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山口 充孝; 鳥飼 幸太*; 河地 有木; 島田 博文*; 佐藤 隆博; 長尾 悠人; 藤巻 秀; 国分 紀秀*; 渡辺 伸*; 高橋 忠幸*; et al.
Physics in Medicine & Biology, 61(9), p.3638 - 3644, 2016/05
被引用回数:9 パーセンタイル:100(Engineering, Biomedical)2012年にPhys. Med. Biol.誌にアクセプトされた原著論文("Beam range estimation by measuring bremsstrahlung", Phys. Med. Biol. 57 (2012) 2843)について、計算コードPHITSを用いた水中での炭素イオンの飛程に関して再計算したところ、飛程の値に間違いが見つかった。今後、制動輻射を用いたビームモニタリングに関する研究を行う上で無視することができない差異であるため、関連する記述内容も含め、訂正した原稿を投稿する。
山口 充孝; 長尾 悠人; 河地 有木; 佐藤 隆博; 藤巻 秀; 神谷 富裕; 鳥飼 幸太*; 島田 博文*; 菅井 裕之*; 酒井 真理*; et al.
International Journal of PIXE, 26(1&2), p.61 - 72, 2016/00
炭素線治療中にその軌道上の生体組織内で発生する局所的密度減少は、ブラッグピーク位置のシフトを引き起こし、誤照射の原因となる。この密度減少を炭素線照射中に確認できれば、誤照射を軽減する対策が立てられる。そこで、重粒子線治療で発生する二次電子による制動輻射のうち、発生量が多く効率的測定が可能な低エネルギー光子(63-68keV)による生体内の局所的密度減少の検出方法を開発している。今回、空気間隙による密度減少の存在の検出が可能かどうかをPHITSコードを用いたモンテカルロシミュレーションにより次のように評価した。ビーム軸方向の長さが50mm、奥行き200mm、高さ200mmのアクリルブロック2個を、ビーム軸方向に10mmの間隙を設けて設置した。また、検出器として、幅2.4mmのスリットを持つ鉛製コリメータとテルル化カドミウム製の検出素子を組み合わせた。炭素線を照射した際にビーム軸に対して垂直方向に放出される63-68keVの光子を検出したところ、その検出量に明らかな増減が確認できた。この結果は、間隙の存在を十分検出することが可能であることを示す。
佐藤 聡; 飯田 浩正; 山内 通則*; 西谷 健夫
Radiation Protection Dosimetry, 116(1-4), p.28 - 31, 2005/12
被引用回数:3 パーセンタイル:24.15(Environmental Sciences)3次元モンテカルロ計算により、中性子及びブレームス輻射線源に対するITER NBIダクトの遮蔽解析を行った。核融合反応分布を線源とした中性子及び光子輸送計算により、プラズマに面しているダクト壁(FS)と隠れている壁(HS)の両者の核発熱率分布を、第一壁表面からの距離及びダクト表面からの距離を関数として、詳細に評価した。第一壁表面では、両者はほとんど同じ値であるが、第一壁表面からの距離が長くなるにしたがい、HS中の核発熱率は、FS中の値と比較して減衰が大きく、50cm以上離れた位置では、前者は後者に較べて約23倍小さいことがわかった。また、ブレームス輻射分布を線源とした光子輸送計算により、ダクト壁の表面熱負荷分布を、第一壁表面からの距離を関数として、詳細に評価した。HSの表面熱負荷は、FSの値の約4分の1であリ、第一壁表面では、FSの表面熱負荷は約78w/cm、HSの表面熱負荷は約2w/cm、第一壁表面から約1mの位置では、各々1w/cm, 0.20.3w/cmであることを明らかにした。また、ダクト周囲の超伝導コイルの核的応答、崩壊線線量率を評価した。前者は基準値を充分に満足し、後者は基準値とほぼ同じ値であることがわかった。
坂本 幸夫; 遠藤 章; 津田 修一; 高橋 史明; 山口 恭弘
JAERI-Data/Code 2000-044, 191 Pages, 2001/01
放射性物質や放射線発生装置を扱う施設の遮へい計算では、スペクトル計算をすることなく、遮へい計算定数を用いて線量を直接評価する方法が、簡便かつ有効であり、広く用いられている。ICRP1990年勧告の国内制度等への取り入れで今後実効線量の評価が必要となる。本報告は、光子・中性子及びベータ線からの制動輻射線に対して、実効線量を評価するための遮へい計算定数をまとめたものである。単色光子に関して、ピルドアップ係数、実効換算係数、及び線量の透過率を整備した。RIからのガンマ線・X線, ベータ線源からの制動輻射線及び中性子源に対して線量率定数及び遮へい体での線量の透過率を整備した。
坂本 幸夫; 鈴木 友雄*; 佐藤 理*; 平山 英夫*
Journal of Nuclear Science and Technology, 37(Suppl.1), p.484 - 487, 2000/03
