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論文

塩析出を伴う海水流動沸騰熱伝達; 析出物の役割

小泉 安郎*; 上澤 伸一郎; 小野 綾子; 柴田 光彦; 吉田 啓之

日本機械学会熱工学コンファレンス2019講演論文集(USB Flash Drive), 1 Pages, 2019/10

福島第一原子力発電所事故時では、経験のない海水による炉心冷却が試みられた。これまでの海水プール沸騰熱伝達試験から、海水塩が伝熱面上に析出することにより熱伝達が低下することが指摘されている。しかし、炉内には強制対流もしくは自然対流による流動があった考えられ、流動が海水塩層の成長速度や熱伝達劣化に与える影響についても議論が必要である。本報では、沸騰伝熱面での海水塩析出に対する流動の影響を明らかにするため、海水塩析出層の挙動の観察が可能な狭隘海水流動沸騰試験装置を用いた、海水強制対流における伝熱面温度計測ならびにレーザー変位計による析出物厚さの時間変化計測結果について報告する。天然海水と同じ塩分濃度3.5wt%の人工海水から10wt%の濃縮人工海水の比較試験を実施したところ、3.5wt%海水では海水塩の析出は確認されなかったのに対して、7wt%以上の人工海水では伝熱面上に海水塩が析出し、析出が始まると壁面温度が経時的に上昇することを確認した。この海水塩の析出は、海水塩濃度が高いほど低い熱流束で開始した。この温度上昇は、これより低い熱流束条件では確認されておらず、伝熱面上に海水塩の析出が確認された熱流束のときのみで起きた。また、レーザー変位計での析出厚さ計測から、連続的な温度上昇とともに析出層が厚くなることが確認されたことから、強制対流下においても、濃縮海水では海水塩が伝熱面上に析出し、析出層が厚くなることで熱伝達が劣化することを明らかした。

論文

析出層が付着した銅伝熱面上でのプール核沸騰時のドライパッチ挙動と伝熱面温度分布の同時計測

上澤 伸一郎; 小野 綾子; 小泉 安郎; 柴田 光彦; 吉田 啓之

日本機械学会熱工学コンファレンス2018講演論文集(USB Flash Drive), 6 Pages, 2018/10

核沸騰による高効率除熱には限界があり、その限界熱流束(CHF)を超えると冷却体伝熱面温度は急激に上昇し、伝熱面が焼損することが知られている。そのCHFを向上させるためナノ粒子を流体へ添加したナノ流体が注目を集めている。そのCHF発生機構解明において、伝熱面上の乾き面の形成が主要因であると考えられており、伝熱面上に形成した析出ナノ粒子層がCHFを向上させていることが示唆されているが、ナノ流体における乾き面の動的挙動は十分に明らかにされていない。本報では、水深を浅くしたプール沸騰実験を実施し、沸騰面上部から乾き面の目視観察と伝熱面面裏側から赤外線カメラを用いた伝熱面温度瞬時分布計測の実施により、既存研究の析出層が付着しない場合のCHF発生機構と同様に、伝熱面上で乾き面が形成後、乾き面周囲への熱伝導量上昇に伴う沸騰活性化による高熱流束域形成により液損耗が激しくなり、乾き面が拡大し、ついにはCHFに至ることを明らかにした。

論文

プール核沸騰における銅伝熱面上の乾き面挙動観察と伝熱面温度分布計測

上澤 伸一郎; 小野 綾子; 小泉 安郎; 柴田 光彦; 吉田 啓之

第55回日本伝熱シンポジウム講演論文集(USB Flash Drive), 8 Pages, 2018/05

核沸騰による高効率除熱には限界があり、その限界熱流束(CHF)を超えると冷却体伝熱面温度は急激に上昇し、伝熱面が焼損することが知られている。その発生機構解明において、伝熱面上の乾き面の形成が主要因であることは示唆されているが、金属伝熱面における乾き面の動的挙動は明らかにされていない。本報では、水深を浅くしたプール沸騰実験を実施し、沸騰面上部から乾き面の目視観察と銅面裏側から赤外線カメラを用いた伝熱面温度瞬時分布計測の実施によって、伝熱面上で乾き面が形成後、乾き面周囲への熱伝導量上昇に伴う沸騰活性化による高熱流束域形成により液損耗が激しくなり、乾き面が拡大し、ついにはCHFに至ることを明らかにした。

