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報告書

消化管吸収率に応じた内部被ばく線量係数(受託研究)

廣内 淳; 渡嘉敷 雄士*; 高原 省五; 真辺 健太郎

JAEA-Research 2021-001, 284 Pages, 2021/03

JAEA-Research-2021-001.pdf:4.23MB

日本原子力研究開発機構が開発した確率論的事故影響評価(レベル3PRA)コードOSCAARでは、国際放射線防護委員会(ICRP)の刊行物に基づいた内部被ばく線量係数を使用して公衆の被ばく線量が評価されている。内部被ばく線量係数に係るパラメータの一つである消化管吸収率$$f_{1}$$には推奨値が与えられている。しかしながら、$$f_{1}$$の値には不確かさがあると報告されており、その不確かさによって内部被ばく線量がどの程度の影響を受けるのかの調査は限られている。そこで本報告書では、$$f_{1}$$の不確かさによる内部被ばく線量への影響を調査するため、体内での放射性核種の移行モデルを用いて$$f_{1}$$を変化させた解析を行い、内部被ばく線量係数と$$f_{1}$$の関係式を導出した。関係式を求めた結果、半減期が半日以上の核種に対しては、内部被ばく線量係数は$$f_{1}$$の1次関数で近似でき、半減期が半日未満の核種に対しては、$$f_{1}$$の3次関数で近似できることを示した。

報告書

環境試料中ヨウ素-129のICP-MS分析に向けた固相抽出法の開発; 陰イオン交換樹脂および銀イオン担持樹脂の干渉元素除去特性の比較

青木 譲; 松枝 誠; 小荒井 一真; 寺島 元基; 藤原 健壮; 阿部 寛信

JAEA-Research 2021-002, 20 Pages, 2021/05

JAEA-Research-2021-002.pdf:2.75MB

環境試料中に極低濃度で存在する$$^{129}$$IをICP-MS法で高感度かつ迅速に分析するために、共存する干渉元素(Na, Mg, K, Ca, Mo, Cd, In)からIを分離する前処理として固相抽出法が広く利用されている。固相抽出樹脂として、既存のアミノ基を導入した陰イオン交換樹脂とともに、近年ではAg$$^{+}$$担持樹脂の利用が進められており、それぞれの樹脂の特性を踏まえて前処理法の最適化が必要となっている。本研究では、陰イオン交換樹脂であるDOWEX1-X8およびAG1-X8, Ag$$^{+}$$担持樹脂であるCLResinについて、干渉元素からのIの分離特性を比較し、環境試料中の$$^{129}$$IのICP-MS分析への適用性を調査した。吸着・溶出試験の結果、全ての固相抽出樹脂はIを定量的に吸着回収した。また、CLResinは干渉元素の除去性能が最も高く、Moを3.1%残存するものの、その他の干渉元素をICP-MSの検出下限値以下にまで除去した。しかし、$$^{129}$$Iと干渉元素との濃度比の考察から、CLResin処理後に残存するMo濃度は$$^{129}$$IのICP-MS測定になお干渉するレベルであったことから、CLResinからの溶出液を陽イオン交換樹脂(DOWEX50WX8)で処理したところ、溶出液中Moの98%以上が除去され、Moによる測定干渉を除去することができた。したがって、本研究の結果、干渉元素の除去にはCLResinが最適であり、また、CLResinとDOWEX50WX8を組み合わせた前処理法は、極低濃度(バックグラウンドレベル)の$$^{129}$$IのICP-MS分析を可能とする有力な手法となる可能性があることを提示している。

