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草間 義紀; 山本 正弘; JFT-2Mグループ
Fusion Science and Technology, 49(2), p.89 - 95, 2006/02
被引用回数:9 パーセンタイル:52.33(Nuclear Science & Technology)JFT-2Mトカマクにおける実験研究は、1983年4月27日のファーストプラズマに始まり、2004年3月に終了した。21年間の実験において、核融合エネルギー及びプラズマ物理の研究を主導する多くの優れた研究成果を挙げた。JFT-2Mでの全研究を網羅する特集号の最初の論文として、この論文はJFT-2M計画を概観する。
小川 宏明; 山内 有二*; 都筑 和泰; 川島 寿人; 佐藤 正泰; 篠原 孝司; 神谷 健作; 河西 敏; 草間 義紀; 山口 薫*; et al.
Journal of Nuclear Materials, 329-333(Part1), p.678 - 682, 2004/08
被引用回数:4 パーセンタイル:28.71(Materials Science, Multidisciplinary)JFT-2Mでは原型炉の構造材として有力視されている低放射化フェライト鋼(F82H)を段階的に真空容器内に設置して高性能プラズマとの適合性を試験する「先進材料プラズマ適合性試験」を実施している。フェライト鋼はその化学的特性(錆びやすい)から酸素不純物の増加が懸念されている。また、重水素保持特性に関してはこれまで十分なデータの蓄積がない。そこで、フェライト鋼を真空容器内壁の20%に設置した場合と全面に設置した場合の不純物挙動を分光診断で測定した。その結果、真空容器内壁全面に設置した場合であっても、プラズマが直接相互作用をしない位置に設置した場合では、不純物放出が大きな問題とならないことを示す結果を得た。また、フェライト鋼の重水素保持特性では、重水素はおもに酸化層に吸蔵され、機械研摩等により酸化層を除去した状態では、構造材として広く用いられているSUS-316Lと同様であることを示す結果を得た。
都筑 和泰; 篠原 孝司; 神谷 健作; 川島 寿人; 佐藤 正泰; 栗田 源一; Bakhtiari, M.; 小川 宏明; 星野 克道; 河西 敏; et al.
Journal of Nuclear Materials, 329-333(1), p.721 - 725, 2004/08
被引用回数:7 パーセンタイル:44.13(Materials Science, Multidisciplinary)低放射化フェライト鋼は核融合原型炉のブランケットの有力な候補材料であるが、強磁性体であり不純物の吸蔵量も大きいことから高性能プラズマとの共存性の実証が不可欠である。JFT-2Mにおいては、原研炉のブランケット壁を模擬するため、真空容器の内壁全面にフェライト鋼を設置し、適合性試験を行っている。プラズマ生成,制御に関しては、フェライト鋼によって生成される磁場が、外部磁場の10%程度であることを示し、トカマクプラズマが既存の制御系で生成可能であることを示した。さらに、原型炉においても、制御に対する影響はJFT-2Mと同程度と予測されることを示した。また、原型炉で想定されている高規格化ベータプラズマに対する適合性を調べる実験を行い、フェライト鋼壁の存在下でも壁無しの安定化限界に近い、規格化ベータ3.3程度のプラズマが生成できることを実証した。この配位をベースにしてプラズマを全体的に弱磁場側の壁に近付けたところ、ディスラプション直前のモードの成長速度が壁の時定数程度(数ms)まで低減した。これは壁安定化効果の存在を示唆する。その他、低ベータでのロックトモード,Hモード遷移等にも悪影響は観測されておらず、フェライト鋼の原型炉への適用に対し、明るい見通しを与える結果が得られた。
