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内堀 昭寛; 菊地 晋; 栗原 成計; 浜田 広次; 大島 宏之
日本機械学会論文集,B, 79(808), p.2635 - 2639, 2013/12
高速炉蒸気発生器の伝熱管破損時事象に対し、複数の数値解析コードから構成されるマルチフィジックス解析評価システムを開発している。本件では、システムの構成要素の一つであるSERAPHIMコードの液滴エントレインメント・輸送モデル、及び、TACTコードの流体-構造熱的連成解析モデル、破損判定モデルの基本検証解析を実施した。液滴エントレインメント・輸送モデルの検証では、液滴発生時の圧力変動に関する実験データの再現性を確認した。流体-構造熱的連成解析モデルの検証では、円筒を過ぎる流れの問題において円筒表面の温度分布を概ね良好に再現できることを確認した。また、内圧の負荷された伝熱管が急速加熱された場合に生じる破裂発生時刻を、破損判定モデルにより高い精度で予測できた。それぞれのモデルの妥当性を確認し、本解析評価システムにより伝熱管破損時事象を評価できる見通しを得た。
菊地 晋; 清野 裕; 大野 修司
日本機械学会論文集,B, 79(808), p.2650 - 2654, 2013/12
ナトリウム(Na)冷却高速炉ではNa漏えい対策として、構造コンクリートを保護するライナーを設けている。万が一、このライナーをも破損する過酷な事象が生じた場合、Naとコンクリートによる反応が発生する可能性がある。このNa-コンクリート反応のメカニズムを解明するため、Naとシリカとの反応について熱分析装置(DSC)を用いた速度論的研究を行った。DSC曲線から、Na-SiO反応による反応温度を同定した。また、Na-SiO
反応における反応性がNaと実用コンクリート骨材との反応性と類似していることが分かった。さらに、XRDによる化学分析の結果、反応生成物と推定される水ガラスを確認した。試験で得られた反応温度に基づきNa-SiO
反応の反応速度定数を導出し、高温の反応場が維持される場合、Na-SiO
反応がNa-コンクリート反応の時間スケール内に発生し得ることを示した。
伊藤 啓; 高田 孝*; 大野 修司; 粉川 広行; 上出 英樹; 今井 康友*; 河村 拓己*
日本機械学会論文集,B, 79(808), p.2630 - 2634, 2013/12
ナトリウム冷却高速炉の1次冷却系統内には、微小気泡・溶存ガスの形態で不活性ガスが存在している。また、J-PARCの水銀ターゲットループ内には、キャビテーション抑制用のマイクロバブルが存在している。これらの気泡挙動について評価するため、著者らは低濃度気泡流解析コードVIBULの整備を進めている。本研究では、気泡キャリーアンダー等の新たなモデルを構築・導入し、水銀ターゲットループを対象とした解析を行う。
早川 教*; 渡辺 収*; 伊藤 啓; 山本 智彦
日本機械学会論文集,B, 79(808), p.2645 - 2649, 2013/12
建屋に対する津波荷重評価において実用的に用いられる津波荷重算定式は、複雑な形状・配置の建屋に対しては適切な評価結果を与えない。本研究では、ナトリウム冷却高速炉プラント建屋に対する津波荷重を評価するため、Volume of Fluid法を用いた界面追跡を含む3次元数値解析を行う。まず、既往の津波実験が解析によって再現できることを確認し、その上で、津波の遡上から引き波までを対象とする3次元数値解析を実施し、プラント建屋周囲の流れ場や界面形状を評価する。
栗原 成計; 梅田 良太; 下山 一仁; 阿部 雄太; 菊地 晋; 大島 宏之
日本機械学会論文集,B, 79(808), p.2640 - 2644, 2013/12
ナトリウム(Na)冷却高速炉の蒸気発生器(SG)では、伝熱管損傷時には隣接する伝熱管が高温の反応ジェットに覆われ、伝熱管材料の機械的強度が低下し、内圧により破損する可能性がある(高温ラプチャ)。高温ラプチャ評価では伝熱管壁温度(に相当する伝熱管壁応力)の予測精度が非常に重要であり、主要影響因子である反応ジェット-隣接(ターゲット)伝熱管熱伝達率の定量評価が不可欠となる。本報では、実機SGの運転条件を模擬したNa-水反応基礎実験を実施し、反応ジェットの熱影響を受けるターゲット伝熱管周囲で熱伝達率-ボイド信号データを計測し、ターゲット伝熱管周囲の熱的環境及び既往伝熱相関式の適用性を検討した結果について報告する。
石山 新太郎; 神谷 昌岳*; 近藤 充記*; 比氣 明典*
日本機械学会論文集,A, 79(806), p.1504 - 1516, 2013/10
福島県下で18,000Bq/kgを越える高放射能汚染土の界面化学的分散制御と高速せん断流解砕による洗浄フィールド試験を実施し際に発生した高濃度汚染残土中のCs等FPを、その主要捕獲鉱物であるモルデナイト鉱物相の高温場における構造不安定性を利用して再回収する技術に関する検討を行い、下記結論を得た。(1)代表的な東北産の天然モルデナイト鉱物のCs-型での高温構造不安定性は1173K以上で顕著である。(2)高濃度汚染残土の1173K
