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遠藤 章
JAEA-Research 2024-002, 90 Pages, 2024/05
本報告書は、光子、中性子、電子、陽電子、陽子、ミューオン、パイ中間子及びヘリウムイオンによる外部被ばくについて、エリアモニタリングに用いられる3つの量である周辺線量当量(10)、最大線量当量及び周辺線量と実効線量との関係を包括的に分析した結果を示す。分析のための計算は、PHITS (Particle and Heavy Ion Transport code System)とICRU球を用いて行った。その結果、ICRP Publication 116で対象としている幅広いエネルギー範囲における外部被ばくに対して、(10)とは実効線量の評価に大きな差を生じる場合がある一方、はエリアモニタリングに許容される範囲で実効線量を保守的に評価できることが分かった。すなわち、実効線量を評価するために、(10)とには限界があり、より適切な量としての使用が推奨される。この結論は、多様な被ばく状況における実効線量の評価にを導入したICRU Report 95の提案を支持するものである。周辺線量の利用は、医療や学術研究における放射線利用や航空機搭乗時の被ばく等の様々な種類の放射線により被ばくする状況で特に重要であり、放射線防護の対象の拡大に伴う放射線モニタリングの新たなニーズに応えることができる。
高橋 史明; 真辺 健太郎; 佐藤 薫
JAEA-Review 2020-068, 114 Pages, 2021/03
現在の日本国内の放射線安全規制は、国際放射線防護委員会(ICRP)による1990年勧告の主旨に基づいて制定されているが、ICRPはこれに置き換わる2007年勧告を公開した。そのため、原子力規制委員会の下に設置されている放射線審議会では、最新の2007年勧告の主旨を国内の規制へ取り入れるための検討を進めている。また、ICRPは2007年勧告に準拠する内部被ばく評価に用いる実効線量係数の公開も進めており、内部被ばくの評価法に係る技術的基準の見直しも想定される。現在のところ、作業者や公衆の内部被ばく防護のための濃度限度について、改正に必要な実効線量係数の全ては公開されていない。一方で、既に公開されている実効線量係数については、作業者の内部被ばく防護で重要な核種へ適用されるものも含まれる。そこで、ICRPが平成28年(2016年)から令和元年(2019年)にかけて発刊した「職業人の放射性核種摂取(Occupational Intakes of Radionuclides)シリーズ」のparts2、3及び4に基づいて、新しい実効線量係数及び基本となる線量評価モデルやデータをレビューし、現在の国内における内部被ばく評価法に係る技術的基準からの変更点を調査した。さらに、今後の2007年勧告を踏まえた内部被ばく評価法に係る技術的基準の円滑な改正に供するため、課題等を整理した。
齋藤 龍郎; 小林 愼一*; 財津 知久*; 下 道國*; 麓 弘道*
保健物理(インターネット), 55(2), p.86 - 91, 2020/06
ウラン廃棄物およびウランを含む鉱さい等廃棄物処分安全の考え方は、まだ完全には確立されていない。その理由は、子孫核種の放射能が蓄積し、数十万年以後に線量のピークが生じるウラン安全性評価の不確実性と、遠い将来発生するラドンによる被ばくである。我々「自然放射性核種を含む廃棄物の放射線防護に関する専門研究会」は、ウラン含有廃棄物と鉱さい等廃棄物に含まれる核種、U-235, U-238とその子孫の処分に関する安全事例を研究し、ICRPやIAEAなどの国際機関の考え方と比較しながら、処分の現状を総括的に議論し、不確実性及びラドン被ばくの取り組むべき重要な問題を提言した。
古田 琢哉; El Basha, D.*; Iyer, S. S. R.*; Correa Alfonso, C. M.*; Bolch, W. E.*
Journal of Radiological Protection, 39(3), p.825 - 837, 2019/09
被引用回数:2 パーセンタイル:19.31(Environmental Sciences)人の眼球には多様性があるにもかかわらず、これまでの眼球に対する線量計算シミュレーションでは、ほぼ全ての研究で標準的な一つのモデルが採用されてきた。そこで、本研究では新たに開発した大きさ及び変形が可能な数値眼球モデルを利用し、モンテカルロ放射線輸送計算コードPHITSを用いて、標準的な照射場(AP, PA, RLAT, ROT等)での電子線,光子線および中性子線による眼球内組織の線量を計算した。ここでは、5種類(標準,大型,小型,近視形状型および遠視形状型)の極端な眼球モデルの計算結果の比較に基づき、組織の吸収線量への眼球の大きさや変形が与える影響を解析した。電子線では線量の集中性が高く、吸収線量は眼球表面からの組織の深さに大きく依存して変化する。このため、眼球の大きさや変形に伴い、組織全体の深さ位置が変化することによる吸収線量への顕著な影響が見られた。これに対し、光子線や中性子線では電子線に比べて線量の集中性が弱いため、眼球の大きさや変形による影響が小さいことがわかった。
