Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
宮澤 健; 上羽 智之; 矢野 康英; 丹野 敬嗣; 大塚 智史; 鬼澤 高志; 安藤 勝訓; 皆藤 威二
JAEA-Technology 2024-009, 140 Pages, 2024/10
SUS316相当鋼を用いた高速炉燃料設計の高信頼性化に向けて、SUS316相当鋼被覆管及びラッパ管の高温強度及び照射データを材料学的及び統計学的な観点で評価・解析することで、高温強度及び高照射量までの照射特性に係る設計用強度式を導出した。異常な過渡変化の上限温度を超える900CまでのSUS316相当鋼被覆管及びラッパ管(非照射材)の高温引張試験データ及び高温クリープ試験データを拡充し、0.2%耐力、引張強さ、クリープ破断強度の最適近似式と下限式並びに熱クリープひずみの最適近似式と上下限式を導出した。また、高速実験炉「常陽」、仏国・高速原型炉Phenix及び米国・FFTFで高照射量まで中性子照射したSUS316相当鋼被覆管及びラッパ管の照射後引張試験データ及びSUS316相当鋼被覆管の炉内クリープ破断試験データを解析することで、炉内Na中照射による引張強度及びクリープ強度の低下を表す強度補正係数を導出した。導出した式を実測値と比較することで、その妥当性を確認した。
伊藤 真司*; 清水 浩之*; 大野 進太郎*; 高山 裕介
土木学会論文集(インターネット), 80(8), p.24-00030_1 - 24-00030_18, 2024/08
放射性廃棄物の地層処分施設の設計検討では、建設・操業段階から閉鎖後長期にわたって生じ得る現象を考慮した力学挙動評価が求められる。このような背景のもと、長期力学解析コードMACBECEの開発を進めている。本研究では、廃棄体の発熱や地下水による再冠水などの過渡的な現象を考慮できるように、不飽和土の弾塑性構成モデルや、熱伝導/浸透流解析との連携機能を導入することで、過渡期から長期まで一貫して評価できる解析コードを構築した。そして、幌延深地層研究センターにおける原位置試験の再現解析を実施し、計測データとの比較・分析により妥当性を確認した。その結果、二次元解析の制約による乖離が一部みられるものの、機能拡張した解析コードは計測データを良好に再現できることがわかった。
四辻 健治*; 舘 幸男; 佐久間 博*; 河村 雄行*
Applied Clay Science, 204, p.106034_1 - 106034_13, 2021/04
被引用回数:77 パーセンタイル:99.65(Chemistry, Physical)This study investigated swelling behaviors of montmorillonite with interlayer cations including monovalent Na, K and Cs, and divalent Ca and Sr by molecular dynamics simulations and experimental measurements coupling X-ray diffraction and water vapor adsorption. The comparative analysis provides a consistent picture of the swelling mechanisms of montmorillonite and their dependence on the interlayer cations. From comparative analysis of the effects of the interlayer cations, the main factor affecting the swelling behaviors of montmorillonite with monovalent and divalent interlayer cations seems to be the hydration free energy of the interlayer cations. The crystalline swelling ability and the saturated water contents in the interlayer of montmorillonite can be correlated to the hydration free energy of each interlayer cations. The additional key factor is the preference of outer- or inner-sphere complex of interlayer cations and resulting cations distributions in the interlayer space. This effect has a significant impact in the case of monovalent cations, resulting different swelling behaviors between outer-sphere Na and inner-sphere K and Cs.
