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岡崎 伸生*; 服部 高典
CROSS Reports(インターネット), 1, p.001_1 - 001_9, 2023/12
大強度陽子加速器施設(J-PARC)の物質・生命科学実験施設(MLF)に設置されているビームラインBL11 PLANETでは、ユーザーがJ-PARCエリア外から実験状況を確認することができなかった。この問題を解決するために、装置制御用計算機(PC)のスクリーンショットを外部端末から取得できる仕組み(RemoShot)を導入した。この仕組みはスクリーンショット制御サーバー、およびMLF側PCとクラウドから構成されており、一連の動作は以下のようになる。1)ユーザーは装置制御用PC上でスクリーンショット制御サーバーを起動する、2)スクリーンショットのリクエストを受けて、スクリーンショット制御サーバーがMLF側PC(測定制御用PC)にSecure Shell(SSH)認証でアクセスし、スクリーンショットを取得、3)取得したスクリーンショットをクラウドストレージに格納、4)ユーザーは認証後、クラウドのスクリーンショットを確認、というように動作する。RemoShotを用いることによって、ユーザーはスマートフォンなどを使い、遠隔地からでも実験状況を確認できるようになり、測定エラーへの対応、想定外のビーム停止によるシーケンスの遅延に対し、いち早く実験計画の見直しが行えるようになった。あわせて、セキュリティや運用コストに関する考察を行った。
服部 高典; 佐野 亜沙美; 町田 真一*; 阿部 淳*; 舟越 賢一*; 有馬 寛*; 岡崎 伸生*
High Pressure Research, 39(3), p.417 - 425, 2019/06
被引用回数:27 パーセンタイル:80.98(Physics, Multidisciplinary)パリエジンバラプレスを用いた40GPaでの高圧中性子回折実験の手法の開発をJ-PARCのPLANETビームラインにおいて行った。実験可能圧力限界を拡大するために、焼結ダイヤモンドアンビルの上部にある試料装填のためのくぼみの直径を4.0mmから1.0mmに順に小さくしていった。その結果、最大発生圧力は上昇し、最終的に40GPaに到達した。この技術を、回折に寄与する試料領域を制限できる光学系と組み合わせることによって、そのような高い圧力で、広いdレンジを用いた構造解析を行うのに十分な回折パターンを取得できるようになった。
Wang, Y.*; Dong, X.*; Tang, X.*; Zheng, H.*; Li, K.*; Lin, X.*; Fang, L.*; Sun, G.*; Chen, X.*; Xie, L.*; et al.
Angewandte Chemie; International Edition, 58(5), p.1468 - 1473, 2019/01
被引用回数:49 パーセンタイル:83.23(Chemistry, Multidisciplinary)芳香族の圧力誘起重合反応(PIP)は、sp炭素骨格を構築するための新しい方法であり、ベンゼンとその誘導体を圧縮することによってダイヤモンド様構造を有するナノスレッドを合成した。ここで、ベンゼン-ヘキサフルオロベンゼン共結晶(CHCF)を圧縮することにより、PIP生成物中に層状構造を有するH-F置換グラフェンを同定した。その場中性子回折から決定された結晶構造およびガスクロマトグラフィー質量スペクトルによって同定された中間生成物に基づいて、20GPaでは、CHCFがベンゼンおよびヘキサフルオロベンゼンを交互に積み重ねた傾斜カラムを形成し、それらが[4+2]重合体に転化し、次いで、短距離秩序を持つ水素化フッ素化グラフェンに変化する。反応プロセスは[4+2]ディールス-アルダー, レトロディールス-アルダー、および1-1'カップリング反応を含み、前者はPIPの重要な反応である。われわれの研究は、CHCFの素反応を初めて確認した。これは、芳香族化合物のPIPについての新しい見方を提供する。
服部 高典; 佐野 亜沙美; 町田 真一*; 阿部 淳*; 舟越 賢一*; 岡崎 伸生*
日本結晶学会誌, 59(6), p.301 - 308, 2017/12
PLANETは、高圧実験専用の中性子ビームラインである。J-PARCの強力な中性子源と飛行時間型粉末中性子回折用に設計された高圧デバイスを組み合わせることにより、0-20GPaおよび77-2000Kの広い温度圧力範囲にわたって、結晶、液体および非晶質固体の精密な構造解析が可能になる。このビームラインは、地球物理学, 惑星科学, 物理学, 化学における様々な研究に有効である。本稿では、ビームラインを概説し、PLANETで得られた最新の結果を紹介する。
