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MutTの基質結合に伴う構造変化と基質認識

Structural change and recognition function of MutT

樋口 真理子; 石田 恒; 北尾 彰朗*; 山縣 ゆり子*; 郷 信広

Hikuchi, Mariko; Ishida, Hisashi; Kitao, Akio*; Yamagata, Yuriko*; Go, Nobuhiro

放射線や紫外線あるいは細胞内での代謝活動によって生じる活性酸素はヌクレオチドを酸化させる。酸化したヌクレオチドはDNAに取り込まれると突然変異の原因となる。E. Coliから発見された蛋白質MutTは酸化したヌクレオチド8-oxo-dGTPを加水分解し8-oxo-dGMPとすることでDNAに取り込まれることを防いでいる。MutTは8-oxo-dGMPとdGMPを大きな結合力の差($$Delta$$$$Delta$$G=6.1kcal/mol)で識別する。しかし、8-oxo-dGMPとdGMPの構造の差は8位の酸素と水素、及び7位の窒素に水素が付加しているか否かでしかない。また、山縣らによりX線結晶構造解析を用いて解かれた8-oxo-dGMP-MutT構造を基質と結合していないMutTの構造と比較すると、おもに基質周りのループ部分が基質を囲むように大きく構造変化していることがわかる。これらのことより、基質によるMutTの構造変化と基質認識に関連があると予想できる。この関連を調べるため、上記の構造をもとに単体のMutT、それぞれの基質との複合体についてAMBER7を用いて分子動力学計算を行い比較した。dGMP-MutTは8oxo-dGMP-MutTの基質をdGMPに入れ替えたものを初期構造とした。その結果、8oxo-dGMP-MutTは基質周りのループが閉じたまま安定で、MutTの構造揺らぎも小さいが、dGMP-MutTでは、MutTの構造が基質と結合していない時の構造に近づき構造揺らぎが大きくなった。また、基質を囲むループが開いたこと、基質結合部位に位置する119Asnの側鎖が回転することにより、基質-MutT間の安定な水素結合の数が減少した。これらはdGMPとMutTの結合時にエントロピー及びエンタルピーの変化が小さいことと定性的に矛盾しない結果である。

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