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前田 茂貴
放射線科学フロンティア, (5), P. 17, 2024/02
Ac-225は医薬品向け放出核種として注目されており、今後需要が増えることが見込まれる。創薬分野の研究開発のみならず経済安全保障の観点でも国産化が急務である。「常陽」では、Ac-225製造の技術基盤を確立するため、「常陽」に隣接するPIE施設への照射装置の迅速な払出し技術の確立、Ra-226の中性子照射によるAc-225製造量評価、Ra-226からAc-225を効率的に回収するための分離プロセスを検討している。本発表では、国産化への国内の動き、原子力機構の取り組み、「常陽」での照射、試料移送、化学処理、医療側ニーズへの対応を検討した結果の見通しについて報告する。
深堀 智生; 中山 梓介; 片渕 竜也*; 執行 信寛*
日本原子力学会誌ATOMO, 65(12), p.726 - 727, 2023/12
「シグマ」調査専門委員会では、グローバルな原子力研究開発動向を調査・注視しつつ、我が国の核データ活動に対する大所高所からの俯瞰的検討や原子力学会以外の広い分野の内外学術機関との連絡、情報交換や学際協力体制の構築を目指している。本報告では、2021-2022期の主な活動のうち、核データに関する要求リストサイト、人材育成、ロードマップ作成の3件について報告する。
新居 昌至; 前田 茂貴
臨床放射線, 68(10), p.963 - 970, 2023/10
Ac-225は医薬品向け放出核種として注目されており、今後需要が増えることが見込まれる。創薬分野の研究開発のみならず経済安全保障の観点でも国産化が急務である。「常陽」では、Ac-225製造の技術基盤を確立するため、「常陽」に隣接するPIE施設への照射装置の迅速な払出し技術の確立、Ra-226の中性子照射によるAc-225製造量評価、Ra-226からAc-225を効率的に回収するための分離プロセスを検討している。本発表では、「常陽」での照射からPIE施設への移送、化学処理の経過時間による減衰を考慮しても十分なAc-225製造が可能なことについて報告する。また、原子力委員会のRI製造部会のアクションプランを踏まえた今後の計画を述べる。
石塚 悦男; Ho, H. Q.; 北川 堪大*; 福田 理仁*; 伊藤 諒*; 根本 将矢*; 楠木 捷斗*; 野村 拓朗*; 長瀬 颯太*; 橋本 温希*; et al.
JAEA-Technology 2023-013, 19 Pages, 2023/06
「HTTRに関する技術開発」をテーマとした2022年度夏期休暇実習において、5つの大学から8名が参加した。参加者は、原子力電池の検討、HTTR炉心の燃焼解析、Cf製造の検討、冷却機能喪失時の挙動解析、炉容器近傍の熱流動解析について実習した。実習後のアンケートでは、就業体験として有益であったこと、一部の学生においては自身の研究に役立ったこと、他の大学生との議論が良い経験となった等の感想があり、本実習は概ね良好な評価を得た。
深堀 智生; 中山 梓介; 片渕 竜也*; 執行 信寛*
日本原子力学会誌ATOMO, 64(7), p.413 - 414, 2022/07
「シグマ」調査専門委員会では、グローバルな原子力研究開発動向を調査・注視しつつ、我が国の核データ活動に対する大所高所からの俯瞰的検討や原子力学会以外の広い分野の内外学術機関との連絡、情報交換や学際協力体制の構築を目指している。本報告では、2019-2020期における主な活動のうち、今後の核データ研究活動に直接関連する核データに関する要求リストサイト,人材育成,ロードマップ作成について報告する。
明午 伸一郎; 中野 敬太; 岩元 大樹
プラズマ・核融合学会誌, 98(5), p.216 - 221, 2022/05
加速器駆動核変換システム(ADS)の実現やJ-PARCで建設を進めているADSターゲット試験施設(TEF-T)の建設には、陽子ビーム取扱い技術の開発やGeV領域の陽子に対するニュートロニクス(中性子工学)の詳細な検討が必要となる。このためJ-PARCの核変換ディビジョンでは、J-PARC加速器施設などで研究を進めてきた。本稿ではこれらの内容に関して紹介する。
中野 敬太; 岩元 大樹; 西原 健司; 明午 伸一郎; 菅原 隆徳; 岩元 洋介; 竹下 隼人*; 前川 藤夫
JAEA-Research 2021-018, 41 Pages, 2022/03