石田 真一; JT-60チーム; JFT-2Mグループ
Physics of Plasmas, 11(5), p.2532 - 2542, 2004/05
被引用回数:22 パーセンタイル:56.63(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60UとJFT-2Mにおいて、経済性と環境適合性の高い魅力的な核融合炉を目指して進めている定常高ベータ化研究の成果を発表する。JT-60Uでは、bN=2.7の高ベータプラズマを7.4秒維持したが、その性能は新古典テアリングモード(NTM)で制限された。電子サイクロトロン波入射と電子温度揺動計測を組合せてNTMの実時間制御法を開発し、NTMの完全抑制に成功した。負イオン中性粒子入射を用いて高性能化を行い、完全電流駆動プラズマで世界最高の核融合積を達成した。23keVの高電子温度プラズマに電子サイクロトロン波電流駆動を行い、極めて高い電流駆動効率を達成した。JFT-2Mでは、真空容器内に低放射化フェライト鋼を全面に装着した後、内部輸送障壁を伴う閉じ込め改善により、bN=3.3に達する高ベータプラズマの生成に成功し、先進材料プラズマ適合性試験の見通しを得た。JT-60Uでは、2003年度の後半から、加熱時間を30秒へ伸長した実験を開始する。また、JFT-2Mでは2003年度の後半に、フェライト鋼壁がプラズマ安定性に及ぼす影響を調べる予定である。JT-60のコイルを超伝導化するJT-60定常高ベータ化計画は、トカマク国内重点化装置計画として科学技術・学術審議会で承認され、その詳細な検討を大学等との連携の下に進めている。
都筑 和泰; 木村 晴行; 川島 寿人; 佐藤 正泰; 神谷 健作; 篠原 孝司; 小川 宏明; 星野 克道; Bakhtiari, M.; 河西 敏; et al.
Nuclear Fusion, 43(10), p.1288 - 1293, 2003/10
被引用回数:39 パーセンタイル:72.92(Physics, Fluids & Plasmas)JFT-2Mでは、原型炉のブランケット構造材料の候補である低放射化フェライト鋼とプラズマとの適合性を調べる実験を進めてきている。昨年度にはフェライト鋼内壁を真空容器内に全面的に設置する作業を行い、今年度より実験を開始している。プラズマ生成,制御は問題なく行われ、金属不純物の放出も検出限界以下であった。改善閉じ込め(Hモード)も実現され、そのしきいパワーもこれまでと同等であった。プラズマ安定性に関してもこれまでの所悪影響は観測されておらず、規格化が3を超える放電との共存性も示された。高速イオンのリップル損失に関しても顕著な低減が実証された。以上のように、フェライト鋼の悪影響は小さく、有望な結果を得ている。JFT-2Mでは、その他にも先進的、基礎的な研究を行っている。先進的粒子供給手法であるコンパクトトロイド(CT)入射実験においては、再現性よくプラズマ中へ入射が行われ、CT入射に伴う密度の急上昇が初めて明確に観測された。
上原 和也; 前田 満; 津島 晴*; 雨宮 宏*
Journal of the Physical Society of Japan, 72(1), p.94 - 100, 2003/01
被引用回数:2 パーセンタイル:21.16(Physics, Multidisciplinary)周辺プラズマの輸送モデルについての研究の集大成である。トカマクの周辺プラズマにおける磁気面に垂直な輸送が、粒子保存則及びエネルギー保存則を用いて評価される。従来のモデルに電離と荷電変換による損失項を加えさらに温度勾配による輸送への寄与を含めて精密化した。シースポテンシャルで加速される粒子束を含んだ、連続長についての詳細な考察もAppendixに含めた。得られた表式により、JFT-2Mの静電プローブで測定されている実験値を代入して、輸送係数を評価した。
草間 義紀; JFT-2Mグループ