大窪 貴洋*; 山崎 秋雄*; 深津 勇太; 舘 幸男
Microporous and Mesoporous Materials, 313, p.110841_1 - 110841_11, 2021/01
被引用回数:9 パーセンタイル:44.63(Chemistry, Applied)Ca型モンモリロナイト中の間隙分布が、乾燥密度(0.8-1.6g/cm),間隙水塩濃度(脱イオン水、0.1及び1M CaCl),温度(233-303K)の条件下で、H NMR測定によって調査された。圧縮Ca型モンモリロナイト中の2層及び3層水和を含む層間間隙と層間外間隙の体積割合が、緩和時間及び分布の分析に基づくNMR緩和時間測定法によって定量評価され、さらに、NMR凍結間隙測定法及びX線回折法による結果と比較された。これらの分析によって、Na型モンモリロナイトと比較可能な、Ca型モンモリロナイト中の間隙分布の状態を把握することができた。圧縮Ca型及びNa型モンモリロナイト中の間隙分布に影響を及ぼす主要な因子は圧縮密度であり、間隙水塩濃度の影響は相対的に小さい結果となった。CaとNaの層間陽イオンの影響は高密度条件では小さいが、低密度ではその影響は顕著であった。
宇田川 豊; 三原 武; 谷口 良徳; 垣内 一雄; 天谷 政樹
Annals of Nuclear Energy, 139, p.107268_1 - 107268_9, 2020/05
被引用回数:3 パーセンタイル:30.60(Nuclear Science & Technology)This paper reports a computer-code analysis on the base-irradiation behavior of the chromia-and-alumina-doped BWR rod irradiated to 64 GWd/t in Oskarshamn-3, Sweden, and subjected to the reactivity-initiated-accident (RIA) test OS-1, which resulted in a fuel failure due to pellet-cladding mechanical interaction (PCMI) at the lowest fuel-enthalpy increase in all the BWR tests ever performed. The inverse calculation which utilized post-irradiation examination data as its constraint conditions revealed that the OS-1 rod had very likely experienced more intense PCMI loading due to higher swelling rate during base irradiation than other BWR rods subjected to previous RIA tests and thus had been prone to experience enhanced radial-hydride formation. The significant difference in the cladding hoop-stress more than 50 MPa discriminates the OS-1 rod from other BWR rods and supports the interpretation that enhanced radial-hydrides formation differentiated the PCMI-failure behavior observed in the test OS-1 from the previous BWR-fuel tests.
高橋 宏明*; 舘 幸男
Applied Clay Science, 168, p.211 - 222, 2019/02
被引用回数:12 パーセンタイル:46.63(Chemistry, Physical)異なる膨潤特性をもつNa型及びCs型モンモリロナイトの微細構造と物質移行特性が、ナノフォーカスX線CTによる3次元微細構造分析と重水の拡散実験とを組み合わせて調査された。X線CT観察により、乾燥状態の圧縮Na型モンモリロナイトが飽和膨潤する過程で、連結性マクロ間隙はゲル相によって埋められ、粘土粒子のサイズは小さくなることが確認された。Cs型モンモリロナイトでは、それとは対照的に飽和過程でのゲル相の生成や粒子・間隙サイズの変化は認められなかった。X線CTによって評価された飽和Cs型モンモリロナイトの連結性マクロ間隙の屈曲度及び収れん度を含む幾何学因子は、重水の拡散試験から評価された値と整合した。Na型モンモリロナイトの場合、X線CTと拡散試験から導出された幾何学因子の差異が確認され、これは静電的相互作用による収れん度とX線CTの解像度では観察できないゲル相や層間間隙の屈曲度に起因するものと考えられた。
四辻 健治*; 舘 幸男; 河村 雄行*; 有馬 立身*; 佐久間 博*
粘土科学, 58(1), p.8 - 25, 2019/00
分子動力学シミュレーションによってモンモリロナイト層間間隙中の水分子やイオンの物性を調査した。膨潤挙動や安定な水和状態に対する層間陽イオンや層電荷による影響が最初に評価された。層間間隙中の水分子や陽イオンの拡散係数はバルク水と比較して小さく、層間間隙が広がるにつれてバルク水に近づくことが確認された。推定された層間間隙水の電粘性効果による粘性係数の変化は、1層あるいは2層水和状態において、また層電荷が高い条件において顕著であった。これらのMD計算によって得られた傾向は、既存の実測データや先行するMD計算事例とも整合することが確認できた。さらに、現状の拡散モデルに用いている電粘性効果を表現するモデルとパラメータは、MD計算結果と実測データの比較を通じて改善できることが示された。これらのMD計算によって得られる分子レベルでの現象理解は、圧縮モンモリロナイト中の拡散モデルの開発と改良に有益な情報を与えるものである。
入澤 啓太; 目黒 義弘
Journal of Nuclear Science and Technology, 54(3), p.365 - 372, 2017/03
被引用回数:2 パーセンタイル:18.37(Nuclear Science & Technology)We investigated the swelling pressure of synthetic bituminized waste products (BWPs) and the amount of Na in the leachate from them under a constant-volume condition when the BWPs were in contact with water to understand influences of salt content on the surrounding environments after disposal of radioactive BWPs in a geological repository. The observation of the cross section of the synthetic BWP specimens revealed that micropores, which were formed after soluble salts leached out from the specimens, shrank and deformed near the surface of the specimens. The salt content in the synthetic BWP specimens depended on the amount of water taken up, indicating that an increase in the amount of water led to increases in the swelling pressure and the cumulative amount of Na in the leachate. It was found that the shrinkage and deformation of the micropores near the surface of the synthetic BWP specimens that arose under the constant-volume condition significantly influenced increases in the swelling pressure and cumulative amount of Na in the leachate.
