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山本 風海; 金正 倫計; 林 直樹; Saha, P. K.; 田村 文彦; 山本 昌亘; 谷 教夫; 高柳 智弘; 神谷 潤一郎; 菖蒲田 義博; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 59(9), p.1174 - 1205, 2022/09
被引用回数:5 パーセンタイル:87.42(Nuclear Science & Technology)J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)は、最大1MWの大強度ビームを25Hzという早い繰り返しで中性子実験及び下流の主リングシンクロトロンに供給することを目的に設計された。2007年の加速器調整運転開始以降、RCSではビーム試験を通じて加速器の設計性能が満たされているかの確認を進め、必要に応じてより安定に運転するための改善を行ってきた。その結果として、近年RCSは1MWのビーム出力で連続運転を行うことが可能となり、共用運転に向けた最後の課題の抽出と対策の検討が進められている。本論文ではRCSの設計方針と実際の性能、および改善点について議論する。
今井 洋輔*; 常磐 祐平*; 上野 周作*; 谷田 肇; 渡辺 巖*; 松原 弘樹*; 瀧上 隆智*; 荒殿 誠*
Bulletin of the Chemical Society of Japan, 91(10), p.1487 - 1494, 2018/10
被引用回数:2 パーセンタイル:8.1(Chemistry, Multidisciplinary)吸着界面活性剤フィルムの極性基への二成分混合対イオンの競合結合を、全反射X線吸収微細構造(XAFS)分光法によって溶液表面で調べた。臭化物対イオンについて得られたEXAFSスペクトルは、完全に水和した臭化物イオン(バルクフリーBr)および界面活性剤イオンの極性基に結合し、部分的に脱水した臭化物イオン(束縛Br)のスペクトルの線形結合であった。対イオン混合系における束縛Brの割合から、トリメチルアンモニウム(TA)および3-メチルイミダゾリウム(MIM)極性基について、対イオン結合の2つの相対強度を提案した。(a)TA-SO TA-Cl TA-Br TA-BFと(b) MIM-Br TA-Br TA-BF MIM-BFである。TA極性基の場合、極性基の水和結合と対イオンの組み合わせは、コリンズの法則に従ってシリーズ(a)が得られ、これはイオンの水和エンタルピーの絶対値の組み合わせたときに、接触イオン対形成の傾向が大きくなることを示す。MIM極性基については、MIM極性基と対イオンとの間の水素結合の数が重要であり、これは、MIM極性基に対する対イオンと水の相互作用の競合のためにシリーズ(b)が得られる。
武内 伴照; 柴田 裕司; 花川 裕規; 上原 聡明*; 上野 俊二*; 土谷 邦彦; 熊原 肇*; 柴垣 太郎*; 駒野目 裕久*
JAEA-Technology 2017-026, 26 Pages, 2018/02
原子力施設でシビアアクシデントが発生した際に、プラント状態を監視し、緊急時対応を円滑に実施するためには、信頼性の高い伝送技術が必要である。本研究では、水中で伝送可能な可視光無線伝送システムの構築を目指して、LEDやフォトダイオード等の光学部品に対して10Gyまでのガンマ線の照射による影響を調べた。その結果、LEDは全光束が減少するとともに樹脂レンズ部が着色した。フォトダイオードの電流-電圧特性にはほとんど変化は無かった。フォトダイオードは、受光感度が減少するとともに窓材の樹脂が着色したが、暗電流は伝送に悪影響を与えるほどの大きさにはならなかった。これらの結果から、両素子を無線伝送システムに適用する場合に考慮すべき特性劣化の主因は、半導体部分の劣化ではなく、樹脂の着色によって発光及び受光量が減少することによるものであることが示唆された。また、発光・受光回路部を環境から隔離するための窓材や、外乱ノイズ光を軽減するための光学フィルタとして、各種ガラスについてもガンマ線照射による透過率の減少を評価し、伝送システムの構築に向けた基礎データを取得した。
岡部 晃大; 山本 風海; 神谷 潤一郎; 高柳 智弘; 山本 昌亘; 吉本 政弘; 竹田 修*; 堀野 光喜*; 植野 智晶*; 柳橋 亨*; et al.
