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多田 健一; 崎野 孝夫*
Proceedings of 11th International Conference on Nuclear Criticality Safety (ICNC 2019) (Internet), 9 Pages, 2019/09
東京電力福島第一原子力発電所の燃料デブリの臨界安全は最も重要な課題の一つである。この燃料デブリの臨界安全解析に燃焼度クレジットを適用することが望まれている。原子力機構では使用済み燃料の核種組成の参照解を与える燃焼計算コードとしてSWAT4.0を開発している。このSWAT4.0を用いた使用済み燃料の核種組成が燃焼度クレジットに適用できるかどうかを検証した。本研究では、福島第二原子力発電所の一号機(2F1ZN2及び2F1ZN3)と二号機(2F2DN23)で取得された照射後試験解析の測定結果とSWAT4.0の解析結果を比較した。解析結果と測定結果を比較したところ、SWAT4.0で得られた核種組成は測定結果とよく一致することを確認した。また、SWAT4.0の核種組成の予測精度が臨界性に与える影響を評価したところ、U-235, Pu-239, Pu-241及びSm-149の差異が臨界性に与える影響が大きいことが分かった。しかし、核種組成の予測精度が臨界性に与える影響は3%以下と小さいことから、SWAT4.0を燃料デブリの燃焼度クレジットの評価への適用が期待できることが分かった。
菊地 丈夫; 多田 健一; 崎野 孝夫; 須山 賢也
JAEA-Research 2017-021, 56 Pages, 2018/03
東京電力福島第一原子力発電所事故の対策において、燃料デブリの臨界管理は最も重要な研究課題の一つである。現在の我が国の使用済燃料の臨界管理では、新燃料の組成を仮定している。この仮定を燃料デブリに適用した場合、燃料デブリ中の含水を考慮し、Gdなどの中性子吸収材を含まない体系においては、多くの条件において実効増倍率が1.0を超える可能性がある。そのため、燃焼度クレジットの適用が現在検討されている。燃焼度クレジットを燃料デブリの臨界管理に適用するためには、使用済燃料の同位体組成の計算精度と同位体組成の測定値と解析値の差異が実効増倍率に与える影響について検証する必要がある。原子力機構では使用済燃料の同位体組成の参照解を得ることを目的として燃焼計算コードSWAT4.0を開発した。SWAT4.0の計算精度を検証するため、東京電力福島第二原子力発電所2号機の88BWR燃料集合体(2F2DN23)のPIE解析を実施した。
多田 健一; 菊地 丈夫*; 崎野 孝夫; 須山 賢也
Journal of Nuclear Science and Technology, 55(2), p.138 - 150, 2018/02
被引用回数:2 パーセンタイル:24.93(Nuclear Science & Technology)東京電力福島第一原子力発電所の燃料デブリの臨界安全は、最も重要な研究課題の一つである。合理的な燃料デブリの臨界安全のためには、燃焼度クレジットを適用することが求められている。燃焼度クレジットを適用するためには、燃焼計算コードの妥当性検証が必要となる。そこで、日本原子力研究所が1990年代に取得した東京電力福島第二原子力発電所二号機の使用済み燃料のPIEデータを統合化燃焼計算コードシステムSWAT4.0の検証に用いた。実験値との比較結果を見ると、多くの核種で実験値とよく一致したが、U,
Np,
Pu、及びSmで実験値との差異が大きくなることが分かった。これらの差異は燃料中の初期原子数密度及びボイド率の仮定と、
Npの捕獲断面積の過大評価が要因であると考えられる。これらの差異はウラン燃料かGd入り燃料かによって変化せず、またPWR燃料の場合とほぼ同程度であった。このことから、SWAT4.0はBWR使用済燃料組成を適切に評価でき、かつ燃焼度クレジットを適用するために十分な解析精度を有していることが分かった。
山本 健土*; 秋江 拓志; 須山 賢也; 細山田 龍二*
JAEA-Technology 2015-019, 110 Pages, 2015/10
