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佐藤 博之; 西田 明美; 大橋 弘史; 村松 健*; 牟田 仁*; 糸井 達哉*; 高田 毅士*; 肥田 剛典*; 田辺 雅幸*; 山本 剛*; et al.
Proceedings of 2017 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP 2017) (CD-ROM), 7 Pages, 2017/04
本報告では、高温ガス炉PRAの実施上の課題である、建屋や黒鉛構築物、配管など静的な系統、構築物及び機器の多重故障を考慮した地震PRA手法の確立に向け進めている、静的SSCの多重故障を考慮した事故シーケンス評価手法構築、建屋、黒鉛構築物の損傷を考慮したソースターム評価手法構築、地震時の具体的な事故シナリオ検討に資するフラジリティ評価手法構築及び実用高温ガス炉への適用性評価の概要について報告する。
松田 航輔*; 村松 健*; 牟田 仁*; 佐藤 博之; 西田 明美; 大橋 弘史; 糸井 達哉*; 高田 毅士*; 肥田 剛典*; 田辺 雅幸*; et al.
Proceedings of 2017 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP 2017) (CD-ROM), 7 Pages, 2017/04
高温ガス炉における、地震起因による原子炉冷却材圧力バウンダリを構成する配管の複数破断を含む事故シーケンス群の起因事象モデルについて、ソースタームの支配因子に着目した起因事象に対する階層イベントツリーを適用する場合と、個々の破断の組合せを考慮した多分岐イベントツリーを適用する場合を対象に地震時事故シーケンス頻度評価コードSECOM2-DQFMによる試計算を行った。評価結果から、高温ガス炉のための効率的かつ精度を維持できる起因事象の分類方法を構築できる見通しを得た。
松川 誠; 菊池 満; 藤井 常幸; 藤田 隆明; 林 孝夫; 東島 智; 細金 延幸; 池田 佳隆; 井手 俊介; 石田 真一; et al.
Fusion Engineering and Design, 83(7-9), p.795 - 803, 2008/12
被引用回数:17 パーセンタイル:72.86(Nuclear Science & Technology)JT-60SAは、日欧の幅広いアプローチの下で建設する完全超伝導トカマク装置で、ITERや原型炉への貢献を目指している。2007年の両極の国会批准後、実質的には既に建設段階に移行している。JT-60SAは、既存の建屋,電源,プラズマ加熱装置,計測装置などの、JT-60U設備の最大限の有効利用が前提であり、完全に新作する主たる機器は本体装置のみである。最大プラズマは電流5.5MAで、プラズマ主半径3.06m,アスペクト比2.65,非円形度1.76,三確度0.36である。最大プラズマ加熱入力41MW,プラズマ電流のフラットトップ時間は100秒間である。本論文では、トカマク装置本体だけでなく、プラズマ加熱装置や遠隔保守装置の設計などについても言及するとともに、EUとの技術的な議論を踏まえて行った超伝導導体に関する最近の設計変更案などを紹介し、装置の全体像を明らかにする。
大井川 宏之; 横尾 健*; 西原 健司; 森田 泰治; 池田 孝夫*; 高木 直行*
Journal of Nuclear Science and Technology, 44(3), p.398 - 404, 2007/03
被引用回数:23 パーセンタイル:81.77(Nuclear Science & Technology)高レベル放射性廃棄物(HLW)処分の観点から、分離変換技術の導入効果に関するパラメトリックサーベイを実施した。本研究では、地層処分場面積の削減可能性を導入効果評価の指標とした。評価の結果、マイナーアクチニド(MA)をリサイクルすることで、従来のPUREX法再処理に比べてUO-LWRの場合で17-29%、MOX-LWRの場合で63-85%、それぞれ廃棄体定置面積の削減が可能であることがわかった。MOX燃料で効果が大きいのは、長期熱源となるAmを回収している効果である。さらに核分裂生成物(FP)を群分離すると、MAリサイクルの場合に比べて、70-80%の面積削減が可能であることがわかった。
林 孝夫; 飛田 健次; 西尾 敏; 池田 一貴*; 中森 裕子*; 折茂 慎一*; 発電実証プラント検討チーム
