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論文

Sr吸着繊維の吸着性能の改善と簡易的な$$^{90}$$Sr分析の実現に向けた検討

堀田 拓摩; 浅井 志保*; 今田 未来; 松枝 誠; 半澤 有希子; 北辻 章浩

分析化学, 69(10/11), p.619 - 626, 2020/10

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Chemistry, Analytical)

$$^{90}$$Sr分析の迅速な前処理分離を可能とするため、基材表層部へ吸着層を形成可能な放射線乳化グラフト重合法により、Sr吸着性を示す18-クラウン-6エーテル誘導体を担持したSr分離用吸着繊維を開発した。常温で液体のSr吸着分子を繊維表面に担持させることにより、前報で作製したSr分離材料と比較してSr吸着容量が大幅に向上した。このSr吸着繊維の平衡吸着容量は、同一のSr吸着分子を含浸する市販の粒子状のSr分離材料(Sr Resin)と比較しても遜色なかった。また、Sr吸着分子の本来の金属イオン選択性は維持されていた。この吸着繊維を用いた簡易的な$$^{90}$$Sr分析法を考案し、$$^{90}$$Srの吸着性能を評価したところ、Srの吸着操作から測定までを約1時間で完了することが可能であった。

論文

Development of a water purifier for radioactive cesium removal from contaminated natural water by radiation-induced graft polymerization

瀬古 典明*; 保科 宏行*; 笠井 昇*; 柴田 卓弥; 佐伯 誠一*; 植木 悠二*

Radiation Physics and Chemistry, 143, p.33 - 37, 2018/02

 被引用回数:8 パーセンタイル:77.16(Chemistry, Physical)

Six years after the Fukushima-nuclear accident, the dissolved radioactive cesium (Cs) is now hardly detected inenvironmental natural waters. These natural waters are directly used as source of drinking and domestic waters in disaster-stricken areas in Fukushima. However, the possibility that some radioactive Cs adsorbed on soil or leaves will contaminate these natural waters during heavy rains or typhoon is always present. In order for the returning residents to live with peace of mind, it is important to demonstrate the safety of the domestic waters that they will use for their daily life. For this purpose, we have synthesized a material for selective removal of radioactive Cs by introducing ammonium 12-molybdophosphate (AMP) onto polyethylene nonwoven fabric through radiation-induced emulsion graft polymerization technique. Water purifiers filled with the grafted Csadsorbent were installed in selected houses in Fukushima. The capability of the grafted adsorbent to remove Cs from domestic waters was evaluated for a whole year. The results showed that the tap water filtered through the developed water purifier contained no radioactive Cs, signifying the very effective adsorption performance of thedeveloped grafted adsorbent. From several demonstrations, we have commercialized the water purifier named "KranCsair".

論文

Poly(ether ether ketone) (PEEK)-based graft-type polymer electrolyte membranes having high crystallinity for high conducting and mechanical properties under various humidified conditions

濱田 崇; 長谷川 伸; 深沢 秀行*; 澤田 真一; 越川 博; 宮下 敦巳; 前川 康成

Journal of Materials Chemistry A, 3(42), p.20983 - 20991, 2015/11

 被引用回数:27 パーセンタイル:70.78(Chemistry, Physical)

燃料電池の本格普及のため、低加湿下でのプロトン導電率と高加湿下での機械強度を併せ持つ電解質膜が不可欠である。本研究は、膜強度の高いポリ(エーテルエーテルケトン) (PEEK)に着目し、放射線グラフト重合により高いイオン交換容量(IEC)を有するPEEK-グラフト型電解質膜(PEEK-PEM)を合成することで、導電率と機械的強度の両立を目指した。IEC=3.08mmol/gのPEEK-PEMは、80$$^{circ}$$Cにおいて、低加湿下(相対湿度30%)でナフィオンと同等の導電率、高加湿下(相対湿度100%)で1.4倍の引張強度(14MPa)を示した。さらに、PEEK-PEM (IEC=2.45mmol/g)を用いて作製した燃料電池は、高加湿下(相対湿度100%)でナフィオンと同等、低加湿下(相対湿度30%)でナフィオンの2.5倍の最大出力密度を示した。X線回析からPEEK-PEMは、グラフト重合中、結晶性が増加するため、高いIECを持つPEEK-PEMにおいても、高い機械的強度を示すことが明らかとなった。