Proceedings of 30th EPS Conference on Controlled Fusion and Plasma Physics (CD-ROM), 4 Pages, 2003/00
JFT-2Mにおいては、原型炉の構造材料の有力な候補である低放射化フェライト鋼を真空容器内壁の全面に装着し、高性能プラズマと低放射化フェライト鋼との適合性に関する試験(先進材料プラズマ適合性試験)を進めている。これまでに、真空特性,プラズマ生成・制御等に対するフェライト鋼の影響,リップル損失の低減への効果はほぼ予測通りであり、また、従来とほぼ同じ性能の閉じ込め改善モード(Hモード)が得られることを確認した。さらに、定常運転に適した新しい運転モード(高リサイクリング定常Hモード)を発見し、内部輸送障壁と共存させることに成功して、JFT-2Mとしては最高の規格化ベータ値3.3を達成した。この高ベータ化の進展により、原型炉の運転で想定される高ベータ領域での研究を実施できる見通しが得られた。
都筑 和泰; 佐藤 正泰; 川島 寿人; 伊世井 宣明; 木村 晴行; 小川 宏明; 宮地 謙吾; 山本 正弘; 柴田 孝俊
Journal of Nuclear Materials, 307-311(Part2), p.1386 - 1390, 2002/12
被引用回数:15 パーセンタイル:66.80(Materials Science, Multidisciplinary)低放射化フェライト鋼は原型炉の構造材の候補材料であるが、強磁性体であるため、閉じ込め,安定性の劣化が懸念されている。そのため、プラズマへの適用性を実証していくことが不可欠であり、JFT-2Mにおいては三段階で試験を進めることになっている。これまでに第二段階であるフェライト鋼板の真空容器内部分的設置による適合性予備試験を終了したが、プラズマに対する悪影響は観測されておらず、トロイダル磁場リップルの低減が可能であるなど、むしろプラズマの改善に役立つことが実証されている。第三段階では、リップルの理想的な低減と、プラズマ安定性への影響のさらなる理解を目標にフェライト鋼板を真空容器内に全面的に設置することになっており、現在設置工事を行っている。また、リップルの実測、及び誤差磁場の計測のため高精度の磁場計測器を開発し、設置前の磁場測定まで終了した。リップル率,誤差磁場成分とも十分な精度で参照データを取得できた。
佐藤 正泰; 木村 晴行; 三浦 幸俊; 中山 武*; 飛田 健次; 川島 寿人; 都筑 和泰; 伊世井 宣明
Nuclear Fusion, 42(8), p.1008 - 1013, 2002/08
被引用回数:5 パーセンタイル:17.49(Physics, Fluids & Plasmas)JFT-2Mではフェライト鋼とプラズマとの整合性を調べる先進材料プラズマ試験を現在段階的に進めている。第一段階のリップル低減試験では、トロイダル磁場コイルの直下で真空容器の外側にフェライト鋼板(FP)を設置して、トロイダル磁場のリップル(強弱)を低減し、高速イオンのリップル損失減少を実証した。フェライト鋼を装着した場合、磁場の構造が複雑に変化し、トロイダル磁場コイルの数に相当するトロイダルモード数の磁場リップルだけでなく、その高調波が発生する。磁場の強さとフェライト鋼の厚さを変え、基本波リップルと2倍高調波リップルを変化させることにより、リップル捕捉損失は、肩部の基本波リップル率に強く依存することを明らかにした。FPにより作り出される磁場を考慮に入れて軌道追跡モンテカルロコード(OFMC)を拡張し、実験結果と比較した。その数値結果は、リップル捕捉損失は肩部の基本波リップル率に強く依存し、実験事実を定性的に説明できる。
永田 正美*; 福本 直之*; 小川 宏明; 小川 俊英; 上原 和也; 新美 大伸*; 柴田 孝俊; 鈴木 喜雄; 三浦 幸俊; 粥川 尚之*; et al.
