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スピンと巨視的運動の相互作用に関する研究

Research on interaction between spin and macroscopic motion

中堂 博之 ; 今井 正樹  ; 針井 一哉; 小野 正雄  ; 高橋 遼*; 松尾 衛; 前川 禎通; 齊藤 英治

Chudo, Hiroyuki; Imai, Masaki; Harii, Kazuya; Ono, Masao; Takahashi, Ryo*; Matsuo, Mamoru; Maekawa, Sadamichi; Saito, Eiji

電子は電気的自由度である電荷と磁気的自由度であるスピンをもつ。スピントロニクスは、この両方の自由度を駆使することによって従来のエレクトロニクスを超えた新機能を探索している。スピントロニクスにおいて中核となる物理量は、スピン分極した電子の流れであるスピン流である。スピン流は磁気の流れであると同時に角運動量の流れでもあるため、物体内部で多様な形態で存在する微視的な角運動量と相互変換することが知られている。この相互変換を通じて現在までに光, 熱, 磁化のダイナミクスからスピン流が生成されている。我々の研究グループではスピン流と相互作用する新たな角運動量として力学的回転運動に着目し、理論構築と系統的実験を連携しつつ研究を進めてきた。力学的運動とスピンの角運動量相互変換の基礎となる古典的な実験は1915年に発見されたアインシュタイン-ド・ハース効果とバーネット効果である。アインシュタイン-ド・ハース効果はスピン角運動量から物体のマクロな回転運動を生成する効果であるのに対して、バーネット効果は物体の回転運動からスピンを分極させ磁化を生じさせる効果である。バーネット効果の現代的な理論的知見ではその起源は、非慣性系におけるゲージ場であるスピン回転相互作用であり、量子相対論から厳密に導出される。我々は、このスピン回転相互作用に着目し、現代的実験手法を駆使して、新たな現象を開拓してきた。核磁気共鳴法を応用して回転座標系における測定を可能とする新規な装置を開発することによりスピン回転相互作用由来の有効磁場の直接観測に初めて成功し、核スピンに作用する回転場と磁場との等価性を実験的に示した。また、スピン回転相互作用が回転運動とスピン角運動量の直接的な相互作用であることに着目し、物質内部の角運動量を直接測定できる手法として応用し、角運動量補償点の観測を実証した。これらの成果を基礎として、我々は細管中を流れる流体の流速分布から生じる渦度勾配から直流スピン流が生成していることを実験的に示した。また、スピン波スピン流が運ぶ角運動量を用いて、スピン生成源から離れた位置にあるカンチレバーを駆動する実験にも成功している。本講演では我々が取り組んできたこれらの研究を実験データを示しながら紹介する。

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