論文

Effect of crosslinkers on the preparation and properties of ETFE-based radiation-grafted polymer electrolyte membranes

Chen, J.; 浅野 雅春; 八巻 徹也; 吉田 勝

Journal of Applied Polymer Science, 100(6), p.4565 - 4574, 2006/06

 被引用回数:43 パーセンタイル:77.46(Polymer Science)

スチレンの誘導体であるメチルスチレン(MeSt)の$$gamma$$線グラフト重合反応及び得られた膜の特性に及ぼす架橋剤の影響について検討した。架橋剤として、ジビニルベンゼン(DVB),ビスビニルフェニルエタン(BVPE),トリアリルシアヌレート(TAC)を用いた。グラフト重合反応性は、DVBの場合、3%までグラフト率の急激な上昇が見られたが、その後濃度が高くなるに従い、急激に低下した。また、BVPEでは、40%までグラフト率の上昇が確認できた。TACの場合、グラフト率は40%まで変化しなかった。得られた架橋剤導入電解質膜の耐酸化性試験の結果、スルホン酸基の脱離は架橋剤の導入により、抑制されることがわかった。その抑制効果は、架橋剤の種類により異なり、TAC, BVPE, DVBの順に大きくなった。

論文

Polymerization of C$$_{60}$$ thin films by ion irradiation

鳴海 一雅; 境 誠司; 楢本 洋*; 高梨 弘毅

JAEA-Review 2005-001, TIARA Annual Report 2004, p.238 - 240, 2006/01

7MeV C$$^{2+}$$イオンを照射したC$$_{60}$$薄膜をX線回折法とラマン分光法を用いて評価し、イオン照射によるC$$_{60}$$固体のポリマー化の過程を調べた。ラマンスペクトルにおいては、照射量の増加に伴い、A$$_{g}$$(2)モードのピーク収量の絶対値が減少するとともに、A$$_{g}$$(2)からH$$_{g}$$(7)にかけての低波数側の成分が相対的に顕著になった。一方、X線回折の照射量依存については、照射量の増大に伴う111, 222反射の大角度側へのシフトが観測された。これらの結果から、イオン照射に伴うC$$_{60}$$分子の分解によってC$$_{60}$$分子の絶対数は減少するが、同時に、分解せずに残ったC$$_{60}$$分子のうち、ポリマー化したものの割合は増加し、照射量が3$$times$$10$$^{15}$$/cm$$^{2}$$以降はその割合がほとんど変化しないこと、また、1$$times$$10$$^{16}$$/cm$$^{2}$$照射後の(111)面の面間隔は、未照射の試料に比べるとポリマー化によって4%程度収縮していることがわかった。

論文

Characterization of C$$_{60}$$ films polymerized by ion irradiation

鳴海 一雅; 境 誠司; 楢本 洋*; 高梨 弘毅

Fullerenes, Nanotubes, and Carbon Nanostructures, 14(2-3), p.429 - 434, 2006/00

7MeV C$$^{2+}$$イオンを照射したC$$_{60}$$薄膜をX線回折法とラマン分光法を用いて評価し、イオン照射によるC$$_{60}$$固体のポリマー化の過程を調べた。ラマンスペクトルにおいては、照射量の増加に伴い、A$$_{g}$$(2)モードのピーク収量の絶対値が減少するとともに、A$$_{g}$$(2)からH$$_{g}$$(7)にかけての低波数側の成分が相対的に顕著になった。一方、X線回折の照射量依存については、照射量の増大に伴う111, 222, 333反射の大角度側へのシフトが観測された。これらの結果から、イオン照射に伴うC$$_{60}$$分子の分解によってC$$_{60}$$分子の絶対数は減少するが、同時に、分解せずに残ったC$$_{60}$$分子のうち、ポリマー化したものの割合は増加し、1$$times$$10$$^{16}$$/cm$$^{2}$$照射後に残っているC$$_{60}$$分子はほとんどがポリマー化していること、また、この時の(111)面の面間隔は、未照射の試料に比べるとポリマー化によって4%程度収縮していることがわかった。

