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寺岡 有殿
no journal, ,
励起ナノプロセッシングの展望と題した応用物理学会でのシンポジウムにおいて、分子ビームを用いた固体表面でのナノメーターオーダーの微細加工プロセスに関して解説する。分子ビーム技術としては、超音速分子ビーム、六極電場法を用いた極性分子の配向分子ビーム,速度選別法による無極性分子の配向分子ビーム,レーザーデトネーション法による超熱エネルギーの原子ビームについて紹介する。さらに、それらを用いた表面反応研究の実例について詳細に解説する。最後に分子ビーム励起表面反応研究の展望について述べる。
吉越 章隆; 成廣 英介; 盛谷 浩右; 寺岡 有殿
no journal, ,
室温におけるSi(111)-77表面へのO吸着は、比較的長寿命の準安定吸着酸素分子が観測できるなど大変興味深い反応系である。そこで初期吸着確率(S)の並進運動エネルギー依存性(最大2.3eV)を放射光リアルタイムXPSにより表面酸素量の時間変化から調べたので報告する。実験はSPring-8のBL23SUのSUREAC2000で行った。超音速O分子線を室温で表面に照射すると同時に刻々と変化するO1s XPSスペクトルを約15秒間隔で測定した。おおむね0.03eV(ガス暴露条件)から2.23eVの条件で、2次のラングミュアー式でフィティングできることがわかった。この式から見積もられるSは0.03eVからおおむね0.07eVで大きく減少したことから、その運動エネルギー領域ではTrapping-mediated adsorption(TMA)が支配的であると考えた。一方、0.07eV以上のエネルギーではSが増加した後、ほぼ一定になる傾向を示したことから、TMAの寄与が小さくなり前駆状態を経由しないdirect adsorptionが支配的になることが明らかとなった。
吉越 章隆; 成廣 英介; 盛谷 浩右; 寺岡 有殿
no journal, ,
室温におけるSi(111)-77表面のO吸着ダイナミクスに関しては、大部分の報告が散乱分子線の検出であるため吸着過程と吸着状態の関係に未解明な部分が多い。そこで飽和吸着酸素量と並進運動エルギー(最大2.3eV)の関係を放射光XPSで調べたので報告する。実験は、SPring-8のBL23SUのSUREAC2000で行った。超音速O分子線を室温で表面に照射し、反応が飽和に至るまで放射光を用いて約15秒間隔でO1s XPSの測定を行った。0.03eV(ガス暴露条件)と2.23eVの照射エネルギー条件で得られた飽和吸着状態の高分解能O1s XPSスペクトルの比較をすると並進運動エネルギーの増加に伴い、矢印で示した+0.6eVの位置にケミカルシフトした成分(insx3-tri)の明瞭な増加が観測された。ガス暴露の報告では、この成分は600K加熱により増加することが報告されていることから、この結果は並進運動エネルギーの増加に伴い通常のガス暴露では不可能な解離吸着状態が室温において形成できる(activeated adsorption)ことを示唆している。
小川 修一*; 高桑 雄二*; 石塚 眞治*; 吉越 章隆; 寺岡 有殿; 水野 善之*
no journal, ,
Ti表面での窒素吸着反応ダイナミクスを明らかにするために、超音速窒素分子ビームを用いたTi(0001)表面窒化過程を光電子分光でリアルタイム観察し、窒素分子の吸着状態を識別して初期吸着確率の運動エネルギー依存性を調べた。N1 s光電子ピークはふたつの成分から成り立っている。成分ごとの吸着曲線から初期吸着確率の運動エネルギー依存を求めた。ふたつの成分ともほぼ同様の依存性を示した。0.3eV以下では物理吸着状態を経由した解離吸着が主であり、0.3eV以上では直接解離吸着が主となることがわかった。
打矢 直之*; 原田 卓弥*; 西川 宏之*; 芳賀 潤二; 酒井 卓郎; 佐藤 隆博; 石井 保行; 神谷 富裕