El Basha, D.*; 古田 琢哉; Iyer, S. S. R.*; Bolch, W. E.*
Physics in Medicine & Biology, 63(10), p.105017_1 - 105017_13, 2018/05
被引用回数:10 パーセンタイル:48.53(Engineering, Biomedical)眼の水晶体に対する年間線量限度の推奨値の引き下げが国際放射線防護委員会より発表されて以降、眼の詳細構造に対する線量予測システムの構築に関心が高まっている。これを受けて線量評価に用いる詳細な数値眼球モデルがいくつか開発されたが、いずれのモデルも典型的な球形・通常サイズの正常視眼球モデルであった。そこで、サイズおよび形状の変更が可能で放射線被ばく及び眼疾患の放射線治療のシミュレーションに使用できる解析関数眼球モデルを開発した。この眼球モデルを利用したシミュレーションの一例として、前方照射条件での電子および光子の放射線輸送計算を実行し、入射エネルギーを変化させた場合の眼球内詳細構造に対する線量応答を調べた。前方照射条件のため、各構造の深さ位置が重要で、眼球サイズが大きい場合や近視のために眼球が扁長変形を持つ場合は、通常サイズの正視の場合に比べて各構造が深い位置にずれるため、エネルギー応答が少し高エネルギー側にシフトする傾向があることがわかった。
杉山 大輔*; 木村 英雄; 立川 博一*; 飯本 武志*; 河田 陽介*; 荻野 治行*; 大越 実*
Journal of Radiological Protection, 38(1), p.456 - 462, 2018/03
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Environmental Sciences)福島第一原子力発電所事故後の経験から、現存被ばく状況において環境修復に関する放射性廃棄物管理の放射線防護規準を確立することが必要である。本報ではそのために段階的なアプローチを提案し、放射性廃棄物管理に伴う年間線量の参考レベルとして第一段階1-10mSv/yを設定すべきであると考える。その後、最終的な線量目標1mSv/yを達成するため、段階的にその参考レベルは引き下げられる。その各段階における線量基準は、ステークホルダーの関与の下で決定される。本報ではその段階的アプローチの具体的な例を示す。
原子力緊急時支援・研修センター
JAEA-Review 2017-011, 54 Pages, 2017/07
日本原子力研究開発機構(JAEA)は、災害対策基本法及び武力攻撃事態対処法に基づき、「指定公共機関」として、国及び地方公共団体その他の機関に対し、災害対策又は武力攻撃事態等への対処において、JAEAの防災業務計画及び国民保護業務計画に則り、技術支援をする責務を有している。原子力緊急時支援・研修センター(NEAT)は、緊急時には、全国を視野に入れた専門家の派遣、防災資機材の提供、防護対策のための技術的助言等の支援活動を行う。また、平常時には、我が国の防災対応体制強化・充実のために、自らの訓練・研修のほか、国, 地方公共団体の原子力防災関係者のための実践的な訓練・研修、原子力防災に関する調査研究及び国際協力を実施する。平成27年度、NEATでは、日本原子力研究開発機構の新たな第3期中期計画に基づき、以下の業務を推進した。(1)NEATの基盤整備及び運営体制の維持、(2)機構内専門家の研修及び支援活動訓練の企画実施並びに国、地方公共団体の原子力防災関係者の人材育成及び研修・訓練、(3)原子力防災に係る調査・研究の実施及び情報発信、(4)国が実施する緊急時の航空機モニタリングへの支援についての必要な準備の実施、(5)国際機関と連携を図ったアジア諸国への原子力防災に係る技術的貢献
遠藤 章
Annals of the ICRP, 45(1_suppl.), p.178 - 187, 2016/06
国際放射線防護委員会(ICRP)が提案する臓器・組織の等価線量、実効線量等の防護量は、放射線による人体の被ばくの程度を定量化し、線量の制限や防護の最適化を図るために使われている。人体に対して定義される実用量は測定できないため、国際放射線単位測定委員会(ICRU)は、測定によって防護量を評価するための実用量を開発した。現在使われている実用量は、30年以上も前に定義されたものである。ICRUは、ICRP 2007年勧告における防護量の変更を契機に実用量の検討を行った。その結果、委員会は現在のものに替わる新たな実用量を提案することとした。エリアモニタリングに対しては、ICRU球のある深さで定義する線量から、粒子フルエンスに基づき防護量と関連付けた量に変更する。本発表では、新たに提案する実用量の定義と、それが線量測定の実務に及ぼす影響について検討した結果を報告する。
