Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
吉田 尚生; 大野 卓也; 吉田 涼一朗; 天野 祐希; 阿部 仁
JAEA-Research 2021-011, 12 Pages, 2022/01
再処理施設における高レベル濃縮廃液の蒸発乾固事故について、ルテニウム(Ru)の挙動が着目されている。Ruは四酸化ルテニウム(RuO)のような揮発性の化学種を形成し、硝酸、水または窒素酸化物を含む共存ガスと共に施設外へ放出される可能性があるためである。本研究では、蒸発乾固事故に対する安全性評価に資することを目的として、事故時の蒸気凝縮を模擬した、水溶液に対する気体状RuO
の液相への移行挙動を実験的に測定した。その結果、RuO
のガス吸収は液相中の亜硝酸(HNO
)濃度の増加により促進されたことから、化学吸収を伴う物質移動であることが示唆された。HNO
を用いない対照実験では、温度が低いほど液相中のRu吸収率は大であったのに対し、HNO
を用いた実験では、温度が高いほどRu吸収率が高かった。これは化学吸収に関与する化学反応が高温で活性化されたためであると考察される。
吉田 尚生; 天野 祐希; 大野 卓也; 吉田 涼一朗; 阿部 仁
JAEA-Research 2020-014, 33 Pages, 2020/12
使用済核燃料の再処理施設における高レベル濃縮廃液の蒸発乾固事故を考慮した場合、ルテニウムは揮発性の化合物を形成し、廃液中の放射性元素の中で比較的高い放出割合となりうる重要な元素である。本研究では、蒸発乾固事故に対する安全性評価に資することを目的として、気体状四酸化ルテニウム(RuO(g))の化学形変化挙動に与える窒素酸化物(NOx)の影響を実験的に評価した。その結果、RuO
(g)の分解速度は一酸化窒素や二酸化窒素を添加しない場合よりも添加した場合の方が遅く、これらのNOxはRuO
(g)を安定化することが明らかになった。また、安定化効果は二酸化窒素の方が高かった。
安藤 真樹; 中野 佳洋; 岡嶋 成晃; 川崎 憲二
JAERI-Research 2003-029, 72 Pages, 2003/12
ROX燃料に添加する共鳴物質としてエルビウム(Er),タングステン(W),トリウム(ThO)に着目し、これら物質のドップラー効果に対する計算予測精度の検証を行うことを目的とし、FCAを用いて実験を行った。実験は、高速炉体系(XX-2)と中速スペクトル体系(XXI-1D2)において、800
Cまでのサンプル加熱反応度価値測定法により行った。解析では、核データにJENDL-3.2を用い、FCA標準解析手法を基本計算とし実験値と計算値を比較した。また、SRACシステムを用いた解析を行い、SRACによる計算の予測精度の傾向を調べるとともに、基本計算の解析結果と比較した。輸送補正を施した基本計算の解析の結果、XX-2炉心では全般的に過小評価となり、XXI-1D2炉心では計算値は実験誤差の範囲内で実験値とほぼ一致した。SRACシステムによる解析の結果、ErサンプルではSRACの方が3%
10%小さい計算値を与え、Wサンプルでは、SRACの方が2%
5%大きな計算値を与えることがわかった。またThO
サンプルでは、XX-2炉心ではSRAC解析
基本計算であるのに対して、XXI-1D2炉心ではその逆となった。
安藤 真樹; 中野 佳洋; 岡嶋 成晃; 川崎 憲二
Journal of Nuclear Materials, 319, p.126 - 130, 2003/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Materials Science, Multidisciplinary)ROX燃料に用いられる共鳴物質の中速スペクトル場におけるドップラー効果測定に対する計算精度を評価することを目的として、原研FCAを用いて測定が行われた。本研究は一連の共鳴物質に関するドップラー効果測定において、高速スペクトル場における測定に引き続き行われたものである。ドップラー効果は高温及び室温サンプルの反応度価値の変化として測定される。エルビウム(Er),タングステン(W)及びトリウム(ThO)の円筒形サンプルを用い、炉心中心部においてそれぞれ800
Cまで昇温した。核データにJENDL3.2を用いSRAC95システムにより解析した。WとThO
