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窪田 崇秀*; 高野 大地*; 小田 洋平*; Mohanty, S.*; 伊藤 啓太*; 松木 充弘*; 林田 誠弘*; Sun, M.*; 竹田 幸治; 斎藤 祐児; et al.
Physical Review Materials (Internet), 6(4), p.044405_1 - 044405_12, 2022/04
被引用回数:5 パーセンタイル:56.94(Materials Science, Multidisciplinary)This study focuses on an inverse-type Heusler alloy, MnCoGa (MCG), with a small off-stoichiometry (), showing perpendicular magnetic anisotropy (PMA). We observed a relatively large uniaxial magnetocrystalline anisotropy constant () on the order of 10 J/m at room temperature in the MCG films with a small tetragonal distortion of a few percent. X-ray magnetic circular dichroism (XMCD) was employed to get insight into the origin for the PMA. Negligible angular variation of the orbital magnetic moment evaluated using the XMCD spectra suggested a minor role of the so-called Bruno's term to . The origin of the PMA was discussed based on the second-order perturbation theory in terms of the spin-orbit coupling, and first principles calculations, claiming that the mixing of the occupied - and the unoccupied -spin states is responsible for the PMA of the MCG films.
柴山 充弘*; 村山 洋二; 武田 全康
AONSA Newsletter (Internet), 11(1), P. 20, 2019/08
JRR-3は、新規制基準適合性確認審査を平成26年9月から開始し、平成30年11月に原子炉設置変更許可を取得、令和3年2月末の運転再開を目指して、耐震工事などの準備を進めている。また、JRR-3の将来計画を検討するためのワーキンググループをいくつかの研究分野に分けて設置し、外部利用者を中心に検討を進めていただいていたが、この度、2通目となる報告書が提出された。今後、これらの報告書をたたき台として、施設(原子力機構と東京大学物性研究所)と利用者の間での議論を深めて行き、JRR-3の将来計画を打ち出す予定である。
鈴木 光弘; 竹田 武司; 中村 秀夫
JAEA-Research 2009-057, 188 Pages, 2010/02
加圧水型原子炉(PWR)頂部の小破断冷却材喪失事故を模擬し、高圧注入系(HPI)不作動時のアクシデントマネジメント策の効果を調べるため、ROSA-V計画の大型非定常試験装置を用いて一連の破断サイズパラメータ実験(SB-PV-07, SB-PV-08)を実施した。本報では、破断サイズ1.00.1%(コールドレグ破断相当)における頂部破断LOCA事象の特徴的現象、すなわち破断口蒸気流出と頂部水位の関係,1次系保有水量と炉心露出の関係,炉心過熱を検出する炉心出口温度計(CET)の特性及び炉心と出口部の3次元蒸気流れ等を明らかにした。炉心ボイルオフ過程で623KへのCET温度上昇により開始した1.0%破断実験のHPI回復操作と、0.1%破断実験の蒸気発生器減圧操作とは、ともに炉心冷却を直ちに回復する効果を示した。
鈴木 光弘; 竹田 武司; 中村 秀夫
Journal of Power and Energy Systems (Internet), 3(1), p.146 - 157, 2009/00