1時間までの高温加熱試験によりこの鉱物相からの
Csの乖離を観測した。その際のFP乖離量は、高温加熱初期において顕著であり、1時間加熱後において初期値の約65%程度が乖離したものと評価された。(3)高濃度汚染残土の高温処理により発生するCsガスの高温再回収は、電気集塵式高温FPフィルターと後段でのコールドトラップにより発生ガスのほぼ100%の回収が可能である。
皆川 佳祐*; 藤田 聡*; 山口 彰*; 高田 孝*; 栗坂 健一
日本機械学会論文集,C, 79(804), p.2684 - 2693, 2013/08
Seismic isolation is one of effective and widespread technology that can reduce response acceleration of superstructure. The most popular isolation device is laminated rubber bearing. In general it has linear stiffness against seismic load in the design deformation range. However it has nonlinear stiffness in case of large deformation. That is a hardening property in horizontal direction and a softening property in vertical direction. In the meantime, application of probabilistic safety assessment to seismic evaluation is attracting attention in order to improve seismic resistant reliability. In seismic PSA, accurate numerical simulation is required for not only normal earthquakes but also huge earthquakes that have low occurrence frequency. Therefore to express above-mentioned nonlinearity of rubber bearings is required. Thus this paper describes nonlinear simulation of a seismic isolated structure. Both the hardening characteristics of horizontal direction and the softening characteristics of vertical direction are expressed by multilinear models. Additionally the analysis model of horizontal direction considers a habituation effect of rubber. Response of nonlinear simulation is compared with linear simulation. As a result, it was confirmed that nonlinearity of rubber bearings debases the isolation performance.
山口 義仁; Li, Y.*; 勝山 仁哉; 鬼沢 邦雄
日本機械学会論文集,A, 79(802), p.730 - 734, 2013/06
国内の原子力発電所は、従来の設計条件を超えるような非常に大きな地震動を経験しており、巨大地震に対する機器・構造物の健全性評価は重要な課題である。過大な引張・圧縮荷重が配管材におけるき裂進展挙動に及ぼす影響に関して平板試験片を用いた評価を行った。試験結果から、過大荷重がき裂進展挙動に及ぼす影響を確認した。この影響について、き裂先端付近の応力分布とき裂先端の鈍化に着目して原因を考察し、き裂進展評価手法を提案した。また提案手法の配管への適用性を確認するために、4点曲げにより模擬地震動を負荷する配管試験を実施した。配管試験より、本手法のき裂進展評価では従来手法と比較して実験値に近くかつ保守的に評価可能であることがわかり、本提案手法は配管におけるき裂進展に対しても有効であることが示された。
石山 新太郎; 神谷 昌岳*; 近藤 充記*
日本機械学会論文集,B, 79(802), p.1106 - 1121, 2013/06