武山 昭憲; 出崎 亮; 杉本 雅樹; 吉川 正人
Journal of Asian Ceramic Societies (Internet), 3(4), p.402 - 406, 2015/12
Ceramic yield, density, volume change and pore size distribution were measured for radiation- and thermally cured (poly carbo silan) PCS powder when they were pyrolyzed in the temperature ranges between 673 and 973 K. Higher ceramic yield was obtained for radiation-cured powder due to smaller amount of evolved gas. Temperature dependence of volume change and the total pore volume show the formation and disappearance of pores in the powders were determined by the volume shrinkage and evolution of decomposed gases. Volume shrinkage narrowed the pore size distribution for radiation-cured powder. For thermally cured powder, the narrowing of size distribution was disturbed by aggregated pores. Smaller amount of evolved gas from radiation-cured powder relative to thermally cured powder prevented the aggregation of pores and provided the narrow size distribution.
Hegeman, J. B. J.*; Van der Laan, J. G.*; 河村 弘; Mslang, A.*; Kupriyanov, I.*; 内田 宗範*; 林 君夫
Fusion Engineering and Design, 75-79, p.769 - 773, 2005/11
被引用回数:26 パーセンタイル:83.63(Nuclear Science & Technology)ベリリウム(Be)のペブルベッドの寸法変化やトリチウム保持挙動に関する照射挙動を研究するため、オランダPettenの照射試験炉HFRによるベリリウム(Be)の高線量照射試験が、ヘリウム冷却ペブルベッド(HCPB)開発のための欧州計画の枠内で行われる予定となっている。原型炉でのBeのスエリング,クリープ,トリチウム・インベントリ,トリチウムの吸脱着メカニズム,熱機械的モデル等を研究するには、高線量照射が必要である。このBe高線量照射(HIDOBE)は、He生成量6000appm,温度400-800Cで行われる。本論文は、照射の現状,核的及び照射パラメータ,Beの材料パラメータ、すなわち試験マトリックスについて発表するものである。材料の一部は、IEA協定を通じて、日本及びロシアから供給されたものである。なお、本発表は、IEA協定(核融合炉材料の照射損傷に関する研究開発計画)の附属書2に基づいて実施された研究の成果に関するものである。
小野澤 淳; 串田 輝雄; 金澤 浩之
JAERI-Tech 2004-061, 39 Pages, 2004/11
照射済み燃料に生じるスエリング(体積膨張)は、照射による核分裂生成物(FP)のペレット内への蓄積によって発生する。スエリング率は、照射中の中性子束密度に依存するため、ペレットの中心部と外周部ではその値が大きく異なる。これらを詳細に比較するためには、ペレットから採取した幾つかの微小試料(数mgから数十mg)の密度を正確に測定する必要があるが、原研・燃料試験施設における現有の放射性試料対応型密度測定装置では、微小試料の密度を高精度で測定するのは困難である。このような背景のもとに、高い放射能を有する微小な試料の密度を、遠隔操作によって高精度かつ容易に測定を可能とするワンススルー型微小試料密度測定装置を開発した。本開発では、31tmmの試料における密度値1%TD以下,標準偏差0.05以内を目標精度とした。形状,重量,密度の異なる金属標準試料及びセラミック標準試料を用いた種々の特性試験の結果において、当該装置に期待される十分な性能を有することが確認できた。また、可動部をモーター駆動することにより測定にかかわる一連の流れを自動化し、遠隔操作にて容易に密度測定が可能となった。今後、本装置をホットセル内に設置する予定である。
田中 康介*; 前田 宏治*; 勝山 幸三*; 井上 賢紀*; 岩井 孝; 荒井 康夫