加速器駆動核変換システム(ADS: Accelerator-Driven System)の構成要素の一つであるビーム窓の核特性を粒子・重イオン輸送計算コードPHITS及び誘導放射能解析コードDCHAIN-PHITSを用いて評価した。本研究では日本原子力研究開発機構が提案するADSの運転時にビーム窓内部に生成される水素やヘリウム等の量、高エネルギー粒子により引き起こされるビーム窓材の原子弾き出し数、ビーム窓内部の発熱量及び分布を導出した。また、中性子源標的及び冷却材として用いられる鉛ビスマス共晶合金(LBE)中の生成核種、発熱密度及び放射能分布を求めた。ビーム窓解析の結果、300日間のADSの運転によりビーム窓中に最大で約12500appmのH及び1800appmのHeの生成と62.1DPAの損傷が発生することが判明した。一方で、ビーム窓内の最大発熱量は374W/cmであった。LBEの解析では、BiやPoが崩壊熱及び放射能の支配的な核種であることが判明した。さらに、陽子ビームによるLBE中の発熱はビーム窓下流5cm付近が最大であり、945W/cmであることがわかった。
中野 敬太; 松田 洋樹*; 明午 伸一郎; 岩元 大樹; 竹下 隼人*; 前川 藤夫
JAEA-Research 2021-014, 25 Pages, 2022/03
加速器駆動核変換システム(ADS: Accelerator-Driven transmutation System)の開発に資するデータとして、Be, C, Al, Sc, V標的に対する高エネルギー陽子入射反応による核種生成断面積の測定を行った。得られた実験値は最新の核反応モデルによる計算値や評価済み核データライブラリの値と比較を行い、その再現性について議論を行った。
齋藤 龍郎; 佐藤 和彦; 山澤 弘実*
Journal of Environmental Radioactivity, 237, p.106708_1 - 106708_9, 2021/10
被引用回数:2 パーセンタイル:9.66(Environmental Sciences)ハンフォード300エリアの堆積物を用いたリン酸処理カラム実験における溶存U濃度の数値再現に成功した。我々はダルシー速度を変動させた条件下での溶存U濃度推移曲線を、以下のパラメータの最適化によって、本研究の数値モデルにより再現することに成功した。(i)初期濃度を規定している流水に晒される土壌表面(流動領域)のウラン量と、深層土壌に分離された孤立領域の沈殿として残ったウラン量(ii)濃度の最終的な回復曲線に適合するための、流動領域と孤立領域間の混合比、及び(iii)シミュレートされた土壌表面()でのUOとHとの交換反応の陽イオン交換容量(CEC)と平衡定数(k)、これらは過渡平衡濃度に適合し、バスタブ曲線の極小値を形成していた。
濱本 真平; 石塚 悦男; 中川 繁昭; 後藤 実; 松浦 秀明*; 片山 一成*; 大塚 哲平*; 飛田 健次*
Proceedings of 2021 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP 2021) (USB Flash Drive), 5 Pages, 2021/10
日本が所有するブロック型高温ガス炉であるHTTRの冷却材中の水素と水素化物の濃度を詳細に調べた。その結果、CHはH濃度の1/10であり、従来の検出限界以下であることが明らかになった。冷却材中のHとCHの比がHTとCHTの比と同じならば、CHTはよりHより大きな線量変換係数を持つため、この組成比はトリチウムの線量を最適に評価するための重要な知見である。更に、CHの起源の調査した結果、CHは炉心から不純物として放出されるよりもむしろ、熱平衡反応の結果として生成されることが示唆された。
野口 弘喜; 上地 優; 田中 伸幸; 竹上 弘彰; 岩月 仁; 笠原 清司; Myagmarjav, O.; 今井 良行; 久保 真治
International Journal of Hydrogen Energy, 46(43), p.22328 - 22343, 2021/06
被引用回数:16 パーセンタイル:61.80(Chemistry, Physical)熱化学水素製造法ISプロセスは、高温ガス炉,太陽熱,産業廃熱などの様々な熱源を利用して、高効率に大規模水素製造が可能な方法のひとつである。ISプロセスの研究開発課題は、硫酸やヨウ化水素酸などの厳しい腐食環境における工業材料製機器の健全性とそれらの機器による安定した水素製造の実証である。原子力機構では、工業材料製の耐食機器を開発し、それらの機器を組み込んだ水素製造試験設備を製作し、上記研究開発課題の解決に向け、本試験設備の試験運転を進めている。安定した水素製造を行うために、HI-I-HO溶液の安定送液技術の開発、大量漏えいを防止するためのグラスライニング材の品質保証の改善、ブンゼン反応器における硫酸脱水法によるヨウ素析出防止技術の開発を行った。これらの改良により、水素製造量約30L/h、150時間の連続水素製造に成功し、厳しい腐食環境における工業材料製機器の健全性及び安定した水素製造を実証した。
