線及びイオンビームを用いた麹菌ゲノムへの突然変異誘発効果の比較

Comparison of mutagenesis effect between -rays and ion beams on genome

高橋 明珠*; 豊島 快幸*; 田中 寿基*; 渡部 潤*; 山崎 達雄*; 岩下 和裕*; 三上 重明*; 佐藤 勝也; 野澤 樹; 鳴海 一成

Takahashi, Akemi*; Toyoshima, Yoshiyuki*; Tanaka, Hisaki*; Watanabe, Jun*; Yamazaki, Tatsuo*; Iwashita, Kazuhiro*; Mikami, Shigeaki*; Sato, Katsuya; Nozawa, Shigeki; Narumi, Issei

これまでに、イオンビームによる麹菌ゲノムへの突然変異誘発の特性を明らかにし、イオンビームが麹菌育種の変異原として有用であることを示してきた。本研究では、線による突然変異誘発効果をイオンビームと比較し、線照射が麹菌の変異原処理方法として有効かどうかを検討した。凍結乾燥した麹菌分生子に照射を行い、生存曲線を求めるとともに、セレン酸耐性を指標に又は遺伝子変異株を取得した。線は生存率を0.1%まで低下させるために、イオンビーム照射に比べ高線量(1400Gy)が必要であり、変異率も1200Gyと高線量で極大を示した。また、突然変異の特性を調べたところ、ゲノムレベルで大規模組換えが起こる一方で、複数個所に点突然変異が非常に多いことが明らかになった。本発表では、これらの結果を踏まえ、線及びイオンビームに誘発される突然変異の特性について考察する。

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