使用済燃料の直接処分においては、使用済燃料が核分裂性物質を一定量含むことから臨界安全性が重要となる。近年の高濃縮度燃料の導入によって、燃焼度クレジットの採用により得られる利益が高まっている。本報では、PWR燃料の処分容器体系を対象として、燃焼度クレジットを採用した臨界安全評価で重要となる、燃焼計算コードの不確かさ、照射履歴、及び、軸方向ならびに径方向の燃焼度分布の考慮の有無による使用済燃料の反応度への影響について評価した。それぞれの因子の影響評価においては、既往の文献調査結果をふまえ、最新のデータならびに評価手法を採用した。本検討の評価手法を適用することで、PWR使用済燃料の反応度について適切な安全裕度を設定することができる。
鹿島 陽夫; 須山 賢也; 高田 友幸*
JAEA-Data/Code 2014-028, 152 Pages, 2015/03
SWATには、その開発の経緯から、中性子輸送計算モジュールに決定論的解法を用いたSRACを使用するSWAT改訂版と、連続エネルギモンテカルロコードMVPまたはMCNP5を使用するSWAT3.1の二つのバージョンが存在する。連続エネルギモンテカルロコードによる計算は、原子力機構のスーパーコンピュータを使用しても1ケースの計算に数時間を要する。また、SWAT改訂版では、複数の燃焼領域を有する場合の実効断面積の作成と任意の燃料形状への適用に問題があったため、2次元燃焼計算が実質的に不可能であった。そこで、決定論的解法を使用しており計算時間が短いSARC2006を外部モジュールとして呼び出して燃焼計算を実施する機能をSWAT3.1に追加したSWAT4.0を開発した。SWAT4.0では、SRAC2006の入力のテンプレートをSWATの入力に与えておき、燃焼領域の原子個数密度を燃焼ステップ毎に入れ替えながらSRAC2006により実効断面積を作成することにより、2次元燃焼計算が可能となっている。本レポートはSWAT4.0の概要と入力データの説明及び利用例を示す。
須山 賢也; 望月 弘樹*
Annals of Nuclear Energy, 33(4), p.335 - 342, 2006/03
被引用回数:8 パーセンタイル:50.94(Nuclear Science & Technology)照射後試験(PIE)サンプルの燃焼度はそれにとってもっとも重要な値の一つである。この研究では、日本原子力研究所で取得された美浜3号炉及び玄海1号炉のPIEサンプルの燃焼度を再評価し、JENDL-3.3ライブラリを用いて SWAT及びSWAT2によって解析を行った。それらのサンプルの燃焼度は再評価によって2-3%の差を生じる。これは反応度差にすると、30GWd/t以上のサンプルで1%程度の中性子増倍率の差となった。再評価された燃焼度を用いて単一ピンセル及び集合体モデルでの計算を行い比較を行った。両者は数パーセントの差で一致し、単一ピンセル体系が適切であり、従来の計算結果でみられたプルトニウム同位体の過小評価は体系モデル化によるものではないことがわかった。
須山 賢也; 望月 弘樹*; 奥野 浩; 三好 慶典
Proceedings of International Conference on Physics of Fuel Cycles and Advanced Nuclear Systems; Global Developments (PHYSOR 2004) (CD-ROM), 10 Pages, 2004/04
本研究では、改良されたSWATシステム、すなわち、一点炉燃焼計算コードORIGEN2と連続エネルギーモンテカルロコードMVPを組合せたコードシステムであるSWAT2の検証を、照射後試験(PIE)の解析によって行った。幾つかの同位体については、SWATとSWAT2の計算結果に差が見られた。しかしながら、一般には、その差は、以前のSWATの検証時に報告されたPIE解析の誤差よりは小さく、さらに、幾つかの重要な核分裂生成物の計算結果が向上した。本報告はまた、単一ピンセル体系と集合体体系の差についても言及する。
須山 賢也; 望月 弘樹*; 清住 武秀*
Nuclear Technology, 138(2), p.97 - 110, 2002/05