野口 弘喜; 竹上 弘彰; 上地 優; 田中 伸幸; 岩月 仁; 笠原 清司; 久保 真治
International Journal of Hydrogen Energy, 44(25), p.12583 - 12592, 2019/05
被引用回数:20 パーセンタイル:53.68(Chemistry, Physical)工業材料製の連続水素製造試験設備によるプラント機器技術(耐食性、機器性能)及び運転手順の信頼性を確証する水素製造試験に取り組んでいる。本プロセスを構成する3つの反応工程(ブンゼン反応工程,硫酸分解反応工程, HI分解反応工程)を連結した連続水素製造試験を実施し、10NL/h、8時間の水素製造に成功した。この試験を通じて明らかとなった高濃度ヨウ素溶液を移送する耐食定量ポンプの軸封部に固体ヨウ素が蓄積し、ポンプが停止する課題に対し、固体ヨウ素の溶解除去を狙いとした、気液を併用して軸封部に流通させる軸バリアを開発した。本技術開発を用いることで、20NL/h、31時間と水素製造時間を延伸させることに成功した。
舟木 泰智; 高原 省五; 佐々木 美雪; 吉村 和也; 中間 茂雄; 眞田 幸尚
JAEA-Research 2018-016, 48 Pages, 2019/03
内閣府原子力災害対策本部は、平成34年から35年度までに避難指示解除が計画される「特定復興再生拠点区域」において、放射線防護対策を検討している。これにあたり、当該区域の汚染状況の把握と被ばく線量の評価は必要不可欠である。福島第一原子力発電所事故以降、数々のモニタリングにより空間線量率分布が評価され、それらを元に被ばく線量が推定されてきた。一方、当該区域は比較的空間線量率が高く、放射線防護に対してより慎重な配慮が必要であるため、被ばくに係る詳細な情報が求められている。そこで本研究では、詳細な汚染状況と当該区域の状況に即した被ばく線量を評価することを目的とし、(1)無人ヘリコプターによる空間線量率の測定、(2)大気中の放射性セシウム濃度の測定、(3)代表的な行動パターンにおける外部・内部実効線量の評価を実施した。併せて、空間線量率分布のモニタリング手法と被ばく線量評価方法の高度化を検討した。本調査により、空間線量率の3次元マップを提示し、当該区域における分布傾向を明らかにすると共に被ばく線量を推定し、吸入による内部被ばく線量は外部被ばく線量の1%未満であることを示した。また今後の放射線防護において有効かつ新たな空間線量率のモニタリング手法と被ばく線量評価方法の妥当性を示した。
野口 弘喜; 竹上 弘彰; 上地 優; 田中 伸幸; 岩月 仁; 笠原 清司; 久保 真治
Proceedings of 8th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2016) (CD-ROM), p.1029 - 1038, 2016/11
原子力機構では、高温ガス炉の核熱利用技術として熱化学法ISプロセスの研究開発を行っている。工業材料を用いて100L/h規模の連続水素製造試験装置を製作した。初めに、本試験装置の各機器の機能確認を行うため、5つに分割された工程毎に試験を実施した。本報告では、5工程のうち、硫酸分解工程、HI蒸留工程及びHI分解工程の結果を示した。硫酸分解工程では、硫酸分解器による硫酸分解反応試験を行い、酸素製造量は供給硫酸量に比例することを示し、また、SO分解率は約80%であった。以上より、設計通りの性能を有していることを明らかにした。HI蒸留工程では、共沸以上のHIx水溶液を用いた蒸留試験を行い、塔頂から高濃度HI水溶液、塔底から共沸組成のHIx水溶液の生成を確認し、蒸留による分離が設計通りに行われていることを示した。HI分解工程では、HI分解器によるHI分解反応試験を行い、分解率約18%で安定した水素製造が可能であることを示し、設計通りの性能を有していることを示した。シリーズ(I)で示すブンゼン反応工程、HI濃縮工程の結果と合わせて、工程別試験を完了した。その後、これらの結果を基に、連続水素製造試験を実施し、8時間の水素製造に成功した。
Dipu, A. L.; 大橋 弘史; 濱本 真平; 佐藤 博之; 西原 哲夫
Annals of Nuclear Energy, 88, p.126 - 134, 2016/02
