放射線照射によるDNA由来環境浄化材料の開発

Development of DNA-derived environmental material by -ray irradiation

古澤 和也*; 北 恵里香*; 土橋 敏明*; 長澤 尚胤; 玉田 正男

Furusawa, Kazuya*; Kita, Erika*; Dobashi, Toshiaki*; Nagasawa, Naotsugu; Tamada, Masao

遺伝子の本体であるDNAはダイオキシン類のような平面構造を有する化合物をインターカレーション(選択的挿入)によって吸着する。このインターカレーションを利用したDNA環境浄化材料を開発するためには、DNAを水に対して不溶化する技術が必要である。そこでDNAと放射線架橋型生体高分子との混合物に線を照射してDNAを不溶化し、発がん物質であるアクリジンオレンジ(AO)の吸着特性について調べた。架橋型高分子としてカルボキシメチルセルロース(CMC),ブタ表皮由来ゼラチン,牛血清アルブミン(BSA)を使用した。サケ白子由来高分子量DNAを0.25wt%,架橋型高分子を10wt%含む混合水溶液を調製し、線を照射した。50Cで2日間、超純水に浸漬してゲル分率を測定した結果、線量が高くなるにつれて、ゲル分率が増加し、弾性を持ったゲルを形成した。DNA/CMC混合物では、ゲル分率が最大でも60%程度であったが、DNA/ゼラチン及びDNA/BSA混合物では、ゲル分率がほぼ100%であった。乾燥試料1gあたりに吸着されたAO量は、最大で0.05g(CMC混合物)吸着することがわかった。照射によって安定なDNA複合ゲルを作製でき、有害物質吸着することからDNA由来の環境浄化材料への応用が可能である。

DNA-derived environmental cleanup material was prepared by -ray irradiation on DNA and cross-linking polymer mixtures. The -ray cross-linking biopolymer used for the study was carboxymethylcellulose (CMC), gelatin, bovine serum albumin (BSA), carboxymethylchitosan, and catinal. The DNA and cross-linking biopolymer mixtures were gelled homogenously by -ray irradiation except for DNA + CM-chitosan mixture under the experimental condition. Grams of acrydine orange absorbed in dried gels decreased with increasing irradiated dose. The optimum condition for obtaining the maximum absorbed efficiency of the gel was determined.