谷 友多; 松村 達郎

Solvent Extraction and Ion Exchange, 39(1), p.74 - 89, 2021/00

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Chemistry, Multidisciplinary)

マイナーアクチノイド分離プロセスの放射線に対する成立性を評価するうえで、抽出溶媒の吸収線量の予測は不可欠である。本論文では、溶媒抽出時に現れるエマルションなどの構造を考慮した吸収線量評価手法を提案する。モンテカルロ法に基づいた放射線輸送コードであるPHITSを活用し、高レベル放射性廃液からのマイナーアクチノイド一括回収するプロセスを対象として、抽出溶媒への放射線エネルギー付与シミュレーションを行った。シミュレーションの結果、アルファ線によるエネルギー付与量はエマルション構造に、ベータ線及びガンマ線については抽出に用いる装置サイズに依存することを示した。さらにこれまでの線量評価では評価されてこなかった透過力の高いガンマ線によるエネルギー付与がマイナーアクチノイドの大量処理を考えるうえで重要になることを示唆した。

論文

Measurement of displacement cross-sections of copper and iron for proton with kinetic energies in the range 0.4 - 3 GeV

松田 洋樹; 明午 伸一郎; 岩元 洋介; 吉田 誠*; 長谷川 勝一; 前川 藤夫; 岩元 大樹; 中本 建志*; 石田 卓*; 牧村 俊助*

Journal of Nuclear Science and Technology, 57(10), p.1141 - 1151, 2020/10

 被引用回数:3 パーセンタイル:76.41(Nuclear Science & Technology)

加速器駆動型核変換システム(ADS)等の陽子ビーム加速器施設におけるビーム窓などの構造材の損傷評価には、原子当たりの弾き出し数(dpa)が損傷指標として広く用いられる。dpaの評価は弾き出し断面積に基づいて行われるものの、20MeV以上のエネルギー領域の陽子に対する弾き出し断面積の実験データは乏しく、計算モデルの間でも約8倍の差が存在している。このため、弾き出し断面積を実験的に取得するのは計算に用いるモデルの評価のために重要となる。弾き出し断面積の取得のため、J-PARCの加速器施設において、0.4-3GeVにわたる陽子エネルギー領域における銅と鉄の断面積を測定した。弾き出し断面積は、損傷を保持するために極低温に冷却された試料における、陽子ビームに金する抵抗率変化により得ることができる。本測定で得られた実験結果を元に、計算モデルの比較検討を行った。広く用いられているNorgertt-Robinson-Torrens (NRT)モデルは、実験値を3.5倍過大評価することが判明した。一方、近年の分子動力学に基づく非熱的再結合補正(arc)モデルは実験値をよく再現したため、銅と鉄の損傷評価にはarcモデルを使うべきであると結論づけられた。

論文

Simulation analysis of the Compton-to-peak method for quantifying radiocesium deposition quantities

Malins, A.; 越智 康太郎; 町田 昌彦; 眞田 幸尚

Proceedings of Joint International Conference on Supercomputing in Nuclear Applications + Monte Carlo 2020 (SNA + MC 2020), p.147 - 154, 2020/10

Compton-to-peak analysis is a method for selecting suitable coefficients to convert count rates measured with in situ gamma ray spectrometry to radioactivity concentrations of $$^{134}$$Cs & $$^{137}$$Cs in the environment. The Compton-to-peak method is based on the count rate ratio of the spectral regions containing Compton scattered gamma rays to that with the primary $$^{134}$$Cs & $$^{137}$$Cs photopeaks. This is known as the Compton-to-peak ratio (RCP). RCP changes as a function of the vertical distribution of $$^{134}$$Cs & $$^{137}$$Cs within the ground. Inferring this distribution enables the selection of appropriate count rate to activity concentration conversion coefficients. In this study, the PHITS Monte Carlo radiation transport code was used to simulate the dependency of RCP on different vertical distributions of $$^{134}$$Cs & $$^{137}$$Cs within the ground. A model was created of a LaBr$$_3$$(Ce) detector used in drone helicopter aerial surveys in Fukushima Prefecture. The model was verified by comparing simulated gamma ray spectra to measurements from test sources. Simulations were performed for the infinite half-space geometry to calculate the dependency of RCP on the mass depth distribution (exponential or uniform) of $$^{134}$$Cs & $$^{137}$$Cs within the ground, and on the altitude of the detector above the ground. The calculations suggest that the sensitivity of the Compton-to-peak method is greatest for the initial period following nuclear fallout when $$^{134}$$Cs & $$^{137}$$Cs are located close to the ground surface, and for aerial surveys conducted at low altitudes. This is because the relative differences calculated between RCP with respect to changes in the mass depth distribution were largest for these two cases. Data on the measurement height above and on the $$^{134}$$Cs & $$^{137}$$Cs activity ratio is necessary for applying the Compton-to-peak method to determine the distribution and radioactivity concentration of $$^{134}$$Cs & $$^{137}$$Cs in the ground.