論文

Saturated pool nucleate boiling on heat transfer surface with deposited sea salts

上澤 伸一郎; 小泉 安郎; 柴田 光彦; 吉田 啓之

Journal of Nuclear Engineering and Radiation Science, 3(4), p.041002_1 - 041002_13, 2017/10

The progress of the accident of Fukushima Daiichi NPS has been calculated by severe accident analysis codes, for example, MAAP, SAMPSON and so on. However, the effects of the seawater on thermal-hydraulic behavior have not been considered in these calculations, although the seawater was injected into the reactors to cool down the nuclear fuels. Saturated pool nucleate boiling heat transfer experiments with on NaCl solution, natural seawater and artificial seawater were performed to examine the effects of salts on boiling heat transfer. The experimental results indicated that boiling curves were well predicted with the Rohsenow correlation although large coalescent bubble formation was inhibited in the NaCl solution, natural seawater and artificial seawater experiments. However, calcium sulfate was deposited on the heat transfer surface in the experiments with artificial seawater. After the formation of a deposit layer, a slow surface-temperature excursion was initiated at a heat flux lower than the usual critical heat flux. We confirmed that the relationship between the salt concentrations of the artificial seawater in the bulk fluid and the vaporization rate at the surface at which the slow surface-temperature excursion initiated. This relationship suggested that if the salt concentration of the seawater exceeded 11 wt%, the deposition of calcium sulfate on the heat transfer surface occurred even if the heat flux was zero.

論文

海水プール核沸騰素過程に関する研究

上澤 伸一郎; 小泉 安郎; 柴田 光彦; 吉田 啓之

Thermal Science and Engineering, 25(4), p.65 - 74, 2017/10

福島第一原子力発電所事故において、炉心冷却維持のために海水が注入された。炉心が海水に晒されたことはこれまで経験がないことから、海水の沸騰熱伝達特性や、海水塩析出の可否、またその析出海水塩の冷却熱伝達に及ぼす影響についての理解が求められている。本研究では、海水プール核沸騰熱伝達実験を実施し、孤立気泡域,合体気泡域,伝熱面焼損時の局所の沸騰伝熱挙動を高速度ビデオカメラによる発泡挙動の撮影や赤外線カメラによる伝熱面温度分布の計測を実施し、海水と蒸留水の核沸騰素過程の違いについて議論した。その結果、海水沸騰では蒸留水に比べて、発泡数が少なくなるとともに、発泡する気泡の径が大きくなるなど、発泡挙動に違いが見られた。また、析出物が伝熱面上に形成された場合は微細な気泡が大量に発生することが確認された。さらに10.0wt%人工海水実験では海水塩析出物によって伝熱面温度が上昇し続け(伝熱面温度の逸走)、伝熱面平均温度が1000$$^{circ}$$Cを超えたところで、伝熱面が焼損した。ただし、その伝熱面焼損は蒸留水実験のように局所の伝熱面温度の急上昇によって起きる現象ではなく、比較的緩やかな温度上昇を経て焼損した。このように海水の沸騰熱伝達は蒸留水とは異なっており、本実験結果は海水を使用した伝熱機器の安全性を考える上で重要な結果である。