Journal of Nuclear Materials, 327(2-3), p.77 - 87, 2004/05
高速実験炉「常陽」で照射した2本のウラン・プルトニウム混合窒化物,(U,Pu)N,燃料ピンの照射挙動について、FPガス放出とスエリングに着目して議論した。最高線出力は75kW/m、ピーク燃焼度は4.3at.%であり、照射後の燃料の健全性が確認された。燃料ペレットからのFPガス放出率とスエリング速度は、初期ギャップ幅を変えた2本の燃料ピンにおいて、それぞれ3-5%,1.6-1.8%/at.%burnupの範囲であった。FPガスの大半は(U,Pu)Nの結晶粒内に保持され、一部がガスバブルとして析出していた。被覆管の外径変化は2本の燃料ピンで異なっており、初期ギャップ幅の大きな燃料ピンではペレットのリロケーションに起因すると思われる非均一な外径変化,オーバリティが観測された。
鈴木 元衛; 上塚 寛; 斎藤 裕明*
Nuclear Engineering and Design, 229(1), p.1 - 14, 2004/04
被引用回数:19 パーセンタイル:74.89(Nuclear Science & Technology)高燃焼BWR燃料棒における燃料スエリングによる被覆管への機械的負荷を燃料ふるまいコードFEMAXI-6によって解析した。このコードは有限要素法をもちいて軽水炉燃料の通常運転及び過渡(事故ではなく)条件における燃料ふるまいを解析するために開発された。高燃焼度燃料の出力ランプにおいては、即発的なペレットスエリングは定常速度のスエリングモデルから予測されるレベルを有意なほど超え、被覆管に周方向の大きな歪みを与えることがある。この現象をFPガスバブル成長を考慮に入れた新しいスエリングモデルによってシミュレートし、この新モデルが、照射後試験データと比較して、被覆管の直径拡大の満足すべき予測を与えることを見いだした。このバブル成長モデルはバブルサイズ,表面張力,内圧とバブルに働く外圧との間の平衡関係を仮定し、バブルサイズの決定計算とFPガス原子の拡散方程式との連立解を求める。さらに、コードに組み込まれた、ペレットの外面と被覆管内面に強固な機械的結合を想定するボンディングモデルにより、ランプ時における被覆管の二軸応力状態が予測された。
Lee, C. G.; 大村 孝仁*; 武田 良彦*; 松岡 三郎*; 岸本 直樹*
Journal of Nuclear Materials, 326(2-3), p.211 - 216, 2004/03
被引用回数:4 パーセンタイル:28.95(Materials Science, Multidisciplinary)耐照射損傷材として注目されているMg-Alスピネルにおいて、大電流イオン照射による体積及び硬度の変化を調べた。イオン照射は、60keV銅負イオンを線量310ions/cmに固定し、最大線量率100A/cmまで行った。ナノインデンテーションで測定した硬度は全体に照射に伴い大きな減少を示した。硬度のイオン線量率依存性は体積変化の線量率依存性と強い相関を示し、硬度が減少すると体積が増加することがわかった。照射後のRBS測定結果、非晶質化は起きていないことから、本研究での照射誘起軟化の原因は一般に知られている照射誘起非晶質化ではないことを意味する。一方、光吸収の測定結果から、スピネル結晶の陰イオン副格子での照射誘起点欠陥及びその集合体が、照射誘起スエリングに大きく関与していることがわかった。
鈴木 元衛; 斎藤 裕明*; 岩村 公道
Nuclear Engineering and Design, 227(1), p.19 - 27, 2004/01
被引用回数:7 パーセンタイル:44.60(Nuclear Science & Technology)低減速スペクトル炉の31%-Pu MOX燃料の熱的,機械的ふるまいに関する成立性を評価するため、106GWd/tHMまで照射されると仮定した1本の燃料棒の解析を、FEMAXI-6コードの拡張バージョンであるFEMAXI-RMコードによって行った。解析においては、燃料棒の設計仕様と照射条件が入力され、MOX及びUO燃料における入手可能な物性値とモデルが相補的に利用された。計算の結果、FPガス放出率は数10%であるが、燃料棒内圧は冷却材圧力を越えず、燃料最高中心温度は2400Kとなった。また、ペレットスエリングによって生じた被覆管の直径増大は1%歪み以内であった。これらより、燃料棒の健全性は照射期間中保持されることが示された。しかし、MOX燃料の実際のスエリングふるまいは今後詳細に研究される必要がある。
井上 賢紀*; 岩井 孝; 荒井 康夫; 浅賀 健男*
Proceedings of GLOBAL2003 Atoms for Prosperity; Updating Eisenhower's Global Vision for Nuclear Energy (CD-ROM), p.1694 - 1703, 2003/11
