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重力屈性と水分屈性に機能する細胞群の同定; 重イオンマイクロビームとレーザー照射を用いた比較解析

Identification of the functional tissues for hydrotropism and gravitropism; Comparative study using heavy ion and laser microbeams

根岸 洋*; 宮沢 豊*; 坂下 哲哉; 小林 啓恵*; 金安 智子*; 大庭 淳*; 舟山 知夫; 和田 成一; 浜田 信行; 柿崎 竹彦; 小林 泰彦; 藤井 伸治*; 高橋 秀幸*

Negishi, Hiroshi*; Miyazawa, Yutaka*; Sakashita, Tetsuya; Kobayashi, Akie*; Kaneyasu, Tomoko*; Oba, Atsushi*; Funayama, Tomoo; Wada, Seiichi; Hamada, Nobuyuki; Kakizaki, Takehiko; Kobayashi, Yasuhiko; Fujii, Nobuharu*; Takahashi, Hideyuki*

根は重力屈性に加え、高水分側へと屈曲・伸長させる水分屈性を示す。本研究では、水分屈性において機能する細胞群とそこでの生体反応を同定することを目的として重イオン(220MeV炭素イオン)マイクロビーム及びレーザー照射実験を行った。方法は、シロイヌナズナ根端にレーザー、及び、重イオンビームの局部照射を行い、特定の数細胞を破壊又は不活化し、それらの個体について重力屈性及び水分屈性を確認することにより行った。まず、細胞そのものを破壊するレーザー照射をコルメラ細胞及び、伸長領域に対して行った結果、重力屈性,水分屈性ともに顕著に低下し、また伸長領域に照射した個体では顕著な伸長量の低下も観察された。一方、重イオンマイクロビームをコルメラ細胞に照射したところ、両屈性において有意な伸長量,屈性能の低下は認められなかった。これらの結果から、水分屈性,重力屈性ともに、それらの発現過程でコルメラ細胞,伸長領域の細胞群が機能することを明確に示すとともに、伸長領域では新規の遺伝子発現が屈性発現に必要である一方、コルメラ細胞における生体反応には新規の遺伝子発現を伴わないことが示唆された。

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