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elik, Y.*; Stankovskiy, A.*; 岩元 大樹; 岩元 洋介; Van den Eynde, G.*
Annals of Nuclear Energy, 212, p.111048_1 - 111048_12, 2025/03
被引用回数:1 パーセンタイル:62.55(Nuclear Science & Technology)The MCNP, PHITS, and FLUKA are general-purpose Monte Carlo radiation transport codes that are widely used for many real-world shielding problems at accelerator facilities around the world. For high beam energy and high beam current accelerator applications, neutron emission through the vacuum pipe along the reverse direction of incident proton beam is an important factor for a shielding design in order to correctly assess the dose rates for workers and the structural materials of the accelerator and handle with the waste activated by the backscattered neutron fluxes. In this work, neutron-production cross sections and thick target yield predictions from MC codes relying on physics models and nuclear data libraries are benchmarked against the experimental data, in order to assess their accuracy in predicting neutron emission and furthermore to assess the corresponding impact on shielding design. The results of this study demonstrate that the nuclear data libraries and physics models, which are not expected to give good results at lower energies ( MeV) but are used anyhow when there is no nuclear data available or above the energy range where the data tables end in the so-called "mix-and-match" strategy, need further improvements. Among the investigated proton induced nuclear data libraries, JENDL-4.0/HE produces the most satisfactory agreement to experimental data for all target materials, but may still benefit from refinement. Concerning the physics models of the codes, FLUKA V4-4.0 has the best performance in terms of reproducibility of the experimental values. It is also shown that all discrepancies between the calculations and the experiments for the energy range
MeV are up to factor of two. This might be considered as an acceptable figure as it is equivalent to a normal safety margin (
) considered in shielding calculations of accelerator facilities around the world.
檜作 響子*; 藤淵 俊王*; Han, D.*; 荒川 弘之*; 古田 琢哉
Radiological Physics and Technology, 18(1), p.196 - 208, 2025/03
X線透視業務に携わる医療従事者の放射線防護対策一つとして放射線防護板の使用があり、効率的な防護板による遮蔽を検討するためのシミュレーションツールの開発が求められている。モンテカルロシミュレーションはX線とX線室内に存在する様々な物質との相互作用を非常に精度良く計算できる一方で、計算時間がかかり過ぎるという欠点があるため、放射線防護板の影響を短時間で見積もる目的に、事前計算された方向ベクトルを用いて短時間に線量分布を計算する簡易線量分布計算法を新たに開発した。まず、放射線防護板が存在しない状態でのX線室内の線量分布をモンテカルロシミュレーションコードPHITSを用いて計算し、X線室内をグリッドに分割した線量分布と各位置における方向ベクトル分布を取得する。開発した簡易線量分布計算法では、グリッド位置における線量はその位置での方向ベクトルの指し示す方向からの放射線により全て付与されるものと仮定し、方向ベクトルを逆方向にトレースした方向に放射線防護板が存在する場合には、そのグリッド位置での線量値は防護板による遮蔽効果を受けるものとして線量分布を計算する。この手法を用いることで、効率的な防護板の配置を検討する上で十分な精度を保ちつつ、PHITSで全計算を実行するのに比べて、計算時間を1/6000に短縮することに成功した。