報告書

MA回収プロセスにおける物質移動係数評価試験; 単一液滴法を用いた評価

坂本 淳志; 木部 智*; 川野邊 一則*; 藤咲 和彦*; 佐野 雄一; 竹内 正行; 鈴木 英哉*; 津幡 靖宏; 伴 康俊; 松村 達郎

JAEA-Research 2021-003, 30 Pages, 2021/06

JAEA-Research-2021-003.pdf:1.81MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)では、使用済核燃料溶解液中からマイナーアクチノイド(以下、「MA」という)を回収するプロセスの一つとして、SELECTプロセスの適用が検討されている。SELECTプロセスでは従来から用いられてきたリン(P)系の抽出剤ではなく、炭素(C),水素(H),酸素(O),窒素(N)といった非リン系のみで構成される新たな抽出剤を開発し、その適用検討を進めているところである。その中でMA・ランタノイド(以下、「Ln」という)を一括回収するための抽出剤として$$N,N,N',N'$$-tetradodecyldiglycolamide(テトラドデシルジグリコールアミド(以下、「TDdDGA」という))、MA/Lnを相互分離するための抽出剤として$$N,N,N',N',N",N"$$-hexaoctylnitrilotriacetamide(ヘキサオクチルNTAアミド(以下、「HONTA」という))、Am/Cmを相互分離するための抽出剤としてAlkyl diamide amine(アルキルジアミドアミン(ADAAM))を用いたフローシートの構築を進めている。本試験では、SELECTプロセスにおいてラフィネート中からMA及びLnを回収するためのTDdDGA及びHONTAを対象に、フローシートを構築する上で必要となる物質移動係数の取得を単一液滴法により進めた。単一液滴法により物質移動係数を評価するに当たっては、あらかじめ装置の形状変更等の改良を重ねた上で試験的な評価を実施し、既報値と同様な物質移動係数値が得られることを確認した。また、取得したTDdDGAの物質移動係数を用いることで、これまでにmixer-settlers(ミキサセトラ(MS))やcentrifugal contactors(遠心抽出器(CC))を用いて実施してきた連続多段試験結果の妥当性についても評価することがdできた。さらに、HONTAに関しても評価を行い、10$$^{-6}$$m/s以下の低い物質移動係数を有することが明らかとなった。

報告書

令和2年度福島県近沿岸海域等における放射性物質等の状況調査(受託研究)

御園生 敏治; 中西 貴宏; 眞田 幸尚; 尻引 武彦; 卜部 嘉*; 鶴田 忠彦

JAEA-Research 2021-004, 214 Pages, 2021/11

JAEA-Research-2021-004.pdf:12.76MB

東京電力ホールディングス(株)福島第一原子力発電所(1F)の事故が発生した後、原子力規制庁からの委託を受け、令和2年度に近沿岸海域等における放射性物質の状況調査を実施した。本報告書は、調査により得られた成果をまとめたものである。海水及び海底土のモニタリング結果から調査地点と頻度の適正化に関する評価手法を提示し、効率的かつ効果的な海域モニタリングの在り方について検討した。また、福島沿岸域70地点において柱状試料を採取し、海底土への放射性セシウムの蓄積状況を示した。さらに放射性セシウムの河川からの流入評価のため、沿岸域にセジメントトラップを設置して沈降物を採取するとともに、河川前面における海底土表層の放射性セシウム濃度の水平分布を計測した。平成25年度から平成30年度までに実施された曳航式放射線モニタリングデータについて、天然の放射性核種を考慮した再解析を実施し、沿岸域の海底土における放射性セシウム分布推定図の精度向上を試みた。また、1F沖合のシルトバンド帯にて、海底地形・海底土分布調査を実施し、地形と堆積物の分布状況を把握した。得られた結果より1F前面海域における海底土に含まれる放射性物質の分布と動態について推定を行った。

報告書

再処理施設の高レベル廃液蒸発乾固事故でのNO$$_{rm x}$$の化学挙動を考慮したRuの移行挙動解析

吉田 一雄; 玉置 等史; 桧山 美奈*

JAEA-Research 2021-005, 25 Pages, 2021/08

JAEA-Research-2021-005.pdf:2.91MB

再処理施設の過酷事故の一つである高レベル放射性廃液貯槽の冷却機能喪失による蒸発乾固事故では、沸騰により廃液貯槽から発生する硝酸-水混合蒸気とともにルテニウム(Ru)の揮発性の化学種が放出される。このためリスク評価の観点からは、Ruの定量的な放出量の評価が重要な課題である。課題解決に向け当該施設での蒸気凝縮を伴う環境でのRuの移行挙動に係る小規模実験のデータ分析の結果から気液界面でのRuの物質移行係数の相関式を導出した。この相関式を用いて実規模の仮想的な再処理施設を対象に施設内でのRuの移行挙動の模擬を試行した。解析では、窒素酸化物の化学挙動を解析するSCHERNコードにこの相関式を組み込み、施設内の熱流動解析で得られた条件を境界条件としてRuの定量的な移行挙動を模擬し、その有効性を確認した。