論文

A Comprehensive study of spallation models for proton-induced spallation product yields utilized in transport calculation

岩元 大樹; 明午 伸一郎; 松田 洋樹

EPJ Web of Conferences, 239, p.06001_1 - 06001_6, 2020/09

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.19

モンテカルロ粒子輸送計算コードは、加速器駆動核変換システム(ADS)及びJ-PARC等の高エネルギー陽子加速器・大強度中性子源施設の遮蔽設計で重要な役割を演じるが、モンテカルロ粒子輸送計算コードに組み込まれている核反応モデルは高度化の余地が残されている。本研究では、被ばく線量評価・放射能量評価で重要な核破砕生成物の核種生成断面積に関する実験データ及びモンテカルロ粒子輸送計算コード(PHITS, MCNP6及びGEANT4)で使用される最新の核反応モデル(INCL4.6/GEM, Bertini/GEM, JQMD2/GEM, JQMD2/SMM/GEM, CEM03.03, INCL++/GEMINI++, INCL++/ABLA07等)による解析結果と比較することで、現状のPHITS核反応モデルの予測精度を把握し、高度化に向けた課題を摘出した。実験値との比較では、ADS及び核破砕中性子源施設で重要な400MeVから1GeVの陽子入射エネルギー領域及び重標的核種に対する実験値を対象とし、ドイツGSIで測定された逆運動学による実験データ及びJ-PARCで測定された最新の結果を含む放射化法による実験データを使用した。比較の結果、PHITS推奨の核反応モデルINCL4.6/GEMは、核分裂生成物を過小評価し、蒸発残留核について同一元素に対して中性子過剰に評価する傾向を示すことが分かった。さらに、実験データが少ない中重核領域及び核分裂生成核種と蒸発残留核種の間の領域で、モデル間の差異が顕著であることを明らかにした。

論文

Measurement of nuclide production cross section for lead and bismuth with proton in energy range from 0.4 GeV to 3.0 GeV

松田 洋樹; 明午 伸一郎; 岩元 大樹; 前川 藤夫

EPJ Web of Conferences, 239, p.06004_1 - 06004_4, 2020/09

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.19

加速器駆動核変換システム(ADS)における鉛ビスマス標的を取り扱う上では、標的において核破砕および高エネルギー核分裂反応による核種生成断面積が重要である。しかしながら、核種生成断面積の実験データは乏しい。この実験データを取得するために、$$^{mathrm{nat}}$$Pbおよび$$^{mathrm{209}}$$Biサンプルを用いてJ-PARCにおいて実験を行った。0.4GeVから3.0GeVのエネルギーの異なる陽子をサンプルに照射し、HPGe検出器を用いた崩壊ガンマ線のスペクトル測定により$$^{mathrm{7}}$$Beから$$^{mathrm{183}}$$Reの広範囲にわたる核種生成断面積を得た。実験値を評価済み核データライブラリ(JENDL-HE/2007)、PHITS及びINCL++コードを用いた計算値とで比較した。本実験値は他の実験と矛盾のない結果であり、また他の実験と比べ高精度で測定できた。軽核種を生成する反応では、$$^{mathrm{7}}$$Beの生成断面積は、JENDLおよびPHITS及びINCL++コードによる計算は比較的良い一致を示すものの、$$^{mathrm{22}}$$Naは実験の1/10程度となり過小評価することがわかった。中重核から重核の生成では、PHITSはINCL++と同様に実験をファクター2程度の精度で再現することがわかった。PHITS及びINCL++の励起関数の極大となるエネルギーは実験とよい一致を示すものの、JENDL-HEは実験より低いことが判明した。

論文

Measurement of displacement cross section of structural materials utilized in the proton accelerator facilities with the kinematic energy above 400 MeV

明午 伸一郎; 松田 洋樹; 岩元 洋介; 吉田 誠*; 長谷川 勝一; 前川 藤夫; 岩元 大樹; 中本 建志*; 石田 卓*; 牧村 俊助*

EPJ Web of Conferences, 239, p.06006_1 - 06006_4, 2020/09

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.19

加速器駆動型核変換システム(ADS)では、加速器の真空領域と標的領域の隔壁となるビーム入射窓の開発が重要となる。ビーム窓の損傷評価には、原子当たりの弾き出し数(DPA)が用いられるが、DPAの導出に用いられる弾き出し断面積の実験データは20MeV以上のエネルギー領域の陽子に対しほとんどないため、ADSにおいて重要な0.4$$sim$$3GeV陽子における弾き出し断面積の測定を開始した。弾き出し断面積は、損傷を維持するため極低温に冷却された試料の陽子入射に伴う抵抗率変化を陽子フルエンスとフランケル対当たりの抵抗率変化で除することにより導出できる。実験はJ-PARCセンターの3GeV陽子シンクロトロン施設で行い、試料には銅を用いた。実験で得られた断面積と一般的に弾き出し断面積の計算に使用されるNRTモデルの計算との比較の結果、NRTモデルの計算は実験を約3倍過大評価することが判明した。

論文

京大加速器中性子源(KUANS)のためのリエントラントホールを有する減速材の設計

沖田 将一朗; 田崎 誠司*; 安部 豊*

日本原子力学会和文論文誌, 19(3), p.178 - 184, 2020/09

京都大学加速器中性子源(KUANS)は、現在国内で稼働している小型加速器中性子源の一つであり、分光器や検出器の開発に活用されている。さらにKUANSは、比較的低い中性子発生強度のため、減速材設計に関する実験研究に適した施設でもある。KUANSのビーム強度の増加を図るため、リエントラントホールを有する減速材の核設計を実施し、KUANSを利用して設計の妥当性を確認する実験を行った。PHITSを用いた計算によって、リエントラントホールを有するポリエチレン減速材の核設計を実施し、その減速材から得られるビーム強度を実験的に測定したところ、これまで使われていた直方体形状の減速材を用いた場合の1.9倍のビーム強度が得られた。さらに直方体形状の減速材から得られるビームに対する波長毎のビーム強度比は、波長の長い中性子ほど増加し、最大で3倍程度になった。興味深いことに、減速材にリエントラントホールを設けることにより、長い波長の中性子ほどより効率的に減速材の中から取り出されることがわかった。

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