本報は、LSTFで実施したOECD/NEA ROSAプロジェクトの最初の実験であるTest 6-1に関して、PWR頂部小破断LOCA模擬条件における炉心過熱検出用炉心出口温度計(CET)の特性をまとめたものである。破断サイズは1.9%コールドレグ破断相当であり、CET温度623K以上を検出した場合にアクシデントマネジメント(AM)として蒸気発生器2次系急減圧操作を開始することとした。しかし、炉心過熱状態の検出には約230sの時間遅れが生じ、またCETsと炉心最高温度部との温度乖離が大きかった。炉心と炉心出口部の3次元蒸気流れを含めてこれらの原因を解明するとともに、PWR条件でのCET特性への適用可能性と、原子炉水位計のような兆候ベースプラント計装による早期AM開始のための代替指標可能性とについて検討結果を述べた。
竹田 武司; 浅香 英明; 鈴木 光弘; 中村 秀夫
Proceedings of 12th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics (NURETH-12) (CD-ROM), 3 Pages, 2007/09
PWR圧力容器上部ヘッド1%小破断LOCAを模擬したROSA/LSTF実験のRELAP5コード解析を行い、コードの予測性能を検証した。解析では、maximum bounding theoryに基づく、二相破断流の流出係数Cdを0.61とした破断モデルを組み込んだ原子力機構改良版RELAP5/MOD3.2.1.2コードを使用した。実験を通じて、圧力容器水位が制御棒案内管(CRGT)下端の貫通孔に低下するまで上部プレナム内の冷却材はCRGTを介して上部ヘッドに流入することから、上部ヘッド水位が破断流量に多大な影響を与えることを見いだした。圧力容器上方の水位及び冷却材流れを模擬するため、上部ヘッド,上部プレナム,CRGT間の流路形状を正確にモデル化したが、コードは二相流放出過程における破断口上流のボイド率を過小評価し、破断流量を過大評価した。破断流量を予測するため二相破断流のCdを0.58に調整し、破断面積が炉心冷却に与える影響を調べた。破断面積が12.5%のうち、1%破断の場合被覆管最高温度(PCT)が最大であること、より大きい破断の場合蓄圧注入水上の蒸気凝縮がループシールクリアリングを誘発し、効果的に炉心冷却を促進するため、PCTが1200K以下に抑えられる可能性があることを示した。
鈴木 光弘; 竹田 武司; 浅香 英明; 中村 秀夫
JAEA-Research 2007-037, 150 Pages, 2007/03
ROSA-V計画で、PWR小破断冷却材喪失事故を模擬したLSTF実験(SB-PV-06)を実施し、以前に行った実験との比較により、高圧注入系の不作動と蓄圧注入系からの非凝縮性ガス流入を想定した場合に、アクシデントマネジメント(AM)策の1つである2次系急減圧操作の実施時期が炉心冷却に及ぼす影響を調べた。破断口は原子炉容器底部の計装管10本破断を模擬したが、これはコールドレグ0.2%破断に相当する。次の点が明らかになった。(1)急減圧操作は炉容器水位が1次系配管以下に低下した時点(4545s)で開始したが、流入ガスにより減圧が阻害され、低圧注入系作動以前に全炉心露出に至った。(2)急減圧開始の代替方策として、蒸気発生器出口プレナムの水位低下検出(2330s)によると、炉心露出は限定されるため、より有効なAM策の指標になると予測される。本報告書は、本実験結果とこれらの急減圧操作開始時期の効果をまとめたものである。
鈴木 光弘; 竹田 武司; 浅香 英明; 中村 秀夫
JAEA-Research 2006-072, 144 Pages, 2006/11
ROSA-V計画における加圧水型原子炉(PWR)の底部計装管小破断冷却材喪失事故(SBLOCA)模擬実験の1つとして、全高圧注入系不作動時のアクシデントマネジメント策と蓄圧注入系からのガス流入防止の効果を検証する実験(SB-PV-05)を実施した。使用装置は大型非定常試験装置(LSTF)で、計装管9本破断を想定し、AM策として蒸気発生器(SG)逃がし弁による定率(-55K/h)減圧と補助給水系の30分間作動を実施した。この結果、炉心露出に至ることなく低圧注入系(LPI)が作動し、長期冷却条件を確保した。AISガス流入を想定した類似SB-PV-03実験に比較して、SBLOCA時のAM策有効性にガス流入防止措置が大変重要であることを示した。
鈴木 光弘; 竹田 武司; 浅香 英明; 中村 秀夫
JAEA-Research 2006-018, 140 Pages, 2006/03