被引用回数:5 パーセンタイル:41.31(Nuclear Science & Technology)高温ガス炉水素製造システムにおけるトリチウム移行挙動評価に資するため、HTTRの50日間の高温連続運転において、世界で初めてとなる運転中の2次ヘリウム冷却設備中のトリチウム濃度計測を含む、HTTRのトリチウム濃度計測を行った。1次冷却設備のトリチウム濃度は起動後に上昇し、原子炉出力60%において最高値1.610ベクレル/cmの(STP)に達した。その後、運転時間を通してわずかに減少した。この現象は黒鉛への化学吸着によると想定された。2次ヘリウム冷却設備中のトリチウム濃度は1次冷却設備の濃度よりわずかに低い値を示した。出力上昇過程での2次ヘリウム冷却設備は.710ベクレル/cmであった。その後、トリチウム濃度は徐々に減少し、運転終了時には2.210ベクレル/cmとなった。HTTR-ISシステムの2次ヘリウム冷却設備中のトリチウム濃度及び評価を行った結果、これらの値は制限値を満足することから、水素製造施設は原子炉施設の安全機能から除外できることを明らかにした。
川本 靖子*; 中屋 裕行*; 松浦 秀明*; 片山 一成*; 後藤 実; 中川 繁昭
Fusion Science and Technology, 68(2), p.397 - 401, 2015/09
被引用回数:1 パーセンタイル:9.26(Nuclear Science & Technology)核融合炉を起動するためには、外部装置からの十分な量のトリチウムの供給が必要である。ここでは核融合炉へのトリチウムの供給方法について検討する。トリチウム製造装置として高温ガス炉の適用を提案してきた。これまでは、燃料を定期的に交換するブロック型の高温ガス炉を対象として解析評価を実施してきた。ぺブルベッド型の高温ガス炉では、燃料交換に伴う時間のロスがない運転が可能であることから、両者を対象としてトリチウム製造量を比較した。トリチウム製造量を計算するにあたっては、連続エネルギーモンテカルロ燃焼計算コードMVP-BURNを使用した。計算の結果、連続運転が可能なぺブルベッド型の高温ガス炉によるトリチウム製造量は、燃料を定期的に交換するブロック型の高温ガス炉によるトリチウム製造量とほとんど同じであることを示した。また、トリチウム製造装置としてのぺブルベッド型の高温ガス炉の課題について議論する。
永井 泰樹; 川端 方子; 佐藤 望; 橋本 和幸; 佐伯 秀也; 本石 章司*
Journal of the Physical Society of Japan, 83(8), p.083201_1 - 083201_4, 2014/07
被引用回数:11 パーセンタイル:56.89(Physics, Multidisciplinary)High thermo-separation efficiencies of about 90% and 70% have been obtained for the first time for Tc from molten MoO samples containing Mo with thicknesses of 4.0 and 8.8 mm, respectively, by repeated milking tests. Mo was produced with Mo(,2)Mo by using neutrons from H(,)He. The thermo-separation efficiency was determined by measuring the 141 keV -ray yield of Tc within the molten MoO samples with a radiation detector as a function of the furnace temperature and time. The diffusion coefficients of Tc in the molten MoO samples were estimated in order to help understand the Tc release mechanism. The present result solves a long-standing problem of decreasing the separation efficiency of Tc from MoO while increasing the sample mass or repeating sublimation in thermo-separation, and will bring a major breakthrough to obtain high-quality Tc from MoO irradiated by accelerator-neutrons (protons) or reactor-neutrons.