Fusion Engineering and Design, 81(8-14), p.1285 - 1290, 2006/02
被引用回数:21 パーセンタイル:78.83(Nuclear Science & Technology)核融合炉先進遮蔽材料としての金属水素化物及びホウ化水素の中性子遮蔽性能を評価するために中性子輸送計算を行った。これらの水素化物はポリエチレンや液体水素よりも水素含有密度が高く、一般的な遮蔽材よりも優れた遮蔽性能を示した。水素解離圧の温度依存性からZrHとTiHは1気圧において640C以下で水素を放出することなく使用可能である。ZrHとMg(BH)は、鉄水混合材料よりも遮蔽体の厚さをそれぞれ30%と20%減らすことができる。水素化物とF82Hとの混合により線の遮蔽性能が高くなる。中性子及び線の遮蔽性能は以下の順で小さくなる:ZrHMg(BH) and F82HTiH and F82Hwater and F82H。
大井川 宏之; 横尾 健*; 西原 健司; 森田 泰治; 池田 孝夫*; 高木 直行*
Proceedings of International Conference on Nuclear Energy System for Future Generation and Global Sustainability (GLOBAL 2005) (CD-ROM), 6 Pages, 2005/10
高レベル放射性廃棄物の分離変換技術を導入することによる地層処分場の面積低減効果を、燃料組成や再処理までの冷却期間をパラメータとした幾つかの場合について考察した。マイナーアクチノイド(MA)をリサイクルすることによる処分場面積の低減効果は、MOX軽水炉の使用済燃料を長期間冷却する場合において顕著であることがわかった。これは、長寿命で発熱性の高いAmが蓄積していることに起因する。MAに加えて核分裂生成物を分離することで、UO燃料,MOX燃料ともに70-80%の処分場面積低減が期待でき、この効果は再処理及び群分離までの冷却期間には依存しないことがわかった。
小山田 潔*; 池田 孝夫*
JNC TJ8400 2004-007, 100 Pages, 2004/02
本研究では、地質環境と生物圏とのインターフェイス(GBI)の設定手法を利用した具体的な試行および海外動向を考慮した生物圏評価技術に関する検討を実施した。
小山田 潔*; 池田 孝夫*
JNC TJ8400 2004-006, 199 Pages, 2004/02
本研究では、地質環境と生物圏とのインターフェイス(GBI)の設定手法を利用した具体的な試行および海外動向を考慮した生物圏評価技術に関する検討を実施した。
小山田 潔*; 池田 孝夫*
JNC TJ8400 2003-096, 53 Pages, 2004/02
本研究では、結晶質岩系のサイトを想定してTRU核種を含む放射性廃棄物の地層処分に対応した処分概念を対象として、包括的感度解析手法を適用して、処分概念の成立性に資する詳細な評価を行った。地層処分の個々の概念や地下水移行シナリオの基本シナリオに対する評価体系を整え、モデル・手法の高度化により、成立性を体系的かつ網羅的に抽出するための研究を実施した。従来のTRU廃棄物地層処分のバリアの構成は変更せずに、天然バリアのサイト特性や人工バリアの設計仕様のように将来定量的な情報を決定できるような範囲のパラメータについて、核種移行に及ぼす影響を定量的に明らかにした。それらのパラメータのサイト選定および処分場設計における実現性を考慮し、それらの現実的なパラメータ範囲の組み合わせによるTRU廃棄物地層処分の成立性を検討した。 今後の課題としては、各パラメータ間の整合化の範囲をより効率良く抽出可能な解析ツールの改良および亀裂と透水性多孔質媒体のハイブリットな地質環境のモデル化が挙げられる。また、本年度の解析をもとに、堆積岩系および結晶質岩系のTRU地層処分概念の成立性の絞込みについてさらに解析を続けることも重要である。
小山田 潔*; 池田 孝夫*
JNC TJ8400 2003-095, 243 Pages, 2004/02
