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伊藤 辰也; 永石 隆二; 桑野 涼*; 神戸 正雄*; 吉田 陽一*
Radiation Physics and Chemistry, 226, p.112198_1 - 112198_5, 2025/01
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Physical)近年、放射線照射実験や非密封放射性同位元素実験用の容器として、ポリイミドやポリエーテルエーテルケトンなどの耐放射線性樹脂の使用が増えている。しかし、水の分解生成物と樹脂との相互作用の可能性が見つかり、樹脂が放射線場における水中の反応に影響を及ぼすことが懸念された。その相互作用を明らかにするために、線による水の放射線分解における重クロム酸イオン(Cr
O
)の還元と過酸化水素(H
O
)の生成を樹脂の有無で比較した。同一線量で樹脂ありの水溶液中のCr
O
還元量は樹脂なしの場合よりも大きくなり、樹脂によってCr
O
還元が促進されることを示した。一方、電子捕捉剤の有無にかかわらず、純水中のH
O
生成は樹脂の有無にほとんど依存しなかった。これらは、放射線場において水と接触した樹脂とヒドロキシルラジカルとの相互作用を示唆している。
田口 光正; 小嶋 拓治
JAEA-Review 2005-001, TIARA Annual Report 2004, p.181 - 182, 2006/01
MeV/n級のC及びNeイオンを照射したフェノール水溶液におけるOHラジカル生成の微分G値を、水中で連続的に減弱するイオンエネルギーを関数とした答えを求めることによりトラック内の反応の解析を行った。今回は、OHラジカルの捕捉剤であるフェノールの濃度を変えることで、OHラジカル収率の経過時間依存性をイオンエネルギー依存性とともに検討した。この結果、イオンエネルギーあたりのG値である微分G値は、水中におけるNeイオンの比エネルギーとともに大きくなることがわかった。また、平均反応時間をそれぞれ1.5, 2.5及び15nsと変えた場合、微分G値は、イオン照射直後(1.5ns)では比較的大きな値を示したが、時間経過に伴い小さくなりCo
-線で得られたG値(2.7)に近づいた。この結果は、水中に局所的に生成したOHラジカルの拡散挙動を示唆している。
箱田 照幸; 小嶋 拓治
Radiation Physics and Chemistry, 74(5), p.302 - 309, 2005/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Physical)内面積に対する体積比(S/V)が異なる照射容器中にクロロエチレンを含む空気を封入し、異なる線量率で電子ビーム及び線照射を行い、クロロエチレンの連鎖分解反応やその停止反応を調べた。その結果、線量率が高い電子ビーム照射の場合には、アルキル過酸化ラジカル同士の反応のみが連鎖停止反応として生じていることがわかった。これに対して、線量率が低い
線照射、あるいは大きなS/V値を有する照射容器を用いた場合には、連鎖停止反応としてアルキル化酸化ラジカル同士の反応に加えて、このラジカルの照射容器壁への付着による反応も寄与していることが明らかとなった。
小嶋 拓治
真空, 47(11), p.789 - 795, 2004/11
排煙や排ガスに電子ビームを照射すると、その主成分である空気中の窒素, 酸素, 水及び炭酸ガスなどから反応性に富んだ水酸化ラジカル, 活性酸素などの活性種が生成する。紫外線やプラズマ放電でも同様の反応を起こさせることが可能だが、放射線ではこれらの活性種を高密度に生成させることができるため、石炭/石油燃焼火力発電所排煙中の硫黄酸化物及び窒素酸化物, ごみ燃焼排煙中のダイオキシン類、及び換気ガス中の有害揮発性有機化合物(VOC)などと、それらが極微量であっても効率よく化学反応を起こさせて、それら環境汚染物質を分解または除去しやすい化学物質に変えることができる。ここでは、この原理に基づく電子ビームを用いた排煙・排ガスの浄化技術に関して日本原子力研究所における研究開発例を述べる。
榎本 一之*; 成田 正*; 前川 康成; 吉田 勝; 浜名 浩*
Journal of Fluorine Chemistry, 125(7), p.1153 - 1158, 2004/07