論文

海水塩析出物を伴う海水の流動沸騰熱伝達に関する研究

上澤 伸一郎; 小泉 安郎; 柴田 光彦; 永武 拓; 吉田 啓之

混相流, 31(2), p.162 - 170, 2017/06

東京電力福島第一原子力発電所事故では、非常用冷却水の注水・除熱機能が失われたため海水が注水された。しかし、炉内への海水注入は行われたことがなく、海水による燃料集合体の冷却は検討されていない。本研究では、海水を用いてプール核沸騰実験を実施し、伝熱面温度と伝熱面上の海水塩析出層厚さの測定を行い、海水塩析出物が核沸騰熱伝達へ与える影響について評価した。また、燃料棒と同様な寸法の内管加熱部を持つ鉛直二重管流路での上向き強制流動沸騰実験を実施し、海水の流動沸騰への影響についても議論した。その結果、高濃度の人工海水では、一定かつ低い熱流束であっても壁面過熱度が次第に増加し、既存の伝熱評価式から外れる、伝熱面温度の逸走が起きることを確認した。海水塩析出層厚さの測定から、この伝熱面温度の逸走は、伝熱面上に海水塩の1つである硫酸カルシウムが析出し、時間とともに析出層が厚くなることにより、表面までの熱抵抗が増加して起きる現象であると考えられる。また、海水塩濃度が高いほど、より低い熱流束で伝熱面温度の逸走が起きており、海水塩の伝熱面上での析出は、伝熱面近傍の海水塩濃度が関係すると考えられる。流動沸騰条件では、下流では海水の濃縮が進むため、下流の伝熱面にはプール核沸騰実験よりも低い熱流束で海水塩が析出し、伝熱面温度の逸走が発生することを確認した。

論文

海水プール核沸騰素過程に関する研究

上澤 伸一郎; 小泉 安郎; 柴田 光彦; 吉田 啓之

第54回日本伝熱シンポジウム講演論文集(CD-ROM), 8 Pages, 2017/05

東京電力福島第一原子力発電所事故時の海水注入が伝熱流動へ与える影響を、その物理現象を含めて理解するため、海水及び蒸留水を用いてプール核沸騰実験を行い、プール核沸騰素過程に与える海水の影響について検討した。その結果、海水を用いた場合、沸騰核が減少した。この沸騰核の減少は、沸騰や二次気泡の形成、及び熱伝達表面の過熱度の増加に影響を及ぼすことを確認した。また、濃縮された海水では、海水塩析出層が伝熱面上に形成され、その厚さの増加に伴って熱抵抗が増加し、加熱面上の沸騰による冷却性能が大幅に低下することで、伝熱面が焼損することを確認した。これは、蒸留水での伝熱面焼損とは異なる物理機構であり、海水の場合は蒸留水よりも低い発熱量でも伝熱面が焼損する可能性がある。

論文

析出物を伴う懸濁液プール核沸騰熱伝達に関する研究

上澤 伸一郎; 小泉 安郎; 柴田 光彦; 吉田 啓之

Thermal Science and Engineering, 25(2), p.17 - 26, 2017/04

東京電力福島第一原子力発電所事故時の海水注入が伝熱流動へ与える影響を理解するため、伝熱面上の海水塩析出物が沸騰熱伝達へ与える影響の把握を目的とした海水プール核沸騰熱伝達実験を実施した。また、伝熱面に析出物が伴うという共通点を持つナノ流体のプール核沸騰熱伝達実験も実施し、両流体の熱伝達機構の共通点と相違点について議論した。その結果、海水では特定の熱流束を境に一定の熱流束であるにもかかわらず、伝熱面温度が非定常に増加し、限界熱流束の低下が示された。ナノ流体については蒸留水よりも高い熱流束で伝熱面焼損を起こしており、既存研究と同様に限界熱流束の向上を示唆した結果が得られた。この違いは伝熱面上の析出物の構造の違いによるものと考えられる。海水の場合、析出物は熱伝導率の低い硫酸カルシウムであり、時間とともに析出層が厚くなることを確認された。その析出層厚さが増加することで熱抵抗が増加し、熱伝達率ならびに限界熱流束が低下したと考えられる。ナノ流体の場合には、伝熱面上にナノ粒子層が析出したが、その表面は、海水塩析出物とは異なり、多数のマイクロスケールの溝が形成されていることが確認された。その溝を通して液が伝熱面に供給されることで、限界熱流束が向上したと推定される。このように、海水とナノ流体では、共に析出物を伴う流体であっても、その析出物の構造の違いによって沸騰熱伝達へ与える影響は異なる。