大型非定常試験装置を使用したROSA-V計画において、加圧水型原子炉(PWR)の小破断冷却材喪失事故模擬実験を実施し、全高圧注入系不作動時に重要なアクシデントマネジメント(AM)策の炉心冷却効果を調べた。原子炉底部計装管10本破断を模擬した実験(SB-PV-04)で、蒸気発生器逃がし弁全開操作と補助給水作動によるAM策は、蓄圧注入系からの非凝縮性ガス流入による著しい減圧阻害にもかかわらず、低圧注入系が作動して炉心露出防止に効果的であることを示した。AM策として1次系冷却速度-55K/hの減圧操作を実施した前実験では炉心露出に至ったことに比較し、急減圧操作は1次系保有水量を多く保存する効果があり、炉心冷却上有用であることを明らかにした。
武田 聖司; 菅野 光大*; 佐々木 利久*; 水無瀬 直史*; 木村 英雄
JAEA-Data/Code 2006-003, 137 Pages, 2006/02
今後、規制行政庁によるクリアランスレベル導出の対象となる放射性廃棄物として、半減期が極めて長く、崩壊連鎖を伴う放射性核種を有意に含むウラン廃棄物,TRU核種を含む放射性廃棄物(TRU廃棄物)等が考えられ、当該廃棄物に対するクリアランスレベル導出のための評価手法を整備する必要がある。ウラン廃棄物,TRU廃棄物の特徴として、時間経過とともにその子孫核種が生成及び累積(ビルドアップ)することで、放射線影響が長期にわたる可能性があること、また、ウラン系列における気体状の子孫核種であるラドンが生成し、条件によっては有意な被ばく線量を与えることなどが考えられる。こうしたウラン廃棄物及びTRU廃棄物の特徴を踏まえたクリアランスレベルの導出を可能とするために、既存の原子炉施設等を対象としたクリアランスレベル評価コードシステムPASCLRの改良及び拡張を進め、2次版PASCLRのコードシステムとして整備した。また、PASCLRでは、評価パラメータのばらつき(不確かさ)がクリアランスレベルへ与える影響の定量化を目的としたモンテカルロ法による確率論的解析が可能である。本報告書は、PASCLRコードシステムの構成,各評価シナリオにおけるモデル,コードを使用する際に必要な入力マニュアル,入出力例などを取りまとめたものである。
鈴木 光弘; 竹田 武司; 浅香 英明; 中村 秀夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 43(1), p.55 - 64, 2006/01
被引用回数:10 パーセンタイル:56.9(Nuclear Science & Technology)原研のROSA-V/LSTFを用いてPWRの原子炉容器底部計装管破断を模擬する小破断LOCA実験を行い、高圧注入系不作動時にアクシデントマネージメント(AM)策として行う蒸気発生器(SG)の2次系減圧を通じた1次系冷却操作に、蓄圧注入系(AIS)から流入する非凝縮性ガスが及ぼす影響を明らかにした。AISからガス流入がない場合の計装管9本破断実験では、工学的安全施設作動(SI)信号から10分後に定率(-55K/h)のSG減圧を開始することで、低圧注入系(LPI)を作動させることができた。しかしガス流入を想定した計装管10本破断実験では、SG伝熱管の凝縮熱伝達が低下して1次系減圧が阻害され、LPIの作動以前に炉心露出が生じた。これに対し、SGの2次系逃がし弁全開による急減圧と補助給水系の連続作動を仮定した実験では、炉心露出以前にLPIが作動し長期冷却の可能性を示した。これらのガス流入によるSG伝熱管内凝縮熱伝達阻害についてRELAP5/MOD3コードを用いた解析を行い、実験結果をよく再現できた。さらに、PWRの事故過程を的確にとらえ、AM策の実施判断を行ううえで、1次系圧力と保有水量を指標とするマップが有用なことを示した。
鈴木 光弘; 竹田 武司; 浅香 英明; 中村 秀夫
日本機械学会2005年度年次大会講演論文集, Vol.3, p.223 - 224, 2005/09
PWR冷却材喪失事故(LOCA)時における運転員の的確なアクシデントマネジメント(AM)操作に必要な原子炉計装として、保有水量検出システムと炉心出口温度計(CET)を取り上げ、それらの特性に関する実験結果を述べる。原研のROSA-V/LSTF実験施設を使用した実験では原子炉底部小破断LOCAを模擬し、高圧注入系の不作動と蓄圧注入系からの非凝縮性ガス流入がある場合に、AM策の1つである2次系減圧の効果について明らかにした。その中で水位計3種による保有水量検出システムは、初期状態から炉心露出に至る過程で大部分の保有水変化を検出した。また炉心過熱条件を検出するためのCETの特性は、2次系減圧操作時の凝縮水流下により著しく阻害された。
鈴木 光弘; 竹田 武司; 浅香 英明; 中村 秀夫
JAERI-Research 2005-014, 170 Pages, 2005/06