論文

Proton conduction properties of crosslinked PTFE electrolyte membranes with different graft-chain structures

澤田 真一; 八巻 徹也; 浅野 雅春; 寺井 隆幸*; 吉田 勝

Transactions of the Materials Research Society of Japan, 30(4), p.943 - 946, 2005/12

グラフト鎖の構造の異なる架橋PTFE電解質膜を合成し、それらの温湿度制御下におけるプロトン伝導特性をACインピーダンス法によって評価した。前照射線量を15kGy(一定)としてグラフト反応を行い、鎖の密度を等しくした膜では、イオン交換容量とともにプロトン伝導度が増大した。伝導度の最大値としては、イオン交換容量2.8meq/gの膜が温度80$$^{circ}$$C,相対湿度95%の環境下において0.20S/cmを示した。イオン交換容量が同程度のときは、グラフト鎖の密度が高く長さが短い方が、長い鎖が低密度に存在するときよりも、高い伝導度を示した。この結果は、プロトンの伝導経路である親水性領域の構造の違いに起因すると考えられる。

論文

Preparation of an extractant-impregnated porous membrane for the high-speed separation of a metal ion

浅井 志保; 渡部 和男; 須郷 高信*; 斎藤 恭一*

Journal of Chromatography A, 1094(1-2), p.158 - 164, 2005/11

 被引用回数:22 パーセンタイル:56.09(Biochemical Research Methods)

放射性廃棄物を安全かつ経済的に処分するためには、放射性廃棄物に含まれる放射能量を測定する必要がある。測定対象となる放射性核種のうち、$$alpha$$線及び$$beta$$線放出核種については、測定の前処理として化学分離が必要となる。本研究では、化学分離の迅速化を目指して、抽出試薬を担持したグラフト多孔性膜を開発した。まず、ポリエチレン製の多孔性中空糸膜に電子線を照射してラジカルを生成させ、エポキシ基を有するモノマー、glycidylmethacrylate(GMA)をグラフト重合し、GMA膜を作製した。次に、エポキシ基の開環反応によってオクタデシルアミノ基(C$$_{18}$$H$$_{37}$$NH基)をグラフト鎖に導入し、疎水性膜とした。疎水性膜を抽出試薬担持溶液(抽出試薬/エタノール=5/95, (v/v))に浸漬し、抽出試薬担持膜とした。抽出試薬は希土類元素に選択性を持つHDEHPを用いた。HDEHPの担持量は、最大2.1mol/kg-GMA膜となり、膜の体積は1.4倍に膨潤した。その結果、細孔径が増大し透水性が向上した。得られたHDEHP担持膜にイットリウム水溶液を透過させたところ、0.38mol-Y/kg-GMA膜のイットリウムが吸着し、7M硝酸で全て溶出できた。吸着・溶出の繰り返し操作後も吸着容量は変化しなかった。

論文

Impedance spectra analysis of thermoresponsive poly(acryloyl-$$_{L}$$-proline methyl ester) gel membrane in LiCl solution

Chen, J.; 浅野 雅春; 坪川 紀夫*; 前川 康成; 八巻 徹也; 吉田 勝

Journal of Polymer Science, Part B; Polymer Physics, 43(20), p.2843 - 2851, 2005/10