被引用回数:3 パーセンタイル:10.64(Chemistry, Inorganic & Nuclear)線照射下、Bis(
-trifluoromethyl-
,
-difluorovinyl)terephthalate(BFP)と1,4-Dioxane(DOX)とのラジカル重付加は、過酸化物開始で得られたポリマーよりも高分子量のポリマーを与えた。本論文では、BFPとDOXとの放射線重付加に関するモノマー組成比と照射線量の分子量に与える影響について詳細な検討を行った。BFPの反応率は、照射線量の増加に伴い増加し、BFPが定量的に消費されるのに必要とした照射線量は、BFPに対してDOX量が8倍モルで2000kGy、16倍モルで1500kGy、32倍モルで750kGyであった。本重付加は、照射線量の増加に伴い(すなわち、BFPの転化率が高いほど)ポリマーの分子量が増加していることから、逐次重合で進行していることが示唆された。モノマーの組成比と照射線量により、ポリマーの分子量を調節できることがわかった。一方、重合反応後期、ポリマーの分子量分布に著しい増加が観測された。DOX量が8倍モルで3000kGy照射すると、複分散で重量平均分子量が23600のポリマーを与えた。このことは、
線架橋と主鎖切断によるポリマー間の架橋反応が進行したと考えられる。上記検討により、本重付加の反応機構を提案した。
横谷 明徳
放射光, 17(3), p.111 - 117, 2004/05
放射線によりDNA分子中に生じる塩基の酸化的損傷の前駆体を明らかにするため、われわれはSPring-8の軟X線ビームライン(BL23SU)に設置された電子常磁性共鳴(EPR)装置を用いて、酸素及び窒素K吸収端領域におけるDNA塩基ラジカルの生成機構について調べている。DNA塩基の一つであるグアニン塩基に対するEPRの「その場」測定から、ビーム照射時にのみ現れる短寿命のラジカルが生成することが見いだされた。このラジカルはグアニン中にただ一つしかない酸素(カルボニル酸素)の1s*共鳴によりその収率が顕著に増えた。一方ビーム照射を停止しても残存する安定なラジカルも生成し、これは
線照射などで既に報告されているグアニンカチオンラジカルと推定された。このカチオンラジカルは短寿命ラジカルとは異なり、酸素の1s
*共鳴により逆に収率が減少した。以上の結果から、オージェ終状態からさらに競争的にこれら二つのラジカル過程を経て化学的に安定なグアニン損傷に至ることが示された。
廣田 耕一; 酒井 洋樹*; 鷲尾 方一*; 小嶋 拓治
Industrial & Engineering Chemistry Research, 43(5), p.1185 - 1191, 2004/03
被引用回数:49 パーセンタイル:79.89(Engineering, Chemical)電子ビーム技術はVOC処理として有望な方法である。この技術の実用化のため、その指標となる90%以上の分解処理に必要なエネルギー(吸収線量)を求めた。実験室レベルで20種のVOCに対して電子ビーム照射を行った結果、そのエネルギーは、化学構造に関係し、OHラジカルとの速度定数から推測できることがわかった。この結果をもとに仕様を決めて行ったコスト分析では、自己遮蔽型の電子加速器と反応器を1つのユニットにすることにより、電子ビーム処理システムの設備コストを低減できることを明らかにした。
小嶋 拓治
応用物理, 72(4), p.405 - 414, 2003/04
ダイオキシン類を始めとして、ガスや水中に極微量含まれる環境汚染物の高度処理技術が重要となっている。ここでは、このような低濃度の環境汚染物質の酸化・分解・無害化に特長がある電子ビーム法について、基礎的研究,処理技術の開発、及び実用化例を紹介する。火力発電所排煙中の硫黄酸化物及び窒素酸化物の除去,換気ガス中揮発性有機化合物及びごみ燃焼排煙中のダイオキシン類の分解,上水及び排水の浄化,汚泥処理などについて述べる。
廣田 耕一; 箱田 照幸; 田口 光正; 瀧上 眞知子*; 小嶋 拓治
Proceedings of 9th International Conference on Radiation Curing (RadTech Asia '03) (CD-ROM), 4 Pages, 2003/00