報告書

RPV下部構造破損・炉内物質流出挙動のMPS法による予測(委託研究)

吉川 信治; 山路 哲史*

JAEA-Research 2021-006, 52 Pages, 2021/09

JAEA-Research-2021-006.pdf:3.89MB

福島第一原子力発電所2号機、3号機では、原子炉圧力容器(RPV)が破損し、炉心物質の一部(制御棒駆動機構(CRD)配管部品や燃料集合体上部タイプレート等)がペデスタル領域へと移行していることが確認されているが、沸騰水型軽水炉(BWR)ではRPV下部ヘッド及びその上下に複雑な炉心支持構造やCRDが設置されており、炉心物質のペデスタルへの移行挙動もまた複雑なものになっているものと推定される。BWRの複雑なRPV下部構造における炉心物質の移行挙動の概略特性把握には複雑な界面変化と移行を機構論的に解くことのできるMPS法の適用が有効である。本研究では、MPS法による福島第一原子力発電所2号機、3号機のRPVアブレーション解析のために、令和元年度は剛体モデル、並列化、計算タイムステップ効率化手法を開発し、令和2年度はMPS法の圧力壁境界条件の改良、剛体計算の安定化、デブリベッドの溶融過程の解析コスト低減のための計算アルゴリズムの改良を行った。これらの改良により、RPV下部プレナムに堆積した固体デブリが溶融しながらリロケーション再配置する過程を様々なケースについて実用的な計算コストで感度解析できるようになった。また、2号機及び3号機の解析の結果、下部プレナムで冷え固まったデブリの性状(粒子状/塊状)や堆積分布(成層化の程度)は、その後のデブリベッド再昇温及び部分溶融に要する時間と溶融プール形成に大きく影響し、RPV下部ヘッドの破損挙動や燃料デブリの流出挙動に影響することが明らかになった。

報告書

地質環境の長期安定性に関する研究 年度報告書(令和2年度)

石丸 恒存; 尾方 伸久; 國分 陽子; 島田 耕史; 丹羽 正和; 島田 顕臣; 渡邊 隆広; 末岡 茂; 横山 立憲; 藤田 奈津子; et al.

JAEA-Research 2021-007, 65 Pages, 2021/10

JAEA-Research-2021-007.pdf:4.21MB

本報は、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究の一環として実施している地質環境の長期安定性に関する研究について、第3期中長期目標期間(平成27年度$$sim$$令和3年度)における令和2年度に実施した研究開発に係る成果を取りまとめたものである。第3期中長期目標期間における研究の実施にあたっては、最終処分事業の概要調査や安全審査基本指針等の検討・策定に研究成果を適宜反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化、(2)長期予測・影響評価モデルの開発、(3)年代測定技術の開発の三つの枠組みで進めている。本報では、それぞれの研究分野に係る科学的・技術的背景を解説するとともに、主な研究成果等について取りまとめた。

報告書

加速器駆動核変換システムのMA燃料組成およびその除熱に関する再検討

菅原 隆徳; 森口 大輔*; 伴 康俊; 津幡 靖宏; 高野 公秀; 西原 健司

JAEA-Research 2021-008, 63 Pages, 2021/10

JAEA-Research-2021-008.pdf:4.43MB

本研究では、従来の加速器駆動核変換システム(ADS)核設計では考慮されていなかったウラン(U)や希土類元素(RE)を考慮するため、日本原子力研究開発機構で開発されたSELECTプロセスに基づき、より現実的なMA燃料組成を検討し、ADS核設計を行った。その結果、Npあり/なしの2ケースについて、いずれも設定した制限値を満足することを示した。これらの概念は、これまで検討されてきた概念と異なり、UやREが含まれるものの、核変換性能は悪化せず、分離変換サイクルと整合の取れた成立性の見込まれるADS炉心概念である。さらに、検討したMA燃料組成をベースとして、燃料粉末貯蔵時および燃料集合体組立時の除熱に関する評価を行った。その結果、粉末貯蔵に関しては、長さ500[mm]、内径11-21[mm]の円柱管容器を、水中で保管する必要があることがわかった。燃料集合体組立時の除熱に関する評価は、CFD解析を実施し、空気流速が0.5[m/s]以上であれば、被覆管制限温度450[$$^{circ}$$C]以下を満足することがわかった。以上のように、分離変換サイクルと整合の取れたMA燃料組成を検討し、ADS炉心概念が成立することを示すとともに、最新の条件に基づいた除熱性能の検討を行った。この検討により、MA燃料の取扱い上、最も難しい点の一つである発熱に関して、新たに検討したMA燃料組成が、現実的に取り扱い可能であることを示した。