執行 信寛*; 古田 琢哉; 岩元 洋介
JAEA-Conf 2024-002, 216 Pages, 2024/11
2023年度核データ研究会は、2023年11月15日17日に、東海村にある東海村産業・情報プラザ「アイヴィル(iVil)」にて開催された。本研究会は、日本原子力学会核データ部会が主催、日本原子力学会放射線工学部会、日本原子力学会北関東支部、日本原子力学会「シグマ」調査専門委員会、日本原子力研究開発機構原子力基礎工学研究センター、高エネルギー加速器研究機構が共催した。チュートリアルとして、「核データ処理コードFRENDY第二版の概要」を、講演・議論のセッションとして、「核データに関する最近の話題と粒子・重イオン輸送計算コードPHITS」の2セッションを実施した。さらにポスターセッションでは実験、理論、評価、ベンチマーク、応用など幅広い内容について発表が行われた。参加者数は108名で、それぞれの口頭発表およびポスター発表では活発な質疑応答が行われた。本報告書は、本研究会における口頭発表17件、ポスター発表19件の合計36の論文を掲載している。
山本 風海; 中野 秀仁; 松本 哲郎*
Proceedings of 21st Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.741 - 745, 2024/10
J-PARC 3GeVシンクロトロンでは、大強度ビームを達成するために入射点に炭素薄膜を配置し、リニアックで加速した負水素イオンを薄膜を通すことで電子を二個はぎ取り陽子に変換して加速している。この過程で一部入射ビームは陽子に変換されず残るため、それらを廃棄するダンプが入射点下流に置かれている。この廃棄ビームが生成する中性子、ガンマ線を照射試験等に用いることができれば、J-PARCの定常運転に寄生する形で照射試験を行うことができ効率的であることから、ダンプ内の二次粒子による放射化の評価を行った。ビスマスサンプルを実際に置き放射化させ、そのガンマ線スペクトルと計算コードPHITSの結果と比較したところ、主要な生成放射性核種の相対量はファクター2以下で一致した。
明午 伸一郎; 山口 雄司; 岩元 大樹
Proceedings of 21st Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.32 - 37, 2024/10
宇宙機器の開発において必要な400MeV以上の陽子が供給が可能な加速器施設は世界的に少なく、国内ではJ-PARCが唯一となる。しかし、J-PARCでは二次粒子を安定に継続する必要があるため、試験装置を加速器の真空槽に設置することは困難となる。J-PARCで進めている「陽子ビーム照射施設」により試験を進める計画としている。本施設ではLINACの400MeV Hビームから、レーザーにより微弱な陽子ビームを取り出し、デグレーダにより利用者が要求するエネルギーの陽子を供給する予定となる。本報ではこの施設の詳細について報告する。また、宇宙開発での陽子利用は極めて高く、宇宙航空研究開発機構(JAXA)および情報通信研究機構(NICT)では、衛星搭載の宇宙線センサーにおける試験の強い要求があった。しかし、加速器を安定に運転させる必要があるため、真空槽に試験装置を組み込むのは困難となり、さらに試験で必要な微弱なビームを得るのは困難となる。我々はビーム窓の散乱による陽子を利用する方法を開発し、JAXAおよびNICTとセンサーの試験を開始した。陽子ビーム散乱のデータは加速器において重要なデータとなるもののデータはほとんど存在しないため、この測定を開始した。
廃炉環境国際共同研究センター; 海上・港湾・航空技術研究所*
JAEA-Review 2024-020, 77 Pages, 2024/09
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和4年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和2年度に採択された研究課題のうち、「無人航走体を用いた燃料デブリサンプルリターン技術の研究開発」の令和2年度から令和4年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、日英共同研究体制の下、耐放射線性を持ちつつ中性子検出効率を向上させた中性子検出器と、強力な切削能と収集能を持ったエンドエフェクタ並びにマニピュレータを融合させた燃料デブリサンプリング装置を開発し、それらを無人航走体へ搭載させた燃料デブリサンプリングシステムを構築することを目指したものである。さらに、システム位置を同定する測位システムと、光学カメラ、ソナー、今回開発する中性子検出器の計数情報を仮想現実システムへ投影させる技術を開発し、遠隔操作技術の向上に貢献する技術開発を行った。日本側が担当した燃料デブリマッピングツールの開発では、1)高耐放射線小型高効率中性子センサの開発、2)UUVプラットホームの開発、3)放射線環境シミュレーション及び積算中性子線量計の特性評価を実施した。実施項目1)ではシリコン半導体検出器に微細構造を施して中性子の感度を上げ、ガンマ線の感度を下げたMSNDの特性評価と専用集積回路を開発し、小型高効率中性子センサを実現した。実施項目2)では、燃料デブリマッピングツール構成要素(中性子センサ、水中カメラ、ソナー、LiDAR)が連動するための通信制御系とUUVプラットホームとのインターフェースを完成させた。
志風 義明
Journal of Nuclear Science and Technology, 61(7), p.894 - 910, 2024/07
被引用回数:2 パーセンタイル:49.11(Nuclear Science & Technology)福島第一原子力発電所事故により原子炉建屋内で放出された放射性核種のうち、Srや
Y等の高エネルギー
線源は、壁、床、壁や内部構造などの建屋の物質中で制動放射光子を発生させる。したがって、原子炉建屋の作業員に対する制動放射の放射線量を評価することは、放射線防護にとって極めて重要である。制動放射線量の評価計算の精度を、粒子重イオン輸送コードシステム(PHITS)とGEometry AND Tracking(GEANT4)シミュレーションコードの結果を比較することにより調査した。計算では、様々な遮蔽板(鉛、銅、アルミニウム、ガラス、ポリエチレン、厚さは1.0