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次世代半導体素子開発にはレジスト材を用いた露光技術の高度化が必須となっており、これを可能とするにはレジスト材のマイクロメートル以下の分解能で、高アスペクト比の微細加工が必要となっている。MeVエネルギー領域のH集束ビームを用いたProton Beam Writting(PBW)技術はこの微細加工を可能とする有力な技術の一つであり、現在原子力機構では芝浦工業大学との共同でPBW技術の開発を進めている。これまでの実験からポジ型(PMMA),ネガ型(SU-8)レジスト材への1.7MeV,Hビームの照射を行い、これらの材料の微細加工の適応性について検討を行ってきた。本報告ではビーム走査によりPMMA及びSU-8に任意形状の照射パターンを形成できること,H照射による物質中でのビームの散乱が小さいことを確認し、特に、SU-8ではアスペクト比約12の凸構造を確認できたので発表を行う。
田川 雅人*; 横田 久美子*; 西崎 徳晃*; 宮階 優*; 吉越 章隆; 寺岡 有殿
no journal, ,
並進運動エネルギーが2keVの高速窒素分子ビームを酸化したSi(001)表面に照射した場合には、シリコン結晶の光電子ピークが不明瞭になることから酸化膜を透過した窒素分子がシリコン結晶と反応することがわかっている。1.6eVから6.9eVの窒素分子ビームを酸化シリコン表面に照射して光電子分光観察した。窒素分子の並進運動エネルギーが大きくなるにつれてSi-Nに由来するSi2p光電子強度はバルク敏感測定の方が表面敏感測定よりも強くなった。この結果は窒素分子が低運動エネルギーでも酸化膜中に進入して、運動エネルギーが大きいほど界面近くでシリコンとの化学結合をつくることを示している。
早川 竜馬*; 中永 麻里*; 吉田 真司*; 田川 雅人*; 寺岡 有殿; 吉村 武*; 芦田 淳*; 功刀 俊介*; 上原 剛*; 藤村 紀文*
no journal, ,
大気圧プラズマとRFプラズマを用いて室温で作製したシリコン窒化膜の化学結合状態を放射光光電子分光で分析して比較した。その結果RFプラズマを用いて作製したSiN/Si(111)界面は5成分から成り立ち、大気圧プラズマを用いて作製したSiN/Si(111)界面は4成分から成り立つこと,RFプラズマを用いて作製したSiN/Si(111)界面にのみSiN成分が存在することがわかった。
Zhuravlev, A.; 山口 憲司; 志村 憲一郎*; 山本 博之; 社本 真一; 北條 喜一; 寺井 隆幸*
no journal, ,
イオンビームスパッタ蒸着(IBSD)法による-FeSi作製過程では、さまざまなイオン-固体相互作用が関与するため、発光(PL)スペクトルの解釈は困難を極める。そこで、本研究では、-FeSi薄膜作製のさまざまな段階でPLスペクトルを取得することにより、発光ピークの起源を明らかにすることを目指した。IBSD法による-FeSi薄膜の作製は 973Kで行い、蒸着に先駆け、3keV Neによる基板表面のスパッタ洗浄処理を施した。その後、1153Kの大気中でアニールを行った。PL測定はアニールを含めた工程の随所で行った。測定結果によると、アニールにより薄膜,Si基板のいずれも、0.81eV付近の発光ピークの強度が著しく増加した。特に、スパッタ洗浄処理した基板で最も顕著な増加が見られた。これらのことから、スパッタ洗浄処理が 0.81eVのピークの増強に効果的であることは明らかである。さらに発光強度の温度依存性を調べると、薄膜とSi基板の挙動はよく似ているものの、前者の方がより低温で消光する傾向が認められた。
笹瀬 雅人*; 志村 憲一郎*; 山口 憲司; 山本 博之; 社本 真一; 北條 喜一
no journal, ,
本研究では、-FeSi薄膜の微細構造に与えるスパッタ条件の影響を明らかにするために、異なるスパッタ条件で処理し作製した-FeSi薄膜の微細構造について断面TEM観察(XTEM)により検討した。基板は Si(001)基板を用い、加速電圧,照射量を変化させスパッタすることにより表面を処理した。スパッタ処理条件は、加速電圧1, 3, 4keV,照射量310,310 ion/cmとした。また蒸着は35keV Ar(180A)をFeターゲットに照射して行った。成膜速度は0.5nm/min,膜厚は30nmで一定とし、各基板を973Kに保ち成膜した。薄膜の微細構造は高分解能透過型電子顕微鏡を用い、断面方向より観察した。実験結果より、加速電圧1keVでは界面が急峻で高配向膜の生成が確認された。一方、加速電圧を増加させるとダメージ量が大きくなり、表面平坦性も急激に悪くなり、多数の結晶粒が島状になって存在し連続膜は得られなかった。スパッタ処理を行わない場合は必ずしも高配向膜とはならないことから、これらの結果はスパッタ処理の最適条件が存在することを示唆している。