報告書

ワイヤスペーサ型燃料ピンのサブチャンネル内流動場に関する試験研究; 3本ピンバンドル体系における流動場の特性

檜山 智之; 相澤 康介; 西村 正弘; 栗原 成計

JAEA-Research 2021-009, 29 Pages, 2021/11

JAEA-Research-2021-009.pdf:2.25MB

ナトリウム冷却高速炉では、実用化に向けて燃料の高燃焼度化が求められている。高燃焼度の燃料集合体はスウェリングや熱的な燃料棒の変形によって局所的に除熱能力が低下することが懸念され、燃料集合体での冷却材流動挙動を予測評価することが重要である。本研究では、現象解明および熱流動解析コード検証用のデータベース構築を目的として、3本ピンバンドル体系の試験体を用いた流動場計測試験を実施した。現象解明の着眼点は、以下の(1)ワイヤスペーサ近傍を含めたサブチャンネル内の全体流況、(2)層流領域を含むレイノルズ数と流動場の関係、(3)ワイヤスペーサの有無が流動場に与える影響評価である。試験の結果、PIV計測によりサブチャンネル内の詳細な流動場データを取得し、3本ピンに囲まれたセンターサブチャンネルにワイヤスペーサが交差する際に隣のサブチャンネルへ逃げる流れとワイヤスペーサの巻き方向に対して追従する流れが生じることが分かった。層流領域のレイノルズ数条件では流速分布の傾向が遷移領域および乱流領域と大きく異なることを確認した。ワイヤスペーサのない体系と比較すると、層流領域においてもワイヤスペーサによるミキシングが生じていることを確認した。

報告書

軟X線領域のXAFS測定によるホウケイ酸ガラスの構造評価(共同研究)

永井 崇之; 岡本 芳浩; 山岸 弘奈*; 太田 俊明*; 小島 一男*; 猪瀬 毅彦*; 佐藤 誠一*; 畠山 清司*

JAEA-Research 2021-010, 62 Pages, 2022/01

JAEA-Research-2021-010.pdf:6.05MB

ホウケイ酸ガラス中のガラス成分や廃棄物成分の局所構造は、その化学組成によって変化する。本研究は、原料ガラスや模擬廃棄物ガラス試料を対象に軟X線領域のXAFS測定を実施し、ホウ素(B),酸素(O)やケイ素(Si)及び廃棄物成分の鉄(Fe)やセシウム(Cs)の化学的状態及び局所構造を評価した。化学組成や原料ガラス形態が異なるガラス試料をXAFS測定し、B及びOのK吸収端XANESスペクトルを比較すると、Na$$_{2}$$O濃度がB-Oの配位構造へ与える影響は廃棄物成分濃度による影響よりも大きく、OのK吸収端前に出現するプリエッジの高さはガラス試料に含まれるFe等の第一遷移金属元素の濃度に依存することが分かった。長期化学的耐久性を評価した浸出試験前後のガラス試料表面をXAFS測定し、OのK吸収端XANESスペクトルから、浸出試験後試料表面に新たな化合物相が形成した可能性があり、ラマン分光測定結果からも浸出試験後の試料表面状態に変化が観察された。またCsのM吸収端のXANESスペクトルから、浸出試験後試料表面のCsの消失が確認でき、Csは浸出液へ溶出し易いと考えられる。Na$$_{2}$$O濃度が異なる原料ガラスと希土類酸化物を添加したガラス試料を対象に、SiのK吸収端XANESスペクトルを測定した結果、Na$$_{2}$$O濃度が高くなるに従いSiのK吸収端ピークが低エネルギー側にシフトし、また希土類酸化物の種類によってSi周辺構造への影響が異なることを確認した。

報告書

Effect of nitrous acid on migration behavior of gaseous ruthenium tetroxide into liquid phase

