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鈴木 惣十; 青山 卓史; 池上 哲雄; 白方 敬章
JNC TN9400 2001-032, 57 Pages, 2001/01
JUPITER実験が行われた米国アルゴンヌ国立研究所のZPPR実験装置での反応度測定法とその精度を評価した。ZPPRでは、炉心領域に均等に配置した64個の235乗U核分裂計数管による修正中性子源増倍法(MSM法)で各種反応度が測定された。このMSM法は、一点炉近似の動特性方程式に基づいて未臨界度を算出するが、64個の検出器を用いることにより中性子束分布の歪みによる空間依存性も考慮している。MSM法で必要となる検出器効率は、測定体系に依存して変化し、その不確定度が反応度測定値の不確定度に効くため、検出器の数を増やすことにより、統計精度を上げる手法がこれまで採用されてきた。本研究では、これら64個の検出器による反応度測定値を単純に統計処理するのではなく、検出器効率に対して最小二乗フィッティングすることにより、検出器効率の不確定度が最終的に得られる反応度にほとんど効かないようにする方法を新たに開発した。本手法の検証として、ZPPRの制御棒価値測定に適用した結果、中性子源強度の比、検出器効率の比は、燃料の移動を伴わない場合や、燃料の移動があってもその割合が小さい場合(例えば、単一制御棒価値)には、反応度と検出器効率比の1次式の最小二乗法フィッティングの結果でかなり精度良く補正できることが明らかとなった。
白方 敬章; 三田 敏男; 中島 文明
Nuclear Science and Engineering, 131, p.137 - 198, 1999/00
大型炉心は小型炉心に比べて径方向への中性子漏洩の割合が激減し、中性子束の径方向分布を決める炉心形状という境界条件が弱くなり、分布が投入乱に強く影響されて決まるようになる。分布が外乱により変動することが大型炉心開発の課題である。変動の敏感さは炉心の核的結合の低下が原因であり、それは固有値間隔というもので定量的に表される。JUPITER実験では多数の大型炉心の核的結合を測定した。本論文では、核的結合特性を炉心設計へ反映する方法を提案する。従来の性能・安全性に加えて核的安定性(Neutronic Stafility)という評価軸を設け、これら3項目に同時に評価することにより炉心設計を最適化し、核特性が安定、すなわち外乱に対する変化が小さい炉心を設計する方法である。
白方 敬章
PNC TN9410 96-033, 28 Pages, 1996/02
日米共同大型高速炉臨界(JUPITER)実験では、通常の核特性に加えて炉心の核的結合を測定した。特に、核的ディカップリング特性の測定を主題にした初めての臨界実験である日米共同核的結合特性(JUPITER-Io)実験で測定した。制御棒(Control Rod、以後CR)挿入による検出器効率の変化、フラックス・ティルトの測定という静的手法、およびロッド・ドロップ実験、ボロン・オシレータ実験、炉雑音実験という動的手法によって、核的結合の指標である固有値間隔或いはその炉心間序列を測定した。各測定法の結果は概ね相互に一致し、また計算値ともほぼ一致した。その結果、固有値間隔に関する測定法の信頼性と有効性が明らかになり、固有値間隔という炉物理量が測定できることが明らかになった。
白方 敬章; 三田 敏男; 中島 文明
Nuclear Science and Engineering, 113(2), p.97 - 108, 1993/02
被引用回数:8 パーセンタイル:63.68(Nuclear Science & Technology)大型FBR炉心では中小型炉心の場合に比べて、外乱に対して出力分布が敏感に変動する。制御棒干渉効果が増大するなどの現象が見られる。これは大型炉心では核的ディカップリングの程度が大きいことが原因である。核的ディカップリングの程度は固有値間隔で表される。日米協同核的空間結合特性(JUPITER-I0)実験において、フラックスティルト(中性子束分布の非対称性)法により固有値間隔を測定した。一方、同じ炉心で静的な核特性を測定し、その解析の結果、反応率や制御棒反応度のC/E値(計算/実験)に空間依存性が現れた。同じ炉心の固有値のC/Eの傾向を比較した結果、両者の間に定量的な関係があることが分かった。従って、静特性のC/Eの炉心依存性は、炉心核的ディカップリングの程度で説明出来ることが明らかになった。