大型非定常試験装置(LSTF)を使用したROSA-V計画において、加圧水型原子炉(PWR)の小破断冷却材喪失事故(SBLOCA)模擬実験を実施し、高圧注入系(HPI)不作動時に重要なアクシデント・マネージメント(AM)策の炉心冷却効果を調べた。LSTFはウェスティングハウス社の4ループPWR(3423MWt)を実高,容積比1/48で模擬する装置である。この実験(SB-PV-03)では、PWRコールドレグ0.2%破断に相当する原子炉容器底部計装管10本破断を模擬し、HPIの不作動と蓄圧注入系(AIS)からの非凝縮性ガス流入を想定し、定率-55K/hでの2次系減圧と30分間の補助給水(AFW)作動を運転員のAM操作として実施した。その結果、これらのAM操作はAIS注入終了圧力1.6MPaまでは1次系減圧に効果的であったが、その後、非凝縮性ガスが流入したため減圧効果は低下した。このため低圧注入系(LPI)の作動開始が遅れ、破断口では水流出が継続していたので全炉心露出に至った。本報ではこれらの熱流動現象に加え、1次系保有水量の推移及びAM操作と関連づけた炉心加熱挙動、1・2次系間の熱伝達及び1次系ループへの非凝縮性ガス流入等に関する解析結果について述べる。
竹田 武司; 浅香 英明; 鈴木 光弘; 中村 秀夫
Proceedings of 13th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-13) (CD-ROM), 8 Pages, 2005/05
制御棒駆動装置貫通ノズルの周方向のクラックは、PWRの小破断LOCAを引き起こす可能性がある。しかし、原子炉容器上部ヘッド小破断LOCAに関する実験的及び解析的研究は少ない。このため、LSTFを用いて、破断サイズ0.5%の上部ヘッド小破断LOCA模擬実験を行った。実験において、上部ヘッドにおける蓄水が、破断流量を制御する現象となることを見いだした。制御棒案内管の貫通孔近傍が蒸気中に露出するまで、制御棒案内管を介して、上部プレナム内の冷却材は上部ヘッドに流入した。また、二相流放出過程において、上部ヘッドコラプスト水位の振動現象が見られた。RELAP5/MOD3コードは、二相流放出過程における破断流量を過大評価し、実験より早く炉心のボイルオフが開始した。そこで、二相流放出過程における放出係数を破断流量の測定値と比較し補正することにより、上部プレナムと炉心のコラプスト水位は実験結果とよく一致した。この二相流放出係数を用いて、高圧注入系不作動条件下で破断面積が炉心冷却に与える影響を調べた。破断面積が1.52.5%の場合、1次系圧力が蓄圧注入系の作動圧力まで低下することにより、炉心の温度上昇が抑制される可能性があることを示した。
鈴木 光弘; 竹田 武司; 浅香 英明; 中村 秀夫
Proceedings of 6th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics, Operations and Safety (NUTHOS-6) (CD-ROM), 14 Pages, 2004/10
原研のROSA-V/LSTFを用いてPWRの原子炉容器底部計装管破断を模擬する小破断LOCA実験を行い、高圧注入系(HPI)不作動時にアクシデント・マネージメント(AM)策として行う蒸気発生器(SG)の2次系減圧を通じた1次系冷却操作に、蓄圧注入系から流入する非凝縮性ガスが及ぼす影響を明らかにした。蓄圧注入系からのガス流入がない場合を想定したコールドレグ0.18%破断に相当する計装管9本破断実験では、工学的安全施設作動(SI)信号から10分後に定率(-55K/h)のSG2次系減圧を開始することで、低圧注入系(LPI)を作動させることができた。しかしガスの流入を想定した計装管10本破断実験では、SG U字管の凝縮熱伝達率が低下して1次系減圧が阻害され、LPIの作動以前に炉心露出が生じた。これに対し、SGの2次系逃がし弁全開による急減圧と補助給水系の連続作動を仮定したパラメータ実験では、炉心露出以前にLPIが作動して長期冷却の可能性を示した。このようなガス流入によるSG伝熱管内の凝縮熱伝達阻害についてRELAP5/MOD3コードを用いた解析を行い、実験結果をよく再現できた。さらに、PWRの事故過程を的確にとらえAM策の実施判断を行ううえで、1次系圧力と保有水量を指標とするマップが有用なことを示した。
菅野 光大*; 武田 聖司; 水無瀬 直史; 加藤 英雄; 木村 英雄
JAERI-Conf 2004-011, p.131 - 132, 2004/07