のサンプルでは、実験値と測定誤差の範囲で一致した。他方、Erサンプルでは約10%の過大評価となった。
中村 武彦; 草ヶ谷 和幸*; 吉永 真希夫; 上塚 寛; 山下 利之
Progress in Nuclear Energy, 38(3-4), p.379 - 382, 2001/02
被引用回数:8 パーセンタイル:51.65(Nuclear Science & Technology)イットリア安定化ジルコニア(YSZ)及びYSZ/スピネル型の岩石型(Rock-like Ocide: ROX)燃料の反応度事故時挙動を調べるため、パルス照射実験をNSRRで実施した。ROX燃料の破損は、体積エンタルピ10GJ/m以上の実験で被覆管の破裂により生じた。破損しきい値は体積エンタルピで見るとUO
燃料と同等であった。しかしながら、ROX燃料の破損は、かなりの燃料溶融を伴っており、被覆管の溶融及び酸化脆化に起因するUO
燃料の破損とは大きく異なっていた。低いROX燃料の融点の影響が破損モードの違いに表れているものと思われる。ROX燃料は破損時に溶融した燃料のかなりの部分が噴出した。しかし、溶融燃料と水の相互作用による機械的エネルギ発生は12GJ/m
以下の実験では見られなかった。
柳澤 和章; 山下 利之; 金澤 浩之; 天野 英俊; 室村 忠純
Journal of Nuclear Science and Technology, 36(12), p.1153 - 1159, 1999/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)JRR-3Mを用いて岩石型(ROX)燃料の照射を燃焼度27MWd/kgPu(28%FIMA)まで実施した。照射後試験より得られた結果は以下のとおり。(1)照射によりROX-SZRの燃料密度は、4.6g/cc(82%TD)から3.4g/cc(61%TD)まで減少した。一方ROX-ThOの燃料密度も、5.2g/cc(83%TD)から3.4g/cc(55%TD)まで減少した。(2)ROX-SZRの気孔率は、18から39%に増加した。一方、ROX-ThO
のそれも17から46%に増加した。本件の場合、気孔率の増加即ち非拘束ガス気泡スエリングは気孔の集塊に起因していると考えられるが、その気孔集塊にはROX燃料成分であるAl
O
及びPuAl
O
が重要な役割を果たしていると推察された。(3)無拘束ガス気泡スエリング率は、ROX-SZRについては1%FIMA当たり0.8%
V/V、ROX-ThO
については同じく1%FIMA当たり1%
V/Vと推定された。UO
のそれは、1%FIMA当たり1%V/Vである。したがって、無拘束ガス気泡スエリング率に関しては、ROX燃料とUO
に有意な差はない。
柳澤 和章; 山下 利之; 金澤 浩之; 天野 英俊; 室村 忠純
Journal of Nuclear Science and Technology, 36(11), p.1052 - 1063, 1999/11
被引用回数:1 パーセンタイル:13.15(Nuclear Science & Technology)2種類の岩石型燃料(以下、ROX-SZR及びROX-ThO)及び9種類の模擬岩石型燃料(PuO
をUO
で置き換えたもの)を作製した。これらの密度、気孔率及び結晶粒度を実験因子とした研究を行った。得られた結果は以下のとおり。(1)岩石型燃料の推定理論密度値は、ROX-SZRで5.6g/cc、ROX-ThO
で6.2g/ccであることを見いだした。一方、これに相当する焼結密度値は前者で4.6g/cc、後者で5.2g/ccであった。岩石型燃料の密度はUO
の約半分であった。岩石型燃料の百分率理論密度(%TD)は比較的低く82-83%TDの範囲にあった。気孔率は大きく(17-18%)、結晶粒径は小さい(2
m)ことがわかった。(2)模擬岩石燃料の推定理論密度値は5.0-5.7g/ccの範囲にあった。一方、これに相当する焼結密度値は4.9-5.4g/ccの範囲にあった。模擬岩石燃料の密度は岩石燃料とほぼ同じであったが、UO
の約半分であった。模擬岩石燃料の%TDは比較的大きく94-98%TDだった。気孔率は小さく(
6%)、結晶粒径もまた小さい(3-4
m)ことがわかった。
柳澤 和章; 大道 敏彦*; 白数 訓子; 山下 利之; 木村 康彦; 小野澤 淳; 長島 久雄; 金澤 浩之; 金井塚 文雄; 天野 英俊