三田 敏男; 中島 文明; 白方 敬章
動燃技報, (75), p.20 - 35, 1990/09
大型炉心では中小型炉心の場合に比べて、外乱に対して出力分布が敏感に変動する、制御棒干渉効果が増大する、などの現象が見られる。これは炉心の核的な空間結合が低下したことが原因である。核的ディカップリング現象を把握し、それを精度よく記述し、さらに炉心設計、炉心安全設計へのインパクトを評価することは、大型炉心の開発上必要かつ重要なことである。本技術資料では核的ディカップリングに関する動燃の研究開発の成果と現状を述べる。まず日米共同核的空間結合特性(JUPITER-I)実験の概要を紹介し、次に核的ディカップリングに関する実験と解析の結果を静的手法によるものと動的手法によるものに分けて報告する。さらに、設計への反映についても言及する。
三田 敏男*; 白方 敬章*; 金城 勝哉他*
PNC TN9410 89-098, 278 Pages, 1989/06
金属、炭化物、窒化物などいわゆる新型燃料の高速炉燃料としての実用化の可能性を評価する一環として、新型燃料高速炉の炉心核特性を酸化物燃料炉心との比較において評価した。昭和63年度作業として以下のような結果を得た。新型燃料の臨界実験及び炉心設計例を調査した。新型燃料の臨界実験例は少なく、今後設計が進むにつれてその精度をつめる上でさらに詳細な実験が必要になる。一方、炉新設計は最近各国で精力的に実施されており、その設計上の特徴と問題点をまとめた。また、新型燃料炉心の核計算で必要となる断面積のうち、ZR,NはJENDL-2に収納されていないので、JENDL-3のものを用いる必要がある。新型燃料炉心と酸化物燃料炉心の核特性の差及びその要因を検討した。設定炉心は、2領域均質炉心で、炉心形状や出力密度を一定とする条件で検討した。主な成果は以下の通りである。新型燃料炉心では、大幅な増殖性向上が得られ、燃焼反応度をほぼ0とすることができる。また増殖比は、新型燃料炉心では酸化物燃料炉心に比べ0,2程度向上できる。金属燃料炉心では、スペクトル硬化と実効核分裂断面積の減少等の要因のため、高速フルエンスは酸化物燃料炉心に比べて30%程度増大する。金属燃料炉心では、ドップラー係数の絶対値が減少し、ナトリウムボイド係数が増大し、炉心安全解析の観点からは悪くなる方向である。一方、膨張による温度係数は金属燃料でより負側となる(燃料膨脹、炉心支持板膨脹)。
白方 敬章*; 山本 敏久*; 中島 文明*; 他7名*
PNC TN2410 89-003, 349 Pages, 1989/03
本報告書は,動力炉研究開発本部 炉技術開発Grで組織しているJUPITERサブワーキングGrの昭和63年度の成果をまとめたものである。JUPITERサブワーキングGrは,動燃事業団が米国エネルギー省(DOE)との共同研究としてアルゴンヌ国立研究所(ANL-W)の大型臨界実験装置ZPPRで実施した大型高速炉物理実験JUPITER-III計画の計画,実験解析を行うためのワーキンググループである。JUPITER-III計画は電気出力65万キロワット相当の軸方向非均質炉心模擬実験(ZPPR-17シリーズ)と100万キロワット相当の均質炉心模擬実験(ZPPR-18シリーズ)からなる。ZPPR-17シリーズの実験解析は本年度でほぼ完了し,ZPPR-18シリーズについては実験解析の準備中である。本年度の主な成果は下記の通りである。(1) 昨年度に引き続き,ZPPR-17の実験解析を実施し,以下の成果を得た。(I)臨界性について,マルチドロワモデル及びセンターラインモデル(セル定数作成法)の効果を評価した。前者の効果は+0.17%kであり,後者の効果は基準解析のプレートストレッチモデルに比べて0.080.09%k高目である。これらの結果を考慮した解析結果(C/E値)は均質炉心ZPPR-9及び径方向非均質炉心ZPPR-13Aの結果とほぼ一致した。(II)制御棒反応度価値のC/E値は中心で0.9程度であり,5%程度の径方向依存性がみられた。反応率分布のC/E値にも510%の径方向依存性があり,これらの傾向は均質炉心と同様である。(III)広領域NaボイドのC/E値は炉心領域で1.21.5であり,内部ブランケット領域は0.8程度と低目である。サンプル反応度についても内部ブランケット領域では炉心領域よりも239Puサンプルで20%,10Bサンプルで10%程度過小評価する。これらの傾向は径方向非均質炉心と同様である。(2) ZPPR-17の実験データ集について,その構成と記載内容について検討し,記載すべきデータ項目を選定した。さらに,代表的な実験項目について具体的な記載内容をまとめた。(3) JUPITER実験等の臨界実験データとの対比及び補完の観点から,将来の「常陽」による炉物理実験項目を洗い出し,その成立性及び実験のために具備すべき実験機能を検討した