原子力緊急時支援・研修センター
JAEA-Review 2016-005, 55 Pages, 2016/05
日本原子力研究開発機構は、災害対策基本法及び武力攻撃事態対処法に基づき、「指定公共機関」として、国及び地方公共団体その他の機関に対し、災害対策又は武力攻撃事態等への対処において、日本原子力研究開発機構の防災業務計画及び国民保護業務計画に則り、技術支援をする責務を有している。原子力緊急時支援・研修センターは、緊急時には、全国を視野に入れた専門家の派遣、防災資機材の提供、防護対策のための技術的助言等の支援活動を行う。また、平常時には、我が国の防災対応体制強化・充実のために、自らの訓練・研修のほか、国、地方公共団体の原子力防災関係者のための実践的な訓練・研修、原子力防災に関する調査研究及び国際協力を実施する。平成26年度においては、日本原子力研究開発機構の年度計画に基づき、以下の業務を推進した。(1)国, 地方公共団体との連携を図った指定公共機関としての技術支援活動、(2)国、地方公共団体の原子力防災関係者の人材育成及び研修・訓練、(3)原子力防災に係る調査・研究の実施及び情報発信、(4)国際機関と連携を図ったアジア諸国への原子力防災に係る技術的貢献 これらの業務のなかで特に、「防災業務関係者のための放射線防護研修」の拡大継続、公開ホームページでの「原子力防災情報」の継続、及び放射線防護対策工事として原子力災害時において建屋内に放射性物質を除去した空気を給気することで汚染された外気の吸入を防ぐよう支援棟2階の正圧化工事を実施した。
斎藤 公明; 山本 英明
Radioisotopes, 63(11), p.519 - 530, 2014/11
放射線防護において外部被ばくの線量評価及び測定に用いられる諸線量のうち、福島事故における環境放射線測定・評価で頻繁に使用される線量に焦点を当てて、基本的な意味と特徴について説明する。この中で、基本的な物理量である吸収線量、放射線防護の判断基準となる実効線量と等価線量、放射線測定に使用される周辺線量当量(10)と個人線量当量p(10)を取り上げ、それらの関係等についてわかりやすく解説する。
佐藤 達彦; 横谷 立子; 仁井田 浩二*
Radiation Protection Dosimetry, 122(1-4), p.41 - 45, 2006/12
被引用回数:69 パーセンタイル:96.82(Environmental Sciences)長期宇宙滞在や重イオン癌治療を計画するためには、高エネルギー重イオン被ばくによる生物影響を正しく評価する必要がある。そのためには、重イオン飛跡周辺のスペシフィックエネルギー分布に関する情報が必要となる。そこで、われわれは、モンテカルロ法を用いて、1MeV/n100GeV/nの重イオン飛跡周辺のスペシフィックエネルギー分布を計算した。また、その結果をもとに、すべての重イオンによるスペシフィックエネルギー分布を再現できる解析関数を開発した。この解析関数に重イオン輸送計算コードPHITSを組合せれば、宇宙飛行士の特定臓器や癌患者の腫瘍部におけるスペシフィックエネルギー分布を簡便かつ短時間で計算することができる。
佐藤 達彦; 佐藤 大樹; 遠藤 章; 山口 恭弘
Journal of Nuclear Science and Technology, 42(9), p.768 - 778, 2005/09
被引用回数:17 パーセンタイル:72.99(Nuclear Science & Technology)高エネルギー加速器施設の作業環境,環境中のバッグランドに存在する中性子,光子,ミューオンによる線量を高感度に測定できる線量測定システムDARWIN(Dose monitoring system Applicable to various Radiations with WIde energy raNges)を開発した。この測定システムは、検出器に液体有機シンチレータをLi-6含有ZnS(Ag)シンチレータで取り囲んだホスウィッチ型検出器を用い、各粒子に起因する信号を波形弁別により識別し、これに線量変換係数を乗じることでリアルタイムで線量を評価することができる。実験及び計算により、DARWINは、従来のモニタに比べ感度,適用粒子の多様性及び適用エネルギー範囲の点で優れた特性を有することを明らかにした。
東海研究所保健物理部; 那珂研究所管理部安全管理課; 高崎研究所管理部安全管理課; 大洗研究所保安管理室放射線管理課; 関西研究所管理部安全管理課; むつ事業所管理部保安管理課
JAERI-Review 2005-028, 232 Pages, 2005/08
本報告書は、日本原子力研究所の東海,那珂,高崎,大洗,関西研究所及びむつ事業所における2004年度の保健物理部門の業務について、保健物理研究及び放射線管理業務の2部門に分けて概要を記述したものである。
佐藤 達彦; Sihver, L.*; 岩瀬 宏*; 中島 宏; 仁井田 浩二*
