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藤田 善貴; Hu, X.*; Yang, Y.*; 北川 大凱*; 藤原 靖幸*; 吉永 尚生*; 堀 順一*; Do, T. M. D.*; 鈴木 達也*; 末松 久幸*; et al.
KURNS Progress Report 2023, P. 122, 2024/07
核セキュリティ等の観点から放射化法((n,)法)による
Mo製造の研究開発が進められている。この方法を
Mo/
Tcジェネレータに適用するためには、Mo吸着材として用いられるアルミナ(Al
O
)の特性改善が不可欠である。本報告では、高いMo吸着特性を有すると報告されている2つの文献を基に3種類のアルミナを合成し、ジェネレータへの適用性を評価した。京都大学研究用原子炉(KUR)で照射したMoO
を溶解した溶液(Mo濃度10g/L、pH4)に、アルミナを添加し3時間静置した。静置後のアルミナをカラムに移し、24時間ごとに2日間ミルキングを実施した。その結果、全てのアルミナで現行のジェネレータに使用されているアルミナを大きく上回る90mg-Mo/g以上のMo吸着量を得た。一方で、表面に均一な細孔が観察されたアルミナではミルキングにおけるMo脱離量も多かった。したがって、本試験条件においては、アルミナの表面状態はMo吸着特性よりもMo保持能力に大きな影響を与える可能性が示唆された。今後、より実用的な条件下でのジェネレータへの適用性を評価する。
前田 匡樹*; 田邉 匡生*; 西脇 智哉*; 青木 孝行*; 堂埼 浩二*; 西村 康志郎*; 藤井 翔*; 上野 文義; 田中 章夫*; 鈴木 裕介*; et al.
Transactions of the 27th International Conference on Structural Mechanics in Reactor Technology (SMiRT 27) (Internet), 10 Pages, 2024/03
This study develops assessment methods necessary to obtain a long-term structural integrity outlook for reactor buildings that suffered from the 2011 Great East Japan Earthquake disaster in which access to the site was extremely limited due to high radiation dose rates and high contamination. It is one of the "Nuclear science and technology and human resource development promotion projects" implemented by the Japan Atomic Energy Agency (JAEA) International Collaborative Research Center for Decommissioning and Environment (CLADS) in FY2021 to 2023. This paper introduces an outline and overview of the project.
藤田 善貴
JAEA-Review 2023-010, 108 Pages, 2023/08
Tc(テクネチウム-99m)は核医学検査薬として最も多く使用されているラジオアイソトープであり、親核種である
Mo(モリブデン-99)から生成される。
Moの大部分はウランの核分裂生成物の一つとして生成されるが、近年、核セキュリティや核不拡散の観点からウランを用いない
Mo製造方法が望まれている。その方法の一つが、
Moに中性子を照射する(n,
)法である。しかし、この方法で生成される
Mo比放射能は極めて低いため、
Moから
Tcを分離濃縮する装置である
Mo/
Tcジェネレータへ適用するには、Mo吸着材として使用されるアルミナ(Al
O
)のMo吸着および
Tc溶離性能の向上が必要である。そこで本論文では、(n,
)法を利用した
Mo/
Tcジェネレータの実用化のため、アルミナの性能向上に有効なパラメータを解明し、低比放射能の