Nuclear Fusion, 41(11), p.1687 - 1694, 2001/11
被引用回数:12 パーセンタイル:37.59(Physics, Fluids & Plasmas)コンパクトトロイド(CT)プラズマと外部磁場及びトカマクプラズマとの相互作用をJFT-2M並びにFACT装置を用いて実験的に研究した。JFT-2Mにおいて高速カメラによりCTプラズマの垂直方向のシフトを観測した。またダブルプローブ計測によりBe=1.0~1.4Tの範囲では、JFT-2Mプラズマのセパラトリックス近傍にまでCTプラズマが到達しており、さらにその後につづくトレーリングプラズマと言われる低速低密度プラズマの存在を明らかにした。さらにCTの磁場とトロイダル磁場とのリコネクションに関連した大振幅の揺動を観測した。FACT装置における外部磁場印加時のトリフト管中の挙動の観測結果をもとに、垂直方向のシフトはガン電流と外部磁場とのローレンツ力によるものであり、またトレーリングプラズマの侵入は分極電流による制動力がホール効果により減衰することによることを明らかにした。
木村 晴行; 佐藤 正泰; 川島 寿人; 伊世井 宣明; 都筑 和泰; 小川 宏明; 小川 俊英; 三浦 幸俊; 山本 正弘; 柴田 孝俊; et al.
Fusion Engineering and Design, 56-57, p.837 - 841, 2001/10
被引用回数:14 パーセンタイル:68.34(Nuclear Science & Technology)低放射化フェライト鋼(F82H)のプラズマへの適用性試験(先進材料プラズマ試験)がJFT-2Mで進展している。真空容器とトロイダル磁場コイルの間にフェライト鋼板を挿入することによりトロイダル磁場リップル低減を実証した(第1段階)。第2段階ではフェライト鋼板を真空容器の内部に部分的に設置してプラズマへの適合性を予備的に調べており、これまでのところフェライト鋼の強磁性や真空特性がプラズマに及ぼす悪影響は観測されていない。フェライト鋼板のプラズマ-壁相互作用の改善のためボロンコーティングを実施した。プラズマ密度の上限はフェライト鋼板設置後、ボロンコーティングを行うことにより1.6倍以上に増加した。真空容器内壁を全面的にフェライト鋼化してプラズマとの適合性を本格的に調べる試験(第3段階)のための設計と準備が進行中である。
浦田 一宏*; 鈴木 優*; 工藤 文夫*; 木村 晴行; 三浦 幸俊; 山本 正弘
Fusion Engineering and Design, 56-57, p.849 - 853, 2001/10
被引用回数:4 パーセンタイル:32.97(Nuclear Science & Technology)真空容器の内壁を強磁性・フェライト鋼板でカバーすることがJFT-2Mの先進材料プラズマ試験(AMTEX)の第3段階で計画されている。フェライト鋼板(設計例)に対してプラズマディスラブション時に作用する全電磁力を3次元電磁場解析コードEDDY3Dを用いて計算するとともに、フェライト鋼板における磁化と渦電流の結合効果を評価した。真空容器に対してボルトで固定するフェライト鋼板の支持構造の健全性をこの計算により確認した。
川島 寿人; 佐藤 正泰; 都筑 和泰; 三浦 幸俊; 伊世井 宣明; 木村 晴行; 中山 武*; 阿部 充志*; Darrow, D. S.*; JFT-2Mグループ
Nuclear Fusion, 41(3), p.257 - 263, 2001/03