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Polymer Science)

$$gamma$$線キャスト重合により、熱応答性ポリ(アクリロイル-L-プロリンメチルエステル)ゲル膜を合成した。LiCl溶液を満たした電極付きH型ガラスセルを用いたインピーダンス装置により、ゲル膜のイオン導電性を測定するための新しい手法を提案した。さらに、温度を変化させたインピーダンス分析の結果から、ゲル膜のイオン導電性は14$$^{circ}$$Cで最も高いイオン導電率(約0.2S/cm)を示すことがわかった。このイオン導電性の温度依存性はポリ(アクリロイル-L-プロリンメチルエステル)ゲルの相転移に基づく複雑な非線形に起因していると、推察した。

論文

On the radiation-induced polyaddition of bisperfluoroisopropenyl terephthalate with 1,4-dioxane

榎本 一之*; 成田 正*; 前川 康成; 吉田 勝; 浜名 浩*

Journal of Fluorine Chemistry, 125(7), p.1153 - 1158, 2004/07

 被引用回数:3 パーセンタイル:11.66(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

$$gamma$$線照射下、Bis($$alpha$$-trifluoromethyl-$$beta$$,$$beta$$-difluorovinyl)terephthalate(BFP)と1,4-Dioxane(DOX)とのラジカル重付加は、過酸化物開始で得られたポリマーよりも高分子量のポリマーを与えた。本論文では、BFPとDOXとの放射線重付加に関するモノマー組成比と照射線量の分子量に与える影響について詳細な検討を行った。BFPの反応率は、照射線量の増加に伴い増加し、BFPが定量的に消費されるのに必要とした照射線量は、BFPに対してDOX量が8倍モルで2000kGy、16倍モルで1500kGy、32倍モルで750kGyであった。本重付加は、照射線量の増加に伴い(すなわち、BFPの転化率が高いほど)ポリマーの分子量が増加していることから、逐次重合で進行していることが示唆された。モノマーの組成比と照射線量により、ポリマーの分子量を調節できることがわかった。一方、重合反応後期、ポリマーの分子量分布に著しい増加が観測された。DOX量が8倍モルで3000kGy照射すると、複分散で重量平均分子量が23600のポリマーを与えた。このことは、$$gamma$$線架橋と主鎖切断によるポリマー間の架橋反応が進行したと考えられる。上記検討により、本重付加の反応機構を提案した。

論文

Formation of carbon nanotubes under conditions of Co+C$$_{60}$$ film

Lavrentiev, V.; 阿部 弘亨; 山本 春也; 楢本 洋; 鳴海 一雅

Physica B; Condensed Matter, 323(1-4), p.303 - 305, 2002/10

 被引用回数:15 パーセンタイル:60.7(Physics, Condensed Matter)

コバルトとフラーレンの混合物を蒸着法により作製して、その微細構造や結合状態を電子顕微鏡及びラマン分光法により調べた。その結果、コバルトはフラーレンの高分子化を促進し、さらに高分子化したフラーレンから、コバルト原子の串団子を内部に含むと考えられる炭素ナノチューブを形成した。さらに、このナノチューブからコバルト原子がなくなると、最小直径の0.4 nmの炭素ナノチューブが形成されることを見出した。これらの観察をベースに、コバルト原子が関与する炭素ナノチューブの低温形成の模型を発表・討論する。