Moに適用可能性のあるアルミナカラムの開発に貢献することを目的とする。本研究では、始発原料の異なるアルミナを作製し、
Mo/
Tcジェネレータ用のMo吸着材としての適用性を評価した。アルミナの結晶構造および比表面積がMo吸着特性へ及ぼす影響を明らかにするとともに、アルミナの表面分析結果に基づきMo吸着機構を解明した。また、京都大学研究用原子炉(KUR)で照射したMoO
を使用して
Tc溶離特性および
Tc溶液の品質を評価し、現行のジェネレータを想定したアルミナカラムの試験結果からジェネレータへの適用可能性のある新たなカラム形状を提案した。これらの結果は、(n,
)法を利用したジェネレータの実用化のためのアルミナカラムの開発に貢献する。
藤田 善貴; Hu, X.*; 武内 伴照; 武田 遼真; 藤原 靖幸*; 吉永 尚生*; 堀 順一*; 鈴木 達也*; 末松 久幸*; 井手 広史
KURNS Progress Report 2022, P. 110, 2023/07
ウランを使用しないテクネチウム-99m(Tc)の国産化を目的に、(n,
)法によるモリブデン-99(
Mo)製造に関する研究を行っている。この方法で生成される
Mo比放射能は低いことから
Moの娘核種である
Tcを濃縮するため、メチルエチルケトン(MEK)を用いた溶媒抽出法によって
Tcを抽出し、アルミナカラムによって
Tcを濃縮する技術に着目した。還元された
TcはMEKに抽出されないとの報告があることから、本試験では、モリブデン酸ナトリウム水溶液への水素バブリングによる
Tc還元を試み、
Tc収率への影響を調査した。その結果、論文で報告されたMEKへの
Tc抽出に対する影響は確認されず、酸性カラムへの
Tc吸着を阻害する可能性が示された。また、
Tcの化学形を把握するための基礎的データとして、回収した
Tc溶液のラマン分光分析を実施した結果、1050cm
あたりにシャープな弱いピークが確認された。今後、Tcの還元を確認するため、Tcの化学形の違いによるラマンピークの違いなどを調査していく。
平岡 大和; 小松崎 丈二*; 花香 宣彦*; 岡本 明子; 齋藤 好彦*; 宗像 雅広; 外川 織彦
JAEA-Technology 2022-003, 70 Pages, 2022/07
原子力災害時の避難退域時検査では、多数の車両及び避難住民等の検査を行うことが想定される。現在は、車両の指定箇所をタイヤとワイパー部とし、要員によるGM管式サーベイメータ等の表面汚染測定器で検査することを基本としているが、効率的な避難退域時検査を実施するため、車両検査では可搬型の車両用ゲート型モニタの活用が検討されている。本研究では、そのための基礎データを取得することを目的に、車両用ゲート型モニタの性能調査試験を実施した。本試験では、避難退域時検査における簡易除染の判断基準であるOIL4相当の汚染を密封線源のBaで模擬した。これを実車両のタイヤとワイパー部に取り付け、車両用ゲート型モニタにより模擬汚染からの
線の計数率を測定することとした。試験方法は、車両を静止させて測定する静止試験、実際の検査を模擬した走行試験、高BG環境下での性能を調べるための高BG環境試験の3試験を採用した。試験車両は、普通自動車として広く使用されているセダンを主とし、加えて車体のフロント部分がバスに似た造りであるバンも使用した。また、車両用ゲート型モニタは、(株)千代田テクノル製のガンマ・ポールを使用した。本試験の結果、OIL4初期設定値である40,000cpm相当の汚染が車両のタイヤ接地面に付着していたとき、車両が10km/h以下で車両用ゲート型モニタを通過すれば、99%以上の確率で、同じくワイパー部であれば、車速5km/h以下のとき84%以上の確率で汚染検知が可能であると推定された。タイヤ接地面の汚染がOIL4以上か未満かを判定するには、メーカーで設定する機器内の換算定数の調整を要することが示された。しかし、その場合であっても、ワイパー部はタイヤ接地面よりも汚染の検知が難しいため、タイヤ接地面とワイパー部の汚染を同時に判定・評価することは困難であることが示された。車両用ゲート型モニタを活用し、避難退域時検査の車両検査の効率化(迅速化)を図るには、タイヤ接地面とワイパー部の汚染の同時測定・評価の実現が課題であることが明らかとなった。
藤田 善貴; 関 美沙紀; Ngo, M. C.*; Do, T. M. D.*; Hu, X.*; Yang, Y.*; 武内 伴照; 中野 寛子; 藤原 靖幸*; 吉永 尚生*; et al.