白方 敬章; 山本 敏久
動燃技報, (67), p.76 - 78, 1988/09
高速炉実機の制御棒集合体は従来のセル計算法による均質化では制御棒反応度を34%過大評価してしまう。反応率保存の均質化手法を採用することにより、この問題を解消することができた。
白方 敬章; 鈴木 威男; 鈴木 惣十
原子力工業, 34(6), p.48 - 51, 1988/06
放射線遮蔽に関する高速炉の特徴は、炉心から漏洩する中性子の平均エネルギーが高いこと、および冷却材であるナトリウム自身が放射化して線源となることである。そのため高速炉の遮蔽研究では、間隙部の中性子ストリーミング、PRナトリウムの放射能による線分布の評価が重要になる。大型高速炉の遮蔽設計では、炉心周り遮蔽体のコンパクト化・軽量化のため、炭化ホウ素(B4C)を炉内遮蔽材として使用できるかを確認することが当面の課題である。高速炉遮蔽研究に関し、解析法および「常陽」、「もんじゅ」、大型炉それぞれの研究の成果と現状を述べる。
白方 敬章; 中島 文明; 三田 敏男*; 早瀬 保*; 川島 正俊*; 河北 孝司*; 貝瀬 興一郎*
PNC TN2410 88-004, 359 Pages, 1988/03
昨年度1月より実験が開始されたJUPITER-III計画は、予定通り1年間の実験期間を終了した。昨年度は実験計画の検討、関連データの整理等を行なったが、本年度はこれに引き続き、実験データの解析を主とした研究作業を実施し、以下のような成果を得た。(1)ZPPR-18の実験予備解析を行ない、実験内容の検討を行なった。この結果、ZPPR-18の実験立案にその成果を反映することができた。(2)ZPPR-17A、17B、17Cの臨界性評価を行なった。ZPPR-17AのC/E値は、1.0003となり、均質炉心ZPPR-9のC/E値0.9995とほぼ一致した。(3)ZPPR-17A、17Bのベータeff評価を行なった。当ワーキング・グループのベータeffはANLよりも3%高目の値となり、JUPITER-I、IIと同様の系統性を示した。(4)ZPPR-17A、17Bの制御棒解析を行なった。ZPPR-17Aの中心制御棒解析の結果、CRPに対する制御棒ワースのC/E値は、プレートタイプ制御棒..0.8710.899ピンタイプ制御棒..0.8830.890となった。また、JUPITER-I、IIの場合と同様、炉心周辺部で計算値が過大評価するC/E値の径方向依存性が見られた。(5)ZPPR-17Aの広領域ボイド実験およびナトリウムボイド・ドロワーオシレーター実験について実験データの整理・調査を行なった。(6)ZPPR-12の臨界性評価を行なった。C/E値は、プレート燃料体系で1.0200であった。一方、中心ピンゾーン体系では、1.0180、周辺ピンゾーン体系では、1.0193となり、ピンプレート体系のC/E値は(0.2+-0.1)%の違いで一致した。その他、Naボイド、反応率分布についても同様にピン-プレート体系におけるC/E値の比較を行った。(7)ZPPR-17Aの実験データをサンプルとして、実験データのデータベース化の検討を行なった。(8)ZPPR-17Aにおけるマルチドロワー効果を評価した。臨界性に対するマルチドロワー補正は、+0.17%デルタk/kになった。
白方 敬章
Proceedings of International Conference on Nuclear Data for Science and Technology (ND 1988), p.53 - 56, 1988/00
