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論文

Development of regional downscaling capability in STEAMER ocean prediction system based on multi-nested ROMS model

上平 雄基; 川村 英之; 小林 卓也; 内山 雄介*

Journal of Nuclear Science and Technology, 56(8), p.752 - 763, 2019/08

STEAMERにROMSによるダウンスケーリングシステムを導入し、海況場及び原子力施設から放出された放射性物質の濃度分布の詳細な予報値が計算可能となるシステムを構築した。構築したシステムを用いて2016年1月寒冷期の福島県沖のサブメソスケール現象及び潮汐が流動構造、濃度分布に与える影響を評価した。その結果、解析領域での寒冷期の濃度分散、三次元的な物質混合にはサブメソスケール現象による寄与が大きいことが示唆された。潮汐は水平の混合を抑制する一方で鉛直混合を強化し、結果として潮汐非考慮では見られなかった放出口近傍沿岸に張り付いた濃度分布を形成していた。潮汐による寄与はサブメソスケール現象に比べて小さいが、濃度希釈過程に影響を及ぼすことが示唆された。

論文

Fukushima $$^{137}$$Cs releases dispersion modelling over the Pacific Ocean; Comparisons of models with water, sediment and biota data

Peri$'a$$~n$ez, R.*; Bezhenar, R.*; Brovchenko, I.*; Jung, K. T.*; 上平 雄基; Kim, K. O.*; 小林 卓也; Liptak, L.*; Maderich, V.*; Min, B. I.*; et al.

Journal of Environmental Radioactivity, 198, p.50 - 63, 2019/03

 パーセンタイル:100(Environmental Sciences)

北西太平洋海域における福島第一原子力発電所事故起源の$$^{137}$$Cs放出に対して、複数の海洋拡散モデルを適用し、モデル対モデル及びモデル対観測の比較を実施した。シミュレーション期間は2年間とし、施設から海洋への直接放出と大気から海洋表層への沈着過程を考慮した。海洋拡散モデルには生物モデルが導入されている。シミュレーション結果は海水中,堆積物中,海産生物中の$$^{137}$$Cs濃度で比較した。その結果、モデル対モデル及びモデル対観測の比較において、妥当な結果が得られた。

論文

西部北太平洋における福島第一原子力発電所事故によって放出された$$^{129}$$Iの沈み込み

鈴木 崇史; 乙坂 重嘉; 桑原 潤; 川村 英之; 小林 卓也

JAEA-Conf 2018-002, p.103 - 106, 2019/02

福島第一原子力発電所(1F)事故起因の放射性物質の海洋中での動態解明を行うことを目的に、西部北太平洋における3地点で$$^{129}$$Iの鉛直分布を明らかにした。3地点とも1F事故起因とみられる$$^{129}$$Iは混合層内に存在していた。また最も南側の観測点では水深370m-470mに1F事故起因とみられる$$^{129}$$Iによる極大層が存在していた。溶存酸素濃度及び周辺海域の流速を考慮すると、この極大層は、別の海域の表層に存在していた$$^{129}$$Iが速い下降流によって、水深370m-470mに到達したと考えられる。

論文

Extended X-ray absorption fine structure study on gel/liquid extraction of f-block elements

中瀬 正彦*; 小林 徹; 塩飽 秀啓; 河村 卓哉*; 竹下 健二*; 山村 朝雄*; 矢板 毅

Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 5, p.56 - 60, 2018/11

3価アクチノイドと3価ランタノイドの選択的分離を実現することを目的にゲル/液抽出に関する検討を行った。本研究では、N,N,N',N'-tetraallylpyridine-2,6-dicarboxamine (PDA)を含む温感ハイドロゲルを合成し、そのランタノイドとの錯形成についてSPring-8での広域X線吸収微細構造法により検討した。その結果、配位子を含むゲルと含まないゲルとでは、試料温度を変化させた時の動径構造関数(RSF)の変化が異なることが分かった。試料温度を上昇させると、熱振動の増大により動径構造関数のピークは減少するが、PDAを含むゲルではこれに加えピーク位置が近距離側にシフトする様子が観測された。このシフトは、ランタノイド-PDA錯体の化学量論比の変化、もしくは、ハイドロゲル高分子鎖のコンフォメーション変化による親水/疎水特性が変化することに伴う水分子の配位数の変化に由来すると考えられる。