KURNS Progress Report 2021, P. 118, 2022/07
核セキュリティ等の観点から放射化法((n,)法)による
Mo製造の研究開発が進められている。この方法を
Mo/
Tcジェネレータに適応するためには、Mo吸着材として用いられるアルミナ(Al
O
)の特性改善が不可欠である。これまで、開発したAl
O
試料から得られる
Tc溶液の品質を評価してきたが、溶液中への
Mo脱離が課題だった。本研究では、市販のジェネレータを模した形状のカラムにAl
O
試料を充填し、
Mo脱離低減のためのいくつかの措置を施して
Tc溶液の品質を評価した。以前実施した、Al
O
試料をMo溶液に浸漬させる静的吸着の条件と比較した結果、Mo溶液をAl
O
カラムに流す動的吸着の適用、Mo溶液の高濃度化、Mo添加量の低減により
Mo脱離量が大幅に改善された。したがって、吸着方法および吸着条件の最適化による品質向上の可能性が示唆された。今後、本結果に基づきカラム形状およびMo吸着条件の最適化を図る。
竹安 正則; 藤原 健壮
JAEA-Review 2021-061, 11 Pages, 2022/03
福島県は、ホールボディカウンター(WBC)を用いて、福島県民を対象とした内部被ばく検査(以下、福島県WBC検査という。)を実施している。日本原子力研究開発機構は、福島県が実施しているWBC検査に対して開始当初から継続的に協力してきた。本資料では、これまでの福島県WBC検査について、検査データ、住民からの問合せ対応結果などをレビューし、まとめた。また、参考情報として、他の機関が実施し公開されている検査の結果についてもまとめた。
つくば特区プロジェクト6会合メンバー
JAEA-Review 2021-016, 102 Pages, 2021/11
2011年12月に内閣総理大臣によって「総合特別区域」につくば市と茨城県内の一部の地域が指定された。つくば国際戦略総合特区では、つくばの科学技術の集積を活用したライフイノベーションやグリーンイノベーションの推進による産業化を推進することを目的とし、9つの先進的な研究開発プロジェクトが進められている。その中で、核医学検査薬(テクネチウム製剤)の国産化は、2013年10月に新たなプロジェクトと認定され、日本原子力研究開発機構をプロジェクトリーダーとして、関係機関と連携して研究開発を実施している。日本は、米国、欧州に次いでモリブデン-99(Mo)の世界第3位の消費国であるにもかかわらず、そのすべてを輸入している。海外の製造用原子炉のトラブルによる停止や、火山噴火や事故による輸送(空輸、陸送)の停止により、供給が不十分になることから、早期の国産化が強く求められている。本プロジェクトは、診断薬として用いられている放射性同位元素のテクネチウム-99m(
Tc)原料である
Moの国産化を目指した技術開発である。本報告書は、第1
2期計画(2014
2020年度)に行った活動をまとめたものである。
藤田 善貴; 関 美沙紀; 滑川 要二*; 西方 香緒里; 加藤 佳明; 佐谷戸 夏紀; 土谷 邦彦; 佐野 忠史*; 藤原 靖幸*; 堀 順一*; et al.
KURNS Progress Report 2019, P. 157, 2020/08
高濃縮ウランの利用低減や核不拡散及び核セキュリティ、核分裂生成物の処理の観点から放射化法((n,)法)によるMo-99(
Mo)製造の研究開発が進められている。この方法を
Mo/
Tcジェネレータに適用するためには、Mo吸着剤として広く用いられているアルミナ(Al
O
)の特性改善が必要不可欠である。本研究では、4種類のAl
O
試料をそれぞれPFAチューブに充填したカラムを準備し、照射済MoO
ペレットを溶解したモリブデン酸ナトリウム水溶液(Mo溶液)を流すカラム吸着(動的吸着)による
Mo吸着および
Tc溶離特性を評価した。また、2019年度実施したAl
O
試料をMo溶液に浸漬させるバッチ吸着(静的吸着)による評価結果と比較した。その結果、動的吸着では静的吸着に比べて
Tc溶離効率の向上、
Mo脱離量の減少が確認された。これは、Al
O
試料を細長いチューブに詰めることにより、溶液との接触が均一になったこと、接触時間が長くなったことが原因と考えられる。今後、カラム径や線流速による
Tc溶離および
Mo脱離に与える影響を調べる。
勝山 仁哉; 宮本 裕平*; Lu, K.; 真野 晃宏; Li, Y.