論文

Study on spray cooling capability for spent fuel pool at coolant loss accident, 1; Research plan

Liu, W.; 永武 拓; 柴田 光彦; 小泉 安郎; 吉田 啓之; 根本 義之; 加治 芳行

Proceedings of 10th Japan-Korea Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS-10) (USB Flash Drive), 4 Pages, 2016/11

福島第一原子力発電所における事故を踏まえ、原子力発電所や再処理施設にある使用済燃料プールに対しては、冷却機能の喪失によるプール水位の低下に伴う、燃料の温度上昇に起因した燃料破損、再臨界等の事故発生防止のため、注水機能の強化等の安全対策が求められている。この使用済燃料プールにおける安全対策としては、可搬式スプレイによる注水が期待されているが、使用済燃料プールにおける冷却性能に関しては、評価手法が確立されていない。そこで、原子力機構では、事故時における使用済燃料プール挙動評価手法開発の一部として、スプレイ冷却性能評価手法の確立を目的とした研究を行っている。この評価手法開発においては、使用済燃料プールに保管された燃料集合体の冷却に直接関与することが考えられる気液対向流制限(CCFL)や、スプレイにより生成された液滴径がCCFL挙動に及ぼす影響などの基礎的な現象の明確化、及びコード検証用データの取得が必要である。本報では、現象の明確化、検証用データ取得のための試験を含む、本研究の計画について紹介する。

論文

海水塩析出物を伴う伝熱面の限界熱流束状態発生機構に関する研究

上澤 伸一郎; 小泉 安郎; 柴田 光彦; 吉田 啓之

日本機械学会熱工学コンファレンス2016講演論文集(USB Flash Drive), 2 Pages, 2016/10

東京電力福島第一原子力発電所事故では、炉心冷却のため海水が注入されたことから、炉内状況を正確に把握するためには、海水塩析出物が沸騰熱伝達に与える影響の評価が求められる。本発表では、海水プール核沸騰実験を行い、海水塩析出物を伴う伝熱面の温度逸走開始後から伝熱面焼損に至るまでの伝熱特性に焦点を当て、海水塩析出が伝熱面焼損に与える影響について議論する。実験の結果、天然海水と同海水塩濃度の3.5wt%、それよりも高濃度の7wt%, 9wt%, 10wt%の人工海水において、伝熱面表面に海水塩である硫酸カルシウムが析出し成長することで、特定の熱流束より伝熱面温度が連続的に上昇し、最終的には伝熱面が焼損することを確認した。その伝熱面焼損に至る物理機構はこれまで確認されてきた、蒸留水の場合の様な核沸騰限界に起因するものではなく、析出物厚さの成長に伴う経時的熱伝導劣化による海水特有の機構であった。また、析出した硫酸カルシウム二水和物が熱伝導率の低い無水和物へ転移することが示唆され、その転移による熱伝導の劣化も伝熱面焼損に影響を与えていると考えらえる。このように海水沸騰では、蒸留水とは異なるメカニズムによって伝熱面焼損が起きると考えられ、蒸留水よりも低熱流束で伝熱面が焼損する要因であると推測される。