流量1,000m/hN,温度200度の条件で、ダイオキシン類を含むごみ燃焼排煙に電子ビームを照射した。その結果、吸収線量の増加に伴いダイオキシン類の分解率が高くなり、14kGyでその値は90%に達した。また、ダイオキシンとフランの分解挙動について考察を行った。
黒崎 譲
Journal of Molecular Structure; THEOCHEM, 545(1-3), p.225 - 232, 2001/07
反応CH
+ Cl
C
H
Cl + Clのポテンシャルエネルギー面を、CASSCF及びMRCIレベルでcc-pVTZ基底関数を用いて計算した。その結果、この反応はC
H
Cl + Cl サイドから見て、CASSCFレベルでは小さな反応障壁をもつが、MRCIレベルでは反応障壁を持たないことが明らかとなった。すなわち、反応C
H
Cl + Cl
C
H
+ Cl
は自発的な反応であることが予測された。MRCI計算の結果は、以前われわれが行ったPMP4(SDTQ)レベルでの計算結果 [J. Mol. Struct. (Theochem) 503 (2000) 231]を強く支持するものである。
山崎 孝則*; 瀬口 忠男
Journal of Polymer Science, Part A; Polymer Chemistry, 38(18), p.3383 - 3389, 2000/09
ポリプロピレン(PP),エチレンプロピレンゴム(EPR)の化学架橋の反応課程をESRで追跡し、反応機構を明らかにした。反応開始剤は150で分解を起こし、ラジカルを発生させ、これがPP及びEPRから水素原子を引き抜いてポリマーラジカルを発現させる。このラジカルが150~180
の範囲で結合し架橋に至るが、ラジカルの発生、増減、消滅がESRで捕らえられた。酸化防止剤の種類、濃度の影響がラジカルの挙動によく反映された。
山崎 孝則*; 瀬口 忠男
Journal of Polymer Science, Part A; Polymer Chemistry, 38(17), p.3092 - 3099, 2000/09
ポリエチレンの化学架橋反応をESRで追跡し、ラジカル反応機構を実証した。化学架橋剤を混合し、180まで昇温すると、フリーラジカルが観測され、ラジカル種が時間とともに増減して、反応の課程が定量的に解明できた。酸化防止剤の効果もラジカルの転移を通して、明確に評価できた。
大島 明博*; 瀬口 忠男; 田畑 米穂*
Radiation Physics and Chemistry, 55(1), p.61 - 71, 1999/00
被引用回数:79 パーセンタイル:97.42(Chemistry, Physical)613Kで放射線照射を行い架橋させたPTFEを試料として77K、室温(297K)での、真空及び空気存在下でコバルト-60線照射により生成するラジカルの収量と挙動の測定を、ESRで測定し、その特性を議論した。
大島 明博; 瀬口 忠男; 田畑 米穂*
Proceedings of IUPAC World Polymer Congress 37th International Symposium on Macromolecules (MACRO 98), P. 56, 1998/00
室温及び77Kで線を照射し放射線架橋ポリテトラフルオロエチレンに誘起されるフリーラジカルの挙動をESRにより、研究した。架橋PTFEに捕捉それるラジカルのG値は、未架橋PTFEに比べ数十倍の値を示し、架橋密度と依存して増大する傾向にあった。また、フリーラジカルは、酸素と容易に反応し、過酸化ラジカルに転換するが、架橋密度が高くなると、酸素の拡散速度が遅くなり、完全に酸化されるまでの時間が長くなることが判明した。加えて、過酸化ラジカルを真空中で加熱するとフッ素原子の引抜き反応が起こり、アルキルラジカルを誘起することを見いだした。
大島 明博*; 瀬口 忠男; 田畑 米穂*
Radiation Physics and Chemistry, 50(6), p.601 - 606, 1997/00
被引用回数:68 パーセンタイル:96.66(Chemistry, Physical)放射線架橋PTFEに生成されるフリーラジカルの挙動を調べ、架橋の特徴を解析した。架橋PTFEに線を77K及び室温で真空中照射し、捕捉されるラジカルをESRで測定した。架橋PTFEに生成されるラジカルのESRスペクトルの強度は、未架橋のものに比べ数十倍も大きくなったが、そのスペクトルの分解能は、架橋密度の増大に伴って低下した。架橋PTFEに捕捉されるラジカルは室温でも比較的安定であるが、110