論文

Vertical distribution of $$^{129}$$I released from the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant in the Kuroshio and Oyashio current areas

鈴木 崇史; 乙坂 重嘉; 桑原 潤; 川村 英之; 小林 卓也

Marine Chemistry, 204, p.163 - 171, 2018/08

 パーセンタイル:100(Chemistry, Multidisciplinary)

福島第一原子力発電所から放出された放射性物質の深さ方向への移行を調べる事を目的に、親潮,黒潮、及びそれらの混合海域においてヨウ素129($$^{129}$$I)の鉛直分布を明らかにした。福島第一原子力発電所起因の$$^{129}$$Iは親潮及び混合海域においては表層で、黒潮海域においては亜表層で観測された。親潮及び混合海域で観測された$$^{129}$$I/$$^{134}$$Csは福島第一原子力発電所の原子炉内のそれより高いことが明らかとなった。高い$$^{129}$$I/$$^{134}$$Csは、(1)事故時に放射性ヨウ素は放射性セシウムより放出されやすかった、(2)汚染地域から$$^{129}$$Iが再放出され、大気経由で沈着した、(3)放射性セシウムが除去された汚染水が観測地点に到達した可能性が示唆された。また亜表層で観測された福島第一原子力発電所起因の$$^{129}$$Iは黒潮続流の蛇行によって運び込まれたと考えられる。、

論文

Submesoscale mixing on initial dilution of radionuclides released from the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant

上平 雄基; 内山 雄介*; 川村 英之; 小林 卓也; 古野 朗子

Journal of Geophysical Research; Oceans (Internet), 123(4), p.2808 - 2828, 2018/04

本研究では、ダウンスケーリングによる沿岸域の高解像度モデルを導入した高度な海洋拡散予測システムを用いて、福島第一原子力発電所事故に適用し、水平スケールが数キロメートルのサブメソスケールの海象に伴う$$^{137}$$Csの海洋中移行過程を解析した。その結果、事故直後に福島県沖で発達していたサブメソスケール渦に伴う鉛直循環流によって$$^{137}$$Csが中深層に活発に輸送されていた。また、これらのサブメソスケール渦はシア不安定と傾圧不安定との相乗的な効果によって強化されていた可能性がスペクトル解析から示された。

論文

Nanoscale spatial analysis of clay minerals containing cesium by synchrotron radiation photoemission electron microscopy

吉越 章隆; 塩飽 秀啓; 小林 徹; 下山 巖; 松村 大樹; 辻 卓也; 西畑 保雄; 小暮 敏博*; 大河内 拓雄*; 保井 晃*; et al.

Applied Physics Letters, 112(2), p.021603_1 - 021603_5, 2018/01

 パーセンタイル:100(Physics, Applied)

放射光光電子顕微鏡(SR-PEEM)を人工的にCs吸着したミクロンサイズの風化黒雲母微粒子のピンポイント分析に適用した。絶縁物にもかかわらず、チャージアップの影響無しに構成元素(Si, Al, Cs, Mg, Fe)の空間分布を観察できた。Csが粒子全体に分布することが分かった。Cs M$$_{4,5}$$吸収端近傍のピンポイントX線吸収分光(XAS)から、1価の陽イオン状態(Cs$$^{+}$$)であることがわかった。さらに、Fe L$$_{2,3}$$吸収端の測定から、Feの価数状態を決定した。我々の結果は、サンプルの伝導性に左右されること無く、SR-PEEMがさまざまな環境試料に対するピンポイント化学分析法として利用可能であることを示すものである。

論文

Oceanic dispersion of Fukushima-derived Cs-137 simulated by multiple oceanic general circulation models

川村 英之; 古野 朗子; 小林 卓也; 印 貞治*; 中山 智治*; 石川 洋一*; 宮澤 康正*; 碓氷 典久*

Journal of Environmental Radioactivity, 180, p.36 - 58, 2017/12

 被引用回数:2 パーセンタイル:69.03(Environmental Sciences)

