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福島第一原子力発電所から放出された放射性物質の環境中移行予測への大気・陸域・海洋結合計算の適用,2

Application of coupling simulation of atmospheric, terrestrial, and oceanic transport models to predict the environmental transport of radioactive materials discharged from the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant, 2

永井 晴康  ; 都築 克紀  ; 小林 卓也 ; 寺田 宏明   

Nagai, Haruyasu; Tsuzuki, Katsunori; Kobayashi, Takuya; Terada, Hiroaki

福島第一原子力発電所事故により、放射性物質が環境へ放出されるとともに、処理されないまま敷地内に存在する汚染水が漏えいする可能性がある。これらによる環境影響を評価するために、大気・陸域・海洋結合計算による放射性物質の環境中移行シミュレーションを試みている。結合計算では、複数のモデルを同時進行で並行計算させ、モデル結合プログラム(モデルカップラー)がモデル間の双方向データ交換を仲介し、モデルを一体化したのと同等な結合状態を実現する。福島への適用では、まず、大気モデルと陸域モデルの結合計算による、大気放出された放射性物質の地表沈着、土壌中移行、及び河川流出過程の試験計算結果を実施した。この計算において河川水流量を過小評価する問題について、1年間のスピンアップ計算において、地下水から河川への湧出を考慮することにより改善するとともに、融雪による流量変動の再現を試みた。その結果、阿武隈川の複数の測定地点での河川水流量の時間変動をほぼ再現できるようになった。

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