山本 博之; 大場 弘則; 笹瀬 雅人*; 山口 憲司; 社本 真一; 横山 淳; 北條 喜一
no journal, ,
Siは中性子照射によりPに核変換する。このため、Si濃縮薄膜を作製し中性子照射すれば、Pドープ層として機能することが期待される。本研究では、当機構で開発された高効率レーザーSi同位体分離法により得られたSiFを原料として同位体濃縮したSi薄膜を得ることを目的とし、成膜条件の検討を行った。Si成膜はCVD(13MHz, 300W)を用いて行った。反応ガスにはSiF(5-30sccm)及びH(10-100sccm)を用い、Arで希釈,混合した後チャンバー内に導入した。成膜時の基板温度は室温500Cとした。なお、成膜時の状況を把握するためここでは基板としてCu及びSiOを用いている。得られた膜の組成はX線光電子分光法(XPS),二次イオン質量分析法により評価した。反応ガスの流量比及び成膜温度を変化させた際にCu基板上に得られたSi薄膜のF/Si比をXPSにより評価した結果、ガス流量比H/SiFの増加及び成膜温度の上昇に伴い、F/Si比は単調に減少し、流量比10以上及び温度400C以上でほぼFを含まないSi薄膜が得られることが明らかとなった。
藤浪 真紀*; 渡辺 和也*; 小熊 幸一*; 赤羽 隆史*; 河裾 厚男; 前川 雅樹; 松川 和人*; 原田 博文*
no journal, ,
半導体デバイスプロセスにおける遷移金属汚染のゲッタリングサイトとしてさまざまな欠陥が提唱され、それらの金属ゲッタ能が調べられている。空孔型欠陥の高感度プローブである陽電子により空孔-金属複合体を検出することが可能である。本研究では陽電子消滅法によりシリコンにおける空孔クラスターと銅との相互作用を観察することを目的とした。CZ-Siウエハに自己イオンを3MeVで1E+14/cm注入し、裏面にCuイオンを100keVで1E+14/cm注入した。その後、各温度で窒素中1時間アニールした。単色陽電子ビームを用いて、空孔分布はドップラー拡がりであるSパラメーターの陽電子エネルギー依存性から、空孔化学状態は同時計数ドップラー拡がり測定(CDB)から解析した。なお、Cu分布はSIMSにより求めた。裏面では、CDB測定によりCuと結合した空孔複合体の形成が認められ、それは500Cまで安定に存在していた。600Cアニールにより空孔-Cu複合体は分解し、一方で自己イオンを注入した領域で空孔-Cu複合体の形成が見られた。SIMS測定から注入したCuの85%が自己イオン注入領域にゲッタされていることが示された。700CのアニールによりCuは空孔クラスターから解離し、空孔クラスターはOと複合欠陥を形成していた。裏面に注入されたCuははじめにイオン注入誘起欠陥である複空孔と複合体を形成するが、温度上昇により解離し、より大きな空孔クラスターと結合する。しかしながら700Cアニールにより空孔クラスターはより安定な酸素と複合体を形成するためCuと解離すると考察される。Cuに対する空孔型欠陥のゲッタ能は空孔クラスターのサイズと密接な関係があると考えられる。
佐々木 明; 西原 功修*; 前原 宏昭*; 砂原 淳*; 西川 亘*; 小池 文博*; 香川 貴司*; 田沼 肇*
no journal, ,
われわれは、HULLACコードによる原子素過程データをもとにXe, Snプラズマのemissivity, opacityを計算して輻射流体シミュレーションコードに組み込み、発光スペクトル,変換効率の評価を進めている。当初、強度,パルス幅1ns,波長1m程度のレーザー光で生成されたSnプラズマのシミュレーションを行ったところ、計算されたスペクトルと実験の良い一致が得られたが、効率の最適化のために強度,パルス幅,波長を変えた計算を行ったところ、結果に差異が生じることがわかった。光学的に厚いSnプラズマからのスペクトルにおいては、共鳴線の構造が吸収として現れると考えられ、その波長や分布の正確なデータを用いることが重要である。オパシティの計測及び電荷交換分光の実験結果との比較より、Xe, Snいずれのプラズマでも4d-4f, 4p-4d共鳴線の波長に対するCI(Configuration Interaction)の効果が大きく、計算結果は実験より0.3-0.5nm短波長であることが明らかになった。これらの共鳴線は実際には非常に多数の微細構造遷移から構成されており、現在それらが作るtransition arrayの形状の影響についての考察を進めている。また、10-15nmの広い波長範囲におけるスペクトルの構造に対しては、サテライト線の波長,分布に対するCIの効果を考慮する必要があると考えられる。
