検索対象:     
報告書番号:
※ 半角英数字
 年 ~ 
 年
検索結果: 12 件中 1件目~12件目を表示
  • 1

発表形式

Initialising ...

選択項目を絞り込む

掲載資料名

Initialising ...

発表会議名

Initialising ...

筆頭著者名

Initialising ...

キーワード

Initialising ...

使用言語

Initialising ...

発行年

Initialising ...

開催年

Initialising ...

選択した検索結果をダウンロード

報告書

BN-600ハイブリッド炉心の設計検討(I); 我が国の手法による炉心核熱特性評価(研究報告)

宇都 成昭; 宇都 成昭

JNC TN9400 2003-040, 67 Pages, 2003/06

JNC-TN9400-2003-040.pdf:3.02MB

ロシアの余剰核兵器解体プルトニウム(以下、解体Puと称する)をバイパック燃料製造技術でMOX燃料にし、現在稼動中の高速炉BN-600で燃焼(ハイブリッド化)させる計画について、契約先であるロシア実験機械製造設計局OKBMとの設計作業が完了し、設計図書を入手した。入手したBN-600ハイブリッド炉心の設計情報に基づき、我が国の手法を用いて同炉心の核熱特性評価を行った。その結果、最大線出力、炉心平均取出燃焼度、ナトリウムボイド反応度、解体Pu処分能力、制御反応度収支の解析結果が、ロシアが設定した設計制限・目標を充足し、かつロシア規則を遵守していることがわかった。本研究により、ロシアが選定したBN-600ハイブリッド炉心の炉心・燃料仕様は炉心の核熱設計に関して妥当である可能性を有すること、我が国の手法による評価結果はロシア設計の信頼性向上に寄与し得ることが示された。

報告書

ナトリウム冷却炉の炉心・燃料設計検討; 酸化物燃料炉心

山館 恵; 山口 浩之; 永沼 正行; 水野 朋保; 高木 直行

JNC TN9400 2002-065, 131 Pages, 2002/12

JNC-TN9400-2002-065.pdf:8.23MB

FBRサイクル実用化戦略調査研究フェーズIIの初年度である2001年度におけるナトリウム冷却酸化物燃料炉心の炉心・燃料設計についての検討成果を報告する。(1)大型炉(出力1,500MWe)・ABLE型燃料集合体を用いた均質炉心では、燃料サイクルコスト低減の観点からプランケットも含めた実効取出平均燃焼度の向上を目指して検討した。燃料仕様の見直し、径方向ブランケットの削減(2層$$rightarrow$$1層)等により実効取出平均燃焼度は63GWd/tから77GWd/tまで向上できた。・内部ダクト付き集合体を用いた炉心概念では、内部ダクト膨れ量の評価に基づき内部ダクトの肉厚を設定して検討した。その結果から、ABLE型集合体概念に比べた核特性の低下度合いは燃焼反応度で0.6%$$Delta$$k/kk'程度であることがわかった。・径方向非均質炉心では、実効平均燃焼度の向上と同時に熱特性の改善を目指して内部ブランケットをシャフリングする概念を取り入れた。これにより、増殖比が高いという核特性の優位性が若干薄れる結果となったが、実効平均燃焼度が56GWd/tから80GWd/tまで向上するとともに熱特性を改善できる炉心の成立見通しが得られた。(2)中型炉(出力500MWe)・魅力ある炉心概念検討の一環として太径ピンを用いた高内部転換型の炉心概念を検討した。その結果、炉容器径の制約条件を10%程度緩和できれば、径方向ブランケットなしで実効平均燃焼度100GWd/t以上で増殖比1.05程度の長期運転サイクル炉心を構築できる可能性があることがわかった。