被引用回数:39 パーセンタイル:73.23(Physics, Fluids & Plasmas)JFT-2Mでは先進材料プラズマ試験(AMTEX)計画として低放射化フェライト鋼(F82H)のプラズマへの適用性を研究している。第1段階として、フェライト鋼板(FB)をトロイダル磁場コイルと真空容器の間に挿入してトロイダル磁場リップルの低減を試験した。その結果、FB装着によってリップル率及びリップルによる高速イオン損失が明らかに低減されることがわかった。特にFB厚の最適化によって肩部のリップル率を0.07%まで下げられ、リップル捕捉によるイオン損失をほぼ零にできた。現在、FBを真空容器内部に部分的に設置し、プラズマへの適合性を予備的に調べている(第2段階)。これまでのところ、FBの強磁性によるプラズマ制御・安定性への悪影響や不純物放出等に関する問題点は見られておらず、かつ、高プラズマとの両立にとって有望な結果が得られている。
那珂研究所
JAERI-Review 2000-030, 113 Pages, 2001/01
那珂研究所における平成11年度の研究開発活動についての報告である。主な活動は、JT-60とJFT-2Mにおける高性能プラズマの研究、及び工学技術活動(ITER工学R&D)を含むITER工学設計活動(EDA)である。主な成果は、JT-60において換算核融合エネルギー増倍率0.5の負磁気シア放電を0.8秒間維持することに成功したこと、JFT-2Mにおいて低放射化フェライト鋼板の設置によるトカマクの先進化研究を順調に進めていること、NbSnインサート・コイルの製作を完了し中心ソレノイド・モデルコイルとともに試験装置に据え付けたこと等である。ITERに関して、ITER-FEATの概要設計報告書及びその技術文書がとりまとめられた。
中村 幸男*; 仙石 盛夫; 中原 由紀夫*; 鈴木 直之*; 鈴木 肇*; 大藪 修義*; Busnyuk, A.*; Notkin, M.*; Livshits, A.*
Journal of Nuclear Materials, 278(2-3), p.312 - 319, 2000/04
被引用回数:16 パーセンタイル:69.74(Materials Science, Multidisciplinary)核融合炉燃料の水素と、ヘリウム灰を分離して排気可能な先進的排気システムである、超透過膜(Nb)ポンプをJFT-2Mトカマクのダイバータ室内に設置して排気試験を行った。強いガスパフ(~3Pam/s)だけでダイバータ室の圧力を上げた場合は全く排気せず、ダイバータプラズマがポンプを見込む場合にきた時のみ排気が観測された。また、中性ガス圧に比例した粒子(原子状)束を排気できた(最大7.3
10
D/m
s)。これらのことより、(1)世界で初めてトカマク環境下で超透過膜ポンプの排気性能実証、(2)強いガスパフによる低温高密度ダイバータと組み合わせた結果、高圧力で効率良く排気できることを実証、(3)そのような系では原子状水素束は分子状水素密度に比例することを検証等の結果を得た。
木村 晴行; 川島 寿人; 都筑 和泰; 佐藤 正泰; 三浦 幸俊; 伊世井 宣明; 井戸 毅*; 小川 俊英; 上原 和也; JFT-2Mグループ
JAERI-Conf 2000-004, p.77 - 80, 2000/03
JFT-2Mにおける先進材料プラズマ試験の一環であるフェライト鋼板(FB)設置によるトロイダル磁場リップル低減実験の成果を発表する。FBは基本モードと2倍モードの両方の磁場リップルを減少するよう最適化されている。FB装着後、磁場リップルが約50%に減少したことを磁気プローブの測定により確認した。これに伴い高速イオンのリップル損失(リップル捕捉(RT)損失、バナナドリフト(BD)損失)も減少した(RT損失はFB設置前の約50%に減少)。プラズマ電流とトロイダル磁場の値を変えることによりFB設置後のリップル損失の安全係数やリップル率依存性を調べ、RT損失は安全係数やリップル率の増加に伴い増加するが、BD損失は逆の振る舞いをすることを明らかにした。Hモードプラズマのトロイダル回転速度はFB設置後、顕著に増加した。
小川 俊英; 福本 直之*; 永田 正義*; 小川 宏明; 前野 勝樹; 長谷川 浩一; 柴田 孝俊; 宇山 忠男*; 宮沢 順一*; 河西 敏; et al.