吉田 尚生; 大野 卓也; 吉田 涼一朗; 天野 祐希; 阿部 仁

JAEA-Research 2021-011, 12 Pages, 2022/01

JAEA-Research-2021-011.pdf:1.49MB

再処理施設における高レベル濃縮廃液の蒸発乾固事故について、ルテニウム(Ru)の挙動が着目されている。Ruは四酸化ルテニウム(RuO$$_{4}$$)のような揮発性の化学種を形成し、硝酸、水または窒素酸化物を含む共存ガスと共に施設外へ放出される可能性があるためである。本研究では、蒸発乾固事故に対する安全性評価に資することを目的として、事故時の蒸気凝縮を模擬した、水溶液に対する気体状RuO$$_{4}$$の液相への移行挙動を実験的に測定した。その結果、RuO$$_{4}$$のガス吸収は液相中の亜硝酸(HNO$$_{2}$$)濃度の増加により促進されたことから、化学吸収を伴う物質移動であることが示唆された。HNO$$_{2}$$を用いない対照実験では、温度が低いほど液相中のRu吸収率は大であったのに対し、HNO$$_{2}$$を用いた実験では、温度が高いほどRu吸収率が高かった。これは化学吸収に関与する化学反応が高温で活性化されたためであると考察される。

報告書

加速器駆動システム上部構造の放射線遮蔽解析

岩元 大樹; 明午 伸一郎; 中野 敬太; Yee-Rendon, B.; 方野 量太; 菅原 隆徳; 西原 健司; 佐々 敏信; 前川 藤夫

JAEA-Research 2021-012, 58 Pages, 2022/01

JAEA-Research-2021-012.pdf:7.23MB

加速器駆動システム(ADS)の核破砕標的より上部に位置する構造物の放射線遮蔽解析を実施した。解析では、モンテカルロ粒子輸送計算コードPHITS及び誘導放射能解析コードDCHAINPHITSを用い、1サイクルを300日として、熱出力800MW及びビーム出力30MWの1サイクルフル出力運転を仮定した。解析対象の構造物は、標的の真上に設置されたビームダクト、原子炉容器上部に位置するビーム輸送室及びその室内に設置するビーム輸送機器及び遮蔽体並びに天井遮蔽体とした。それぞれの構造物に対する運転中及び運転後の放射線量及び放射能量を評価し、天井遮蔽体の遮蔽構造を求めた。その結果、本検討で求めた遮蔽構造を用いることで、法令で定められる敷地境界における線量限度を十分に下回る等の知見が得られた。さらに本検討の条件では、運転後における標的真上に位置するビーム輸送室内機器付近の実効線量率は10mSv/hを超え、室内機器の保守及び交換では遠隔での作業が必須となることを示した。

報告書

再処理施設の高レベル廃液蒸発乾固事故での凝縮器を想定した事故対処策のリスク低減効果に係る実機解析

吉田 一雄; 玉置 等史; 桧山 美奈*

JAEA-Research 2021-013, 20 Pages, 2022/01

JAEA-Research-2021-013.pdf:2.35MB

再処理施設の過酷事故の一つである高レベル放射性廃液貯槽の冷却機能喪失による蒸発乾固事故では、沸騰により廃液貯槽から発生する硝酸-水混合蒸気とともにルテニウム(Ru)の揮発性の化学種が放出される。そのための事故対処策の一つとして貯槽から発生する混合蒸気を積極的に凝縮する凝縮器の設置案が示されている。この事故対策では、硝酸蒸気の拡散防止、Ruの除去率の向上などが期待できる。本報では、実規模の仮想的な再処理施設を対象に凝縮器を設けて施設内での蒸気及びRuの移行挙動の模擬を試行した。模擬解析では、MELCORを用いて施設内の熱流動解析を行い、得られた熱流動状態を境界条件として硝酸、窒素酸化物等の化学挙動を解析するSCHERNコードを用いてRuの定量的な移行挙動を模擬した。解析から、凝縮器による蒸気拡散防止及びRuの除去効率の向上効果を定量的に分析するとともに、凝縮器の解析モデル上の課題を明らかにすることができた。

報告書

J-PARCにおける高エネルギー陽子入射核破砕反応による核種生成断面積の測定

中野 敬太; 松田 洋樹*; 明午 伸一郎; 岩元 大樹; 竹下 隼人*; 前川 藤夫

JAEA-Research 2021-014, 25 Pages, 2022/03

JAEA-Research-2021-014.pdf:2.1MB

加速器駆動核変換システム(ADS: Accelerator-Driven transmutation System)の開発に資するデータとして、$$^9$$Be, C, $$^{27}$$Al, $$^{45}$$Sc, V標的に対する高エネルギー陽子入射反応による核種生成断面積の測定を行った。得られた実験値は最新の核反応モデルによる計算値や評価済み核データライブラリの値と比較を行い、その再現性について議論を行った。