Klotz, S.*; 小松 一生*; 鍵 裕之*; Kunc, K.*; 佐野 亜沙美; 町田 真一*; 服部 高典
Physical Review B, 95(17), p.174111_1 - 174111_7, 2017/05
被引用回数:41 パーセンタイル:82.89(Materials Science, Multidisciplinary)重水素化した氷VII相及びVIII相の圧縮挙動を、93-300K、2-13.7GPaの温度圧力領域にわたって、高圧中性子散乱によって調べた。その結果から、正確な体積弾性率B,その圧力微分B'
及び常圧下での体積V
を含む状態方程式を決定した。このように決めた状態方程式は、過去のX線データと比べて氷VIIの安定領域のほほ全域を、また氷VIIIに関しては、約13GPaまでをカバーしている。両者の圧縮挙動に関して、低圧域では区別できないが、7GPa以上の圧力では氷VIIは予想以上に固くなることが分かった。これは、今回の圧力温度領域において過去の氷VIIIの研究[D.D. Klug et al., Physical Review B, 70, 144113 (2004)]で報告されている異常なフォノン硬化と関係しているかも知れない。
服部 高典; 佐野 亜沙美; 有馬 寛*
波紋, 26(2), p.85 - 90, 2016/05
PLANETは世界初の高温高圧実験を主眼においた中性子粉末回折ビームラインである。このビームライン専用にデザインされた6軸プレスを用いることで、10GPa, 2000Kでのデータ測定が定常的にできるようになっている。本稿では、PLANETがどのようにしてつくられたのか紹介する。
服部 高典
波紋, 25(3), p.231 - 237, 2015/08
PLANETは高温高圧実験に特化された飛行時間型の中性子ビームラインである。種々の高圧装置を用いることで、0-20GPa, 77K-2000Kにわたる広い温度圧力範囲での中性子回折実験が可能である。きれいなデータを取得するために、ビームラインには入射スリットと受光スリットが装備してあり、高圧アセンブリからの寄生散乱が除去可能である。d/d=0.6%の高い分解能、0.2-8.4
の広いデータ取得可能dレンジおよび高い寄生散乱除去性能により、高温高圧下での結晶および液体の高精度な構造決定が可能となっている。
小松 一生*; 篠崎 彩子*; 町田 真一*; 松林 拓人*; 渡邉 真央*; 鍵 裕之*; 佐野 亜沙美; 服部 高典
Acta Crystallographica Section B; Structural Science, Crystal Engineering and Materials (Internet), 71(1), p.74 - 80, 2015/02
被引用回数:20 パーセンタイル:79.24(Chemistry, Multidisciplinary)MgCl水和物(MgCl
10H
O)とその重水素化物の結晶構造を、放射光X線とパルス中性子回折により初めて決定した。低温下においてまずアモルファス相を生成し、そのアモルファス相から固体-固体相転移により新規MgCl
水和物を結晶化させることで良質な粉末結晶を得ることに成功した。最近開発された自動指数付けプログラムとcharge-flipping法により、(MgCl
10H
O)の結晶構造はMg(H
O)
八面体がABCABC...と積層したものであることが明らかになった。他の類似MgCl
水和物と同様に、Clイオンと水分子は八面体のMg
イオンとは結合していない。2.5GPaにおいて差フーリエ解析により求められた重水素の位置は、他のMgCl
水和物とは異なり、2つの酸素と二股状に結合している。
服部 高典; 阿久津 和宏*; 鈴木 淳市*
ぶんせき, 2015(2), p.58 - 64, 2015/02
J-PARCのMLFでは、現在、18本の中性子ビームラインに実験装置が設置され、世界最高強度のパルス中性子ビームを用いた物質科学、生命科学、材料科学、素粒子科学、原子核科学等の学術研究や産業利用が行われている。本稿では、超高圧中性子回折装置「PLANET」および試料垂直型偏極中性子反射率計「写楽」の特徴に触れながら高圧の科学と表面・界面の構造解析について説明する。
佐野 亜沙美; 服部 高典; 有馬 寛*; 山田 明寛*; 田幡 諭史*; 近藤 真弘*; 中村 昭浩*; 鍵 裕之*; 八木 健彦*
Review of Scientific Instruments, 85(11), p.113905_1 - 113905_8, 2014/11