被引用回数:22 パーセンタイル:79.15(Nuclear Science & Technology)燃焼計算コードSWATが、燃焼度クレジットの解析のために改良された。改良されたSWATの重要な特徴は、その機能がもととなったコードに変更を加えることなく、検証された核計算コードを呼び出すことで実現されていることである。この特徴は、UNIXのシステム関数を用いて実現されており、これによってSWATは個々のコードの開発に独立となっている。改良されたSWATのパッケージには、JENDL-3.2とJNDC FPライブラリ第2版に基づいた最新のライブラリが付属している。これらによって、燃焼問題、例えば照射後試験の解析を、断面積だけでなく核分裂収率及び崩壊定数も最新のデータを使用して行うことができる。ほかの機能は、もっとも信頼性の高い燃焼計算コードORIGEN2のライブラリ作成である。この機能によって作成されたライブラリを使用することで、ORIGEN2のユーザーはSWATとほぼ同じ結果を得ることができる。改良されたSWATの検証は、Calvert Cliffs一号炉及び、日本国内のPWRからの使用済燃料を対象とした照射後試験の解析によって行われた。Calvert Cliffs一号炉からのPIEデータの解析では、改良されたSWATがFPの計算精度が向上していることと、減速材温度が重要であることが示された。日本国内のPWRからのPIEデータの解析では、改良されたSWATが1717燃料から得られたUO
燃料の実験値から、主要ウラン及びプルトニウムについて、5%以内で計算できることがわかった。また、FPに関してはサマリウムを含む多くの同位体で10%以内の結果となっている。これらの結果は、改良されたSWATがPWR使用済燃料の同位体組成の予測に高い信頼性を有していることを示している。
林 高史*; 須山 賢也; 望月 弘樹*; 野村 靖
JAERI-Tech 2001-041, 158 Pages, 2001/06
使用済燃料中の核種組成は、燃焼期間中のさまざまなパラメーターの変化に影響を受けることが知られている。本研究ではこれらのパラメーターのうち、これまで詳細に検討されていないホウ素濃度,ホウ素濃度変化,冷却材温度,冷却剤温度分布,比出力,運転パターン,定期検査の時間に着目し、これらのパラメーターを現実的に考えられる変動幅で変化させた場合の、使用済燃料の組成の違いを統合化燃焼計算コードSWATで計算した。次にこの組成の違いが中性子増倍率におよぼす影響を調べるために、使用済燃料の無限配列を想定して汎用核計算コードSRAC95または連続エネルギー中性粒子輸送計算コードMVPを用いて臨界計算を行い、中性子増倍率を求めた。本報告ではこの計算結果を、中性子増倍率を高く評価するパラメーターは何か、という視点で整理した。これは燃焼度クレジットを導入する際の燃焼計算の計算条件の選定に有用な情報を与えること考えられる。
中村 武彦; 高橋 正人*; 吉永 真希夫
JAERI-Research 2000-048, 77 Pages, 2000/11
NSRRでは照射済燃料を用いたパルス照射実験により、燃焼の進んだ燃料の反応度事故時挙動を調べている。反応度事故の大きさはパルス状の出力上昇によって燃料に付与される発熱量あるいはピーク燃料エンタルピで示される。照射済燃料の場合、燃焼度に応じて残留核分裂性物質の量及び中性子吸収体として働く核分裂生成物(FP)の量及びその分布が変化するため、炉出力と発熱量の関係は燃焼度、濃縮度等によって異なる。特に低濃縮の発電用燃料の場合、定常照射中の中性子スペクトルの違いが核分裂性物質の大部分を占めるプルトニウム(Pu)の生成量に影響するため燃焼挙動は複雑で、その評価は特に重要である。本研究では、NSRR照射済BWR燃料実験に用いた燃料を対象にORIGEN2,RODBURN,SWATの3種のコードによる燃焼計算結果を実測した組成と比較し、計算の妥当性を検討した。さらに、得られた組成を用いてNSRRパルス照射時の発熱量を計算し、FP測定により実験的に評価した値と比較検討した。この結果、ボイド率の違いによる中性子スペクトルの変化が、燃焼及びPuの生成に大きく影響し、その結果NSRR実験での発熱量を変化させることを示した。また、ボイド率等を適正に評価することにより、発熱量を実験評価上十分な精度で評価できることを明らかにした。本研究では、実験上重要であるが実測が困難な半径方向の出力分布、FP生成量の分布等が評価され、燃焼特性及びFPガス放出挙動を評価するうえで重要な知見が得られた。