論文

シビアアクシデント時の使用済み燃料プールスプレイ冷却効果に及ぼす二相流挙動の可視化研究

永武 拓; Liu, W.; 上澤 伸一郎; 小泉 安郎; 柴田 光彦; 吉田 啓之; 根本 義之; 加治 芳行

混相流シンポジウム2016講演論文集(USB Flash Drive), 2 Pages, 2016/08

福島第一原子力発電所事故においては、電源の喪失による使用済み燃料プール(SFP)の冷却系の停止により、水位の低下に伴う燃料の破損が懸念された。これを受け、冷却手段を失った際の対策として、可搬式スプレイによる冷却手段の確保が、その妥当性の評価等を含めて求められている。可搬式スプレイによるSFP中の燃料の冷却はこれまで十分には検討されていないため、冷却の妥当性の確認、運用方法の最適化等のための冷却性能の評価が必要となる。本研究では、冷却性能評価手法開発の一環として、燃料集合体の上部及び内部におけるスプレイ水の挙動に着目し、解析コード開発の実施及び現象把握や検証データ取得のための実験を計画している。本報告では、コード開発及び実験において重要な評価項目として考えられている、スプレイ水の燃料集合体内への侵入を阻害する気液対向流制限(CCFL)条件の評価及び可視化方法の確認を目的とした予備試験の結果について述べる。

論文

Physics-basis simulation of bubble pinch-off

伊藤 啓; 小泉 安郎; 大島 宏之; 河村 拓己*

Mechanical Engineering Journal (Internet), 3(3), p.15-00671_1 - 15-00671_9, 2016/06

The authors are developing a high-precision CFD code with an interface tracking method to simulate the gas entrainment (GE) phenomena in sodium-cooled fast reactors (SFRs), which might be caused by a highly-intensified free surface vortex. To simulate the complicated GE phenomenon, the authors' CFD code has physics-basis algorithms which model accurately the interfacial dynamic behavior, the pressure jump condition at an interface and the surface tension. Several verification problems, e.g. the slotted-disk problem, have been already solved and the accuracy of each individual algorithm is confirmed. In this paper, a basic experiment of the GE is simulated to validate the developed CFD code. In the experiment, the entrained gas flow rate is measured by image processing with a high-speed video camera. The simulation result of the entrained flow rate shows comparable value to the experimental data, that is, our CFD code is considered applicable to the evaluation of the GE in SFRs.

論文

Pool nucleate boiling on heat transfer surface with deposited sea salts

上澤 伸一郎; 小泉 安郎; 柴田 光彦; 吉田 啓之

Proceedings of 24th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-24) (DVD-ROM), 15 Pages, 2016/06

The progress of the accident of TEPCO's Fukushima Daiichi NPS has been calculated by severe accident analysis codes, for example, MAAP, SAMPSON and so on. However, effects of seawater on thermal-hydraulic behavior are not considered in these calculations, although the seawater was injected into the reactors to cool down the nuclear fuels. As one of the possible effects, deposition of sea salts on a heat transfer surface is considered. In the present study, we conducted pool nucleate boiling heat transfer experiments in real seawater, artificial seawater, distilled water and NaCl solution to understand thermal-hydraulic effects of seawater on nucleate boiling phenomena with/without deposited sea salts. The experimental results indicated that the sea salt deposition covered the whole of the heat transfer surface in the only artificial seawater of high concentration. When the deposit on the whole of the heat transfer surface occurred, the spatial-average surface temperature kept rising although the input heating power was constant. Besides, the time fluctuation of the local temperature on the heat transfer surface with the deposition was not confirmed although the temperature on the surface without the deposition decreased when the boiling occurred. Therefore, the deposit of sea salts on the heat transfer surface affected the nucleate boiling heat transfer.