点減衰核積分法による線遮蔽計算法の計算精度を向上させるため、線ビルドアップ係数データの算出法の検討を行った。現在ANSI/ANSの標準データとして使用されているPALLASコードによる高原子番号の元素のデータは、高エネルギー線について制動輻射線が前方に放出されると近似しているため、電磁カスケードモンテカルロコードEGS4による結果に比べて過大評価となっている。このため、遮蔽体中での線の挙動をPALLASコードより詳細に取り扱うBERMUDAコードで単一層の鉛における線ビルドアップ係数の計算を行った。低エネルギー領域については蛍光X線の効果、高エネルギー領域についてはEGS4コードで計算した制動輻射線生成マトリックスを組み込むことにより、制動輻射線の効果を考慮した。これにより、BERMUDAコードを用いて低エネルギーから高エネルギーまで一貫して線ビルドアップ係数を算出できる見通しを得た。
有澤 孝; 的場 徹; 山川 考一; 丸山 庸一郎; 貴家 恒男; 若井田 育夫; 中島 一久*; 佐々木 明; 峰原 英介; 大島 真澄
Proc. of the 1st International Induced Gamma Emision Workshop, p.29 - 41, 1999/00
光量子科学では、超高ピーク出力レーザーでX線レーザー及びX線光源を駆動し、さらにそれによって線を駆動するというような手順で研究開発を進めている。今までに得られた超高ピーク出力レーザーについて紹介しながら、X線や線の放出方法について説明を行う。特に、核異性体を用いた線核分光及び線放出研究について述べる。
竹内 清*; 田中 俊一
JAERI-M 90-041, 47 Pages, 1990/03
PALLAS-1D(V3)プログラムは先に公開されたPALLAS-1D(VII)コードのバリアブル・ディメンジョン版であり、1D(VII)コードはPALLAS-PL、SP-Brコードの改良版である。1D(VII)コードは中性子及びガンマ線の輸送計算を行うが、本コードの特徴は制動輻射線と消滅ガンマ線を含む2次ガンマ線の輸送計算が可能である点である。本報告には入力データ及び出力データの情報とともに幾つかのサンプル計算問題の入力及び出力についても記述がある。
播磨 良子*; 坂本 幸夫; 田中 俊一; 川合 将義*; 藤田 徹*; 石川 敏夫*; 金野 正晴*; 林 克己*; 松本 誠弘*; 西村 達夫*
JAERI-M 86-071, 67 Pages, 1986/05
等比級数法近似(G-P法)は、無限媒質中の点等方線源に対するガンマ線再生係数を制度良く近似できる。再生係数に対する近似式とフィッティング方法の改良により、モ-メント法による再生係数を従来の方式より精度良く近似でき、フィッティングパラメ-タのエネルギ-変化がスム-ズになった。更にPALLASコ-ドで算出した低エネルギ-ガンマ線に対する軽い物質や2次ガンマ線を考慮した鉛などの透過距離で急速に増加する再生係数に対しても精度良く近似できた。また、再生係数デ-タの評価法及び内挿法としてのG-P法の適用性が、透過距離及びエネルギ-についての種々のテストによって確かめられた。
松田 光司; 高垣 虎雄; 中瀬 吉昭; 中井 洋太
JAERI-M 84-057, 72 Pages, 1984/03
高線量率加速器棟の遮断計算を簡単なモデル実験にもとづいて行った。加速器棟完成後、加速器棟内外の放射線量率の測定を行い、計算値との比較を行った。また制動輻射X線に対する遮断設計あるいはX線照射の際の基礎データを得ることを目的として高線量率加速器の0.6Mev電子線をFe(SUS304)に照射した場合に発生する制動輻射X線の角度分析を測定した。この際、制動輻射X線コンクリート床上の後方散乱の影響を最小にする条件を得るためアルベド値も測定した。ターゲットの下1mまでについて、ターゲットを中心として2m四方の線量率分布をシリコン固体線量計を用いて測定し、三次元線量率分布図をデータ集としてまとめた。また照射室内全体に関しては熱蛍光線量計(TLD)を1m間隔に設置して測定し、床から2m高さまでの等線量率分布を得た。迷路内の放射線量率の測定も行い、減衰の様子を調べた。
山口 充孝; 長尾 悠人; 齋藤 勇一; 河地 有木; 藤巻 秀; 山本 誠一*; 小森 雅孝*; 歳藤 利行*
no journal, ,
粒子線がん治療の信頼性向上のため、人体から放出される制動輻射(約65keV)を用いた粒子線到達深さリアルタイムモニタリング手法を開発している。既に炭素線において実現可能であることを示した本手法を、スリットを用いた測定装置に替わり、広い視野範囲(約4040cm)を持つピンホール型ガンマカメラを利用して、より広く治療に用いられている陽子線に適用を図った。この初段階として、到達深さモニタリングにおける課題を実試験により調べた。その結果、炭素線の場合とは異なり測定信号に影響を与えるバックグラウンドイベントの削減が必要であることが分かった。今後、その測定信号を高感度で検知できるように検出素子及びピンホールコリメータ形状を改善する。
菅井 裕之*; 山口 充孝; 長尾 悠人; 平野 祥之*; 酒井 真理*
no journal, ,
重粒子線治療時の被ばく線量の評価は、一般的にモンテカルロ法を用いたシミュレーションコードのGEANT4で行われている。被ばくに寄与する放射線には原子核反応による放射線及び制動放射がある。GEANT4では、複数ある制動放射の成分のうち原子核及び二次電子による発生過程をシミュレーションするが、この2成分のみでの線量計算の妥当性は検証されていない。そこで、その妥当性を検証するため、炭素線が水に入射した時に発生する制動放射発生量の実測値と計算値を比較した。その結果、計算値の方が大幅に小さく、準自由電子及び原子制動放射等のGEANT4で考慮されていない低エネルギー成分の被ばく線量への寄与が示唆された。
山口 充孝; 長尾 悠人; 河地 有木; 藤巻 秀; 神谷 富裕; 鳥飼 幸太*; 島田 博文*; 菅井 裕之*; 酒井 真理*; 荒川 和夫*; et al.