Advances in Space Research, 35(2), p.208 - 213, 2005/06
被引用回数:25 パーセンタイル:81.30(Engineering, Aerospace)宇宙船内における重粒子被ばく線量を評価するためには、重粒子の核反応を精度よく再現するモデルの検討を行った。核子あたり1GeVの鉄イオンがポリエチレン,アルミニウム,鉛ターゲットに入射したときに生成されるフラグメント測定実験を、重イオン輸送計算コードPHITSを用いて解析した。その結果、軽核同士が衝突する反応に対しては、核反応モデルJQMDの限界から実験値との不一致が見られたが、それ以外の反応に対して、PHITSは精度よく実験値を再現できることが明らかとなった。
東海研究所保健物理部; 那珂研究所管理部安全管理課; 高崎研究所管理部安全管理課; 大洗研究所保安管理室放射線管理課; 関西研究所管理部安全管理課; むつ事業所管理部保安管理課
JAERI-Review 2004-024, 209 Pages, 2004/11
本報告書は、日本原子力研究所の東海,那珂,高崎,大洗,関西研究所及びむつ事業所における2003年度の保健物理部門の業務について、保健物理研究及び放射線管理業務の2部門に分けて概要を記述したものである。
佐藤 達彦; 津田 修一; 坂本 幸夫; 山口 恭弘; 仁井田 浩二*
Journal of Nuclear Science and Technology, 41(Suppl.4), p.287 - 290, 2004/03
放射線防護の観点から、重イオン照射による人体内のエネルギー沈着の特徴をモンテカルロシミュレーションにより解析した。その結果、入射エネルギーが非常に高い場合でも、高LET粒子がエネルギー付与に重要な役割を果たしていることが判明した。この結果は、高エネルギーの陽子及び中性子入射に対する解析結果と異なった特徴を示しており、重イオン被ばくによる放射線医学的影響をより詳細に評価する際に極めて有用となる。
安全性試験研究センター計画調査室
JAERI-Review 2003-040, 298 Pages, 2004/01
日本原子力研究所は、国の安全規制を技術的に支援するために、原子力安全委員会が定める安全研究年次計画に沿って、安全性試験研究センターを中心に関連部門との密接な連携のもとで原子力安全性研究を実施している。研究対象の分野は、原子炉施設及び燃料サイクル施設の工学的安全性研究,放射性廃棄物安全性研究,安全性向上及び評価に関する先進技術の研究等である。本報告書は、平成13年4月から平成15年3月までの2年間に原研において実施された原子力安全性研究の概要についてまとめたものである。
東海研究所保健物理部; 那珂研究所管理部安全管理課; 高崎研究所管理部安全管理課; 大洗研究所保安管理室放射線管理課; 関西研究所管理部安全管理課; むつ事業所管理部保安管理課
JAERI-Review 2003-034, 208 Pages, 2003/11
本報は、日本原子力研究所の東海,那珂,高崎,大洗,関西研究所及びむつ事業所における2002年度の保健物理業務について、研究,放射線管理及び技術開発の3部門に分けて概要を記述したものである。
佐藤 達彦; 津田 修一; 坂本 幸夫; 山口 恭弘; 仁井田 浩二*
Radiation Protection Dosimetry, 106(2), p.137 - 144, 2003/11
被引用回数:19 パーセンタイル:75.33(Environmental Sciences)重イオンに対する線量換算係数の評価は、放射線防護の目的から極めて重要である。そこで、最新の重イオン輸送計算コードPHITSを用いて、3GeV/A以下のエネルギーを持つ陽子,重陽子,H,He,粒子,C,Ne,Ar,Ca及びFeに対する実効線量換算係数を計算した。得られた結果より、重イオンの種類に依存しないフィッティング式を導出し、その精度を検討した。
国際原子力総合技術センター
JAERI-Review 2003-003, 81 Pages, 2003/05
本報告書は、日本原子力研究所国際原子力総合技術センターの平成13年度の業務概要をまとめたものである。東京研修センター及び東海研修センターにおいて実施した研修並びに技術交流推進室が実施した業務の内容を中心に、研修のための技術開発や運営管理などについて述べた。両研修センターでは、年度当初に計画した国内及び国外向けの研修をおおむね予定どおりに実施したのに加え、臨界事故後の法改正に関連して国の要請により実施した原子力専門官研修も第3回目を迎えた。また、12年度より開始した原子力保安検査官研修及び原子力特別防災研修も2年目を迎えた。本年度の修了者の合計は1,310名であった。発足後6年目を迎えた技術交流推進室では、アジア・太平洋原子力技術交流にかかわる業務及び国際研修にかかわる計画立案等を進めるとともに、第3回アジア地域原子力人材養成ワークショップを開催した。これらの活動のほかに、研修内容の改善に資するための技術開発や関連研究も進めており、着実な成果を上げている。