Proceedings of 14th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.853 - 857, 2017/12
J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)には、ビーム損失を局所化し、機器の放射化を抑制するためにビームコリメータが設置されている。RCSにて加速中に広がったビームハローは、すべてコリメータ散乱体によって散乱され、吸収体部にて回収される。2016年4月のコリメータ保守作業時に吸収体部の1つで大規模な真空漏れが発生したため、代替の真空ダクトを設置することで応急的な対処を行い、ビーム利用運転を継続した。取り外したコリメータの故障原因を特定するためには、遮蔽体を解体し、駆動部分をあらわにする必要がある。しかし、故障したコリメータ吸収体部は機能上非常に高く放射化しており、ビームが直接当たる真空ダクト内コリメータ本体では40mSv/hという非常に高い表面線量が測定された。したがって、作業員の被ばく線量管理、及び被ばく線量の低減措置をしながら解体作業を行い、故障したコリメータ吸収体の真空リーク箇所の特定に成功した。本発表では、今回の一連の作業及び、コリメータの故障原因について報告する。
武内 伴照; 花川 裕規; 柴田 裕司; 上原 聡明; 上野 俊二; 熊原 肇*; 土谷 邦彦
JAEA-Review 2014-050, JAEA Takasaki Annual Report 2013, P. 33, 2015/03
水中でも伝送可能かつ耐放射線性をもつ可視光無線伝送システムの構築を目指して、LEDとフォトダイオード(PD)の線照射効果の評価を行った。照射劣化を評価するため、照射前後で、LEDの電流電圧特性や全光束及びPDの暗電流や受光感度を測定した。その結果、照射後に、LEDは全光束が減少するとともに樹脂レンズ部が着色したが、電流電圧特性はほとんど変化は無かった。PDは、受光感度が減少するとともに窓材の樹脂が着色したが、暗電流は高々10nA以下と低い値のままであった。これらの結果から、両素子の特性劣化の主因は半導体部分の劣化ではなく、樹脂の着色によるものであることが示唆された。
小栗 英知; 長谷川 和男; 伊藤 崇; 千代 悦司; 平野 耕一郎; 森下 卓俊; 篠崎 信一; 青 寛幸; 大越 清紀; 近藤 恭弘; et al.
Proceedings of 11th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.389 - 393, 2014/10
J-PARCリニアックでは現在、ビームユーザに対する利用運転を行うとともに、リニアック後段の3GeVシンクロトロンにて1MWビームを加速するためのビーム増強計画を進めている。リニアックのビーム増強計画では、加速エネルギー及びビーム電流をそれぞれ増強する。エネルギーについては、181MeVから400MeVに増強するためにACS空洞及びこれを駆動する972MHzクライストロンの開発を行ってきた。これら400MeV機器は平成24年までに量産を終了し、平成25年夏に設置工事を行った。平成26年1月に400MeV加速に成功し、現在、ビーム利用運転に供している。ビーム電流増強では、初段加速部(イオン源及びRFQ)を更新する。イオン源はセシウム添加高周波放電型、RFQは真空特性に優れる真空ロー付け接合タイプ空洞をそれぞれ採用し、平成25年春に製作が完了した。完成後は専用のテストスタンドにて性能確認試験を行っており、平成26年2月にRFQにて目標の50mAビーム加速に成功した。新初段加速部は、平成26年夏にビームラインに設置する予定である。
國丸 貴紀; 見掛 信一郎; 西尾 和久; 鶴田 忠彦; 松岡 稔幸; 石橋 正祐紀; 上野 孝志; 徳安 真吾; 大丸 修二; 竹内 竜史; et al.
JAEA-Review 2012-020, 178 Pages, 2012/06
日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本計画は、「第1段階; 地表からの調査予測研究段階」、「第2段階; 研究坑道の掘削を伴う研究段階」、「第3段階; 研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなり、2010年度は、第2段階である「研究坑道の掘削を伴う研究段階」を進めるとともに、第3段階(研究坑道を利用した研究段階)の調査研究を開始した。本報告書は、2002年2月に改訂した「超深地層研究所地層科学研究基本計画」に基づき、超深地層研究所計画の第2段階「研究坑道の掘削を伴う研究段階」及び第3段階(研究坑道を利用した研究段階)における2010年度に実施した(1)調査研究、(2)施設建設、(3)共同研究等の成果を取りまとめたものである。
榊 泰直; 西内 満美子; 余語 覚文; Bolton, P.; 堀 利彦; 近藤 公伯; 西藤 文博; 上野 正幸; 高橋 博樹; 岩瀬 宏*; et al.