Proceedings of ASME 2020 Pressure Vessels and Piping Conference (PVP 2020) (Internet), 8 Pages, 2020/08
原子力機構では、中性子照射脆化及び加圧熱衝撃事象等の過渡事象を考慮し、原子炉圧力容器(RPV)の破損頻度を算出するための確率的破壊力学(PFM)解析コードPASCAL4の開発を進めている。亀裂のサイズや密度等の欠陥分布は、PFM解析の破損頻度を算出する上で重要な影響因子であることがよく知られている。NUREG-2163では、非破壊検査(NDI)の結果を反映するベイズ更新手法が提案されているが、NDIにより欠陥指示がある場合にのみ適用可能である。RPVの検査結果として欠陥指示がない場合があることから、我々は以前、NDIの結果として欠陥指示がある場合とない場合の両方に適用可能な尤度関数を提案した。しかし、これらのベイズ更新手法では、両者に相関のあると考えられる亀裂のサイズと密度を独立に更新する尤度関数が適用されている。本研究では、尤度関数をさらに改善し、亀裂のサイズと密度を同時に更新できるようにした。また、その尤度関数に基づきベイズ更新及びPFM解析を行い、その有用性を示した。
涌井 隆; 若井 栄一; 粉川 広行; 直江 崇; 花野 耕平; 羽賀 勝洋; 高田 弘; 島田 翼*; 鹿又 研一*
JPS Conference Proceedings (Internet), 28, p.081002_1 - 081002_6, 2020/02
J-PARCの水銀ターゲット容器は、水銀容器と二重容器構造の保護容器(内側及び外側容器)からなる三重容器構造である。2015年の500kWビーム運転時、水銀ターゲット容器の保護容器からの微小な水漏れが2回発生した。この容器破損から得られた知見を基に、設計, 製作及び試験検査過程の改善を行った。ワイヤ放電加工を用いて、1つのステンレスブロックから切り出した一体化構造を採用することにより、水銀ターゲット容器前方の溶接線の長さは約55%まで大幅に減らすことができた。放射線透過試験や超音波探傷試験による徹底的な溶接検査を実施した。2017年の9月に水銀ターゲット容器8号機が完成し、8号機を使用したビーム運転が開始された。500kWの安定的なビーム運転が実現でき、ビーム試験時には、1MWの最大ビーム強度を経験することができた。
藤田 善貴; 関 美沙紀; 滑川 要二*; 西方 香緒里; 木村 明博; 柴田 晃; 佐谷戸 夏紀; 土谷 邦彦; 佐野 忠史*; 藤原 靖幸*; et al.