Verzilov, Y. M.; 佐藤 聡; 落合 謙太郎; 和田 政行*; Klix, A.*; 西谷 健夫
Fusion Engineering and Design, 82(1), p.1 - 9, 2007/01
被引用回数:10 パーセンタイル:57.51(Nuclear Science & Technology)増殖ブランケット核特性実験に使用するベリリウムの核的特性の検証を目的として、ベリリウム体系の積分ベンチマーク実験を原子力機構FNSで実施した。直径628mm,厚さ355mmの疑似円柱体系に14MeV中性子を照射し、体系内に埋め込んだ炭酸リチウムペレットのトリチウム生成率を液体シンシレーションカウンタ法で測定した。実験結果は、中性子モンテカルロコードMCNP-4Cで解析した。なお中性子輸送用核データとしてはFENDL/MC-2.0及びJENDL-3.2/3.3、リチウムの反応率用にはJENDLドジメトリファイル及びENDF/B-VIを使用した。どの核データを使用した計算も、実験値と誤差10%以内で一致し、ベリリウムの核的特性に大きな問題はないことを確認した。
坂場 成昭; 大橋 弘史; 武田 哲明
Journal of Nuclear Materials, 353(1-2), p.42 - 51, 2006/07
被引用回数:11 パーセンタイル:59.56(Materials Science, Multidisciplinary)HTTRの中間熱交換器(ハステロイXR製)におけるトリチウム透過の防止は、高温ガス炉に化学プラントを接続する際の重要な課題の一つである。本報では、HTTRに水素製造装置を接続する際に化学プラントであるISシステムの非原子力級可に資するため、HTTRの高温試験運転における実測値をもとに水素透過を保守的に評価した。ハステロイXRの活性化エネルギー及び頻度因子は、707Kから900Kにおいて、それぞれ、65.8kJ/mol, 7.810m(STP)/(msPa)と評価された。これらの値は、従来の値と同程度である。また、最確値による評価の結果から、トリチウム透過を妨げる酸化膜が伝熱管表面に形成されていることが示唆された。
西原 哲夫; 稲垣 嘉之
Nuclear Technology, 153(1), p.100 - 106, 2006/01
被引用回数:9 パーセンタイル:52.88(Nuclear Science & Technology)日本原子力研究所では高温ガス炉HTTRを利用した水素製造の研究開発を進めている。本システムの主要課題の1つとして、安定な運転を行うための制御技術の開発がある。化学反応器の下流に設置する蒸気発生器を用いてヘリウム温度の変動を緩和し、熱負荷変動を吸収することを提案した。起動運転と化学反応器の負荷喪失事象を対象として熱流動解析を行った。原料ガスの流量変化に伴う化学反応器出口の大きなヘリウム温度の変動は蒸気発生器出口で緩和されることを示した。この結果、HTTRは原料ガスの流量によらず、通常運転を継続することができる。