報告書

ヘリウムガス冷却高速炉の炉心・燃料設計検討(被覆粒子型燃料炉・ピン型燃料炉); 2001年度報告

永沼 正行; 杉野 和輝; 高木 直行; 水野 朋保

JNC TN9400 2002-074, 143 Pages, 2002/11

JNC-TN9400-2002-074.pdf:6.27MB

実用化戦略調査研究(以下、FS)では、「ヘリウムガス冷却高速炉」として、被覆粒子型燃料炉とピン型燃料炉の2種類を候補概念とし設計研究を進めている。これらの炉については、これまでの検討結果から核特性と安全性の両立が課題となることが認識されている。そこで、新たに核特性と安全性に関し幅広いパラメータサーベイを実施して、その結果から設計方針を設定し、2001年度レファレンス炉の設計評価を行った。各炉について、以下の結果が得られた。 [被覆粒子型燃料炉] 燃料体積比を増加すると、核特性の向上のみならず、減圧反応度の低下に伴う安全性の改善も期待できることがわかった。燃料体積比の上限は、主に集合体の熱流動条件に支配され、最大10数%程度まで達成の可能性があること、燃料体積比を16.2%にした2001年度レファレンス炉心については、核特性として、燃焼度15万MWd/tで1.1近傍の増殖比が期待できることがわかった。また、安全性について、ここで想定している横方向流冷却概念を適用できれば、受動的炉停止機能に期待しなくても、「減圧事故+スクラム失敗+自然循環除熱」事象時に炉心溶融回避の可能性があることがわかった。 [ピン型燃料炉] 「減圧反応度+スクラム失敗+自然循環除熱」事象時に、固有の特性のみで炉心溶融回避は困難であり、応答性に優れる受動的炉停止機能が必須となること、自然循環除熱の達成には1.65程度の比較的大きなピンピッチ/ピン直径比が必要となることがわかった。これを満足するため燃料体積比を24.3%とした2001年度レファレンス炉心については、被覆材としてSi3Zr5を採用することにより、燃焼度15万MWd/tで1.1程度の増殖比が得られ、更に減圧事象に有効な受動的炉停止機能付き鉛反射体を放置すれば、上記想定事象時に炉心溶融回避できる可能性があることが示された。 以上の結果から、被覆粒子型燃料炉では、上記の様な非常に厳しい事象においても、受動的炉停止機能に期待せず炉心溶融回避の可能性があり、増殖性を確保した上で安全性上より優れるものと考えられる。そのため、FSにおけるガス冷却炉検討では、当面、被覆粒子型燃料炉心を優先して検討するのが適切と考えられる。

報告書

実用化戦略調査研究における高速炉を用いたLLFP核変換技術の検討

高木 直行; 永沼 正行; 水野 朋保

JNC TN9400 2002-067, 109 Pages, 2002/08

JNC-TN9400-2002-067.pdf:5.71MB

FBRサイクル実用化戦略調査研究(FS)では、原子力システムの環境負荷を低減する方策の一つとして、発電用高速炉を用いたLLFP核変換技術を検討している。1999$$sim$$2000年度のフェーズIでは、核変換特性、不純物の影響、放射化生成物の有無や廃棄物低減利得等、主として核的な視点から検討を行い、続くフェーズIIの2001年度からはLLFP集合体やそれを装荷した炉心の工学的設計検討に着手した。 核変換の対象とするLLFPは129I、99Tc、135Csの3種であり、これらの同位体を含むI、Tc、Cs を、元素分離技術によって使用済み燃料やLLFP集合体から分離・回収し、適切な化学形態に加工した後に中性子減速材を混載するLLFP集合体に組み上げて、商用大型高速炉(MOX燃料、Na冷却)へ繰り返し装荷する核変換法を想定した。 元素分離Cs中の135Csについては、生成量以上の変換量を得ることは極めて困難と評価されたため、2001年度の工学的設計検討からはCsを核変換の対象から除外した。Csの核変換が困難な理由は、135Csの生成量が極めて大きいことに加え、Cs元素中に安定同位体133Csが存在し、ビルドアップによって、新たな135Csが生成されるためである。IとTcのニ元素を対象としたLLFP装荷炉心の工学的設計検討では、中性子減速材に水素化ジルコニウムを採用したLLFP集合体を用いることとし、その仕様として隣接炉心燃料のサーマルピークを回避するため外周にTc層を設けた炉心領域装荷用LLFP集合体、及び径方向ブランケット位置装荷用のLLFP集合体を設定した。 LLFP集合体の健全性を評価したところ、水素透過量制限からくる減速材ピン温度制限が最も厳しいことが分かった。LLFP集合体を十分に冷却するには、1次系冷却材流量の6-7%をLLFP集合体へ配分する必要があり、これを実現するためには、炉心流量区分の細分化や炉心出力分布のさらなる平坦化等の炉心設計対応が必要である。