KURNS Progress Report 2018, P. 155, 2019/08
高濃縮ウランの利用低減や核不拡散及び核セキュリティ、核分裂生成物の処理の観点から放射化法((n,)法)によるMo-99(
Mo)製造の研究開発が進められている。この方法を
Mo/
Tcジェネレータに適用するためには、Mo吸着剤として広く用いられているアルミナ(Al
O
)の特性改善が必要不可欠である。本研究では、4種類のAl
O
試料を準備し、照射済MoO
ペレットを用いて
Mo吸着および
Tc溶離特性を評価した。また、
Mo濃縮率の異なる3種類のMoO
ペレットを照射して、生成される
Mo比放射能を比較した。その結果、
Mo吸着量はV-B-300が最も優れているとともに、
Tc溶離率も約80%と比較的高く、得られる
Tc溶離量が最も多いことを明らかにした。
Mo濃縮率比較では、58.82%の濃縮ペレットで予想放射能量に近かったのに対して、98.5%以上の濃縮ペレットでは予想よりも小さい比放射能が得られた。今後、より高精度な実験方法を検討する必要がある。
福光 延吉*; 山内 悠輔*; Saptiama, I.*; 有賀 克彦*; 籏野 健太郎*; 熊田 博明*; 藤田 善貴; 土谷 邦彦
Isotope News, (760), p.15 - 18, 2018/12
核医学検査薬として最も多く使用されているTcの原料となる
Moは我が国ではすべて輸入に頼っており、安定供給のため
Mo/
Tcの国産化が望まれている。天然Moを中性子照射して
Moを生成することは技術的には可能であるが、比放射能が低いことから、現在
Mo/
TcジェネレータのMo吸着剤として用いられているアルミナの吸着性能向上が期待される。そこで、本研究ではメソポーラス技術を適用して表面積を増加させた新規アルミナの開発を進めている。アルミナは2通りの方法で合成し、一方はアルミナ-シリカ複合体でアルミナ/シリカ分子比及び焼成温度を段階的に変化させて合成する方法、一方がエタノール処理で焼成時間及び焼成温度を段階的に変化させて合成する方法である。本解説は、これらのメソポーラス加工を応用した新規アルミナの研究成果についてまとめたものである。
藤田 善貴; 西方 香緒里; 滑川 要二*; 木村 明博; 柴田 晃; 佐谷戸 夏紀; 土谷 邦彦; 佐野 忠史*; 藤原 靖幸*; Zhang, J.*
KURRI Progress Report 2017, P. 126, 2018/08
高濃縮ウランの利用低減や核不拡散及び核セキュリティ、核分裂生成物の処理の観点から放射化法((n,)法)によるMo-99(
Mo)製造の研究開発が進められている。この方法を
Mo/
Tcジェネレータに適用するためには、Mo吸着剤として広く用いられているアルミナ(Al
O
)の特性改善が必要不可欠である。本研究では、2種類のAl
O
試料を準備し、照射済MoO
ペレットを用いて
Mo吸着および
Tc溶離特性を評価した。その結果、Mo吸着量は未照射のMoO
ペレットを用いた試験での値と同等であるとともに、
Tc溶離率は既存の医療用アルミナよりも開発したアルミナの方が優れていることを明らかにした。一方で、
Mo生成量は熱中性子のみから計算される値と大きく差があり、熱外中性子や高速中性子からの寄与も大きいことが示唆された。
石田 卓也; 鈴木 善貴; 西方 香緒里; 米川 実; 加藤 佳明; 柴田 晃; 木村 明博; 松井 義典; 土谷 邦彦; 佐野 忠史*; et al.
KURRI Progress Report 2015, P. 64, 2016/08
医療診断用アイソトープであるTcの親核種である(n,
)法を用いた
Moの製造を計画している。2014年にKURで照射した高密度MoO
ペレットをJMTRホットラボに持ち込み、
Moから核変換により生成した
Tcを溶媒抽出法により抽出した。本研究では、得られた
Tcの回収率評価及び品質検査を行い、溶媒抽出法による
Mo/
Tc製造工程を実証するとともに、得られた
Tc溶液の品質が基準値を満足するものであることを明らかにした。
高松 邦吉
非破壊検査, 65(5), p.207 - 210, 2016/05
福島第一原子力発電所の事故前、宇宙線ミューオンを使って原子番号の違いを検出できないか検討した結果、散乱法を用いた宇宙線ミューオンの可視化技術は、黒鉛ブロック、原子炉圧力容器、ウラン(燃料体)、空気を識別することができた。また、福島第一原子力発電所の事故後、燃料デブリの状況を把握するため、透過法を用いた宇宙線ミューオンの可視化技術を提案した結果、原子力機構のHTTRの原子炉圧力容器(RPV)および原子炉格納容器(CV)の外側から、炉心および炉内構造物を可視化することができた。
米澤 理加; 郡司 郁子; 杉山 顕寿; 菖蒲 順子; 高下 浩文
JAEA-Review 2015-020, 80 Pages, 2016/02