被引用回数:46 パーセンタイル:84.60(Instruments & Instrumentation)飛行時間法による中性子高温高圧実験のための6軸型マルチアンビルプレス"圧姫"を開発した。プレスは6つの独立した油圧ラムにより中心の立方体空間に荷重をかける。MA6-6セルを用いた試験では9.3GPa, 2000Kまでの温度圧力発生を確認し、MA6-8を用いた試験では16GPa, 1273Kの温度圧力発生を確認した。6軸プレスはガイドブロックをもたないため、試料まわりに空間が確保できることが特徴である。このため入射スリットやラジアルコリメーター、中性子カメラといった周辺機器を試料の近くに置くことが可能となった。6軸プレスとコリメーター機器の組み合わせにより、ヒーターや圧力媒体からの寄生散乱を取り除くことができる。試料からの回折パターンのみを取得することができ、高温高圧下における結晶や液体の構造解析に有効である。
飯塚 理子*; 小松 一生*; 鍵 裕之*; 永井 隆哉*; 佐野 亜沙美; 服部 高典; 後藤 弘匡*; 八木 健彦*
Journal of Solid State Chemistry, 218, p.95 - 102, 2014/10
被引用回数:7 パーセンタイル:32.07(Chemistry, Inorganic & Nuclear)重水素化したカルシウム水酸化物(Ca(OD))の高圧その場中性子散乱実験を、J-PARCのパルス中性子を用い、パリ-エジンバラプレスとマルチアンビルプレスを用いて行った。常圧には回収できない、高圧常温相の水素位置を含めた原子位置を初めて求めた。高圧下において水素結合が曲がっていることが明らかになり、これはラマン分光の結果と調和的である。高温高圧相に関しては、先行研究の常圧下に回収して求められた構造と一致した。これらの観測結果から、高圧下における相転移はCaO多面体で構成される層のスライドと、Ca原子の変位、Ca-O再構成と水素結合の配向の変化によりおこることが明らかとなった。
河島 信樹
Proceedings 6th Intern.Symp. on Space Tech. and Sci., p.719 - 728, 1966/00
抄録なし
服部 高典; 佐野 亜沙美; 町田 真一*; 阿部 淳*; 舟越 賢一*; 有馬 寛*
no journal, ,
平成30年度からのPLANETの技術開発に関して、(i)実験可能温度圧力の拡大、(ii)データ品質の向上、(iii)新たな手法の開発の観点から紹介する。またその例として、パリエジンバラプレスを用いた40GPaまでの構造解析の達成、4K, 40GPaを目指した低温高圧システムの開発、液化ガスを圧力媒体として用いることによる静水圧性の向上、高温高圧下中性子ラジオグラフィー、中性子実験用ダイヤモンドアンビルセルのレーザー加熱、高温高圧下の水の構造解析のためのダイヤモンド容器の使用の取り組みに関して紹介する。
服部 高典
no journal, ,
J-PARC PLANETにおける全散乱法を用いた高圧下におけるpdf解析の現状と限界に関して紹介する。その例として、6軸プレスを用いた高温高圧下における石英ガラスの構造変化、常温高圧下における水, 水溶液の構造変化、パリエジンバラプレスを用いた17GPaまでの石英ガラスの構造変化を紹介する。またPLANETにおける液体の構造解析の方法、高圧下結晶pdf解析の試みと限界、高温高圧下の水の構造変化を調べるためのダイヤモンドスリーブ試料容器の開発の現状に関して紹介する。
服部 高典; 佐野 亜沙美; 町田 真一*; 阿部 淳*; 舟越 賢一*; 有馬 寛*; 岡崎 伸生*
no journal, ,
PLANETは、大強度陽子加速器施設J-PARCの物質・生命科学実験施設(MLF)のBL11に建設された高圧実験専用の中性子ビームラインである。国内初の高圧中性子ビームラインとして、皆さんの期待を一身に受けて、2013年から共用開始がなされた。(私の考えていた)PLANETの目的は、i)国内で高圧中性子実験をルーチンでできる環境を作ること。ii)それによって高圧中性子実験の垣根をさげること、iii)それらを通して日本に高圧中性子研究を根付かせることであった。結論から言えば、i)に関しては達成できたが、その他に関しては、未だ道半ばであり、ユーザーの規模、内容から見ても中性子文化が根付いたとは言い難い。本講演では運用開始からほぼ10年経った今、その過去・現在を振り返り、上記目的達成のための今後10年を考えたい。
服部 高典; Yagafarov, O.*; 片山 芳則; 千葉 文野*; 佐野 亜沙美; 稲村 泰弘; 大友 季哉*; 松崎 祐樹*; 下條 冬樹*
no journal, ,