須山 賢也; 尾上 昌晃*; 松本 英樹*; 笹原 昭博*; 片倉 純一
JAERI-Data/Code 2000-036, 35 Pages, 2000/11
ORIGEN2コードで使用する軽水炉MOX燃料用ライブラリをJENDL-3.2により作成した。今後国内で使用されることが予想されるMOX燃料の仕様を用いて、SWATにより作成した。作成したライブラリの検証は、欧州のPWRで行われた照射後試験の解析によって行った。また米国のPWRで行われた照射後試験の解析によって、ライブラリ作成時に仮定した条件と照射条件の相違がある場合の実験値と計算値の比較を示した。これらの新しいMOX燃料用ライブラリは、1999年に公開されたJENDL-3.に基づくORGEN2用ライブラリORLIBJ32に組み込まれた。
須山 賢也; 清住 武秀*; 望月 弘樹*
JAERI-Data/Code 2000-027, 88 Pages, 2000/07
SWATは、照射後試験、消滅処理、そして燃焼度クレジットの解析を目的に開発された統合燃焼計算コードシステムである。本レポートは、改訂されたSWATの概要とそのマニュアルである。本改訂は、機能拡充、対応マシンの増大、そしてこれまでに報告された不具合の修正より成っている。
白川 典幸*; 堀江 英樹*; 山本 雄一*; 松宮 壽人*
JNC TJ9440 2000-008, 47 Pages, 2000/03
伝熱流動数値実験によって、化学反応を伴う伝熱流動が高速炉を構成する機器に及ぼす影響を評価するには、反応の発生箇所近傍だけでなく機器全体を解析対象とする必要がある。そのため、計算負荷の観点から微視的な解析手法を直接用いることができない。このため、使用する熱流動解析コードには、化学反応によって生じる多相・多成分の反応性流体の挙動をモデル化し、相関式として組み込まなければならない。反応性流体の化学反応の量は反応する相間の境界面積に依存し、この面積は界面の形状によって大きく変化する。しかし、ナトリウム-水反応のように化学反応を伴う系については、これに関する実験的知見もないのが現状である。そこで本件では、微視的解析手法である粒子法を用いて、多相・多成分・反応性流体の挙動を機構論的に解析し、流動様式や境界面積に関する知見を得ることを最終的な目的とする。本年度は、粒子法を用いて水・ナトリウム反応を扱うための第一段階として、液体ジェットが他の液体プールに噴出する際の流体力学的挙動への粒子法の適用性を検討することを目的とした。このため、文献調査によりジェット流動様式のメカニズムを検討するとともに、ここでの目的に合致する、「ガソリンプールに水を噴出させる実験」を選び、解析した。また、蒸気発生器内部の伝熱管水リーク事故では管群内のジェット流を解析する。このような複雑体系への本手法の適用性を検討するため、蒸気発生器安全性総合試験(SWAT/Run19試験)を例として化学反応を含まない流体力学のみの予備解析を実施した。その結果、伝熱管群を含む複雑体系においても、高速ジェット流とプール流体との相互作用を考慮した流動挙動への適用性が確認できた。さらに、今後扱うべき現象のモデリングについて検討し、相変化と化学反応経路を選定し定式化を行った。水の相変化は伝熱律速モデルに基づき、化学反応は水・水素転換率をパラメタとした一括反応モデルに基づいている。また、コード構成についても概念設計を行った。
小此木 一成*; 中村 武彦; 吉永 真希夫; 細山田 龍二*
JAERI-Data/Code 99-018, 112 Pages, 1999/03