JAERI-Tech 99-044, 46 Pages, 1999/05
未照射岩石型(ROX)燃料及び模擬岩石型燃料について、密度、気孔率及び結晶粒度に関する研究を実施し以下の結論を得た。(1)岩石燃料:推定理論密度(TD)値は、ROX-SZRで5.6g/cc、ROX-ThOで6.2g/ccであった。岩石燃料の理論密度値はUO
(10.96g/cc)の約半分であった。本研究から得られた焼結(製造)密度は、ROX-SZRで4.6g/cc(82%TD)、ROX-ThO
で5.2g/cc(83%TD)であった。%TDはUO
のそれ(通常95%TD)よりかなり小さかった。平均気孔径は約3
m、気孔率は17-18%の範囲にあった。結晶粒径は約2
mであった。(2)模擬岩石燃料:推定理論密度値は約5.0-5.7g/ccの範囲にあった。模擬岩石燃料の理論密度値はUO
の約半分であった。本研究から得られた焼結密度は約4.5-5.5g/ccの範囲にあった。模擬岩石燃料の%TDは94-98%TDと現行のUO
並になった。平均気孔径は約4-8
m、気孔率は6%以下であった。結晶粒径は約1-4
mであった。
柳澤 和章; 大道 敏彦*; 白数 訓子; 室村 忠純; 松田 哲志*
JAERI-Tech 99-032, 65 Pages, 1999/03
便宜的にPuOをUO
で代替した模擬岩石型燃料を製造し、炉外試験に供した。得られた主たる知見は以下のとおり。(1)模擬岩石燃料のガス置換密度(GID)は、4.9から5.4g/ccの範囲であり、その値はUO
の47-52%であった。(2)模擬岩石燃料の融点(MP)は1,911
39
Cであり、UO
の融点より30%低かった。(3)線膨張係数(LTE)は、温度1500
Cまで模擬岩石燃料とUO
燃料に差異はなかった。(4)模擬岩石燃料のクリープ速度はMgAl
O
成分に強く依存した。(5)硬度(Hv)はMgAl
O
の構成成分であるAl
O
に対して敏感で、その量の増加によって模擬岩石燃料はより硬くなった。温度300
Cまでの範囲で模擬岩石燃料とUO
の硬度を比較したが、前者は後者に比べ著しく大きかった。(6)熱拡散率に関して、模擬岩石燃料とUO
との間に大きな差異はない。同様に、模擬岩石燃料とGd
O
を10wt%まで添加したUO
燃料との間の熱拡散率にも差異はなかった。模擬岩石燃料の熱伝導率とUO
のそれとに差異はなかった。
田中 俊一; 山路 昭雄*; 坂本 幸夫; 内藤 俶孝; 足立 守; 佐藤 博; 内山 順三; 飯田 省三; 小林 忠義; 広瀬 彰; et al.
JAERI-M 82-202, 50 Pages, 1982/12
使用済燃料取扱施設の遮蔽安全性評価コードシステム、同データライブラリィの検証実験計画に基づき、PWR使用済燃料集合体を利用した「線源形状評価のための実験」を行った。この実験は複数の燃料集合体を近接して置いた時、これを一つの体積線源として近似、計算する場合の形状近似の手法を評価、検討するために必要な測定データを取得することを目的とするものである。実験は、照射履歴の異なる3体の集合体を用いて、それぞれの集合体ごとの測定、3体を近接して設置した時の測定を行い、ガンマ線線量率、U、
Th核分裂反応率分布の測定結果が得られた。本報告書では、詳細な測定結果の他、実験条件、実験方法、測定器の特性などが述べられている。
熊谷 友多; Jonsson, M.*
no journal, ,
使用済核燃料の直接地層処分では、地下水が処分システム内に浸食し、最終的には燃料と接触することが想定されている。地下水と接触した燃料の表面では、水の放射線分解の作用により、二酸化ウラン母材が徐々に酸化され、水に溶解する。地下水中には天然の有機物が含まれることから、本研究ではフタル酸をモデル物質として、有機物の吸着が二酸化ウランの溶解反応にどのような影響を及ぼすのかを実験により調べた。まず、フタル酸水溶液中では、二酸化ウラン表面へのフタル酸の吸着が生じ、フタル酸の濃度が高い場合には吸着量は表面の80%に達した。フタル酸の吸着した二酸化ウランに対して、水の放射線分解の模擬として過酸化水素を反応させる実験を行ったところ、高い吸着量に反して、吸着質を含まない水溶液中と同程度のウランの溶解が観測された。この結果から二酸化ウランの表面酸化反応はフタル酸の吸着の影響をほとんど受けないことが分かった。