論文

析出物を伴う懸濁液プール核沸騰熱伝達に関する研究

上澤 伸一郎; 小泉 安郎; 柴田 光彦; 吉田 啓之

第53回日本伝熱シンポジウム講演論文集(CD-ROM), 8 Pages, 2016/05

東京電力福島第一原子力発電所事故時の海水注入が伝熱流動へ与える影響を理解するため、伝熱面上の海水塩析出物が沸騰熱伝達へ与える影響の把握を目的とした海水プール核沸騰熱伝達実験を実施した。また、伝熱面に析出物が伴うという共通点を持つナノ流体のプール核沸騰熱伝達実験も実施し、両流体の熱伝達機構の共通点と相違点について議論した。その結果、海水は蒸留水と同等の熱流束で、伝熱面が伝熱面焼損した一方で、ナノ流体については蒸留水よりも高い熱流束で伝熱面焼損を起こしており、限界熱流束の向上を示唆した結果が得られた。この要因として、伝熱面上に析出したナノ粒子層の表面に存在する多数のマイクロスケールの溝によって、より多くの液が伝熱面に供給されたためと推定される。対して、海水では特定の熱流束を境に一定の熱流束であるにもかかわらず,伝熱面温度が非定常に増加した。これは海水塩として析出した硫酸カルシウムの熱伝導率が低く、その析出物が伝熱面上で成長し、厚くなるからである。このように、共に析出物を伴う流体であっても、海水とナノ流体では沸騰熱伝達へ与える影響は異なる。特に海水では、伝熱面に析出する海水塩によって熱伝達率が小さくなることが明らかにされた。

論文

Pool nucleate boiling for seawater containing minerals

上澤 伸一郎; 小泉 安郎; 吉田 啓之

Proceedings of 9th International Conference on Multiphase Flow (ICMF 2016) (CD-ROM), 6 Pages, 2016/05

Since seawater was injected into cores in the accident at the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station of Tokyo Electric Power Company, pool nucleate boiling heat transfer experiments of the distilled water, the real seawater and the 3.5-10 wt% artificial seawater were conducted to examine the effect of sea-salt-deposition on a heat transfer surface. In the seawater experiments, the sea salt which was calcium sulfate was deposited on the heat transfer surface at a certain heat flux. At the same time, the temperature of the heat transfer surface kept rising. The surface temperature rose above 473 K although input heating power was constant. The heat transfer surface temperature rising was caused by the growth of the deposited salt layer, because the deposited calcium sulfate has quite low thermal conductivity. In addition, the relation between the concentration of seawater and the heat flux when the calcium sulfate grew on the heat transfer surface indicated that the deposition occurred by the vaporization in the vicinity of the heat transfer surface.

論文

蒸気発生器伝熱管内蓄水量測定実験と蓄水量評価モデル

山路 達也*; 小泉 安郎; 山崎 康平*; 大竹 浩靖*; 長谷川 浩司*; 大貫 晃*; 金森 大輔*

混相流シンポジウム2015講演論文集(USB Flash Drive), 2 Pages, 2015/08

PWR小破断冷却材喪失事故時に、過渡的な炉心水位低下をもたらすことが懸念されている、蒸気発生器上昇流側U字管内冷却水滞留を調べることを目的として、凝縮を伴う垂直管内気液対向流の蓄水挙動を実験により調べた。実験は、内径18mm、長さ4mの垂直円管を試験流路として、蒸気と水を用いて圧力0.1MPaの下で行われた。透明管による可視化、及び、真鍮管を用いた蓄水量定量評価の2種の実験を行った。流路下端入口で液が流下できない条件であっても、蒸気は流路を上昇するにつれ凝縮されて流速を減じるため、管路上方で凝縮液流下の状態となり、管路内に二相混合水位が形成され、管路内に凝縮水滞留を生じることを実験的に把握した。さらに実験結果をもとに、蓄水量評価モデルを導出し、蓄水挙動を適切に表現できることを確認した。

論文

Study on flow boiling heat transfer in horizontal-rectangular-narrow-flat channels

小泉 安郎; 太平 晃貢*

Proceedings of 16th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics (NURETH-16) (USB Flash Drive), 14 Pages, 2015/08