報告書

小型高速炉の炉心・燃料設計研究(研究報告)

高木 直行; 宇都 成昭

JNC TN9400 2002-053, 194 Pages, 2002/08

JNC-TN9400-2002-053.pdf:8.01MB

実用化戦略調査研究では、「長期燃料無交換」と「高い受動的安全特性」の2点を主目標として、高速炉特有の特性を活かした小型炉設計検討に着手した。2000年度の検討では、50MWe出力、30年間燃料無交換運転の鉛ビスマス自然循環冷却炉、そしてナトリウムを用いた自然循環冷却炉、制御棒制御強制循環炉、反射体制御強制循環炉を検討対象とした。自然循環冷却炉については、高富化度差径方向二領域炉心の採用により、30年寿命中の反応度変化を1% $$Delta$$k/kk'以下に抑えながら、外側炉心から内側炉心への出力ピーク移動を自然流配で追従し冷却性能を維持する炉心を検討した。ナトリウム強制冷却炉としては、炉心の高さと直径の比H/Dを1程度とした反射体制御炉心と、H/Dを0.4程度と扁平化しボイド反応度を2$以下に抑制した炉心を検討した。いずれの炉心もATWS(異常な過渡変化時のスクラム不作動事象)時にSASS(自己作動型炉停止機構)無しで事象整定できる特性を示した。2001年度の検討では、プラントの経済性改善策として、炉心構成を一体型から集合体構成型に変更した鉛ビスマス小型炉心、及び、炉心サイズを大きく増大させずに出力を3倍の150MWeとしたナトリウム強制冷却小型炉心について検討を行った。これらの炉心は、炉心支持板膨張や制御棒軸伸び等の反応度フィードバック効果やフローコーストダウンを適切に確保する工夫を施すことにより、ATWS時に事象整定する可能性があることがわかった。

報告書

高速炉用被覆粒子型燃料の被覆層材特性に関する検討(その2); TiNの高温特性・厚膜化検討

永沼 正行; 水野 朋保

JNC TN9400 2002-051, 130 Pages, 2002/08

JNC-TN9400-2002-051.pdf:16.2MB

「ヘリウムガス冷却被覆粒子型燃料高速炉」は、実用化戦略調査研究における候補概念の1つと考えられ、現在設計研究を進めているところである。この炉概念の成立性を大きく左右する要素技術の一つとして被覆層材料が挙げられ、耐熱性に優れたセラミックスが候補として考えられている。現状の知見の範囲では強度層材としてTiNが候補となりうると考えており、基礎的な試験・評価を実施しているところである。今回の検討では、TiN被覆の高温特性、厚膜化特性等に関する基礎試験を行い、以下の結論が得られた。(1)PVD(Physical Vapor Deposition)とCVD(Chemical Vapor Deposition)で蒸着した2種類のTiN被覆試料について高温加熱試験を実施し被覆状態を観察した結果、CVD蒸着試料については、2,000$$^{circ}$$Cまで顕著な異常が生じていないことが認められ、実機相当の高温まで適用の可能性を有すると判断した。一方、PVD蒸着被覆については、2,000$$^{circ}$$Cでの加熱により被覆が網目状に変形する異常が認められ、適用に課題を有するものと考えられる。(2)TiN被覆の厚膜化の可能性を探るべく、CVD蒸着装置内の治具に積層蒸着されているTiN被覆を調査したところ、500$$mu$$mに達する膜厚被覆の形成が認められた。このことから、CVDはTiN厚膜蒸着技術として有望であると考えられる。