スミア密度を変えたウラン・プルトニウム混合窒化物燃料ピン2本を、高速実験炉「常陽」で燃焼度約4.3at.%(約40GWd/t)まで照射した。ピーク線出力は75kW/m、オーステナイトステンレス鋼被覆管最高温度は約906Kであると評価された。燃料ペレットと被覆管のギャップ幅の狭い高スミア密度の燃料ピンでは、ペレットのスエリングに起因した被覆管との間の機械的相互作用により、ほぼ等方的な直径増加が観測されたのに対し、ギャップ幅の広い低スミア密度の燃料ピンでは、ペレットのリロケーションに伴う機械的相互作用により、非等方的な直径変化が観測された。半径方向の気孔分布と結晶粒内に保持されたキセノン量の分布を用いた温度解析を行い、ペレットのスエリングが顕著となるしきい温度を評価した。
山下 利之; 蔵本 賢一; 白数 訓子; 中野 佳洋; 秋江 拓志; 長島 久雄; 木村 康彦; 大道 敏彦*
Journal of Nuclear Materials, 320(1-2), p.126 - 132, 2003/07
被引用回数:10 パーセンタイル:55.94(Materials Science, Multidisciplinary)岩石型燃料の照射安定性を調べるために、2回の照射試験を実施した。最初の試験ではディスク型燃料を、2回目はペレット型燃料を用いた。スエリング,ガス放出率及び相変化を、パンクチャー試験,被覆管外径測定並びに金相試験により調べた。イットリア安定化ジルコニア(YSZ)単相型燃料は、低いガス放出率(3%以下)、無視しうるスエリング及び組織変化など、優れた照射挙動を示した。粒子分散型燃料は、粉末混合型燃料と比べ、スエリングは小さいが高いガス放出率を示した。本照射試験において、スピネルの分解と引き続く組織変化が初めて観察され、これは1700K以上で発生すると考えられる。スピネルマトリクス燃料のガス放出率は、燃料最高温度を1700K以下にすることで、コランダム型燃料と同等までに低減できると考えられる。スピネルマトリクスの照射損傷領域は、YSZ球表面に限定されていることがわかった。
中山 真一; 飯田 芳久; 永野 哲志; 秋元 利之
Journal of Nuclear Science and Technology, 40(4), p.227 - 237, 2003/04
被引用回数:13 パーセンタイル:64.08(Nuclear Science & Technology)ビチューメン放射性廃棄物固化体の地層処分の性能評価に必要な浸出データを得るために、小規模模擬固化体を用いて、地下深部に特有な低酸素濃度条件を中心に浸出挙動を調べた。浸漬液は、セメント接触地下水を模擬するためのアルカリ性水溶液,処分場の沿岸立地を想定した塩水、及び標準としての純水である。NaやCsなど溶解性成分の浸出は膨張したビチューメン固化体内部での拡散に支配され、またBaやNpなど難溶性成分の浸出は、固化体の浸出程度とともに、それらの難溶性成分を含む化合物の溶解度によって抑制された。Npのように酸化還元性環境の変化に敏感な元素の浸出は、大気下のような酸化性雰囲気と地下深部のような還元性雰囲気とでは、存在する安定化合物の化学的特性の違いを反映して、明らかに異なる浸出挙動を示した。
鈴木 元衛; 上塚 寛
IAEA-TECDOC-CD-1345 (CD-ROM), p.217 - 238, 2003/03
軽水炉燃料の通常時及び過渡時のふるまい解析のためのコードFEMAXI-6を開発した。このコードは有限要素法の力学解析を用い、高燃焼燃料の様々な現象のモデルを持つ。本研究では、高燃焼BWR燃料のスエリングによるPCMIを解析した。出力ランプ時には大きなスエリングが生じ、被覆管の大きな直径増大をもたらすが、この現象をFPガスバブルの成長による新しいモデルを適用して解析した。その結果、実測値にほぼ等しい被覆管の直径増加を再現することに成功した。このバブル成長モデルはバブルサイズと外圧の間のバランスを仮定した平衡論モデルであり、FPガスの拡散、放出の計算と連成している。また本コードは、ペレットと被覆管のボンディングモデルを持ち、このモデルによって高燃焼燃料はランプ時のペレットスタックスエリングによって被覆管の軸方向の応力が発生して、被覆管は周方向及び軸方向の2軸引張り応力状態になることを見出した。
荒井 康夫; 岩井 孝; 中島 邦久; 長島 久雄; 二瓶 康夫; 勝山 幸三*; 井上 賢紀*
Proceedings of GLOBAL2003 Atoms for Prosperity; Updating Eisenhower's Global Vision for Nuclear Energy (CD-ROM), p.1686 - 1693, 2003/00
高速実験炉「常陽」で約4.3at.%(約40GWd/t)まで照射したウラン・プルトニウム混合炭化物燃料ピンの照射挙動を報告する。ピーク線出力は71kW/m、オーステナイトステンレス鋼被覆管最高温度は約905Kであると評価された。高い線出力照射であるにもかかわらず組織再編は穏やかであった一方で、MOX燃料と比較すると高いスエリング速度と小さなFPガス放出率を示した。照射試験に用いた混合炭化物燃料は超化学量論組成を有していたが、ステンレス鋼被覆管との間の化学的相互作用の兆候はみとめられなかった。また、ほぼ同じ照射条件で照射したウラン・プルトニウム混合窒化物燃料との照射挙動の比較を行った。