本研究では、単一の海洋拡散モデルと複数の海洋大循環モデルを使用して、福島第一原子力発電所事故起因のセシウム137の海洋拡散相互比較シミュレーションを実施した。シミュレーション結果は、福島県沿岸、日本沖合及び外洋で観測されたセシウム137濃度を比較的良好に再現していることが確認された。セシウム137は事故後数か月間は沿岸を南北方向に拡散し、その後、黒潮や黒潮続流により沖合へ拡散されたことが、福島県沿岸、日本沖合及び外洋を対象とした海洋拡散相互比較シミュレーションにより共通して示唆された。事故から1年間のセシウム137の海洋中存在量を定量化することにより、セシウム137が活発に福島県沿岸及び日本沖合から外洋へ拡散し、同時に海洋の浅い層から深い層へ拡散したことが示唆された。

論文

福島の環境回復に向けた取り組み,7; 福島沿岸域における放射性セシウムの動きと存在量

乙坂 重嘉; 小林 卓也; 町田 昌彦

日本原子力学会誌, 59(11), p.659 - 663, 2017/11

福島の環境回復に関してまとめた連載記事の一つである。福島第一原子力発電所事故によって環境に放出された放射性セシウムの約7割は海洋に運ばれたと見積もられている。政府等によるモニタリング調査に加えて、国内外の多くの機関の調査研究によって、放射性セシウムの海洋における分布や動態が浮き彫りとなってきた。時間的・空間的に連続した観測データを得ることが困難な海洋においては、数値シミュレーションが積極的に活用され、事故後に新たに得られた知見を踏まえ、さらなる改良が進められている。本論文では、福島の沿岸域におけるセシウムの動きと存在量について俯瞰し、環境回復の現状の科学的な理解を深めるとともに、今後取り組むべき課題について解説している。

論文

Development of a short-term emergency assessment system of the marine environmental radioactivity around Japan

小林 卓也; 川村 英之; 藤井 克治*; 上平 雄基

Journal of Nuclear Science and Technology, 54(5), p.609 - 616, 2017/05

 被引用回数:2 パーセンタイル:42.02(Nuclear Science & Technology)

東京電力福島第一原子力発電所事故により環境中に放出された放射性物質は、北太平洋、特に本州北東部の沿岸海域に深刻な海洋汚染を引き起こした。このようなシビアアクシデントにより海洋に放出される放射性物質の海洋中移行を調べるために、日本原子力研究開発機構は日本周辺海域における放射性物質濃度を予測する緊急時海洋環境放射能評価システム(STEAMER)を開発した。STEAMERを緊急時環境線量情報予測システム(世界版)WSPEEDI-IIと結合して用いることで、大気および海洋環境中における正確な放射能汚染予測が可能となる。本論文では、STEAMERに海洋データの入力として用いる2種類の3次元海流場、海洋中放射性物質拡散モデル、モデルの適用例、そしてSTEAMERの機能について記述した。

論文

福島県沖海域を対象とした海洋拡散予測システムの開発と検証

上平 雄基; 川村 英之; 小林 卓也; 内山 雄介*

土木学会論文集,B2(海岸工学)(インターネット), 72(2), p.I_451 - I_456, 2016/11

福島第一原子力発電所事故を教訓として、緊急時に放射性核種の海洋拡散を予測するシステムの必要性が高まっている。日本原子力研究開発機構(JAEA)では海洋拡散予測システムの開発を行ってきたが、本研究ではダウンスケーリングによる沿岸域の高解像度モデルを導入することで、システムを高度化することを目的とした。さらに、本システムを福島第一原子力発電所事故に適用することで、これまで再現することが困難であった水平スケールが数キロメートルのサブメソスケールの海象に伴う$$^{137}$$Csの海洋中移行過程を解析し、システムの検証を行った。その結果、シミュレーションによる流速場は人工衛星で観測された時空間変動をよく捉えつつ、高解像度化に伴うフロントや渦の強化を表現できていること、及び、沿岸域、中深層での$$^{137}$$Cs濃度分布の再現性の向上が確認された。また、事故から約3か月間、福島県沖海域では海面冷却や前線不安定に伴うサブメソスケールの渦が卓越し、それらの渦により強化された下降流により、$$^{137}$$Csが中深層に活発に輸送されていた可能性が示唆された。

論文

Modelling of marine radionuclide dispersion in IAEA MODARIA program; Lessons learnt from the Baltic Sea and Fukushima scenarios

Peri$'a$$~n$ez, R.*; Bezhenar, R.*; Brovchenko, I.*; Duffa, C.*; Iosjpe, M.*; Jung, K. T.*; 小林 卓也; Lamego, F.*; Maderich, V.*; Min, B. I.*; et al.