報告書

ガス冷却高速炉の炉心核特性の非均質効果・輸送効果の評価

杉野 和輝

JNC TN9400 2002-050, 49 Pages, 2002/07

JNC-TN9400-2002-050.pdf:1.31MB

ガス冷却高速炉の炉心核特性に関して、国内では、核的な観点からはNaとは異なるガスを冷却材とする炉心独自のメカニズム、及び、その解析評価上の注意点については、十分な検討が行われていなかったと言える。そこで、実用化戦略調査研究Iにおいて選定された3種類のガス冷却炉心を対象に、臨界性及び減圧反応度の非均質効果及び輸送効果の評価を行い、今後のガス冷却高速炉心の核特性解析制度向上を試みた。非均質効果の評価においては、モンテカルロ法を用いて、軸方向中性子ストリーミング効果の抽出と言った内訳分析を含めた評価を行った。また、輸送効果に関しては、拡散理論と輸送理論それぞれに基づく炉心計算により評価を行った。非均質効果の評価について、軸方向無限体系モデルの適用により、軸方向中性子ストリーミング効果とそれ以外の効果に分解し、非均質効果の成分分析を試みた。その結果、臨界性に対しては、ガス冷却高速炉炉心では軸方向中性子ストリーミング効果の絶対値が液体金属冷却炉心と比較して大きいため、非均質効果はより負になる傾向にあることが分った。ただし、炭酸ガス冷却炉心については、軸方向中性子ストリーミング効果とそれ以外の効果の絶対値が同程度であるために、正味の非均質効果はほぼ零となっていることが分った。減圧反応度の非均質効果の評価については、効果の大きさと不確かさが同程度であるが、設計計算のための補正としてはあまり大きくないことが分った。輸送効果の評価に関して、ガス冷却高速炉炉心では、臨界性の輸送効果は非常に大きな正の補正量となることが明らかとなった。減圧反応度についても、その反応度の絶対値程度と非常に大きな補正となることが分った。また、輸送効果の原因は、ほぼ冷却材で占有されている制御棒位置の存在に起因する拡散近似誤差が主要であることが分った。拡散計算による減圧反応度評価において、拡散近似誤差を低減する方法として、制御棒位置のみを減圧させずに計算を行う方法が挙げられる。更に、摂動計算を行うことにより、減圧反応度の主要因は、ガスの散乱による寄与、すなわち、スペクトルシフトであることが分った。

報告書

高速炉用被覆粒子型燃料の被覆層材特性に関する検討(その1)

永沼 正行; 水野 朋保

JNC TN9400 2002-032, 318 Pages, 2002/03

JNC-TN9400-2002-032.pdf:37.48MB

「ヘリウムガス冷却被覆粒子型燃料高速炉」は、高速炉においても、(1)ヘリウムの高温安定性から高熱効率の直接ガスタービン発電の適用が期待できること、(2)被覆粒子型燃料は熱容量が大きく、かつ、ドップラー係数が大きい特性を活かし厳しい仮想事故においても炉心溶融回避の可能性が期待できること等の点から、実用化戦略調査研究(以下、FS)における有望な候補概念の1つと考えられ、現在設計研究を進めているところである。被覆粒子型燃料の設計としては、高温ガス炉燃料でSiCを強度層、PyCをバッファー層・表面保護層としたTRISO燃料が多くの実績を有するが、高速炉への適用を考えた場合、経済性の観点から高燃焼度(取出平均燃焼度$$sim$$15万MWd/t)を指向すること、また、高速中性子照射量が大きく最外層PyCが形状安定性の理由で使用できないことから、従来より高強度の被積層材料、及び、適切な表面保護層材料の選定が要求される。しかし、SiC以外のセラミックス被覆の強度特性については現状十分なデータがない状況であり、また、表面保護層として高融点金属が候補であるが使用実績を含め十分な知見が無い点が課題である。以上の背景から、FSでの要求を視野に入れた被覆層材の調査を行ったところ、強度層としてTiN, SiC, Si$$_{3}$$N$$_{4}$$が耐熱性、強度特性の点で有望であることがわかった。そこで、これらの候補材について強度特性試験を実施するとともに、表面保護層の候補となる高融点金属(W, Mo)の蒸着特性を把握するため試験を実施することとした。今回の検討の結果、以下の結論が得られた。(1)TiN被覆について、現状技術で容易に形成できる薄膜被覆の室温強度特性を実験に基づき評価した結果、強度評価値のワイブル係数は17.5$$sim$$22.3と一般的なセラミックスの値より大きい結果が得られた。上記の結果に基づき破損確率が10$$^{-4}$$以下となる強度を評価した結果、35.6$$sim$$100.1kgf/m$$^{2}$$が得られ、TiNは被覆粒子型燃料の強度層として有望な材料であることがわかった。また、Si$$_{3}$$N$$_{4}$$被覆についても、強度的には期待できる可能性を示す結果であった。(以下略)