報告書

海水中有用金属捕集材実海域試験で捕集した有用金属の輸送

武田 隼人*; 大沼 謙二*; 玉田 正男; 笠井 昇; 片貝 秋雄; 長谷川 伸; 瀬古 典明; 川端 幸哉*; 須郷 高信

JAERI-Tech 2001-062, 66 Pages, 2001/10

JAERI-Tech-2001-062.pdf:5.5MB

放射線グラフト重合法によって合成した金属捕集材の実海域での適応性を調査検証するため、海水中に極低濃度で溶存するウラン、バナジウム等の有用金属の捕集試験をむつ事業所沖合いの実海域で実施している。捕集材から溶離した有用金属はキレート樹脂に再吸着して分離・精製施設に輸送して精製した。キレート樹脂はPVC製の樹脂筒に収納しさらにステンレススチール製の輸送容器に収納してトラックで専用積載として輸送した。本試験で取り扱うウランの量は、1回の試験当り150g(1.92MBq)以下としたので、ウランの濃度は最大で60Bq/gであり、取り扱い量も濃度も法規制の対象外である。したがって、輸送も一般の物質として行うことができるが、自主的にL型輸送物に準拠して輸送することにした。L型輸送物は法令上輸送容器に関する構造強度上の要求はないが、輸送に当って安全を期すため上位輸送区分であるIP-2型相当の強度を有することをあらかじめ解析評価して、通常の取扱い条件において輸送容器の健全性を確保できることを確認した。また、輸送に当っては、あらかじめ輸送計画書を作成し、これに従って実施した。

論文

Polymerisation process of 1,6-di(N-carbazolyl)-2,4-hexadiyne epitaxially grown films studied by high-resolution electron microscopy

川瀬 昇*; 磯田 正二*; 倉田 博基; 村田 幸生*; 竹田 賢二*; 小林 隆史*

Polymer, 39(3), p.591 - 597, 1998/00

 被引用回数:5 パーセンタイル:27.27(Polymer Science)

塩化カリウム単結晶の(001)面上にエピタキシャル成長した1,6-di(N-carbazolyl)-2,4-hexadiyne有機薄膜を、熱処理あるいは電子照射することにより生じる、高分子化の過程について、電子回折法及び高分解能電子顕微鏡法により研究した。電子照射による高分子化は、有機薄膜の方位を保持したまま、ランダムに高分子の結晶核が生成する均一な反応過程であるのに対し、熱処理による高分子化は、薄膜結晶の端の部分で異なる方位を示しながら生長する不均一な反応過程であることが判明した。これらの高分子化の初期過程を高分解電子顕微鏡法により直接観察するのに成功した。

報告書

Annual report of the Osaka Laboratory for Radiation Chemistry, Japan Atomic Energy Research Institute, No.28; April 1, 1994$$sim$$March 31, 1995

大阪支所

JAERI-Review 95-015, 67 Pages, 1995/10

JAERI-Review-95-015.pdf:2.01MB

本報告書は、大阪支所において、平成6年度に行われた研究活動をまとめたものである。主な研究題目は、レーザー有機化学反応の研究と放射線加工技術の基礎研究であり、本報告書では以下の研究活動について詳細に述べる。レーザー光による物質変換、レーザー光による高分子の表面化学反応、放射線重合による微細加工、放射線による金属微粒子の合成、線量測定および照射施設の運転・管理。

論文

Polymerization of phosphor-containing oligomer induced by electron-beam irradiation

吉沢 巌*; 小原 長二*; 梶 加名子; 畑田 元義

Journal of Applied Polymer Science, 55, p.1643 - 1649, 1995/00

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Polymer Science)

ポリエチレン発泡体に難燃性オリゴマーをグラフト重合させて発泡体を難燃化する技術を開発するにあたり、オリゴマーの重合挙動を検討した。含浸時のオリゴマーの粘度を下げるための希釈剤が残存することが考えられるので、オリゴマーに希釈剤が存在したときの重合速度、また雰囲気中に酸素が存在したときの重合速度について検討した。オリゴマーの重合速度は線量率の一乗に比例すること、同じ線量では、照射回数が多い程、重合に有利であった。また希釈剤として水又はメタノールを使用したときこれらは殆ど重合に影響を与えなかった。残存酸素は、オリゴマーの液膜の厚さが小さいときに大きな重合抑制効果を示した。

報告書

Annual report of the Osaka Laboratory for Radiation Chemistry, Japan Atomic Energy Research Institute, No.26; April 1, 1992 - March 31, 1993

大阪支所

JAERI-M 94-017, 58 Pages, 1994/03

JAERI-M-94-017.pdf:1.65MB

本報告書は、大阪支所において、平成4年度に行われた研究活動をまとめたものである。主な研究題目は、エキシマレーザー光照射による高付加価値化合物の合成、高機能性付与のための高分子表面改質、電子線による重合反応、$$gamma$$線による金属微粒子の合成および線量測定の研究などである。