原子力機構核燃料サイクル工学研究所(以下、サイクル研)では、平成23年7月から国の原子力災害現地対策本部及び福島県から依頼を受け、平成23年3月の東北地方太平洋沖地震時に起きた福島第一原子力発電所の事故(以下、福島原発事故)により影響を受けた福島県民に対して、ホールボディカウンター(以下、WBC)を使用した内部被ばく検査を実施してきた。この検査に訪れた福島県民は、福島原発事故による放射線の健康影響を心配するだけでなく、未曽有の大地震による被害を受ける等、様々な背景や懸念事項を抱えていた。そのため、疑問や不安の軽減に少しでも貢献できるよう、積極的傾聴を主とした双方向コミュニケーションに取り組んできた。本報告書では、内部被ばく検査開始直後から試行錯誤しながら取組んだコミュニケーション活動の実績とともに活動の効果を示す。
長谷川 登
化学, 71(3), p.72 - 73, 2016/02
日本には、非常に多くのトンネルがある一方で、それらは高度経済成長期に建設されたものが多く、その老朽化が社会問題となっている。今回我々は、レーザーを用いてトンネルコンクリート内部の外からは見えない「ひび割れ」等の欠陥を遠隔・非接触で検出する「レーザー欠陥検出法」の高速化を行った。レーザー技術総合研究所と協力し、コンクリート壁を振動させる振動励起レーザーと振動を検知する計測系の高速化を行い、実験室内の模擬欠陥を対象として、従来の約50倍の速さに相当する25ヘルツでの欠陥の検出に成功した。この計測手法に関する解説を行った。
高橋 史明; 佐藤 薫; 遠藤 章; 小野 孝二*; 伴 信彦*; 長谷川 隆幸*; 勝沼 泰*; 吉武 貴康*; 甲斐 倫明*
Health Physics, 109(2), p.104 - 112, 2015/08
被引用回数:10 パーセンタイル:60.88(Environmental Sciences)日本国内でのCT検査による患者の臓器線量を正確に評価するため、CT線量評価システムWAZA-ARIの開発を進めている。WAZA-ARIの線量計算では、成人日本人のボクセルファントム及び放射線輸送計算コードPHITSを用いた数値解析で整備した臓器線量データを利用する。このデータの解析を進めるため、CT装置内の寝台における線量分布等の測定結果に基づき、各種装置でのX線放出特性をPHITSで数値的に模擬する技術を開発した。典型的な撮影条件について、PHITSと日本人ボクセルファントムを用いた解析結果より臓器線量を計算し、既に利用されている他のCT線量評価システムによる結果と比較した。その結果、日本人ボクセルファントムを用いた解析で得た線量データを利用した場合、数学人体模型に基づく線量データを利用した他のシステムよりも、人体形状を適切に考慮して臓器線量を導出できることが検証された。また、欧米人の体格に基づくボクセルファントムによる計算結果や日本人体型を模擬した物理モデルを用いた実測結果と比較した。これらの比較検証により、本研究で開発した数値解析法で得られる臓器線量データは、日本人の体格特性を考慮したシステムWAZA-ARIに十分適用できることを確認した。
佐々木 幸太*; 遊佐 訓孝*; 若井 隆純; 橋爪 秀利*
Electromagnetic Nondestructive Evaluation (XVIII), p.244 - 251, 2015/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Mechanics)This study reports evaluations of applicability of a microwave nondestructive testing method for a flaw inside heat exchanger tubes in JSFR, which is a straight long-range tube whose diameter is 11.0 mm. Design of microwave probe profile on the basis of numerical simulations on transmission characteristics at the probe are carried out and the plate-structure microwave probe which enables to largely introduce microwaves into a pipe is confirmed. Experimental evaluations using straight brass pipe whose diameter and length are 11.0 mm and 12.0 m, respectively, reveal that good agreement between predicted location of a flaw and true locations.