柴田 徳思
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広島原爆の速中性子束の評価を行った。評価法は、銅試料中に生成されるNiの量,広島原爆の中性子スペクトル,Cu(n,p) Ni反応の励起関数を用いて中性子束を求めるものである。銅試料中のごく微量のNiを抽出する方法を開発し、低バックグランド液体シンチレーションカウンタでNiを測定した。Cu(n,p) Ni反応の断面積の測定を行い、銅試料中のNiの量,中性子スペクトルと励起関数を用いて、速中性子束を求めた。得られた結果は、新しい線量評価システムDS02と矛盾はないことが示された。
宮本 晴基; 大島 武; 今泉 充*; 岐部 公一*; 伊藤 久義; 河野 勝泰*
no journal, ,
太陽電池への放射線照射試験方法の国際標準の策定に必要な基礎データの取得を目的に、太陽電池の発電特性劣化量と電子線の入射エネルギーの関係を検討した。実験は、電子線加速器の加速電圧(0.8, 1.0MV)及び加速器の照射窓試料間距離(2050cm)を調整することで、0.930.71MeVの範囲でエネルギーを変化させ、宇宙用シリコン太陽電池へフルエンス率一定(110/cm/s)で電子線を照射した。同量の照射量で太陽電池特性の劣化量を比較したところ、エネルギーが0.73MeVより小さくなると特性劣化に差異が生じていることが確認できた。この線量域での太陽電池の特性劣化は、結晶損傷による少数キャリアの拡散長減少が主原因であるため、弾き出し損傷線量(Displacement Damage Dose: Dd)を見積もることで損傷に関する考察を行った。その結果、0.87MeVは0.93MeVの91%のDdであるのに対し、0.73MeVでは67%程度であることが判明した。このことより、9%程度の損傷量の差である0.87MeV程度までのエネルギー減衰は太陽電池特性に大きな影響を与えず試験範囲として妥当であると帰結できた。
富樫 秀晃*; 末光 眞希*; 朝岡 秀人; 山崎 竜也
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Si(001)面のシリコン酸化膜の制御を可能にするため、1層未満の酸化過程をSTMを用いて解析した。その結果、基板不純物B濃度の上昇に伴い、酸化物2Dアイランドから酸化物1Dアイランドの生成比率が大きくなることを見いだした。
村上 剛*; 阿部 賢一郎*; 芦田 淳*; 脇田 和樹*; 渡瀬 星児*; 伊崎 昌伸*; 大島 武; 森下 憲雄; 伊藤 久義
no journal, ,
次世代の宇宙用高効率薄膜太陽電池材料として有望視されるCuInS結晶の放射線損傷効果を調べるため、Arを照射したCuInS結晶のX線光電子分光(XPS)測定を行った。試料はトラベリングヒーター(THM)法によって作製したCuInSバルク単結晶を用い、Ar(加速エネルギー:3kV)の照射時間は1, 60, 180分とした。XPS測定の結果、452.9eVと445.3eVに現れるIn原子の3d, 3dピークの約1.5eV低エネルギー側にAr照射による新たなピークが見いだされた。またS原子のXPSスペクトルでは、163.4eV及び162.4eVの2p, 2pピークの約0.7eV低エネルギー側にAr照射により新たなピークが生成していることも明らかとなった。一方、Cu原子のXPSスペクトルにはAr照射による顕著な変化は観測されなかった。これらの結果より、Ar照射により生成した欠陥の構成原子又は欠陥との結合原子がIn及びSであることが示唆される。
中川 聰子*; 曽根 理嗣*; 田島 道夫*; 大島 武; 伊藤 久義
