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海水塩析出物を伴う海水の沸騰二相流に関する研究

Study on boiling two-phase flow of seawater with sea salt deposition

上澤 伸一郎  ; Liu, W.; Jiao, L.; 永武 拓 ; 高瀬 和之*; 小泉 安郎; 柴田 光彦 ; 吉田 啓之  ; 高瀬 和之

Uesawa, Shinichiro; Liu, W.; Jiao, L.; Nagatake, Taku; Takase, Kazuyuki*; Koizumi, Yasuo; Shibata, Mitsuhiko; Yoshida, Hiroyuki; Takase, Kazuyuki

東京電力福島第一原子力発電所事故において、炉心の冷却のために海水が注入された。炉心が海水に晒されたことはこれまで経験がなく、海水注入による冷却材の物性値の変化や海水塩の析出が炉心の冷却能力へ与えた影響についての理解が求められる。また、現在の炉内状況把握のため、海水の伝熱流動評価モデルの作成が必要不可欠である。本発表では、燃料棒と同サイズの内管加熱管を持つ垂直二重管流路による試験を行い、加熱管壁面の温度を計測することで、沸騰条件における海水の伝熱特性について純水やNaCl溶液との比較検証を行った。その結果、低熱流束においては、人工海水の沸騰曲線は純水やNaCl溶液と同等であり、既存の伝熱評価式と概ね一致した。それに対して、高熱流束においては、海水塩濃度20wt%の高濃度の人工海水のみ、純水やNaCl溶液に比べて壁面過熱度が20$$^{circ}$$C程度増加した。この原因を明らかにするため、海水塩濃度20wt%の人工海水での実験終了後の伝熱面表面を調べたところ、海水塩のひとつである硫酸カルシウムが伝熱面上を覆うように析出していることを確認した。このように、高濃度の海水では、熱伝導率が低い硫酸カルシウムが伝熱面表面に析出することで、除熱性能が低下し、壁面過熱度が増加する。さらに、その析出層が流動に与える影響を明らかにするため、析出が見られた高濃度の人工海水での摩擦損失を求めた。その結果、析出が見られなかったNaCl溶液での摩擦損失と同等であり、本実験条件においては、析出層による流動阻害は確認されなかった。

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