40mm)の背後にある水円筒を評価材料として設定し、制動放射光子による吸収線量及び付与エネルギースペクトルを得て、両シミュレーションコードの特性と差異を調査した。付与エネルギースペクトルの比較結果では、スペクトル形状には矛盾しない同様の傾向がある。数十keV以下のエネルギー範囲では、鉛遮蔽物質のPHITSのスペクトルにピークが見られる。制動放射光子を発生させるための遮蔽板の様々な条件下での吸収線量を比較すると、両コードのほとんどの結果は、2.280MeV
線源については約10%差以内、0.5459MeV
線源については20mm厚の鉛の場合の約30%を除いて約20%差以内で相関している。場合によっては差異はあるが、2つのシミュレーションコードの評価結果は上記の精度で良く相関していると結論付けられた。
安部 晋一郎
核データニュース(インターネット), (138), p.24 - 31, 2024/06
近年、ミューオンの応用研究が様々な分野で活発に進められており、ミューオン核データの整備も検討されている。放射線挙動解析コードPHITSには負ミューオン原子核捕獲反応モデルが搭載されているが、二次軽粒子生成を過小評価する課題があった。本研究では、PHITSの負ミューオン原子核捕獲反応モデルの改良として、JQMDモデルに表面合体モデル(SCM)を適用するとともに、励起関数にメソン交換流(MEC)の成分を考慮することで、高エネルギー核子放出および軽複合粒子放出の過小評価を改善した。また改良したモデルを用いてソフトエラーシミュレーションを行った結果、メモリアレイ周辺で負ミューオンが停止するような条件ではモデルの改良によってSEUイベント断面積が1050%程度増加することを明らかにした。
櫻井 敬久*; 紅林 泰*; 鈴木 颯一郎*; 堀内 一穂*; 高橋 唯*; 堂下 典弘*; 菊地 聡*; 門叶 冬樹*; 岩田 尚能*; 田島 靖*; et al.
Physical Review D, 109(10), p.102005_1 - 102005_18, 2024/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Astronomy & Astrophysics)銀河宇宙線の永年変化は銀河の活動に密接に関係しており、局所的な銀河磁場・星間雲・超新星残骸の近くの環境が反映される。高エネルギー銀河宇宙線によって大気中で生成される高エネルギーミューオンは、深い地層まで透過し、岩石中に放射性同位体を生成する。Beや
Alのような長寿命の放射性核種は岩石中に蓄積されるため、高エネルギーミューオンの収量の長期変動、ひいては数百万年間の高エネルギー銀河宇宙線(GCR)の長期変動の調査に利用できる。本研究では、CERN SPSのCOMPASS実験ラインにて、160GeV/cの正ミューオンを合成石英プレートと花崗岩コアに照射して、岩石中の
Beと
Alの生成断面積を測定した。更に、ミューオンが直接起こす核破砕反応とミューオンが生成した二次粒子が引き起こす反応が、岩石中での長寿命核種の生成にそれぞれどの程度寄与するかを明らかにした。
Kim, M.; 吉村 和也; 佐久間 一幸; Malins, A.*; 阿部 智久; 中間 茂雄; 町田 昌彦; 斎藤 公明
環境放射能除染学会誌, 12(2), p.39 - 53, 2024/04
東京電力福島第一原子力発電所事故から10年以上が経過したが、特定復興再生拠点など除染の進展に伴い避難指示が解除され、住民の帰還が今も継続している。このような現状の中、除染・耕作活動による空間線量率の低減効果を定量的に評価するために、福島県大熊町に位置する実エリアに対して 放射線量の詳細分布の推定を可能にする計算システム3D-ADRESを活用し、環境中の線源分布を詳細に再現するモデルを構築した。構築されたモデルを用いてモンテカルロシミュレーションを行い、観測に基づいた実際的な放射性Csの分布およびその時間に伴う変化を反映した空間線量率の計算を行った。その結果、対象地域に対し除染・耕作活動に応じた地上100cm空間線量率の面的な空間線量率分布が計算された。空間線量率の計算結果は、実測値を良く再現でき、除染や耕作の影響評価に本手法が妥当であることが確認された。この手法は、まだ立ち入りなどが制限されている一部の帰還困難区域において今後さらに除染などの線量率を低減させるための対策を進めていく際に参考になることが期待される。
杉原 健太*; 明午 伸一郎; 岩元 大樹; 前川 藤夫
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 549, p.165299_1 - 165299_12, 2024/04
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Instruments & Instrumentation)Nuclide production cross sections for proton-induced reactions on Mg,
Si,
Fe,
Cu and
Zn at several GeV were measured using an activation technique at Japan Proton Accelerator Research Complex. The aggregate results of 250 cross sections were successfully acquired. The data obtained in this study were compared with the results from nuclear reaction models in PHITS and the data retrieved from Japanese Evaluated Nuclear Data Library High Energy file 2007 (JENDL/HE-2007). Among all of the models, INCL/GEM, JENDL/HE-2007, and JAM/GEM generally showed the good agreement.