Science of the Total Environment, 569-570, p.594 - 602, 2016/11

 被引用回数:8 パーセンタイル:37.67(Environmental Sciences)

IAEAのMODARIAプログラムの枠組みの中で、海洋拡散モデルの詳細な相互比較を、チェルノブイリ原子力発電所事故に伴うバルティック海及び東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う福島沖海域における放射性物質の海洋汚染について、$$^{137}$$Csを対象として実施した。複数の海洋拡散モデルとしてBOXモデルや3次元力学モデル等の多様なモデルを用いた。バルティック海におけるモデル比較では極めて良好な一致を示したものの、福島沖海域における比較では各研究機関が所有する海況場を入力として計算した結果に大きな相違が確認されたが、海況場を統一することで良好な一致を得た。本研究結果から、複雑な海洋環境において政策決定支援システムとして運用するオペレーショナルモデルの構築には複数のモデルによるシミュレーション結果をアンサンブル平均するマルチモデルアンサンブル手法を採用することが妥当であることが示唆されたが、緊急時対応としてシステムを運用する際には計算負荷の大きいマルチモデルアンサンブル手法は非現実的であり、効果的な予測手法を継続して検討することが課題である。

論文

($$n,gamma$$)法で得られる$$^{99}$$Moからの高濃度$$^{rm 99m}$$Tc溶液の大量製造技術の評価; $$^{rm 99m}$$Tcの代わりに非放射性Reを用いた基礎的検討

棚瀬 正和*; 藤崎 三郎*; 太田 朗生*; 椎名 孝行*; 山林 尚道*; 竹内 宣博*; 土谷 邦彦; 木村 明博; 鈴木 善貴; 石田 卓也; et al.

Radioisotopes, 65(5), p.237 - 245, 2016/05

$$^{98}$$Mo($$n,gamma$$)$$^{99}$$Mo反応で生成する$$^{99}$$Moから高放射能濃度の$$^{rm 99m}$$Tc溶液を得る方法として、$$^{99}$$Mo/$$^{rm 99m}$$Tcのアルカリ溶液からの$$^{rm 99m}$$TcのMEKによる溶媒抽出、塩基性アルミナカラムによる精製、酸性アルミナカラムによる吸着、溶離により$$^{99}$$Tc溶液を製品とする方法を提案した。本研究では、その基礎的検討として、$$^{rm 99m}$$Tcの放射能として2.5$$sim$$36.7TBqに相当する量の非放射性Reを代替元素として用い、Reの酸性アルミナカラムへの吸着およびその溶離特性について調べた。その結果、本試験条件のRe量において、短時間の操作時間で高い回収率を示し、JMTRで生成する15TBq規模での高濃度$$^{rm 99m}$$Tcの製造でも、酸性アルミナカラムは十分適用可能であることが明らかになった。

論文

A New comparison of marine dispersion model performances for Fukushima Dai-ichi releases in the frame of IAEA MODARIA program

Peri$'a$$~n$ez, R.*; Brovchenko, I.*; Duffa, C.*; Jung, K.-T.*; 小林 卓也; Lamego, F.*; Maderich, V.*; Min, B.-I.*; Nies, H.*; Osvath, I.*; et al.

Journal of Environmental Radioactivity, 150, p.247 - 269, 2015/12

 被引用回数:14 パーセンタイル:28.67(Environmental Sciences)

IAEAのMODARIAプログラムの枠組みの中で、海洋拡散モデルの詳細な相互比較を、福島第一原子力発電所事故に伴う放射性物質の海洋放出を適用例として実施した。複数の海洋拡散モデルは、モデル間の相違の原因を評価することで比較した。本目的を達成するために逐次的な拡散実験(段階的に計算条件を複雑化させる)を実行した。また、福島第一原子力発電所事故の海洋汚染を再現する数値実験を、$$^{137}$$Csを対象に実施し、シミュレーション結果の海水と堆積物中の放射性物質濃度を観測値と比較した。その結果、モデル間の相違の主な原因は海流場の計算結果によるものであることが判明した。しかしながら、海流場を統一することでモデル間の相違の最大原因を除去したものの、拡散モデルの数値スキーム(差分法または粒子法)およびそれらの数値解法の相違によるモデル間のわずかな差が残った。

報告書

中性子放射化法による$$^{99}$$Mo/$$^{99m}$$Tc製造に関する試験体系の確立

石田 卓也; 椎名 孝行*; 太田 朗生*; 木村 明博; 西方 香緒里; 柴田 晃; 棚瀬 正和*; 小林 正明*; 佐野 忠史*; 藤原 靖幸*; et al.