報告書

JENDL-4.0 benchmark test with shielding experiments

JENDL委員会 Shielding積分テストワーキンググループ

JAEA-Research 2021-015, 86 Pages, 2022/03

JAEA-Research-2021-015.pdf:6.15MB

2010年5月に日本の核データライブラリJENDLは大幅な改訂が行われ、JENDL-4.0として公開された。そこで、日本原子力研究開発機構(原子力機構)JENDL委員会Shielding積分テストワーキンググループではJENDL-4.0の精度検証のため、遮蔽分野、核融合分野でのJENDL-4.0のベンチマークテストを行った。対象としたベンチマーク実験は、1)原子力機構FNSでのDT中性子入射体系内実験、TOF実験、2)大阪大学OKTAVIANでのDT中性子入射TOF実験、3)ロシアIPPEでのDT中性子入射アルミ、鉄、ニッケル、鉛実験、4)米国ORNLTSFでの鉄、ステンレス鋼実験、5)イギリスWinfrithでのASPIS鉄実験、6)ドイツKfKでの$$^{252}$$Cf中性子源を用いた鉄実験、7)米国NISTでの$$^{252}$$Cf中性子源を用いた鉄実験である。解析ではモンテカルロコードMCNP4、MCNP5及びSnコードANISN、DOT3.5あるいはDORTを用い、核データライブラリはJENDL-3.3、JENDL-4.0を中心に使用した。解析の結果、JENDL-4.0ではJENDL-3.3で指摘された問題点等が修正され、JENDL-4.0を用いると実験との一致が良くなることが示された。

報告書

運転前加速器駆動システム未臨界度測定に適する加速器パラメータの決定

方野 量太; 西原 健司; 近藤 恭弘; 明午 伸一郎

JAEA-Research 2021-016, 16 Pages, 2022/03

JAEA-Research-2021-016.pdf:1.65MB

マイナーアクチノイドの核変換を目的とする加速器駆動システム(ADS)はいかなる状態においても未臨界であることが測定によって確かめられる必要がある。これまでの検討で、運転前段階において所定の未臨界度へ安全かつ効率的に近接する手順を考案した。本手順では、未臨界度の絶対値測定が可能な面積比法によって初期状態の未臨界度校正点を与える。しかし、面積比法はパルス中性子源を用いるが、現実的に測定を行うための具体的な加速器のパラメータについては未検討であった。本検討では、未臨界度の測定不確かさに検出器の不感時間に起因する不確かさと計数率の統計的不確かさを考慮し、加速器パラメータを決定した。加えて、検出器に核分裂計数管の使用を仮定した場合のサンプル核種の塗布量の概算を行った。

報告書

原子炉建屋の3次元有限要素モデルを用いた地震応答解析手法に関わる標準的解析要領(受託研究)

崔 炳賢; 西田 明美; 川田 学; 塩見 忠彦; Li, Y.

JAEA-Research 2021-017, 174 Pages, 2022/03

JAEA-Research-2021-017.pdf:9.33MB

原子力発電施設における建物・構築物の地震応答解析においては、我が国では、従来より質点系モデルが用いられてきたが、近年の解析技術の発展により、立体的な建物を3次元的にモデル化し、建物の3次元挙動、建物材料の非線形性、建物及び地盤間の非線形性等を考慮した有限要素法による地震応答解析が実施されるようになってきた。3次元モデルによる有限要素解析(3次元FEM解析)は、複雑で高度な技術が用いられる一方、汎用性があるために広く利用され、原子力分野以外では構造物のモデル化、材料物性の非線形特性の信頼性を確保するためのガイドラインの策定や技術認定などがなされるようになってきた。原子力分野においては、IAEAにより平成19年(2007年)新潟県中越沖地震における質点系モデル、3次元FEMモデルによる観測記録の再現解析がKARISMAベンチマークプロジェクトとして実施され、複数の解析者の解析結果が報告された。その報告によると、解析者により解析結果にばらつきが大きいということが判明し、解析手法の標準化による解析結果の信頼性の確保が急務となっている。また、原子力発電施設の強非線形領域の現実的な挙動の評価が必要となる建物・構築物・機器のフラジリティ評価においても詳細な3次元挙動把握の必要性が指摘されている。こうした背景を踏まえ、原子炉建屋を対象とした地震応答解析に用いられる3次元FEMモデルの作成及び解析にあたって必要となる一般的・基本的な手法や考え方を取りまとめて標準的解析要領を整備した。これにより原子炉建屋の3次元FEMモデルによる地震応答解析手法の信頼性向上につながることが期待される。本標準的解析要領は、本文、解説、及び解析事例で構成されており、原子炉建屋の3次元FEMモデルを用いた地震応答解析の実施手順、推奨事項、留意事項、技術的根拠等が含まれている。また、本標準的解析要領は、最新知見を反映し、適宜改訂する。