Proceedings of 1st International Particle Accelerator Conference (IPAC '10) (Internet), p.94 - 96, 2010/05
原子力機構では、光医療研究連携センターにてレーザー駆動型陽子線治療器の概念設計を行っている。この装置を開発するうえでは、装置の放射線遮蔽の問題に対応するためのベンチマークテストが実施されなければならない。そこで、原子力機構が開発したモンテカルロ型イオンビーム輸送コード(PHITS)の計算結果と実際の線量装置をガラス線量計で計測して、レーザー駆動型陽子線が発生する線量の評価を行った。
廣木 成治; 林 直樹; 川瀬 雅人; 野田 文章; Saha, P. K.; 佐甲 博之; 高橋 博樹; 上野 彰; 荒木田 是夫*; Lee, S.*; et al.
Proceedings of 11th European Particle Accelerator Conference (EPAC '08) (CD-ROM), p.1131 - 1133, 2008/06
RCSの入射部に設置した6台のマルチワイヤープロファイルモニターを用い、初期のビーム調整運転で入射軌道を確立することができた。Hビーム検出用に直径0.1mmの金被覆タングステン線を窓型のセラミック枠に垂直と水平方向に取付け(傾き17.7度、主として2.9mmか9.5mm間隔で合計51本)、この枠をステッピングモーターにて垂直か水平方向に駆動させる。この傾き17.7度のタングステン線と精密駆動機構により2段階の測定が可能となる。すなわち、最初はセンサー枠を測定位置に固定し1発のビームでおおまかなビーム形状を捉え、次の段階でビーム入射タイミングに合わせてセンサー枠を駆動し(主として101発に同期させて0.1mm間隔で10mm駆動)詳細なビーム形状を測定する。タングステン線をビームが貫通することにより発生した電荷信号は信号処理回路により増幅,積分,保持され、その保持信号はマルチプレクサにより順次読出されてガウス分布近似曲線で補間される。
佐藤 進; 富澤 哲男; 廣木 文雄; Lee, S.*; 五十嵐 前衛*; 池上 雅紀*; 上野 彰; 近藤 恭弘; 長谷川 和男; 外山 毅*; et al.
Proceedings of 1st Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan and 29th Linear Accelerator Meeting in Japan, p.467 - 469, 2004/08
J-PARC LINACではビーム位置検出器(BPM)として、ビーム輸送用チェンバー上にストリップ型ピックアップ電極(50)を設置した構造を用いる。較正は(1)(ビーム模擬用に加速周波数324MHzを印加した)ワイヤによる設置前スキャン,(2)ビームを用いた設置後スキャン(BBC)の2段階である。電極形状設計とともに、既に初歩的な結果を得ているBBCを含め、ビーム位置測定の系統的較正について報告する。
佐藤 進; 五十嵐 前衛*; Lee, S.*; 富澤 哲男; 廣木 文雄; 木代 純逸; 池上 雅紀*; 近藤 恭弘; 長谷川 和男; 上野 彰; et al.
Proceedings of 22nd International Linear Accelerator Conference (LINAC 2004), p.429 - 431, 2004/00
現在建設中のMWクラス大強度陽子加速器(J-PARC)においては、ビームロスを最小限に抑えることが必要である。これに伴い、数100マイクロメーター以下程度でビームの軌道の監視・制御が必要になる。加速初段はLINACを用いるが、ここでのビーム位置検出器はストリップライン型の電極(50オーム)を用いる。本論文ではLINACビーム位置検出器の系統的較正について報告する。
島倉 宏典; 川北 至信; 稲村 泰弘; 菊地 龍弥; 上野 広樹; 中村 充孝; 中島 健次; 河村 聖子; 柴田 薫; 新井 正敏; et al.