論文

Immobilization of yeast cells on hydrogel carriers obtained by radiation-induced polymerization

L.Z.Xin*; M.Carenza*; 嘉悦 勲*; 熊倉 稔*; 吉田 勝; 藤村 卓

Radiation Physics and Chemistry, 40(6), p.579 - 584, 1992/00

低温放射線重合による機能材料の開発を目的として、多孔性の高分子ハイドロゲルを合成し、含水率測定、電子顕微鏡観察などを行い、さらにこのゲルを用いて固定化した酵母のエタノール生産性と、物理的性質との関係を調べた。高分子ハイドロゲルを滅菌後、酵母培養液中に投入し震とう培養した。酵母は担体表面に付着し、ハイドロゲル担体の孔を通って担体内部に、増殖しながら浸入し固定化された。酵母細胞が固定化される程度やエタノール生産性は、担体の親水性や多孔性が大となる程、高くなることがわかった。

報告書

Annual report of the Osaka Laboratory for Radiation Chemistry, Japan Atomic Energy Research Institute, No.22; April, 1988 - March 31, 1989

大阪支所

JAERI-M 91-054, 44 Pages, 1991/03

JAERI-M-91-054.pdf:1.04MB

本報告書は大阪支所において昭和63年度に行われた研究活動を述べたものである。主な研究題目は、レーザー有機化学反応の研究、電子線照射による重合反応の研究、ポリマーの改質、光化学反応による有機化合物の合成に関する研究、及び線量測定の基礎研究などである。

論文

Effect of ionic interaction on the entrapping of drug into porous microspheres and drug release characteristics

斉藤 健司*; 細井 文雄; 幕内 恵三; 小石 真純*

Chem.Pharm.Bull., 35(5), p.2045 - 2051, 1987/05

セルロースを主成分とする多孔性微粒子に$$^{6}$$$$^{0}$$Co-$$gamma$$線を前照射したのち、モデル薬物としてサリチル酸を溶解させたメタクリル酸アミノエステルと接触させ、グラフト重合により徐放性微粒子を調製した。未照射の多孔性微粒子はサリチル酸に対し吸着能を示さないが、メタクリル酸メチル(MMA)とメタクリル酸ジエチルアミノエステル(DE)やメタクリル酸ジメチルアミノエステル(DM)をグラフト重合させると粒子内に薬物が包括された。包括量はグラフト率の増加に従って直線的に増加した。包括量とグラフトポリマー中のアミノエステルグループの数の比がグラフト率に無関係に一定値になることから、薬物はアミノエステルと塩を形成し粒子内に導入されることがわかった。また、このような系では塩の解離度が包括量及び薬物の放出速度に重要な役割を果たすことが明らかになった。

論文

In vitro release of salicylic acid from modified porous microspheres

斉藤 健司*; 細井 文雄; 幕内 恵三; 小石 真純*

薬剤学, 47(3), p.154 - 160, 1987/03

セルロースを素材とした多孔性微粒子に$$gamma$$線を照射したのち、サリチル酸を溶解したメタクリル酸メチル(MMA)あるいはMMAとスチレン(St),メタクリル酸(MAC)の混合物を接触させ、グラフト重合により徐放性微粒子を調製した。多孔性微粒子の薬物包括量はグラフト率の増加とともに指数関数的に増大した。同じグラフト率での包括量は、St-MMA$$>$$MAC$$^{-}$$$$^{M}$$$$^{M}$$$$^{A}$$$$>$$MMAの順であった。サリチル酸の包括に対してはグラフトポリマーと薬物との親和性が重要な役割を果たした。いずれの系においても最大包括量は90mgであり、仕込薬物量の60%に相当した。グラフト粒子からの薬物放出速度は、MMAにStやMACを添加した系ではMMA系よりも小さくなった。グラフト微粒子の多孔性度やグラフトポリマーの広がりが薬物の溶出に重要な役割を果たすことを明らかにした。

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