ウラン廃棄物及びTRU廃棄物の将来の安全かつ合理的な処理処分システムを確立するため、U-234やU-238に代表される、ラドンガスの発生や評価の長期性等の対象廃棄物の特徴を踏まえた評価手法によって、当該廃棄物にかかわる埋設処分方式別の濃度区分値、及びクリアランスレベルについて検討する必要がある。本研究では、対象廃棄物のクリアランスレベル試算を目的として、ラドンガスの発生や評価の長期性等の対象廃棄物の特徴に対応した確率論的な評価コードシステムを整備した。そして、この評価コードによる確率論的解析の結果から、評価パラメータ及び長期評価に伴うシナリオ設定の不確かさがクリアランスレベルに与える影響を検討した。
武田 聖司; 菅野 光大; 水無瀬 直史; 木村 英雄
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(8), p.929 - 937, 2002/08
超寿命で崩壊連鎖を伴うウラン廃棄物の浅地中処分に対する決定論及び確率論的安全評価モデルの開発を行った。決定論的解析から、長期的な放射線影響評価の観点から重要となる被ばく経路及び評価シナリオを明らかにした。さらに、重要な評価シナリオを対象に、確率論的手法によるパラメータ不確かさ解析を実施し、パラメータ重要度とパラメータ不確かさの影響を定量的に明らかにした。
石野 雅彦; 依田 修; 葉石 靖之*; 有元 史子*; 武田 光博*; 渡辺 精一*; 大貫 惣明*; 阿部 弘亨
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 41(5A), p.3052 - 3056, 2002/05
被引用回数:12 パーセンタイル:45.87(Physics, Applied)軟X線反射鏡用Mo/Si多層膜の構造を評価するため、高分解能断面TEM観察及びX線回折測定を行った。また、TEM観察から示唆される多層膜モデルを用いて、X線反射率測定結果に対するシミュレーション計算を行い、多層膜の界面構造及び各層の膜厚,密度を定量的に評価した。その結果、Mo層の結晶性であり、Mo層厚が8nm以下のときは、Mo結晶粒径が層厚に一致することを見いだした。また、Mo/Si多層膜の界面に形成される混合層は、Si層側に形成されること,混合層の層厚は、Mo層とSi層の膜厚比にかかわらず約1.4nmであることがわかった。そして、Mo-on-Si界面に形成される混合層の層厚と密度は、Si-on-Mo界面に形成される混合層よりも大きく、Mo層とSi層の密度は、それぞれのバルク密度に比べて僅かに小さいことを見いだした。
武田 光博*; 大貫 惣明*; 渡辺 精一*; 阿部 弘亨; 楢本 洋; P.R.Okamoto*; N.Q.Lam*
Mat. Res. Soc. Symp. Proc., 540, p.37 - 42, 1999/00
共有結合系物質のSi多結晶体でのイオン照射による相安定性について論ずるため、Siの結晶粒界での非晶質化過程に対する、不純物及び応力の効果について電子顕微鏡を用いて調べた結果である。引張応力の印加や不純物としてのB添加は、いずれも照射欠陥の易動度を下げて、粒界での非晶質化を抑制することを明らかにした。
竹田 武司; 鈴木 光弘; 浅香 英明; 中村 秀夫
no journal, ,
米国Davis Besse炉の原子炉圧力容器(PV)頂部破断は安全上の課題を提起した。制御棒駆動装置貫通ノズルの周方向のクラックは、PWRの小破断LOCAを引き起こす可能性がある。そのため、ROSA/LSTFを用いて高圧注入系(HPI)全故障を伴うPV頂部破断LOCAの模擬実験を行い、関与する熱水力現象を調べた。PV頂部の破断口はコールドレグ破断1%相当のサイズとした。実験において、上部プレナム内の冷却材は、上部ヘッドと上部プレナムをつなぐ制御棒案内管(CRGT)を介して上部ヘッドに流入し、流入はPV内水位がCRGT下端近傍の上部プレナム貫通孔まで低下するまで継続した。破断口での二相放出時には、蒸気発生器逃がし弁の周期的開閉に起因した上部ヘッド内の振動的な水位挙動が破断流量に影響を及ぼすこと、さらに、RELAP5/MOD3.2コードは、上部ヘッドの水位挙動や破断流量の予測に課題があることがわかった。
鈴木 光弘; 竹田 武司; 浅香 英明; 中村 秀夫
no journal, ,
OECD/NEA ROSAプロジェクト等で実施したPWR事故時のアクシデントマネジメント策の有効性を調べるROSA/LSTF実験において、原子炉頂部破断を模擬した場合の炉心過熱条件下で、制御棒クラスタ案内管に集中流入する高温の蒸気流と、炉心外周部等の非加熱構造材による低温の蒸気流によると考えられる炉心温度分布が検出された。この3次元蒸気流れと、炉心出口での過熱温度検出への影響について報告する。