no journal, ,
低消費電力・高速・高集積化のすべてを満たす半導体デバイス用基板として大きく期待されているSilicon on Insulator(SOI)ウエハの極薄トップ層(50200nm程度)の評価技術開発を目的に、放射線損傷によって誘起された不純物由来の発光センターのフォトルミネッセンス(PL)測定を行った。実験は、50keVのXeイオンを110110/cm注入したトップ層厚が62nmのSOIウエハー(SIMOX)に対し、可視光レーザー(Kr: 647nm)/紫外光レーザー(ArUV: 351nm, 364nm)によるPLスペクトル測定を液体ヘリウム温度(4.2K)で行った。測定の結果、極薄トップ層に焦点がある紫外光励起の場合C-line(発光エネルギー0.79eV, Ci-Oiに起因)が観測されるが、極薄トップ層よりも深いバルク全体に焦点がある可視光励起ではC-lineは観測されないことが判明した。このことより、軽元素である炭素不純物,酸素不純物がトップ層でのみ発光活性化されたことがわかる。また、Arイオンの照射量が多くなるにつれ、紫外光励起の場合のみバンド端発光が弱くなる傾向が見られ、この発光もSi基板からではなくトップ層に由来するものであることが明らかとなった。以上より、紫外光励起によるPLスペクトルの低温測定によって、極薄SOI層の不純物評価が行えることが確認された。
朝岡 秀人; 山崎 竜也; 社本 真一
no journal, ,
単原子水素バッファー層表面上に室温でSrを蒸着した結果、Sr薄膜に起因するシャープなRHEEDストリークが1原子層の蒸着の後に現れ、12%の格子不整合を克服したエピタキシャル成長薄膜であることを確認した。SrOエピタキシャル成長薄膜は、これらSr薄膜の3原子層ごとに室温で酸化処理を行い得られた。水素バッファー層を介したヘテロ構造が、薄膜固有の結晶構造を保った良質薄膜を実現させ、かつ急峻な界面をもたらす結晶成長を可能にしたと考えられる。
佐伯 盛久; 大場 弘則; 山本 博之; 横山 淳
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Pulsed laser deposition(PLD)は薄膜製作に使われる手法であるが、これをガス中で行うことにより、アブレーション生成物と試料ガスを反応させて一段階で化合物薄膜を製作することができる。本研究ではアセチレンガス中でシリコンをアブレーションにより蒸発させて、高温・高出力半導体素子材料として期待されているシリコンカーバイドの薄膜を生成した。また、発光分光法によるその場観測を行い、シリコンのアブレーション生成物とアセチレン分子との反応過程について調べた。その結果、アセチレン分子がシリコンイオンや中性原子と衝突することにより生成したCHやCラジカルからの発光が観測された。一方、シリコンカーバイド薄膜が生成している条件下にもかかわらず、アセチレンガス中ではSiCやSiCなどの化合物からの発光は観測されなかった。このことより、化合物生成は基板表面上で進んでいるものではないかと考えている。
小野田 忍; 平尾 敏雄; 三島 健太; 河野 勝泰*; 伊藤 久義
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宇宙環境に多量に存在する数十MeV数百GeVの高エネルギー重イオンが半導体に入射することによってシングルイベント(SE)効果等の問題が引き起こされる。本稿では、SE効果のエネルギー依存性について検討する目的で、Si pin型フォトダイオードにタンデム加速器で加速した酸素イオン(618MeV)及びAVFサイクロトンで加速した酸素イオン(100MeV)を照射し、発生するシングルイベント過渡電流(SETC)を高速オシロスコープにより測定した。この結果、ほぼ同じ電荷量となる15MeVと100MeVとを比較すると、より高エネルギーの方がSETCの波高が高くなることがわかった。さらに、重イオンが半導体中に誘起する電子・正孔分布(プラズマトラック)の計算を実施し、エネルギーが高くなるほどプラズマ密度が低くなることを確認した。低密度であるほどプラズマ中のキャリア拡散が速くなるため、キャリアが高速で収集され、SETCの波高が高くなったと考えられる。