福島県双葉郡浪江町小学校津島校庭の高レベル汚染土壌の洗浄再生技術を確立するため、界面制御による高せん断解砕洗浄実験を実施し、その洗浄効果並びに減容濃縮化効果の検証を行うとともに汚染土壌の洗浄・減容化の実用処理プラント構築のための要素技術としてそれぞれ分散・分離・洗浄・濃縮システムを設計するためのプロセス工学データを取得した。(1)高トルク型プランジャー装置を用いた洗砕洗浄を実施した結果、粒径0.5mm以上の原土において顕著な洗浄効果が認められ、さらにビーズ投入による洗浄率の向上が認められた。(2)洗浄時間と洗浄率との関係において粗大土壌粒子表面に固着している親和性の強い汚染粒子と微細粒子の洗浄乖離に起因した二つの洗浄プロセスがあることが明らかとなった。(3)0.5mm以下の原土における解砕洗浄では。粒子の微細均整化が進むとともに0.510
mの微細粒径群において主要なFP汚染源の集積化が認められこれらFP汚染源の選択的除去は分級技術を応用することで可能である。
伊藤 啓; 江連 俊樹; 大野 修司; 上出 英樹
日本機械学会論文集,B, 79(801), p.838 - 847, 2013/05
ナトリウム冷却大型高速炉(JSFR)の研究において、液中渦キャビテーションの抑制は1つの重要な課題である。本論文では、非定常液中渦キャビテーション現象の理論モデルを提案する。本モデルでは、強い液中渦によるキャビテーション挙動は、軸対称非定常Navier-Stoker方程式に基づいて記述する。また、キャビテーション半径は、渦中心の圧力と蒸気圧を比較することで決定する。基礎的なモデル検証として、渦の成長とキャビテーション発生について計算を行い、適切な計算結果が得られることを確認する。
内堀 昭寛; 大島 宏之
日本機械学会論文集,B, 79(799), p.263 - 266, 2013/03
高速炉蒸気発生器の伝熱管破損時安全評価に資することを目的として、圧縮性混相流・ナトリウム-水反応現象数値解析コードSERAPHIMを開発している。その一環として、液滴衝突エロージョン現象の評価に必要な液滴エントレインメント・輸送モデルを新たに構築し、SERAPHIMへ組み込んだ。液滴輸送モデルとしては液滴を分散相として取り扱う手法を採用した。液相からの液滴エントレインメント率については噴流現象にも使用される評価式を適用し、これを基礎式の生成項として考慮した。実機条件でのナトリウム中水蒸気噴出現象を解析した結果、水蒸気の噴出挙動や化学反応による最大到達温度について妥当な結果を得るとともに、新たに構築した液滴エントレインメント・輸送モデルが機能し、ウェステージ環境の一つとして液滴挙動を評価できる見通しを得た。
菊地 晋; 清野 裕; 栗原 成計; 大島 宏之
日本機械学会論文集,B, 79(799), p.271 - 275, 2013/03
ナトリウム(Na)冷却高速炉の蒸気発生器で生じるNa-水表面反応機構を解明することを目的にNa-水酸化ナトリウム(NaOH)反応の速度論的研究について示差熱分析(DTA)技術を用いて実施した。体積分率(Na:NaOH)の変化によらず、Na-水反応中に酸化ナトリウム(NaO)の生成を考慮する必要があることを再確認した。また、DTA試験後の反応後残差物のXRD分析結果から、主要な化学種としてNa, NaOH, Na
Oを同定し、Na
OはNa-NaOH反応による生成物であると考えられること、また反応率は100%ではないことがわかった。
石山 新太郎; 山口 克彦*
日本機械学会論文集,C, 79(799), p.718 - 725, 2013/03
福島県下の調整池において試作した水中サーベイメータ及び高解像度TVモニター搭載型ROVの性能実証試験と調整池底汚泥の放射能汚染動態調査を実施した。その結果下記結果、(1)貯水池底には汚泥が比較的平坦に堆積しているが、主に雨水吐出口直下の調整池底表層において凸状堆積層があり、その表面における放射線量は最大3.35.24
Sv/hであった。(2)ROV着底後汚泥を水中で強制撹拌するとサーベイメーター周りに撹拌により水中で巻きあがった汚泥微粒子(数
数10
m)がTVモニターで観察されるとともに、その際の同着底位置における放射線量が約1.6倍に上昇したことからFPが付着した沈降物は細かな浮遊粒子状として汚泥表面に堆積しているものがあることがわかった。(3)調整池の10m四方の調査分画域での汚染分布計測を行った結果、各調査点においてそれぞれ異なる数値を示し、池底表面での放射線量は0.75
3.5
Sv/h程度と評価された。この複雑な放射線量の分布は調整池への雨水吐出口間での流れ込み後の合流沈降や拡散により影響を受けるものと考えられる。
木野 千晶; 渡辺 正*; 西田 明美; 武宮 博
日本機械学会論文集,B, 78(796), p.2113 - 2126, 2012/12
流力振動現象のメカニズムに関する科学的知見を得るため、強制振動下における円柱周辺の流動解析を実施した。流体・構造連成手法としてはimmersed boundary法を用い、計算条件として換算流速において0から10の範囲を設定した。本解析を通じて、第一励振域においては、円柱後方に高圧領域が接触することから円柱に負の抗力が発生する瞬間が生じ、この負の抗力が流れ方向振動の励振力になることを示した。また、第二励振域においては時間平均された揚力が0に一致しない円柱振動条件が存在し、この現象が流れ垂直方向振動の励振力になることを示した。
村上 貴裕*; 江口 譲*; 田中 正暁; 山野 秀将
日本機械学会論文集,B, 78(792), p.1388 - 1391, 2012/08