安部 晋一郎
CROSS T&T, (76), p.39 - 43, 2024/02
我々の住む地上には宇宙から放射線が絶えず降り注いでおり、これによって電子機器に生じる一時的な誤動作(ソフトエラー)の発生率を評価することは、電子機器の信頼性を保障するために重要となる。一般財団法人総合科学研究機構(CROSS)の発刊するCROSS T&T誌の解説記事において、放射線挙動解析コードPHITSを用いたソフトエラーシミュレーション技術の研究開発や、新たに開発した地上でのソフトエラー発生率の評価手法などについて紹介する。
今野 力
JAEA-Conf 2023-001, p.143 - 146, 2024/02
MCNP6.2, PHITS3.27で使うことができる光核サブライブラリのACEファイルを作成できるようにNJOY2016.67を修正し、JENDL-5の光核サブライブラリのACEファイルを作成した。作成したライブラリを使って簡単なテスト計算を行い、作成したライブラリに問題がないことを確認した。
中山 梓介
Journal of Nuclear Science and Technology, 60(12), p.1447 - 1453, 2023/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)d+Be中性子源は、橋やトンネルなどのインフラ設備のオンサイト非破壊検査のための可搬型中性子源の候補である。PHITSおよびJENDL-5を用いたモンテカルロ粒子輸送シミュレーションにより、d+Be中性子源の可搬型高速中性子源への適用性を検討した。シミュレーションの結果、遮へい体の厚さを約1.5倍にすることで、現在可搬型中性子源の有力な候補とされているビームエネルギー2.5MeVのp+Li中性子源と同等の性能を持つd+Be中性子源を、より低いビームエネルギーで実現できることを示した。
杉原 健太*; 明午 伸一郎; 岩元 大樹; 前川 藤夫
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 545, p.165153_1 - 165153_9, 2023/12
被引用回数:2 パーセンタイル:49.11(Instruments & Instrumentation)The nuclide production cross sections for proton-induced reactions on Ti and
Nb at 0.8 and 3.0 GeV were measured using an activation technique at Japan Proton Accelerator Research Complex. A total of 27 and 94 nuclide production cross sections for the
Ti(p,X) and
Nb(p,X) reactions were obtained, respectively. The present data were compared with the results from nuclear reaction models in PHITS and data retrieved from Japanese Evaluated Nuclear Data Library High Energy file 2007 (JENDL/HE-2007). The prediction accuracy of JENDL/HE-2007 was the best for the
Be production cross section of both targets. As an overall trend, underestimation of INCL and all of the models were confirmed for the
Ti(p,X) and
Nb(p,X) reactions, respectively.
安部 晋一郎; 橋本 昌宜*; Liao, W.*; 加藤 貴志*; 浅井 弘彰*; 新保 健一*; 松山 英也*; 佐藤 達彦; 小林 和淑*; 渡辺 幸信*
IEEE Transactions on Nuclear Science, 70(8, Part 1), p.1652 - 1657, 2023/08
被引用回数:3 パーセンタイル:65.16(Engineering, Electrical & Electronic)中性子を起因とする半導体デバイスのシングルイベントアップセット(SEU: Single Event Upset)は、地上にある電子機器の動作の信頼性に関係する問題となる。白色中性子ビームを用いた加速器試験では、現実的な環境の中性子起因ソフトエラー率(SER: Soft Error rate)を測定できるが、世界的にも白色中性子ビームを供給できる施設の数は少ない。ここで、多様な中性子源に適用可能な単一線源照射を地上におけるSER評価に適用できる場合、ビームタイムの欠乏を解消できる。本研究では、これまでに得られた測定結果のうち任意の1つを抽出し、これとPHITSシミュレーションで得たSEU断面積を用いた地上環境におけるSERの評価の可能性を調査した。その結果、提案する推定法で得られたSERは、最悪の場合でも従来のWeibull関数を用いた評価値と2.7倍以内で一致することを明らかにした。また、SER評価におけるシミュレーションコストを低減する簡易化の影響も明らかにした。
前田 亮; 瀬川 麻里子; 藤 暢輔; 遠藤 駿典; 中村 詔司; 木村 敦
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 332(8), p.2995 - 2999, 2023/08
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Analytical)The accuracy of the prompt -ray analysis is known to degrade for the samples containing neutron-scattering materials, such as hydrogen, depending on its content. Recently, we discovered that the density of the scattering materials also affects the accuracy. In this paper, we developed a correction method for the effect of the sample densities. The developed correction method is straightforward and applicable to samples with unknown densities. The simulation and experiments verified the performance of the correction method. The results confirmed that the correction method could reduce the uncertainty due to sample density from 47% to approximately 1%.