no journal, ,
カルコゲン-ハロゲン系は1:1組成において非常に低い融点を有する。同組成においてSeBrは、Se鎖の両端にBrを持つBr-Se-Se-Brの分子を形成し、その結合角は104で、二面角が83であると報告されている。また、SeBrは分子間配向相関が強く、高密度で、分子が自由に回転できない状態であると考えられている。われわれは今回MLF/J-PARCにおいてAMATERAS分光器を用いてSeBrの準弾性散乱測定を行った。測定温度は298K, 373K, 473Kである。分子間相関をあらわす特定のQ値におけるS(Q,E)は速い緩和と遅い緩和という二つの成分を持つことがわかった。本講演では、この二つの成分に対する解析を含む、準弾性散乱の詳細な解析結果を議論した。
中村 充孝; 島倉 宏典; 上野 広樹; 川北 至信; 新井 正敏; 河村 聖子; 中島 健次; 菊地 龍弥
no journal, ,
典型的な超イオン伝導物質であるAgIの結晶相の違いに起因するダイナミクスの変化を明らかにするため、中性子非弾性散乱実験により動的構造因子を詳細に解析した。その結果、2meV以下の低エネルギー領域において2近傍の強度が420K以上で急激に増加することを見いだした。さらに、この強度の温度依存性はAgIにおける直流イオン伝導度の温度依存性とかなり良い一致を見せることもわかった。特異な低エネルギー励起の観点から、超イオン伝導物質におけるイオン伝導機構の統一的解釈が可能になるかもしれない。
川北 至信; 大友 季哉*; 上野 広樹; 坪田 雅己*; Kumara, L. S. R.*; 大下 英敏*; 鈴谷 賢太郎
no journal, ,
Ag(GeSe)は広いガラス形成組成域を持つ物質で、とりわけx=0.3以上の組成でイオン伝導度が著しく高くなる超イオン伝導ガラスである。この構造モデルは既に逆モンテカルロ法により提案されているが、ミクロ相分離の傾向を示すことが新たにわかってきているので、広い波数領域にわたる構造因子を測定することにより、この構造モデルの確からしさを精査する必要がある。そこでJ-PARCの物質・生命科学実験施設のBL21ビームラインに設置された中性子全散乱装置により、種々の組成でガラス構造の測定を行った。これは新エネルギー・産業技術総合開発機構水素貯蔵材料先端基盤研究事業による研究である。
上野 広樹; 川北 至信; 尾原 幸治*; 島倉 宏典; 田原 周太*; Kumara, L. S. R.*; 山口 展史*; 安永 晃教*; 脇阪 有衣子*; 伊藤 真義*; et al.
no journal, ,
ビスマス-亜鉛系は、BiZn組成を臨界組成とする二液相分離領域を有する系である。こうした相分離領域に近づくとき濃度揺らぎが大きくなることはよく知られている。先行研究では、相分離の原因として、BiとZnの原子サイズの差を挙げている。最近の実験装置や解析手法の発展により、部分構造や、原子配置が理解できるようになってきた。われわれは液体BiZnの中距離構造に見られる揺らぎに着目し、JRR-3M原子炉に東北大学が設置しているHERMES回折計を用いた中性子回折実験、及びSPring-8L08ビームラインを用いた高エネルギーX線回折測定を行った。逆モンテカルロ法による構造モデリングの結果、中距離構造の濃度揺らぎが温度降下とともに大きくなる様子が観測された。
柴田 薫*; 高橋 伸明; 川北 至信; 蒲沢 和也*; 山田 武*; 上野 広樹; 島倉 宏典; 中島 健次; 神原 理; 稲村 泰弘; et al.
no journal, ,
現在、J-PARC物質・生命科学実験施設(MLF)BL02に建設が進められている、ダイナミクス解析装置DNA分光器は、本邦初めてのSi完全結晶ウエハを結晶アナライザーに用いる背面反射逆転配置飛行時間型分光器である。装置の建設作業完成は、平成23年11月末を目標として、その後コミッショニングを行い、平成24年3月末以降供用運転を開始できるように工程を調整している。現在ビームライン遮蔽体,本体遮蔽体設置がほぼ終了した状態である。今後、ガイド管, チョッパー, 本体真空槽, 分光器内分光機器, 中性子検出器等の設置・調整を行い、その後コミッショニング測定を行い装置パラメータの調整を行う予定である。また、平行して分光器の性能をおもに決定するSi単結晶ウエハを貼り付けた超精密球面アナライザーユニットの製作工程を進めている。
島倉 宏典; 川北 至信; 稲村 泰弘; 菊地 龍弥; 上野 広樹; 中村 充孝; 中島 健次; 河村 聖子; 柴田 薫*; 新井 正敏; et al.