ナトリウム冷却型大型高速炉(JSFR)の概念設計では、一次冷却系に大口径ショートエルボ配管が採用され、その配管内流動によってショートエルボ部において周期的な圧力変動が生じる。しかしながら、周期的な圧力変動のメカニズムは明らかにされていない。そこで、本論文では、数値解析結果における動的な流動構造の可視化に基づいたショートエルボ配管内の周期的な圧力変動メカニズムを明らかにするため、有限要素法のラージ・エディ・シミュレーション(LES)の非定常3次元解析を実施した。
佐郷 ひろみ*; 白石 直*; 渡壁 寿人*; Xu, Y.*; 相澤 康介; 山野 秀将
日本機械学会論文集,B, 78(792), p.1378 - 1382, 2012/08
FBRサイクル実用化研究開発(FaCT)では、ナトリウム冷却大型炉JSFR(Japan Sodium-Cooled Fast Reactor)(電気出力150万kWe)の研究開発を進めている。この設計概念は、合理化の観点で2ループ化を採用することで、従来設計に比べ薄肉構造の1次系配管が大口径化し、かつ管内平均流速も9m/s台に増大する。このような配管系を設計するうえで、エルボ周辺での流体の乱れに起因する流力振動(ランダム振動)に対する配管の健全性の確認が必要となり、大口径配管内流動特性の把握及び配管の流力振動に関する評価手法の開発のための研究を実施している。本報では、1次系ホットレグ(HL)配管を対象に1/3縮尺試験装置を製作し、配管内の流力振動特性の把握を目的に実施した水流動試験で得られた流動状況や圧力変動特性について報告する。
田中 正暁; 瀧田 宏樹*; 文字 秀明*; 大島 宏之
日本機械学会論文集,B, 78(792), p.1462 - 1465, 2012/08
異温度流体の混合により発生する温度変動が構造表面に伝達して、高サイクル熱疲労により構造健全性が損なわれる現象の評価は、高速炉の安全上極めて重要である。これまで、T字合流部を対象に、枝流速と主流流速の比をパラメータに主管内流速分布を調べてきた。本報では、枝管側の主管壁の一部をアクリル板からアルミニウム板(構造物)に変え、流速比をパラメータとして構造物内部,表面及び表面近傍流体の温度計測結果と流体-構造熱連成解析により明らかにした構造表面近傍での温度変動特性について報告する。
岩本 幸治*; 近藤 学*; 小川 翔太*; 田中 正暁; 山野 秀将
日本機械学会論文集,B, 78(792), p.1383 - 1387, 2012/08
本研究の主目的は、現在計画中のナトリウム高速炉(JSFR)1次系ホットレグ配管の安全設計に資するべく、縮尺試験装置を用いてさまざまな流入条件での流動状態を把握することである。ホットレグ配管のような曲率の強いエルボには強い流体力が作用する。その流体力が周期的に作用する場合、配管構造との共振を避けるべく流体の振動そのものを抑える、ないしはその固有振動数を配管構造のそれと合致させない工夫が必要である。一般に管軸曲率半径が管内径に近いエルボでは、エルボ下流において周期的な流体振動が発生することが明らかにされている。これらの振動は無次元周波数(ストロハル数)にして0.5程度になる。このことから、エルボを含む配管構造においてはランダム振動に対する堅牢性だけでなく、ストロハル数0.5に相当する共振にも気を配らなければならない。この振動に対して、著者らはLDVによる流速測定及び流れの可視化を行い、エルボ内側で発達した境界層の両端から放出される交互渦によってこの振動が生じることを明らかにした。
田中 正暁; 佐郷 ひろみ*; 岩本 幸治*; 江原 真司*; 小野 綾子; 村上 貴裕*; 早川 教*
日本機械学会論文集,B, 78(792), p.1392 - 1396, 2012/08
ショートエルボを有するナトリウム冷却高速炉ホットレグ配管の設計成立性確認を目的に実施した複数の縮尺水流動試験及びレイノルズ平均モデル及びラージエディシミュレーションによる非定常流動解析、さらに一般的な曲がり管流れに関する文献調査で得られた知見をもとにして、実機ホットレグ配管における非定常流動場を予測し、実機ホットレグ配管における大スケール渦による非定常流場の形成メカニズムを明らかにした。なお、本報告は、平成23年度日本機械学会年次大会における「ナトリウム冷却高速炉1次系ホットレグ配管の流力振動評価」のシリーズ発表の一つとして発表したものを加筆修正したものである。
山口 義仁; Li, Y.*; 杉野 英治*; 勝山 仁哉; 鬼沢 邦雄
日本機械学会論文集,A, 78(789), p.613 - 617, 2012/05
国内の原子力発電所は非常に大きな地震動を経験しており、き裂等の経年劣化を考慮した配管等の健全性評価法の高度化が重要な課題となっている。本研究では、過大圧縮荷重を含む地震動を模擬した繰返し荷重によるき裂進展試験を行い、圧縮荷重がき裂進展挙動に及ぼす影響を調べた。その結果、過大圧縮荷重によるき裂進展の加速及びき裂開口荷重の低下を確認し、これらはき裂先端に引張応力が生じるためであることを応力解析から明らかにした。これらの結果を踏まえ、き裂進展速度に及ぼす過大な圧縮荷重の影響の評価手法を提案した。