報告書

ナトリウム冷却炉の炉心・燃料設計検討 -再臨界回避型酸化物燃料炉心の検討-

山館 恵; 佐々木 誠; 黒澤 典史*; 坂下 嘉章*; 永沼 正行

JNC TN9400 2001-113, 219 Pages, 2001/09

JNC-TN9400-2001-113.pdf:10.46MB

中長期事業計画を受けて、平成11年7月から本格的に開始されたFBRサイクル実用化戦略調査研究フェーズIでは、平成12年度までの2年間に亘り多様な FBRサイクルシステムの技術選択肢について検討を実施した。本報告書は、これらの技術選択肢の内、ナトリウム冷却酸化物燃料炉心の炉心・燃料設計についての検討成果を報告するものである。主な成果を以下に示す。(1)Na冷却大型及び中型酸化物燃料炉心における再臨界回避と増殖性確保が両立可能な概念として、軸ブランケット一部削除型径方向非均質炉心が有力候補のひとつであるが、熱設計成立性を見通すためには、詳細検討が必要である。(2)Na冷却大型酸化物燃料炉心において内部ダクト付き集合体を用いた場合、均質炉概念では増殖性の確保が困難であるが、径方向非均質炉心概念との組合せで解決できる可能性がある。(3)遮蔽特性検討の結果、大型炉心、中型炉心のいずれの場合でも、ZrH遮蔽体を用いることにより、径方向遮蔽体の層数は径方向ブランケットあり炉心では2層、径方向ブランケットなし炉心では3層で成立する見通しである。

報告書

炉心核設計における燃料サイクルとの整合性検討(研究報告)

山館 恵; 佐々木 誠; 黒澤 典史*; 坂下 嘉章*; 永沼 正行

JNC TN9400 2001-112, 174 Pages, 2001/09

JNC-TN9400-2001-112.pdf:8.09MB

FBRシステム実用化戦略調査研究フェーズIにおいて、実用化炉心・燃料候補となっている複数の炉心概念を対象に、炉心核設計と燃料サイクルとの整合性検討として、先進リサイクルで想定される燃料組成変動時の核特性への影響、燃料仕様変更による核特性への影響等を検討した。主な成果を以下に示す。 (1)先進リサイクルで想定される種々のTRU組成及び随伴FPの混入を考慮した燃料組成を用いた炉心核特性への影響は比較的小さく、設計対応が可能な範囲である。 (2)酸化物燃料を対象とした燃料仕様変更の核特性への影響を検討した結果、スミア密度を80%まで低くすると、増殖比低下の影響が最も大きく、径方向非均質炉でも増殖比1.2%を下回る可能性がある。(3)核拡散抵抗性に関連して、取出し時に高品位プルトニウムが生成されている径ブランケット燃料集合体への接近性について検討した。その結果、径方向ブランケット燃料集合体は取出し後5年経過後でも、これを線源とした空間線量当量率が大きいため通常の再処理プラントと同様の厳重な遮蔽と遠隔操作での取り扱いが必要であることがわかった。