本報告は、日米共同大型高速炉臨界実験(JUPITER-計画)を現在の炉心解析法で解析した結果に基づいて、炉心解析法の一部である核デ-タへの反映をまとめたものである。JUPITER実験解析の結果、核特性のC/E値(計算/実験)の径方向依存性、ナトリウム・ボイド反応度の過大評価などが明らかになった。その原因究明のため、感度解析さらにそれに基づいて核デ-タ修正を行った。感度解析の結果、現在の設計の大型炉心では239Pu核分裂断面積と238U吸収断譴責が他の断面積に比べて圧倒的に大きい感度を、核時性に対して有していることが分かった。次に、積分実験値を用いての核デ-タ修正の結果、239Pu核分裂断面積を10KeV以下で2%高くすべきこと、238U吸収断面積を1KeV1MeVの範囲で6%低くすべきことが明らかになった。
白方 敬章*; 三田 敏男*; 中島 文明*
PNC TN2410 87-006, 291 Pages, 1987/05
大型高速増殖炉の炉心設計上必要な情報を得るために、JUPITER-3計画(PNC-DOE共同研究)が開始された。実験計画の検討、関連データの整理・検討および予備的な解析を実施し、以下の成果を得た。(1)最初の実験体系ZPPR-17A(軸方向非均質炉心)について、米国と協議の上、実験計画(実験体系、実験項目等)を日本実験計画案を基にして決定した。ZPPR-17A体系の炉心構成に関するデータを入手・整理し、当初の計画通りに実験が実施されていることを確認した。(2)JUPITER-3実験解析に適した解析手法を選定した。また、セル定数作成法などの今後の解析に適用すべき詳細解析手法についても検討した。さらに、ZPPR-17Aの臨界性予備解析の結果、そのC/E値(計算/実験)はZPPR-9(均質炉心)に比べて約0.1%低めの値となった。(3)JUPITER-3関連情報(ZPPR-12および13D)を整理・検討し、各実験の着目点および大型炉炉心設計への反映を考えて解析すべき測定項目を明確にした。また、ZPPR-12実験の解析手法の検討および予備的な解析を実施した。今回の結果ではピン・プレート体系間のC/E値の相違は0.1%k程度でピン体系の方が小さいことが示された。この結果は同種のCADENZAと呼ばれる国際ベンチマーク解析結果であるピン・プレート体系間のC/E値の傾向(ピン系が0.150.82k大きい)と異なることが分った。(4)過去のJUPITER-1、2およびFCA実験の成果を総合評価し、JUPITER-3計画の実験方法および解析方法に対する留意事項をまとめ、上記(1)、(2)に反映した。
岡林 邦彦*; 渡辺 章*; 白方 敬章*; 甲野 啓一*; 松野 義明*; 望月 恵一
PNC TN253 85-01, 119 Pages, 1984/12
1.ナトリウム用機器構造設計法の現場岡林邦夫 2.高速炉安全評価手法の進展渡辺章 3.大型炉心核設計上の課題白方敬章 4.燃料開発-照射実績の反映甲野啓一 5.高速炉実験炉「常陽」の運転成果と将来展望松野義明 6.研究開発の今後の方向望月恵一
弘田 実彌; 中野 正文; 飯島 進; 白方 敬章
Nuclear Science and Engineering, 87, p.252 - 261, 1984/00
被引用回数:2 パーセンタイル:29.94(Nuclear Science & Technology)非均質LMFBR炉心の実験的研究を軸方向に非均質構造をもつFCAVII-3集合体を使用して行なった。これらの集合体に挿入された内部ブランケットは組成、配置および厚さにおいて異なるものである。解析にはJAERI-FastセットVersion IIと2次元(R-Z)拡散コードを使用し、輸送効果を評価するためにS計算を行なった。計算と実験結果の比較によって、固有値と炉心中のPuサンプル価値は均質集合体では良く再現されるが、非均質集合体では過小評価されることが明らかになった。非均質集合体におけるUの捕獲率は、内部ブランケット中では炉心に較べて過小評価されている。非均質および均質集合体間での観測されたNaボイド価値の予測における不一致を解決するためにはさらに研究を行うことが必要である。
吉田 弘幸*; 石黒 幸雄*; 中野 正文*; 稲垣 達敏*; 関 雄次*; 井上 幸太郎*; 鈴木 聖夫*; 加藤 恭義*; 白方 敬章; 池上 哲雄
PNC TN241 84-07, 16 Pages, 1982/10