NSRRでは、照射済燃料実験の一環として、発電用原子炉で実際に使用された燃料に加え、高濃縮度燃料をJMTRであらかじめ照射した燃料(JMTR予備照射燃料)を用いた実験を実施している。JMTR予備照射終了時の燃料の状態は、NSRRパルス照射実験の初期状態であり、その状態の把握は実験燃料の発熱量及びFP量の評価上、極めて重要である。そこで今回、JMTR炉心の核計算を行い、反射体領域での中性子スペクトルを評価し、この中性子スペクトルを用いたJMTR予備照射燃料の燃焼計算法を開発した。本報告書では、JMTR予備照射燃料の燃焼計算に必要な断面積ライブラリ、燃焼計算用入力フォーマット(ORIGEN2コード用)及びJCL(動作環境:原研-AP3000)を用意した。
安藤 良平*; 高野 秀機
JAERI-Research 99-004, 270 Pages, 1999/02
消滅処理炉では、発電炉からの使用済燃料を再処理した時の高レベル廃液中に含まれるマイナーアクチニド(MA)や核分裂生成物(FP)を発電しながら消滅することを目的としている。発電炉の中心となっている軽水炉では、今後、高燃焼度化やMOXの本格利用等が計画されており、使用済燃料中のプルトニウムやMA組成も多様化すると考えられる。そこで、軽水炉(炉型:PWR及びBWR)で使用される取出燃焼度60GWd/tHMまでの高燃焼度化燃料(燃料タイプ:UO2燃料及びMOX燃料)について使用済燃料の核種組成を統合化燃焼計算コードシステムSWATで評価すると共に得られた核種組成を燃料形態(取出燃焼度・燃料タイプ・炉型)や冷却期間をパラメータにして比較検討し、種々の使用済燃料におけるMA生成量及びFP生成量について包括的な知見が得られた。本検討結果は、今後、消滅処理炉を検討する際の基礎データとして利用する。
須山 賢也; 片倉 純一; 大川 内靖*; 石川 眞*
JAERI-Data/Code 99-003, 83 Pages, 1999/02
本書は、ORIGEN2コードのためのJENDL-3.2に基づく新しいライブラリORLIBJ32の報告書である。ORLIBJ32の一部をなす、軽水炉用ライブラリの作成には、総合化燃焼計算コードシステムSWATが使用された。また、もう一部の高速炉用ライブラリの作成のために、新しいシステムが開発された。本ライブラリを用いた計算結果は、PWR燃料の照射後試験の結果と、良い一致を示した。
奥野 浩; 野村 靖; 須山 賢也
Proc. of Int. Conf. on the Phys. of Nucl. Sci. and Technol., 1, p.742 - 748, 1998/00
はじめに日本における燃焼度クレジット導入状況を概観した。次に、日本原子力研究所の活動を燃料サイクル施設に現れる使用済燃料の臨界安全評価の立場から総括した。これらには、(1)使用済燃料組成データベースSFCOMPO,(2)核分裂生成物核種の効果を明瞭にする臨界実験、(3)モデル溶解槽の安全裕度についての数値的研究が含まれる。これらの事項を、日本の臨界安全ハンドブックとの関連で議論した。計算コード及びデータライブラリの検証も、さまざまな活動の中で進められた。最近開発した燃焼計算コードSWATを、日本の加圧水型原子炉中で照射した1717型燃料集合体の照射後試験データに適用して検証した。さらに、OECD/NEA主催の燃焼度クレジット・ベンチマーク活動への参加、ARIANE計画への参加、核種量推定に対する反応度感度係数の新しい計算方法の提案、未臨界度測定を目的としたPWR使用済燃料の指数実験についても言及した。
須山 賢也; 中原 嘉則; 金子 俊幸*; 奥野 浩
Proc. of PATRAM'98, 1, p.239 - 244, 1998/00
照射後試験(PIE)は、燃焼計算コードの精度を評価するために広く解析されてきたが、最近、日本で照射された1717PWR燃料集合体に対する照射後試験が行われた。本報告では、このPWRのSWATによる解析を示す。5サンプルの同位体濃度の平均化したC/E(実験値に対する計算値の比)は、U-235,Pu-239,Pu-240,Pu-241に対して、0.99,0.99,1.02,0.96であった。また、Cs-137,Ce-144,Nd-148,Eu-154に対しては、1.00,1.03,1.02,0.91であった。比較のために、PWR-USライブラリを使用してORIGEN2.1による計算を行った。この場合の平均化されたC/Eは、U-235,Pu-239,Pu-240,Pu-241に対しては0.90,0.77,0.76,0.92であり、Cs-137,Ce-144,Nd-148そしてEu-154に対しては、0.97,1.03,1.01,1.22であった。これらの結果は、17