本研究では、結晶質岩系のサイトを想定してTRU核種を含む放射性廃棄物の地層処分に対応した処分概念を対象として、包括的感度解析手法を適用して、処分概念の成立性に資する詳細な評価を行った。地層処分の個々の概念や地下水移行シナリオの基本シナリオに対する評価体系を整え、モデル・手法の高度化により、成立性を体系的かつ網羅的に抽出するための研究を実施した。 従来のTRU廃棄物地層処分のバリアの構成は変更せずに、天然バリアのサイト特性や人工バリアの設計仕様のように将来定量的な情報を決定できるような範囲のパラメータについて、核種移行に及ぼす影響を定量的に明らかにした。それらのパラメータのサイト選定および処分場設計における実現性を考慮し、それらの現実的なパラメータ範囲の組み合わせによるTRU廃棄物地層処分の成立性を検討した。 今後の課題としては、各パラメータ間の整合化の範囲をより効率良く抽出可能な解析ツールの改良および亀裂と透水性多孔質媒体のハイブリットな地質環境のモデル化が挙げられる。また、本年度の解析をもとに、堆積岩系および結晶質岩系のTRU地層処分概念の成立性の絞込みについてさらに解析を続けることも重要である。
三木 崇史*; 小山田 潔*; 池田 孝夫*
JNC TJ8400 2003-054, 45 Pages, 2003/02
TRU核種を含む放射性廃棄物の一連の処分深度毎の処分概念およびシナリオの多様性を考慮し、処分概念の成立性、設計仕様等の絞込みに関する評価を実施するため、確率論的な核種移行解析手法を基本とする評価ツール、評価手法の検討を進めた。コンクリートピット処分、余裕深度処分、および地層処分概念の基本シナリオにおける多孔質媒体中の評価体系を構築するため、パラメータ範囲の設定、モデル開発、解析データ処理方法の各々に関して、検討を加えた。 モデルは、パラメータの時間的変動に対する柔軟性を考慮して開発し、パラメータ範囲の設定に当っては、一連の処分概念やベントナイト系人工バリアの性能を見るための範囲設定を行った。一方、各パラメータ範囲に対応する線量分布が基準値を満足する割合の増減を基準として、感度構造を明確にする評価手法を開発した。また、解析の結果として得られた核種移行に重要な影響を及ぼすパラメータの感度構造を明らかにした。 今後の課題として、亀裂性媒体等の異なる体系での十分条件もしくは感度構造のより包括的な明確化の検討が挙げられる。また、十分条件の信頼性についてもさらに検討すべき価値がある。それらの研究によりTRU核種を含む廃棄体の安全かつ合理的な処分システムの概念および仕様を決定することが可能となる。
三木 崇史*; 小山田 潔*; 池田 孝夫*
JNC TJ8400 2003-053, 386 Pages, 2003/02
TRU核種を含む放射性廃棄物の一連の処分深度毎の処分概念およびシナリオの多様性を考慮し、処分概念の成立性、設計仕様等の絞込みに関する評価を実施するため、確率論的な核種移行解析手法を基本とする評価ツール、評価手法の検討を進めた。コンクリートピット処分、余裕深度処分、および地層処分概念の基本シナリオにおける多孔質媒体中の評価体系を構築するため、パラメータ範囲の設定、モデル開発、解析データ処理方法の各々に関して、検討を加えた。 モデルは、パラメータの時間的変動に対する柔軟性を考慮して開発し、パラメータ範囲の設定に当っては、一連の処分概念やベントナイト系人工バリアの性能を見るための範囲設定を行った。一方、各パラメータ範囲に対応する線量分布が基準値を満足する割合の増減を基準として、感度構造を明確にする評価手法を開発した。また、解析の結果として得られた核種移行に重要な影響を及ぼすパラメータの感度構造を明らかにした。 今後の課題として、亀裂性媒体等の異なる体系での十分条件もしくは感度構造のより包括的な明確化の検討が挙げられる。また、十分条件の信頼性についてもさらに検討すべき価値がある。それらの研究によりTRU核種を含む廃棄体の安全かつ合理的な処分システムの概念および仕様を決定することが可能となる。
三木 崇史*; 池田 孝夫*
JNC TJ8400 2003-018, 64 Pages, 2003/02
本研究では、地質環境と生物圏とのインターフェイス(GBI)の設定手法、処分施設に含有される化学毒性物質の影響評価、気候変動を考慮した生物圏モデルについて検討した。GBIの設定手法に関する検討では、諸外国におけるGBI設定手法に関する文献調査結果を参考に、わが国におけるGBIの設定手順フローを作成した。さらに、GBI設定に必要な調査項目および調査手法について整理した。処分施設に含有される化学毒性物質の影響評価では、HLW処分施設に含有される化学毒性を有する物質について、影響評価を行い、生物圏における化学物質の濃度はわが国の環境基準と比較して十分小さくなることがわかった。気候変動を考慮した生物圏モデルについては、諸外国および国際機関での気候変動の取り扱い方について調査し、わが国における気候変動を考慮した生物圏評価のアプローチ方法について検討した。