報告書

加速器駆動核変換システムビーム窓とLBEの核解析

中野 敬太; 岩元 大樹; 西原 健司; 明午 伸一郎; 菅原 隆徳; 岩元 洋介; 竹下 隼人*; 前川 藤夫

JAEA-Research 2021-018, 41 Pages, 2022/03

JAEA-Research-2021-018.pdf:2.93MB

加速器駆動核変換システム(ADS: Accelerator-Driven System)の構成要素の一つであるビーム窓の核特性を粒子・重イオン輸送計算コードPHITS及び誘導放射能解析コードDCHAIN-PHITSを用いて評価した。本研究では日本原子力研究開発機構が提案するADSの運転時にビーム窓内部に生成される水素やヘリウム等の量、高エネルギー粒子により引き起こされるビーム窓材の原子弾き出し数、ビーム窓内部の発熱量及び分布を導出した。また、中性子源標的及び冷却材として用いられる鉛ビスマス共晶合金(LBE)中の生成核種、発熱密度及び放射能分布を求めた。ビーム窓解析の結果、300日間のADSの運転によりビーム窓中に最大で約12500appmのH及び1800appmのHeの生成と62.1DPAの損傷が発生することが判明した。一方で、ビーム窓内の最大発熱量は374W/cm$$^3$$であった。LBEの解析では、$$^{206}$$Biや$$^{210}$$Poが崩壊熱及び放射能の支配的な核種であることが判明した。さらに、陽子ビームによるLBE中の発熱はビーム窓下流5cm付近が最大であり、945W/cm$$^3$$であることがわかった。

報告書

溶融鉛ビスマス共晶合金中における9Cr-1Mo鋼の腐食抑制のための適切な酸素濃度の検討

小松 篤史

JAEA-Research 2021-019, 24 Pages, 2022/05

JAEA-Research-2021-019.pdf:1.53MB

溶融鉛ビスマス共晶合金(LBE)中における材料の腐食速度を低減するには、酸素濃度を調整することが重要とされており、過去の報告を見ると約10$$^{-7}$$$$sim$$10$$^{-5}$$wt%程度に酸素濃度を調整していることが多い。しかし、どの程度の濃度が最適と明言されているわけではなく、この濃度範囲内であっても激しく腐食したとの報告もある。本研究では9Cr-1Mo鋼を例にとり、酸化被膜中およびLBE中の拡散を考慮した腐食モデルを作成し、腐食モデルから推定される腐食抑制策について検討を行った。また、LBE中における9Cr-1Mo鋼の腐食を低減しつつ、流れのあるループ環境における低温部での流路閉塞を防止するための最適酸素濃度の算出を試みた。その結果、LBE中における9Cr-1Mo鋼の腐食形態は、酸化被膜厚さと拡散層厚さの比や、LBE中の鉄濃度、温度等により変化し、その成膜挙動から、緻密被膜生成、沈殿被膜生成、被膜溶解の三つに分類した。腐食を抑制するには、緻密被膜生成条件を維持できるように酸素濃度を調整することが重要であり、そのためにはLBEに浸漬する前に10$$^{-7}$$m程度以上の予備酸化被膜をつける必要がある。従来報告でよく用いられる約10$$^{-7}$$$$sim$$10$$^{-5}$$wt%という酸素濃度は、酸化被膜がある程度成長した場合の最適酸素濃度であり、被膜が薄い場合は、より高い酸素濃度が必要になると推察された。

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