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全反射高速陽電子回折によるAg(111)表面上のシリセンの構造決定

Structure determination of silicene on a Ag(111) surface by total reflection high-energy positron diffraction

深谷 有喜   ; 望月 出海*; 前川 雅樹; 和田 健*; 兵頭 俊夫*; 松田 巌*; 河裾 厚男

Fukaya, Yuki; Mochizuki, Izumi*; Maekawa, Masaki; Wada, Ken*; Hyodo, Toshio*; Matsuda, Iwao*; Kawasuso, Atsuo

シリセンは、グラフェンのシリコン版であり、多彩な物性の発現が期待される新材料である。シリセンの理論的な研究は比較的古くから行われているが、実際にその合成に2012年に成功した。理論的にはシリセンがバックリング構造を形成することが予想されているが、これまで実験的に確かめられていなかった。バックリングの大きさに依存してディラックコーンの形状が変化するため、実験的にその大きさを決定することは非常に重要である。本研究では、最近、高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所の低速陽電子実験施設にて開発した全反射高速陽電子回折(TRHEPD)法を用い、Ag(111)表面上に作製したシリセンの原子配置を決定した。高強度陽電子ビームは、専用電子線形加速器を用いて発生し、透過型輝度増強法によりそのエネルギーを単色化した。加速電圧は10kVに設定し、視射角を0.1$$^{circ}$$間隔で6$$^{circ}$$まで変化させ、ロッキング曲線を測定した。シリセンのバックリングの大きさとシリセンとAg基板との距離をパラメーターとして強度解析を行った。この結果、バックリングの大きさを0.83Aと決定し、シリセンは、グラフェンの平面構造とは異なり、バックリング構造を形成することが確かめられた。

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