JAEA-Technology 2015-030, 42 Pages, 2015/11

JAEA-Technology-2015-030.pdf:4.82MB

照射試験炉センターでは、材料試験炉(JMTR)を用いた中性子放射化法((n,$$gamma$$)法)によるモリブデン-99($$^{99}$$Mo)製造に関する技術開発を行っている。(n,$$gamma$$)法による$$^{99}$$Moは、核分裂法((n,f)法)と比べると比放射能が低く、得られるテクネチウム-99m($$^{99m}$$Tc)溶液の放射能濃度も低くなる。この課題を解決するため、(n,$$gamma$$)法で製造した$$^{99}$$Moから$$^{99m}$$Tcを回収する手法として、メチルエチルケトン(MEK)を用いた溶媒抽出法に着目し、開発した$$^{99}$$Mo/$$^{99m}$$Tc分離・抽出・濃縮試験装置による性能試験を行っている。本報告書は、$$^{99}$$Mo/$$^{99m}$$Tc製造の試験体系の確立に貢献するため、高い$$^{99m}$$Tc回収率を得ることができるよう装置の改良を行い、京都大学研究用原子炉(KUR)で照射した高密度三酸化モリブデン(MoO$$_{3}$$)ペレットを用いて、MoO$$_{3}$$ペレット溶解及び$$^{99m}$$Tcの抽出を行い、得られた$$^{99m}$$Tc溶液の品質試験を行った結果をまとめたものである。

論文

Development of ocean dispersion concentration maps of the contaminated water released from the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant

小林 卓也; 印 貞治*; 石川 洋一*

Journal of Nuclear Science and Technology, 52(6), p.769 - 772, 2015/06

 被引用回数:1 パーセンタイル:81.41(Nuclear Science & Technology)

東京電力福島第一原子力発電所(F1NPP)事故は、大量の放射性物質を大気・海洋環境へ放出する結果となった。2014年8月時点でF1NPPに滞留・貯留している汚染水は、タービン建屋、海側トレンチ、海側地下水、貯留設備等に存在する。これらの汚染水が海洋へ漏洩する可能性に備え、漏洩した放射性物質の日本の沿岸域及び日本周辺の海洋における移行過程を事前に把握しておくことは、漏えいによる海洋汚染範囲の予測や、迅速なモニタリング計画の策定に対して有効である。そこで原子力機構ではF1NPPから漏洩する汚染水の拡散の概略を把握するために、単位放出率の仮想放出シミュレーションを季節ごとに実行し、アンサンブル平均を求めて海洋拡散相対濃度マップを作成した。マップの検証として、2つの異なる季節における実際の放出事象に適用し、実測値をよく再現することを確認した。

論文

Detailed source term estimation of the atmospheric release for the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station accident by coupling simulations of an atmospheric dispersion model with an improved deposition scheme and oceanic dispersion model

堅田 元喜; 茅野 政道; 小林 卓也; 寺田 宏明; 太田 雅和; 永井 晴康; 梶野 瑞王*; Draxler, R.*; Hort, M.*; Malo, A.*; et al.

Atmospheric Chemistry and Physics, 15(2), p.1029 - 1070, 2015/01

 被引用回数:88 パーセンタイル:0.81(Environmental Sciences)