no journal, ,
重粒子線治療中に炭素ビームの軌道上の生体組織内で局所的密度減少が生じた場合、この影響でブラッグピークの位置がシフトすることで、誤照射の発生が懸念されている。この密度減少を照射中に確認できれば、誤照射の影響を軽減する対策が立てられる。そこで、2次電子による制動輻射のうちの検出効率が高い低エネルギー光子(63-68keV)の測定による密度減少箇所を特定する方法を開発している。本研究では実験によりこの方法の有効性を評価するために、中央に長さ1cmの空気領域を持つアクリルブロックに治療で使用される290MeV/uの炭素ビームを入射させ、ビーム軸に対して垂直に放出される光子発生量の位置依存性を測定した。光子の検出には、鉛製コリメータ(幅2.4mmの厚さ100mm)を挟んでアクリルブロックの側方に設置したCdTe半導体検出器を用いた。検出器及びコリメータは、ビーム軸に沿って間隙位置を中心に2mm間隔で移動させた。測定の結果、検出位置が間隙位置と一致した時に測定光子数が最少になり、この変化から間隙位置を計測可能であることが分かった。これにより、低エネルギー光子の測定による局所的密度減少の検出が可能性であることを示すことができた。
山口 充孝; 長尾 悠人; 菅井 裕之*; 酒井 真理*; 河地 有木; 佐藤 隆博; 神谷 富裕; 藤巻 秀; 荒川 和夫*; 鳴海 一雅
no journal, ,
炭素線治療においてビーム軌道上の空洞の発生はブラッグピークのシフトによる誤照射の原因となり、その発生を照射中に検出できれば、誤照射の影響を軽減する対策を講じることが可能となる。今回、人体を模したアクリル製ターゲット中の空洞を、検出視野が広く短時間測定に有利なマルチスリット型ガンマカメラで検出できるかどうかを、PHITSコードを用いたモンテカルロシミュレーションで次のように評価した。計算条件として(1)中心に半径2.5mm、長さ10mmの円柱形の空気空洞をもつ、半径50mm、長さ100mmの円柱形アクリルターゲットに、(2)入射エネルギー290MeV/uの炭素12ビームを、ビーム軸がターゲット及び空気空洞の回転中心軸と一致するよう入射させた。(3)放出光子測定のため、マルチスリット型コリメータ(鉛製)と検出器(テルル化カドミウム製)からなるガンマカメラを配置し、炭素ビームを照射した際にビーム軸に対し垂直方向に放出される光子を算出した。その結果、空洞の存在する領域と存在しない領域とで検出器へ到達する63-68keVの光子数に明らかな差があり、ビーム軌道上の空洞が十分検出可能であることが示された。
志風 義明
no journal, ,
福島第一原子力発電所事故により原子炉建屋内に飛散した放射性核種のうち、Sr(Y)などの高エネルギー線源は、建屋内部の壁や床や室内構造物の物質中で制動放射線を生成するので、作業者の被ばく管理上、制動放射線による線量評価も必要である。ここでは、シミュレーション計算を用いた制動放射線による線量の評価計算の精度を知るために、PHITSコードとGEANT4コードを用いて計算結果の比較を行った。計算では、上流から線源、各種遮蔽板(厚さ140mmの鉛、銅、アルミニウム、ガラス、ポリエチレン)、その背後に水円柱を評価物質として設定し、評価物質における付与エネルギースペクトルと吸収線量を計算した。制動放射線による影響を取得し、両計算コードの特性と相違点を調査した。本発表では計算方法や比較結果について報告する。