PLANETはJ-PARC MLFに建設された高圧専用の中性子粉末回折装置である。その最大の特徴は、6軸型のキュービック・アンビルプレス「圧姫」を用いて高温高圧下(10GPa, 2000K)での構造解析をできる点にある。2013年度より運用をはじめ、現在一般ユーザーに開放されている。PLANETは、結晶のみならず液体の高圧下での構造変化を調べられるように、高圧セル等の試料周りの散乱を取り除く工夫がなされている。2013年度までに、SiOガラスの約10GPaまでの良質なデータの取得に成功した。今回それらのデータをKENSのHIT及びJ-PARC BL21で開発されたS(Q)導出プログラム(nvaSq.py及びhitsq.py)を用いて解析を行った。高圧データへの適用の前に、高圧セルのS(Q)への影響を調べるために、高圧セル内にいれた常圧下の試料を解析し、既存のS(Q)と一致することを確認した。その後、高圧下で測定されたデータへの適用を行い、約10GPaまでのS(Q)を得た。その結果、約10GPaまでは、(1)中距離構造を変化させることにより高密度化する、(2)この際配位数の上昇は伴わないことが確認された。このことは、非結晶物質の構造を高精度に調べるツールができたことを示す。当日は、高温高圧下での構造変化に関して議論する予定である。
服部 高典
no journal, ,
PLANETは、東海村の大強度陽子加速器施設J-PARCの物質・生命科学実験施設に建設された高圧実験に特化した中性子粉末回折ビームラインである。その最大の特徴は、パルス中性子実験専用に設計された大型プレス「圧姫」を用い、高温高圧下(約10万気圧2000K)の結晶、液体、ガラスの構造解析ができることである。また、様々なタイプのプレスを使い分けることで、低温高温(77K
2000K)、の広い温度範囲での高圧実験が行えるようになっている。これらのユニークな特徴は、地球科学や物質科学をはじめとする様々な分野の研究に用いられている。詳細は、当日紹介する。
服部 高典; 佐野 亜沙美; 町田 真一*; 有馬 寛*; 阿部 淳*; 舟越 賢一*; 中村 充孝; 飯田 一樹*; 河村 聖子
no journal, ,
原子力機構がJ-PARCに設置し運用中の高圧専用共用ビームラインを紹介する発表である。共用推進や共用における原子力機構の取り組みを示すという点で、このような国際会議での発表は意義深い。
服部 高典; 佐野 亜沙美; 町田 真一*; 阿部 淳*; 舟越 賢一*; 有馬 寛*
no journal, ,
日本初となる高圧専用ビームラインPLANETは、運用開始から5年を迎えた。本講演では、その後の進展を紹介する。測定可能PT領域の拡大:PLANETでは、広い温度圧力範囲で実験できるようになっている。6軸プレスを用いた実験では、焼嵌めによるアンビル強度の増大および黒鉛ヒーターのTiC+AlO
ヒーターへの代替により、14GPa, 1800Kでの実験が可能となった。パリエジンバラプレス(PEプレス)を用いた実験では、アンビル先端を2.5mmまで小さくすることにより、約30GPaでの実験ができるようになった。測定データの品質向上:PEプレス使用時に、加圧によるピークブロードニングを防ぐために試料は液体圧媒体とともに加圧される。しかし、10GPa以上の圧力では、それらが固化し、ブロードニングを避けられなかった。これを解決するため、100
Cまで加熱できるシステムを製作し、固化圧を20GPaまで拡大し、約20GPaまでの範囲でシャープな回折パターンを得られるようになった。新しい測定手法の確立:高温高圧下の巨視的情報を得るため、中性子カメラを用いたラジオグラフィーを試みた。小型の中性子カメラ(Minipix)を用いることで、試料近傍にカメラを設置することができ、高分解能(約200ミクロン)の画像が得られるようになった。
服部 高典; 佐野 亜沙美; 町田 真一*; 阿部 淳*; 舟越 賢一*; 岡崎 伸生*; 柿澤 翔*
no journal, ,
PLANETは、J-PARCの高圧実験専用中性子ビームラインである。このビームラインの最大の特徴は、6軸マルチアンビルプレス「ATSUHIME」を用いて、24GPa, 1200Kまでの高圧高温実験を行うことができることである。またもう一つの特徴は、細い入射スリットと、試料位置視野0.83.0mmをもつラジアルコリメータで散乱領域を見込むことで、ヒーターや高圧セルなど試料周囲の物質からの散乱を除去し、きれいな回折パターンを取得できることである。これにより、結晶だけでなく、液体や非晶質固体の精密な構造決定が可能である。さらに、より小さな試料を使用することができ、このことは実験可能な最高圧力の向上にも寄与している。2013年のビームライン稼働以来、高圧装置や高圧技術の開発を進め、現在では様々な高圧装置を用いて広いPT領域で粉末回折実験が可能になっている。本発表では、ビームラインの性能と最近の開発状況について、PLANETで得られた最近の成果とともに紹介する。