報告書

鉛冷却炉の炉心・燃料設計検討; 平成11年度報告

池上 哲雄; 林 秀行; 佐々木 誠; 水野 朋保; 黒澤 典史; 坂下 嘉章; 永沼 正行

JNC TN9400 2000-070, 146 Pages, 2000/03

JNC-TN9400-2000-070.pdf:4.2MB

中長期事業計画を受けて、平成11年度から本格的に開始されたFBR実用化戦略調査研究フェーズIでは、2年間に亘り多様なFBRプラントの技術選択肢について検討を実施している。本報告書は、これらの技術選択肢の内、鉛冷却炉の炉心・燃料設計についての平成11年度検討成果を、フェーズIの中間報告として報告するものである。炉心燃料についての仕様や特性に関する情報が比較的充実していることから、先ずロシアのBREST-300を検討対象に選び、サイクル機構の設計手法にて独自に解析評価を行った。さらに、鉛冷却炉心とナトリウム冷却炉心を同じ土俵で比較すべく、両者の熱流力条件を合わせた条件下での核特性の比較検討を試みた。また、本概念成立性上の課題や実用化戦略調査研究の目標に関連する特性も評価した。主な成果を以下に示す。(1)BREST-300の高増殖性(内部転換比$$sim$$1)は、鉛の中性子反射効果も大きいが、窒化物燃料に負うところが大きい。(2)被覆管外面腐食やFCMIにより、燃焼度15万MWd/t達成には困難が伴う。(3)燃料被覆管最高温度は同一温度条件下のナトリウム冷却炉よりも40$$^{circ}C$$程度高くなる。(4)鉛冷却の場合、被覆管温度上昇量を同一とする流量条件下で、圧損をナトリウム冷却炉心と同一とするためには燃料ピンピッチを増加する必要があり、増殖性はナトリウム冷却炉心に優越することははない。これら一連の検討により、これまで設計経験のなかった鉛冷却炉の炉心燃料特性をほぼ把握できたと考える。

報告書

ナトリウム冷却炉の炉心・燃料設計検討; 平成11年度報告

池上 哲雄; 林 秀行; 佐々木 誠; 水野 朋保; 川島 克之*; 黒澤 典史; 坂下 嘉章

JNC TN9400 2000-068, 337 Pages, 2000/03

JNC-TN9400-2000-068.pdf:12.64MB

中長期事業計画を受けて、平成11年度から本格的に開始されたFBR実用化戦略調査研究フェーズIでは、2年間に亘り多様なFBRプラントの技術選択肢について検討を実施している。本報告書は、これらの技術選択肢の内、ナトリウム冷却炉の炉心・燃料設計についての平成ll年度検討成果を、フェーズIの中間報告として報告するものである。本FBR実用化戦略調査研究フェーズIでは、調査研究を推進するに当たり、5つの観点((1)安全性、(2)経済性、(3)資源有効利用、(4)環境負荷低減、(5)核不拡散)から開発目標を設定している。これら5つの観点を視野に置き、ナトリウム冷却炉を対象に、各種冷却材、燃料形態及び炉心サイズの組み合わせについて幅広く調査・解析・検討を加え、それらの炉心・燃料特性を把握した。さらに、今後の研究・開発課題を明らかにし、実用化炉心燃料侯補を選定するためのデータ・ベースを構築した。主な成果を以下に示す。(1)酸化物燃料大型炉心において、運転サイクルの長期化には限界がある。倍増時間短縮を狙った酸化物燃料炉心に関し、倍増時間30年以下が可能である。(2)MA添加率5wt%HMにおけるMA変換率は酸化物燃料炉心で11%/サイクル程度である。酸化物燃料、金属、窒化物燃料形態間の差は小さい。(3)低除染燃料の適用性については、設計要求であるFP混入率:約2vol%に対し、設計対応が可能な見通しである。(4)下部軸ブランケット部分削除方式及び径方向非均質炉心の採用等により、炉心特性への影響が小さい再臨界回避の概念が可能である。(5)金属燃料と窒化物燃料は、ほぼ同様の炉心核特性であり、実用化の目標に合致する燃料形態である。

12 件中 1件目~12件目を表示
  • 1