三木 崇史*; 池田 孝夫*
JNC TJ8400 2003-017, 342 Pages, 2003/02
本研究では、地質環境と生物圏とのインターフェイス(GBI)の設定手法、処分施設に含有される化学毒性物質の影響評価、気候変動を考慮した生物圏モデルについて検討した。GBIの設定手法に関する検討では、諸外国におけるGBI設定手法に関する文献調査結果を参考に、わが国におけるGBIの設定手順フローを作成した。さらに、GBI設定に必要な調査項目および調査手法について整理した。処分施設に含有される化学毒性物質の影響評価では、HLW処分施設に含有される化学毒性を有する物質について、影響評価を行い、生物圏における化学物質の濃度はわが国の環境基準と比較して十分小さくなることがわかった。気候変動を考慮した生物圏モデルについては、諸外国および国際機関での気候変動の取り扱い方について調査し、わが国における気候変動を考慮した生物圏評価のアプローチ方法について検討した。
三木 崇史*; 小山田 潔*; 池田 孝夫*
JNC TJ8400 2002-051, 40 Pages, 2002/02
本研究では、余裕深度処分について、シナリオ、モデルそしてパラメータの各階層における評価上の不確実性を包含するような幅広い選択肢の範囲において、多数の統計的な核種移行解析を実施し、解析結果に対する体系的な感度解析を行うこと(TRU廃棄物処分についての包括的感度解析)を通じて、・将来の潜在的な放射線影響の多様なパラメータに対する感度の構造を幅広い範囲にわたって明確化することにより、このような影響を低減するための合理的な方策を見出すこと・新たな感度構造明確化の方法論を試行すること・基本シナリオに関して、線量拘束値を十分に下回る目標線量を満足するような処分システムの仕様や地質環境条件の範囲を示すことにより、システム開発上の指針を示すこと・変動シナリオを含めた広範なシナリオについて、線量拘束値を上回るような大きな影響の要因となるような条件の組み合わせを抽出することにより、避けるべき処分システムやシナリオの内容を明らかにすることのそれぞれについて成果を得た。また、地層処分については、地層処分の変動シナリオに関するTRU廃棄物処分の影響評価手法の検討を行った。
三木 崇史*; 小山田 潔*; 池田 孝夫*
JNC TJ8400 2002-050, 217 Pages, 2002/02
本研究では、余裕深度処分について、シナリオ、モデルそしてパラメータの各階層における評価上の不確実性を包含するような幅広い選択肢の範囲において、多数の統計的な核種移行解析を実施し、解析結果に対する体系的な感度解析を行うこと(TRU廃棄物処分についての包括的感度解析)を通じて、・将来の潜在的な放射線影響の多様なパラメータに対する感度の構造を幅広い範囲にわたって明確化することにより、このような影響を低減するための合理的な方策を見出すこと・新たな感度構造明確化の方法論を試行すること・基本シナリオに関して、線量拘束値を十分に下回る目標線量を満足するような処分システムの仕様や地質環境条件の範囲を示すことにより、システム開発上の指針を示すこと・変動シナリオを含めた広範なシナリオについて、線量拘束値を上回るような大きな影響の要因となるような条件の組み合わせを抽出することにより、避けるべき処分システムやシナリオの内容を明らかにすることのそれぞれについて成果を得た。また、地層処分については、地層処分の変動シナリオに関するTRU廃棄物処分の影響評価手法の検討を行った。
三木 崇史*; 吉田 英爾*; 池田 孝夫*
JNC TJ8400 2002-010, 66 Pages, 2002/02
本研究では、地圏と生物圏とのインターフェイス(GBI)、揮発性核種及びガス状核種に対する生物圏モデル、生物圏データおよび安全指標について検討した。GBIに関する検討では、地圏と生物圏の移行帯(GBTZ)に関するFEPデータベースを作成した。さらに、このデータベースから放出シナリオを抽出し、既往の研究における概念モデル及び数学モデルの保守性及びロバスト性について検討した。揮発性核種及びガス状核種に対する生物圏モデルの検討については、概念モデル及び数学モデルを作成し、ガス放出に関する被ばく経路は線量への換算係数への寄与が小さいことを確認した。生物圏データの選定手法の高度化については、第2次取りまとめにおける生物圏評価に使用したデータをレビューし、データ選定プロトコルに従い分類した。さらに、重要であるが理解の程度が低いパラメータについてはデータの設定を見直した。安全指標に関しては、人間以外の生物に対する放射線影響や地層処分対象廃棄物中に含有される非放射性物質の環境影響等について調査した。