流路の微小化の流動沸騰熱伝達への影響を把握するため、流路巾W=3mm、流路間隙$$delta$$=1.25mm$$sim$$0.163mmの範囲の矩形流路に対し、単相流と二相流熱伝達実験を行った。単相流熱伝達では、水力等価直径1.06mm以下で流路微小化の影響が現れ、熱伝達係数は通常サイズでの値より小さくなった。二相流に対しては、沸騰が始まると直ぐにチャーン流、次いで環状流へ流動状態が遷移した。測定された限界熱流束は、多くの実験結果でクタテラーゼプール沸騰限界熱流束相関式の値より大きくなったが、流路間隙が極端に小さい場合では、限界熱流束は本相関式の値よりも小さくなった。これらの結果を基に、熱伝達相関式に対して、流路微小化の影響を取り入れる修正法を提案した。

論文

放射温度計を用いた瞬時伝熱面温度分布測定によるプール沸騰熱伝達機構解明に関する研究

小泉 安郎; 高橋 和希*; 上澤 伸一郎; 吉田 啓之; 高瀬 和之

第52回日本伝熱シンポジウム講演論文集(CD-ROM), P. 2, 2015/06

核沸騰熱伝達素過程解明を目的として、大気圧条件でプール沸騰熱伝達実験を行った。伝熱面には銅プリント基盤を用い、伝熱面の大きさは一辺10mmの正方形とした。伝熱面背部のベークライト板部分を7$$times$$10mmにわたり取り除き、剥き出しになった銅薄膜背面の瞬時温度分布を赤外線放射温度計により計測した。その結果、限界熱流束直前まで伝熱面は比較的低い温度に維持されているが、限界熱流束近傍で表れた小さな高温部が拡大縮小を繰り返しつつ拡大し、伝熱面全体が高温になることで限界熱流束に至るという、沸騰熱伝達における課程を明らかにした。また、瞬時温度分布より評価した熱流束分布より、水で濡れて低温・高熱流束である領域と、高温・低熱流束である二つの領域に区分されることを確認した。

論文

Behavior of entrainment droplet formed by high velocity air jet flow in stagnant water

赤羽 正彰*; 堀木 幸代*; 刑部 真弘*; 小泉 安郎; 内堀 昭寛; 大野 修司; 大島 宏之

Proceedings of 23rd International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-23) (DVD-ROM), 7 Pages, 2015/05

高速炉蒸気発生器の伝熱管破損時において、隣接伝熱管ウェステージの主な要因となる高速気体噴流中の液滴挙動を実験から調査した。実験では、水中に高圧空気を噴出させ、噴流中にエントレインされた液滴を高速度カメラにより可視化するとともに、撮影画像を処理することにより液滴速度の計測を行った。可視化画像より、噴流界面からフィラメント状に液体が巻き込まれて液滴が発生する様子を確認した。液滴速度の計測から、噴流軸方向成分の速度は空気噴出速度の上昇とともに増大する挙動や液滴が発生した後噴流により加速される挙動を示すデータを得ることができ、隣接伝熱管ウェステージに関する現象解明及び評価手法の検証に有用な知見を得た。

論文

Physics-basis simulation of bubble pinch-off

伊藤 啓; 小泉 安郎*; 大島 宏之; 河村 拓己*

Proceedings of 23rd International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-23) (DVD-ROM), 6 Pages, 2015/05

近年、過酷事故時の燃料溶融などの複雑現象を評価するため、高精度数値解析モデルの開発が進められている。著者らも、高速炉におけるガス巻込み現象評価のために、高精度界面追跡法に基づく数値解析コードの開発を進めている。評価対象のガス巻込み現象は渦流れによって誘起され、渦中心線に沿った自由界面の窪みとその先端から発生する気泡離脱によって特徴付けられる。この現象を解析するため、気液界面の動的変形挙動や界面における圧力条件や表面張力に関して物理的考察に基づく解析モデル開発を行っており、基本検証問題によって解析精度を確認している。本研究では、ガス巻込み基礎実験における気泡巻込み現象を対象とした解析を行うことで、解析コードの検証を実施する。解析の結果、実験結果と同様の気泡巻込み流量が得られており、解析による高速炉ガス巻込み現象評価の妥当性が示されている。

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