古田 琢哉
Isotope News, (787), p.20 - 23, 2023/06
炭素線治療は従来の放射線治療よりも腫瘍部への線量が集中する優位性を持つが、正常組織での二次的ながんの発生原因となり得る照射を完全に無くすことは困難である。現状の線量評価では治療効果と周辺重要臓器の急性障害の回避を目的に治療部位近傍に限定した評価が行われており、2次発がんなどの副作用に影響する低線量の領域まで評価が行われていない。そこで、重粒子線治療の計画データを基に、重粒子ビーム照射体系を再構築し、PHITSによって、2次粒子の挙動も含めて重粒子線治療を正確に再現するシステムRT-PHITS for CIRTを開発した。このシステムを用いることで、過去に実施された重粒子線治療の患者全身における線量評価が可能で、評価結果を治療後の2次がん発生等の疫学データと組み合わせることで、放射線治療後の副作用と被ばく線量の相関関係を明らかにすることができる。
安部 晋一郎
日本原子力学会誌ATOMO, 65(5), p.326 - 330, 2023/05
電子機器の信頼性問題として、地上に降り注ぐ二次宇宙線の中性子やミューオンによって生じる電子機器の一時的な誤動作(ソフトエラー)がある。高い信頼性が求められる電子機器の数は社会の進歩とともに増えており、これらすべての機器のソフトエラー発生率(SER: Soft Error Rate)を実測的な方法で評価することは難しい。また機器の製造前の段階でSERを評価することも求められており、シミュレーションによるSER評価の重要性が高まっている。原子力学会誌の解説記事において、放射線挙動解析コードPHITSを用いたソフトエラーシミュレーション技術の研究開発や、ソフトエラー発生の物理過程の詳細解析結果について紹介する。
岩元 大樹; 中野 敬太; 明午 伸一郎; 佐藤 大樹; 岩元 洋介; 杉原 健太; 西尾 勝久; 石 禎浩*; 上杉 智教*; 栗山 靖敏*; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 60(4), p.435 - 449, 2023/04
被引用回数:4 パーセンタイル:54.60(Nuclear Science & Technology)加速器駆動核変換システム(ADS)の研究開発及び京都大学臨界実験装置(KUCA)におけるADS未臨界炉物理の基礎研究を目的として、固定磁場強収束(FFAG)加速器を用いて107MeV陽子による鉄、鉛及びビスマス標的に対する二重微分中性子収量(TTNY)を測定した。TTNYは8個の中性子検出器(各検出器は小型のNE213液体有機シンチレータと光電子増倍管より構成される)からなる中性子検出器システムを用いて飛行時間法により得られたものである。測定で得られたTTNYを、粒子・重イオン輸送コードシステム(PHITS)に組み込まれたモンテカルロ法に基づく核破砕反応モデル(INCL4.6/GEM, Bertini/GEM, JQMD/GEM, JQMD/SMM/GEM)及び評価済み高エネルギー核データライブラリ(JENDL-4.0/HE)による計算結果と比較した。JENDL-4.0/HEを含む比較対象のモデルは、検出器角度5度における高エネルギーピークを再現しないなどの特徴的な不一致が見られた。測定で得られたTTNYとPHITSによって評価した20MeV以下のエネルギー及び角度積分中性子収率を比較した結果、INCL4.6/GEMがKUCAにおけるADS炉物理実験のモンテカルロ輸送シミュレーションに適していることが示された。