FBR炉心設計(JUPITER)専門委員会の中に標題の検討を目的とした軸非均質炉心実験検討ワーキング・グループを設立し,1982年7月から10月にかけて4回の検討会を開催した。本グループは軸方向非均質炉心に対する炉物理実験の必要性,この炉心概念の炉物理的特徴に着目した模擬実験に関する議論を行ない,一応の結論を得たのでここに報告する。本ワーキング・グループは炉心概念の優劣を議論し,決定する場ではなく,明確かつ決定的な次点の指摘がないかぎり,模擬実験の意義づけと実験内容に議論を集中する立場をとった。1000MWe級高速増殖炉の設計例による均質炉心,径方向非均質炉心,軸方向非均質炉心の比較検討によると,軸方向非均質炉心は,比較的単純な炉心構成によって,適切な増殖性と高い安全性を確保する可能性を有し,均質炉心,径方向非均質炉心と比肩できる炉心概念である。軸方向非均質炉心は,内部ブランケットが炉心によって囲まれた形状を有し,内部ブランケットの軸方向および径方向の広がりの双方によって炉心結合度に影響を及ぼす。したがって,内部ブランケットの寸法,形状が出力分布,反応度価値分布に影響を及ぼす可能性が大きい。更に,炉心が内部ブランケットによって分離されていることにより,特に,制御棒部分挿入時の種々炉物理特性はこの炉心概念に特徴的なものとなる可能性が大きい。均質炉心に対するJUPITER-I,径方向非均質炉心に対するJUPITER-IIの実験とその解析によって解決する点も多々あると考えられるが,大型炉心に関する軸方向非均質炉心の炉物理実験は未だ行なわれていないので,上述軸方向非均質炉心の炉物理的特徴を考慮した模擬実験を行なう必要がある。
竹田 敏一*; 谷本 浩一*; 和地 永嗣*; 山本 敏久*; 白方 敬章*; 金城 勝哉*
PNC TN241 82-05, 89 Pages, 1982/03
大型臨界集合体での日米共同実験計画JUPITER Phase 1で行なわれた実験の一部を対象として中性子ストリーミング効果を取り入れた計算方式を用いて実験データの解析を行なった。アルベド衝突確率を用い格子計算に中性子もれを取り入れ、中性子もれの効果が反応率分布にどの程度影響するかを調べた。ZPPR-9炉心のXおよびY方向の各種反応率分布について検討した。制御棒ドロワーのような特異ドロワーの格子定数を、スーパーセルにおける反応率を保存するように決める方法を用い、ZPPR-10Aのピンロッドの制御棒価値を計算し、ドロワー内の非均質性に基づくスミアリング効果並びに輸送効果を求めた。ドロワー内の非均質性を直接炉心計算に取り入れた基準計算結果と比較し、実効格子断面積の有効性について検討した。また、ZPPR-10Cの希釈物質の反応度価値を輸送および拡散計算で求め測定値と比較した。拡散計算でBenoistの拡散係数および統一拡散係数を用いた場合の結果を比較検討した。
白方 敬章; 三田 敏男*; 後藤 義則*; 黒井 英雄; 弘田 実彌
JAERI-M 9931, 41 Pages, 1982/02
高速原型炉「もんじゅ」の外側炉心の組成を模擬したFCA Vl-1集合体において各種のNa void効果、具体的にはチャンネル閉塞効果、軸方向分布、中心Void効果、広領域Void効果等を測定した。一方AGLIライブラリー、JAERI-Fastセット等を用いて測定結果の解析を行った。その結果、中心Na Void効果の問題点か明らかになり、中心Void効果の解析のためには詳細群の取り扱いが必要であること、Naの3KeVの共鳴の断面積の大きさが重要な役割を演じていること、そしてAGLI/0およびAGLI/1ライブラリーのNaの断面積には問題が残されていることが明らかになった。
白方 敬章
JAERI 1270, 42 Pages, 1981/03
板状燃料高速臨界集合体における中性子拡散の異方性ならびにそれが臨海性に与える効果について調べた。まず、板状セルの拡散係数異方性を臨界実験の手法により測定する方法を提供した。それは集合体内の板状セルの方向変換に伴なう反応度変化の測定から異方性を導くという方法で、摂動論に基づいている。次に、拡散係数の異方性が集合体の臨界性に与える効果を輸送理論補正の場合と同様に等方拡散計算のkeff値に対する補正項として取扱う方法を新たに提案した。そしてその補正法を現実の板状セル高速臨界集合体に適応した結果、非等方拡散効果はReff値の予測精度に匹敵、域はそれを超えるほどの大きさであることが分かった。炉心およびブランケット共に板状セル系の場合ー0、4~ー0、8%K/K程度の値に達する。非等方拡散効果は板状セル体系の臨界性評価にとって極めて重要な補正であり、従来の非均質効果補正や輸送理論補正と同様に常に施されなければならないことが明らかになった。