三木 崇史*; 吉田 英爾*; 池田 孝夫*
JNC TJ8400 2002-009, 338 Pages, 2002/02
本研究では、地質環境と生物圏とのインターフェイス(GBI)、揮発性核種及びガス状核種に対する生物圏モデル、生物圏データおよび安全指標について検討した。GBIに関する検討では、地質環境と生物圏の移行帯(GBTZ)に関するFEPデータベースを作成した。さらに、このデータベースから放出シナリオを抽出し、既往の研究における概念モデル及び数学モデルの保守性及びロバスト性について検討した。揮発性核種及びガス状核種に対する生物圏モデルの検討については、概念モデル及び数学モデルを作成し、ガス放出に関する被ばく経路は線量への換算係数への寄与が小さいことを確認した。生物圏データの選定手法の高度化については、第2次取りまとめにおける生物圏評価に使用したデータをレビューし、データ選定プロトコルに従い分類した。さらに、重要であるが理解の程度が低いパラメータについてはデータの設定を見直した。安全指標に関しては、人間以外の生物に対する放射線影響や地層処分対象廃棄物中に含有される非放射性物質の環境影響等について調査した。
加藤 智子; 鈴木 祐二*; 石黒 勝彦; 内藤 守正; 池田 孝夫*; Richard, L.*
JNC TN8400 2001-013, 100 Pages, 2001/03
高レベル放射性廃棄物地層処分の安全評価では、これまでサイトを特定せずわが国の幅広い地質環境に対応できるよう、処分場からの放射性核種が流入する場所として様々な地質環境との接点を想定した生物圏モデルを作成し、線量を推定してきた。現在、わが国の地層処分計画はこれまでの研究開発の段階から処分事業の段階に入り、概要調査地区の選定といった処分場建設地の選定プロセスが進められ、その進捗に応じてサイトに関する情報の質と量が高まっていくことが今後予想される。このため今後は、得られる情報の質と量に応じて生物圏モデルを適用できるよう、これまで作成してきたモデルをベースに予想される範囲で予めモデルを改良あるいは代替モデルを作成しておくことが重要となる。本検討では、海域を処分場からの放射性核種の流入域とする生物圏モデルについて、既存のモデルをベースに海域の環境に関する知見を取り込みながら代替モデルを作成し、そのモデル特性を既存のモデル(沿岸海域水モデルまたは沿岸海域堆積層モデル)との比較検討により把握することを試みた。具体的には、これまで沿岸の海域(沿岸海域水または沿岸海域堆積層)として一つに取り扱っていた海域について、その空間的な拡がりに着目し、海域と陸域との境界部における潮間帯および沿岸の海域よりも沖合いに位置する周辺海洋を、それぞれ処分場からの放射性核種の流入域として想定し代替生物圏モデルを作成した。
加藤 智子; 石原 義尚; 鈴木 祐二*; 内藤 守正; 石黒 勝彦; 池田 孝夫*; Richard, L.*
JNC TN8400 2001-003, 128 Pages, 2001/03
高レベル放射性廃棄物地層処分の安全評価では、地下深部に埋設された高レベル放射性廃棄物に含まれる放射性核種が地下水によって人間の生活環境に運ばれることを想定し、その移行プロセスと被ばく経路からなる生物圏モデルを作成して線量を推定する。安全評価は極めて長い時間を対象とするため、一万年先頃に到来すると考えられる地球規模の氷期などの気候変動により、地球規模で地表の環境は著しい影響を受けることが想定されるとともに、人間生活への影響も大きくなる。このような気候変動や関連する要因により、現在の生活環境と比べはるかに異なる環境に放射性核種が流入することを想定する必要がある場合には、その起こりうる将来の環境の状態と整合性を図った代替の生物圏モデルをいくつか想定しておくことが合理的であると考えられる。本報告書では、気候変動による生物圏システムへの影響を生物圏モデルに取り入れた場合、その影響がどの程度のものとなるかを把握することを目的に検討を行った。検討にあたっては、気候変動によるシステムへの影響の取り扱いについては世界中に現存する気候状態をアナログとして利用し、作成された生物圏モデルから求まる線量への換算係数を、現在の気候状態を想定したシステムのものと比較することによって行った。