C前後の
分散で減衰した。これらのことから、架橋PTFEに捕捉されるラジカルの多くは、架橋により形成された非晶領域に捕捉されることが明らかになった。
X.Huang*; 新井 英彦; 松橋 信平; 宮田 定次郎
Chemistry Letters, 0(2), p.159 - 160, 1996/00
シクロデキストリン(CD)は、その空洞部にベンゼン等の分子を閉じ込める性質がある。この特性を利用して、o-、m-及びp-クロロフェノールの放射線分解の選択性の向上を検討した。その結果、クロロフェノールの分解及び脱塩素化は、開口部が小さいシクロデキストリンほど強く抑制されることがわかった。OHラジカルの捕捉剤であるt-ブタノールの添加ではほとんど影響を受けないこと及びCDは水和電子とほとんど反応しないことから、CDによるクロロフェノール分解抑制効果は、CDに閉じ込められたことにより水和電子からの攻撃が制約されたことによると結論された。
X.Huang*; 新井 英彦; 松橋 信平; 宮田 定次郎
Chemistry Letters, 0(4), p.273 - 274, 1996/00
シクロデキストリン(CD)は、その空洞部にベンゼン等の分子を閉じ込める性質がある。この特性を利用して、o-、m-、p-クロロフェノールの放射線分解の選択性の向上を検討した。その結果、主要生成物であるフェノールの収量がシクロデキストリンの添加により5~25倍に増加することが見い出された。これは、水和電子との反応で生じたフェノールラジカルがCDに閉じ込められ、フェノール生成の確率が高まるためであると考えられる。グルコースの場合は、効果はやや小さいが同様の効果が認められた。この場合は、フェノールラジカルがグルコースダイマーの間に閉じ込められるような現象が起きているものと考えられる。
S.R.Nilekani*; G.R.Narayan*; B.Suseela*; R.M.Bhat*; B.L.Gupta*; 小嶋 拓治; 滝沢 春喜; 須永 博美; 田中 隆一
Applied Radiation and Isotopes, 46(3), p.205 - 207, 1995/00
被引用回数:5 パーセンタイル:57.30(Chemistry, Inorganic & Nuclear)線量計の輸送による地域的な線量標準化を目的として、インドBARC・日本原研間において、アラニン線量計(結晶粉末及びポリスチレン(PS)成形素子)及びグルタミン線量計(結晶粉末)を用いた高線量域の線量相互比較実験を行った。粉末状線量計は原研で照射後BARCにおいて吸光度測定により、PS成形アラニン線量計はBARCで照射後原研において電子スピン共鳴(ESR)によりそれぞれ線量評価された。この結果、Co-
線及び3-MeV電子線いずれについても、線量1、10、33及び54kGyにおける両研究所の公称/測定値は
5%以内で一致した。これにより、フリーラジカル線量計が郵送による国際的線量相互比較に有用な手段であることが明らかとなった。
杉本 雅樹; 下尾 聰尾*; 岡村 清人*; 瀬口 忠男
Journal of the American Ceramic Society, 78(7), p.1849 - 1852, 1995/00
被引用回数:42 パーセンタイル:85.52(Materials Science, Ceramics)有機ケイ素高分子を前駆体として得られるSiC系繊維は高強度及び耐熱性を有し、セラミックス基複合材料などの強化繊維として期待されている。放射線不融化ポリカルボシランからSiC繊維への無機化過程で生成するラジカルの挙動をESRを用いて解析し、その反応機構を解明した。この研究において、無機化過程では多量のラジカルが生成し、その一部が焼成後得られるSiC繊維中に残存することが明らかになった。
山崎 孝則*; 瀬口 忠男
DEI-93-157, 0, p.35 - 44, 1993/12
ポリエチレンの化学架橋反応の過程をESRで測定しフリーラジカルの生成、消滅の反応挙動を追跡して、ラジカルの種類や反応温度依存性を明らかにした。また、添加した酸化防止剤の効果をラジカルの反応性を直接観測することにより調べ、架橋に対する阻害の度合いを明らかにした。