Nuclear Fusion, 39(11Y), p.1911 - 1915, 1999/11
被引用回数:34 パーセンタイル:70.15(Physics, Fluids & Plasmas)姫路工大で開発したコンパクトトロイド(CT)入射装置を用いて同大学と共同で行っているJFT-2MプラズマへのCT入射実験について報告する。プラズマ中へ入射したCTは磁場の圧力を受けて進入するため、CTの運動エネルギーと磁場強度で進入距離が決まる。トロイダル磁場を0.8Tまで下げるとCT入射に伴い、多チャンネル軟X線計測器の中心コードに信号が増加する放電が得られた。このとき電子密度は急上昇し、マイクロ波干渉計の中心コードで1.710
m
/sの線平均電子密度の上昇率が得られている。軟X線計測器の信号が増加する最も内側のチャンネルからCTの進入を評価すると、CTの加速電圧やトロイダル磁場強度を変えた放電から、電子密度の上昇率は進入距離に依存することがわかった。Hモード中へのCT入射を試み、トロイダル磁場0.8Tで1.9
10
m
/sの電子密度上昇率が得られた。
中山 武*; 山本 正弘; 阿部 充志*; 柴田 孝俊; 大塚 道夫*; 秋山 隆*; 佐藤 勝利*; 菊池 一夫; 和田 豊*; 小池 常之; et al.
Proceedings of the 18th IEEE/NPSS Symposium on Fusion Engineering (SOFE '99), p.227 - 230, 1999/10
高性能トカマク開発試験装置(JFT-2M)では、将来の炉構造材料の候補である強磁性体の低放射化フェライト鋼F82H(以下フェライト鋼と記す)を用いた先進材料プラズマ試験計画を段階的に進めている。第1段階のリップル低減試験では、フェライト鋼板を真空容器の外部に設置して、トロイダル磁場リップルの低減を図る。本発表は、このフェライト鋼板の機械設計に関するものである。フェライト鋼板の形状は、各トロイダルセクション毎に決定し、ポート、計測器、ベーキングヒータ等を避けた中で最もリップルを低減できる構造とした。フェライト鋼板は、トロイダル磁場コイルケースから支持し、支持構造は可能な通電パターンすべてに対する電磁力を考慮して決定した。また、板厚はトロイダル磁場強度に応じて可変とした。設置後に電磁力試験を実施し、支持具の健全性を確認できた。フェライト鋼板の設置により、トロイダル磁場リップルの基本モードを2.1%から0.8%に低減できた。
岡野 文範; 海野 一美*
JAERI-Tech 99-070, p.19 - 0, 1999/09
高性能トカマク開発試験装置(JFT-2M)では、プラズマ放電(約6分周期、持続時間約1秒)に伴い、高エネルギーの逃走電子がリミタ等に衝突してX線が発生する。このX線発生量を管理区域境界において許容線量以下とし、安全管理をより確実なものとする目的で、JFT-2M多チャンネルX線モニターシステムを新たに製作した。本システムは、4台の電離箱型検出器をJFT-2M装置本体の周りに配置し、X線発生量のトロイダル方向分布を把握可能とした。検出器からの出力信号は光変換され、線量計本体を経由して、パーソナルコンピュータでデータ収集・処理される。また、X線発生量が過大となった場合、それを検知してプラズマ放電を安全に停止するインターロック機能も設けた。これにより、X線の発生状況をJFT-2Mのプラズマ制御に素早く反映することができ、より確実に管理区域境界における許容線量を超えないよう管理可能となった。
那珂研究所
JAERI-Review 99-022, p.118 - 0, 1999/09
那珂研究所の平成10年度の核融合研究活動の内容について報告する。主な活動は、JT-60とJFT-2M、日米協力によるDIII-Dにおける高温プラズマの研究、及び炉工学技術開発(ITER工学R&D)を含むITER工学設計活動(EDA)である。主な成果としては、JT-60Uでの重水素放電において、透過エネルギー増倍率Q=1.25の高性能負磁気シアプラズマを生成したことなどである。ITER工学R&Dでは、超伝導磁石の分野で中心ソレノイド・モデルコイル外層モジュールが完成し、那珂研へ搬入されたことなどである。平成10年度6月にITERの最終設計報告書がITER理事会で正式に受理された。米国を除く欧州、ロシア、日本が3年間のEDAの延長に合意し、技術目標の低減とコストを削減した設計を行うべく作業を進めている。