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カイラル反強磁性体における量子計量構造の室温下制御

Room-temperature flexible manipulation of the quantum-metric structure in a topological chiral antiferromagnet

Han, J.*; 内村 友宏*; 荒木 康史   ; Yoon, J.-Y.*; 竹内 祐太郎*; 山根 結太*; 金井 駿*; 家田 淳一   ; 大野 英男*; 深見 俊輔*

Han, J.*; Uchimura, Tomohiro*; Araki, Yasufumi; Yoon, J.-Y.*; Takeuchi, Yutaro*; Yamane, Yuta*; Kanai, Shun*; Ieda, Junichi; Ohno, Hideo*; Fukami, Shunsuke*

物質の特異な電子物性を実現する要素として、電子波動関数の幾何構造が注目されている。波数空間内の幾何構造はベリー曲率と量子計量という2つの量により特徴づけられる。ベリー曲率が異常ホール効果等の内因性効果の起源として活発に研究が行われている一方、量子計量については、電流ノイズや超流動・超伝導の不安定性等に寄与する理論予測はあるが、量子計量の効果を物質中で制御し観測することは困難であった。本講演では、カイラル反強磁性体Mn$$_{3}$$Snにおける量子計量を室温下で制御し観測に成功した、我々の実験及び理論研究の成果について報告する。実験では(0001)配向のMn$$_{3}$$Snと重金属Ptのヘテロ構造を用い、面内磁場印加下で2次高調波成分の非線形ホール電圧を観測した。この非線形ホール効果は反強磁性転移温度直下の室温で強く現れ、磁場方向に追随して360$$^{circ}$$の周期性を示した(図参照)。我々はMn$$_{3}$$Sn界面の強束縛模型を用いたモデル計算を行い、測定された非線形ホール効果が、磁場で制御を受けたMn$$_{3}$$Sn電子の量子計量構造に起因することを示した。これは界面Dzyaloshinskii-Moriya相互作用によるスピン構造のカンティングにより現れる、空間反転対称性が強く破れた電子状態に由来する。この電子状態は電場の1次摂動で量子計量に比例したベリー曲率を得るため、電場の2次でホール電圧を示す。モデル計算では量子計量からの非線形ホール効果への寄与を他のメカニズムと比較することにより、測定結果が量子計量の効果であることを確かめた。本研究成果は非線形伝導のデバイス応用に向け、量子計量の制御の重要性を示唆するものである。

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