福島第一原子力発電所事故時の大気放出量の詳細な時間変化を大気拡散モデルWSPEEDI-IIと海洋拡散モデルSEA-GEARN-FDMを用いた結合シミュレーションと環境モニタリングデータを組み合わせた逆推定法によって推定した。放射性ヨウ素のガス態(I$$_{2}$$, CH$$_{3}$$I)およびその他の粒子態(CsI, Cs, and Te)の乾性・霧水沈着、雲内への取り込み、凝結核活性、氷相の湿性沈着を計算する新しいスキームをWSPEEDI-IIに導入した。事故起因の放射性物質の大量放出は、2011年3月12日午後の1号機のウェットベントおよび水素爆発時、13日午前中の3号機のベント後、14日深夜の2号機での3回のSRV開操作時、15日の午前および夕方から夜間、そして16日の午前中に起こったことが明らかになった。新しい推定放出量を用いたWSPEEDI-IIのシミュレーションによって、局地および領域スケールの航空サーベイによる$$^{131}$$Iと$$^{137}$$Csの積算沈着量と空間線量率の分布が再現された。さらに、新しいソースタームを3つの異なる大気拡散モデルを用いて領域・全球スケールで試験した。シミュレーション結果から、$$^{137}$$Csの全推定放出量の27%が東日本の陸面に沈着し、その大部分は森林地域であったことが示された。

論文

Local structure around cesium in montmorillonite, vermiculite and zeolite under wet condition

辻 卓也; 松村 大樹; 小林 徹; 鈴木 伸一; 吉井 賢資; 西畑 保雄; 矢板 毅

Clay Science, 18(4), p.93 - 97, 2014/12

We have observed the local structure around cesium in silicate minerals under wet and dry conditions by using X-ray absorption fine structure (XAFS) technique at Cs ${it K}$-edge. The measurements under wet and dry conditions simulated changes of the actual environment. High transmission ability at Cs ${it K}$-edge provides XAFS measurement under various conditions. Montmorillonite, vermiculite, and zeolite were employed for the study. Vermiculite was obtained by wet classification of the actual soil at Fukushima. The result of XAFS measurement shows that water molecules in interlayer position are removed by cesium adsorption in the interlayer site of vermiculite. Cesium ion was adsorbed on one side of the interlayer site of swelled montmorillonite under wet condition. On the other hand, water molecules were not coordinated with cesium ion in the zeolite even in the case of wet condition.

論文

Numerical simulation on the long-term variation of radioactive cesium concentration in the North Pacific due to the Fukushima disaster

川村 英之; 小林 卓也; 古野 朗子; 碓氷 典久*; 蒲地 政文*

Journal of Environmental Radioactivity, 136, p.64 - 75, 2014/10

 被引用回数:15 パーセンタイル:33.84(Environmental Sciences)

2011年3月に起こった福島第一原子力発電所の事故に起因する放射性セシウムが北太平洋に与える影響を評価するため、長期間の海洋拡散シミュレーションを行った。放射性セシウムの海洋への放出量は海洋モニタリングデータから見積もり、大気から海表面への沈着量は大気拡散シミュレーションにより計算した。放射性セシウムに汚染された主要海域は事故から1 年後には西経170$$^{circ}$$を通過して、北太平洋の中心海域にまで広がったと示唆された。事故から2.5年後には、北太平洋のほとんどの海域で$$^{137}$$Cs濃度は事故以前の値にまで希釈されたと示唆された。

論文

Factors controlling the spatiotemporal variation of $$^{137}$$Cs in seabed sediment off the Fukushima coast; Implications from numerical simulations

三角 和弘*; 津旨 大輔*; 坪野 孝樹*; 立田 穣*; 青山 道夫*; 小林 卓也; 広瀬 勝己*

Journal of Environmental Radioactivity, 136, p.218 - 228, 2014/10

 被引用回数:11 パーセンタイル:45.16(Environmental Sciences)

福島第一原子力発電所事故から1年間の海底堆積物中のCs-137($$^{137}$$Cs)の時空間変動の支配要因について数値シミュレーションを用いて調べた。数値モデルは$$^{137}$$Csの底層水と堆積物間の輸送過程を吸着と脱着により考慮した。モデルは堆積物中の観測された$$^{137}$$Cs濃度の時空間変動を再現することに成功した。堆積物中の$$^{137}$$Csの空間分布は堆積物直上の底層水中に含まれる$$^{137}$$Cs濃度の履歴と堆積物の粒径によって主に反映され、事故発生から数か月で形成された。モニタリング測点が位置する沖合海域における堆積物中$$^{137}$$Csのインベントリーは10$$^{13}$$Bqのオーダーであった。これは既往の観測による推定値と同程度であった。福島第一原子力発電所近傍の値も考慮すると、福島沿岸の堆積物中$$^{137}$$Csの総インベントリーは10$$^{14}$$Bqのオーダーとなった。

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