no journal, ,
セレンと臭素の混合系は1:1組成で非常に融点が低くなる共晶型の相図を示す。同組成において、セレンは2配位鎖状構造を有し、臭素がその終端に結合して、Br-Se-Se-Brの形で分子を形成すること、隣接2分子間にSe-Se軸を平行にする配向相関があることが中性子回折実験の結果からわかっている。今回われわれは、SeBrの動的構造を明らかにするため、液体SeBrの中性子準弾性散乱の温度変化をJ-PARC/MLFのパルス中性子を用いて、エネルギー分解能に優れた冷中性子ディスクチョッパー型分光器(AMATERAS, BL14)で測定した。解析の結果、速い緩和モードと遅い緩和モードが存在すること、前者が温度上昇とともに強度が上がるのに対し、後者は減少するなど、モードの温度依存性の振る舞いが異なることがわかった。
上野 広樹; 川北 至信; 尾原 幸治*; 田原 周太*; 小原 真司*; 伊藤 真義*; 武田 信一*
no journal, ,
Bi-Sn合金系は43:57の組成で融点極小を取る広い共晶領域を持つ特性から、一般的な鉛フリーはんだの母材として用いられる。われわれはこれまでBi-Sn合金系が共晶組成を持つ要因について、この共晶点BiSnの液体構造の視点から研究してきた。その結果BiSnの液体中では比較的一様にSn原子が分布する一方、Bi原子同士がより近づいている領域が揺らいで分布している様子を再現した。われわれはこのような作用がより強まった場合に液体は相分離するのではないかと考え、Biを含有する液体金属のうち相分離傾向を示すBi-Zn系の中距離構造と比較するため、その液体構造を調べた。液体BiZnに対してSPring-8/BL08Wで高エネルギーX線回折実験(HEXRD)、JRR-3M/HERMESで中性子回折実験(ND)を行い、その温度変化を測定した。回折実験から得られた構造因子S(Q)を用いて実験データを再現する構造モデルを構築するRMC構造モデリングを行い、原子の3次元配置を解析したところ、特にZnが液体中で集まり中距離的な揺らぎを形成している様子が見られた。
川北 至信; 大友 季哉*; 上野 広樹; 坪田 雅己*; Kumara, L. S. R.*; 大下 英敏*; 鈴谷 賢太郎; 武田 信一*
no journal, ,
超イオン伝導ガラスは固体電解質としての有用性から強い関心が持たれている。Ag(GeSe) 3元系合金に対する興味は、広いガラス形成組成域と、の組成で10S/cmから10S/cmへと急激にイオン伝導度が上昇することによる。われわれは、J-PARC・MLFのBL21に設置された全散乱中性子実験装置NOVAを用いて、広い運動量空間に渡って、Ag(GeSe)の中性子回折実験を行った。Agは5.1eVのエネルギーに中性子の共鳴吸収を有するため、装置の性能とデータ導出の方法をこの試料の測定によってチェックすることができる。この物質の構造モデルは中性子回折,X線回折,X線吸収微細構造の実験データに基づいた逆モンテカルロ構造モデリングにより既に知られているので、この構造モデルとNOVAによる広いQ領域に渡る実験データとの一貫性を確認した。この研究は、新エネルギー・産業技術総合開発機構水素貯蔵材料先端基盤研究の下で実施された。
上野 広樹; 川北 至信; 尾原 幸治*; 田原 周太*; 小原 真司*; 伊藤 真義*; 武田 信一*
no journal, ,
Bi-Zn alloy system has a two-melt phase separation region, while Bi-Sn system has a eutectic-type phase diagram. To reveal liquid micro structure, neutron and X-ray diffraction experiments were carried out and structural analysis using RMC method was applied. ND experiments were carried out for liquid BiZn at HERMES installed in JRR-3M and for liquid BiSn at SANDALS spectrometer installed in ISIS, UK. XRD experiments with high energy X-ray of 182.6 keV were performed for BiZn () at BL08W beamline in SPring-8. Analysis using RMC revealed that Zn-Zn partial correlations contribute the nearest neighboring distribution and also large fluctuations in medium range in liquid BiZn, while Bi-Bi pair distribution function in eutectic liquid BiSn exhibits substantial temperature variation compared with the other correlations and fluctuations in Bi-Bi bonds grow up on going deep in the eutectic region.