17PWR燃料集合体の同位体組成計算について、SWATの計算精度はORIGEN2.1よりも高いことを示している。
須山 賢也; 岩崎 智彦*; 平川 直弘*
JAERI-Data/Code 97-047, 128 Pages, 1997/11
SWATは、照射後試験、消滅処理、そして燃焼度クレジットの解析を目的に開発された総合燃焼計算コードシステムである。国内における標準的熱炉解析コードSRACと、世界的に広く使用されている燃焼計算コードORIGEN2をコントロールすることで、照射環境に依存した中性子スペクトルをもちいて燃焼解析を行うことが可能である。SWATは、SRACの計算結果にもとづいて実効断面積ライブラリを作成し、そのライブラリを使用してORIGEN2による燃焼計算を行う。SRACとORIGEN2は、外部モジュールとして呼び出されることが可能である。さらに、SWATはJENDL-3.2から作成した独自の断面積ライブラリとJNDC Fission Products Library第2反より作成した崩壊及び核分裂収率ライブラリを有している。これらのライブラリを使用することで、計算者は、SRACによって求められた実効断面積以外にも、SWATによる計算において現在の最新データを使用することが可能である。また、SWATの出力ファイルを使用すれば、ORIGEN2用のライブラリを作成することも可能である。
大音 明洋*; 唐沢 博一*; 青木 俊夫*; 渡部 一郎*; 塩田 達也*; 秋田 晴夫*
PNC TJ9164 96-023, 1167 Pages, 1996/07
蒸気発生器(SG)伝熱管の設計基準水リーク(DBL:Design Basis Leak)評価手法の整備とその妥当性を,水リーク時のナトリウム┼水反応事象を模擬した総合的な試験により確認するため,既説のSWAT-3の改造内容に関し,詳細設計を行い,以下の結果を得た。(1)試験内容・条件の確認平成6年度に設定した試験項目,内容,計装等の試験計画を確認するとともに,試験条件・試験方法の見直しを行った。また,SWAT-3試験装置の構造健全性を確認するために,圧力と温度に着目したNa┼水反応準定常圧解析を実施し,構造健全性上問題ないことを確認した。また,改造SWAT-3を用いた多本数破断試験(BDBL)時の許容注水量及びその時の試験条件を確認した。(2)試験ループの確認主循環系(Na配管),純化系等の対象とする角配管系の設計条件,材質及び寸法設定の根拠を明確にするとともにSWAT-3全体系統図の作成を行った。試験ループの検討では,DBLの妥当性確認試験,接液型ラプチャ試験及び今後のBDBL試験を考慮した試験ループの考え方をまとめ,さらに注水管及び隣接管の注水方法,注水ノズル方向及び伝熱管配列の項目に対する試験方法の見直し検討を実施した。制御特性解析については,放出系の弁開閉に伴う圧力制御特性解析及び水注入系の弁開度,圧力設定条件をパラメータとして注水管・隣接管流量制御特性解析を実施し,良好な制御特性が得られることを確認した。また,音響検出系の検討では,パッシブ法及びアクティブ法の開発にあたって必要となるそれぞれの評価項目に対してSWAT-3試験において実施すべき内容をまとめ,音響検出計試験ケースの検討を実施した。また,パッシブ法及びアクティブ法のデータ採取に対する検出器の具体的設置について検討を実施した。さらに,計測システム構成の検討の結果,システムへの要求事項を満足させる高速ディジタル信号処理システムを採用することが非常に有効であることがわかった。(3)機器等の設計反応容器,配管等について構造解析条件及び耐震解析条件の検討を行い,それに基づき,応力解析及び耐震解析を実施し,構造健全性上問題ないことを確認した。反応容器,水加熱器等の機器について,計装品取付計画,組立手順計画,輸送治具計画及び据付手順計画等の検討を実施した。また,これらの機器・配管の製作に係わる試験検査項目を