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宮田 穂高*; 吉田 健太*; 小無 健司*; Du, Y.*; 北垣 徹; 菖蒲 敬久; 嶋田 雄介*
Microscopy, p.dfaf005_1 - dfaf005_10, 2025/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Microscopy)Characterizing the fuel debris in Fukushima reactors is essential for developing efficient removal methods. This study analyzed Fe-ZrSiO-based and (Zr, U)SiO
fuel debris using advanced electron microscopy techniques. At crack tips, a metallic phase of polycrystalline Fe, Cr
O
, and ZrO
with dimples (2-58
) was observed, with a dislocation density of 2.1
10
m
, much higher than typical annealed Fe. A 3D reconstruction revealed a core-shell structure with a (U, Zr)O
core (1-5
) and a (Zr, U)SiO
shell (2-9
) in the molten corium-concrete interaction debris.
杉田 剛; 吉田 博和*; 児玉 弘人*; 石垣 徹*; 大場 洋次郎*
Journal of the Ceramic Society of Japan, 132(9), p.548 - 554, 2024/09
被引用回数:1 パーセンタイル:42.27(Materials Science, Ceramics)気孔率はセラミックスの性能に不可欠な役割を果たしている。本研究では、セラミックスの気孔径分布に及ぼす粘土組成と焼成温度の影響を中性子小角散乱(SANS)測定により評価した。石英に富む純粋な笠間粘土と比較して、ムライトに富む笠間粘土ブレンドは熱処理後に細孔が小さくなった。DOを吸収した試料のSANS測定から、数十ナノメートルから約1マイクロメートルの大きさの開孔が水の吸収に寄与していることがわかった。閉気孔と開気孔は焼成温度の上昇とともに粗大化し、全気孔率は低下した。
町田 昌彦; 山田 進; Kim, M.; 田中 伶詞*; 飛田 康弘*; 岩田 亜矢子*; 青木 勇斗; 青木 和久; 柳澤 憲一*; 山口 隆司; et al.
RIST News, (70), p.3 - 22, 2024/09
福島第一原子力発電所(1F)建屋内には、原子炉内から漏洩した放射性物質の汚染により高い放射線量を示す地点が多数存在し、廃炉作業を円滑に進める上での大きな障害となっている。日本原子力研究開発機構(JAEA)は、この課題解決に貢献するため、経済産業省の廃炉・汚染水対策事業費補助金「原子炉建屋内の環境改善のための技術開発(被ばく低減のための環境・線源分布のデジタル化技術の高機能化開発)」を受託し、令和(R)5年度4月より、廃炉屋内の放射線環境改善に係るデジタル技術の研究開発事業を進めている。本事業では、前期事業(R34年度実施)にて開発した3 D-ADRES-Indoor(プロトタイプ)を発展させ、現場で活用可能な高速デジタルツイン技術より成るFrontEnd、1F新事務本館等の居室で詳細解析を行うPro、そして、収集したデータ及び解析したデータを集中管理するデータベースの役割を果たすBackEndの3つの連携システムの開発を目標としている。本報告では、この3つの連携システムの中でも現場で活用するシステムとして、点群測定後、迅速に3Dメッシュモデルを作成し、線量率の計測結果から線源を逆推定し、その推定線源の位置や強度を更に高精度化する計算技術(再観測指示と再逆推定)を有するFrontEndを中心に、その開発状況について報告し、その検証結果として5号機での試験結果を示す。また、簡単に当該事業の今後の研究開発の計画も報告する。
近藤 恭弘; 北村 遼; 不破 康裕; 森下 卓俊; 守屋 克洋; 高柳 智弘; 大谷 将士*; Cicek, E.*; 恵郷 博文*; 深尾 祥紀*; et al.
Proceedings of 31st International Linear Accelerator Conference (LINAC 2022) (Internet), p.636 - 641, 2022/09
J-PARCにおいて、現代の素粒子物理学で最も重要な課題の一つである、ミューオン異常磁気モーメント、電気双極子モーメントを精密測定する実験のためのミューオンリニアック計画が進行中である。J-PARCミューオン施設からのミューオンはいったん室温まで冷却され、212MeVまで加速される。横エミッタンスは1.5mm mradであり、運動量分散は1%である。高速で規格化した粒子の速度で0.01から0.94におよぶ広い範囲で効率よく加速するため、4種類の加速構造が用いられる。計画は建設段階に移行しつつあり、初段の高周波四重極リニアックによるミューオン再加速はすでに2017年に実証済である。次段の交差櫛形Hモードドリフトチューブリニアックのプロトタイプによる大電力試験が完了し、ディスクアンドワッシャ型結合セルリニアックの第一モジュールの製作が進行中である。さらに円盤装荷型加速管の設計もほぼ終了した。本論文ではこれらミューオンリニアックの最近の進捗について述べる。
鷲見 一路*; 飯嶋 徹*; 居波 賢二*; 須江 祐貴*; 四塚 麻衣*; 恵郷 博文*; 大谷 将士*; 齊藤 直人*; 三部 勉*; 吉田 光宏*; et al.
Journal of Physics; Conference Series, p.012038_1 - 012038_6, 2022/07
ミューオンリニアック用円盤装荷型加速構造(DLS)がJ-PARCミューオンg-2/EDM実験のために開発中である。4つの加速勾配20MV/mのDLSにより、ミューオンが40MeVから212MeV(高速の70%から94%)に加速される。加速にしたがい円盤間隔が増加していく2592MHz準定勾配型TM01-2/3モードDLSを設計し、ミューオン速度と高周波の位相速度の位相スリップが2度以下となることを確認した。さらに、理想的な同期位相を同定し、全エミッタンス1.5
mm mrad、運動量分散0.1%(RMS)という要求を満たすことをシミュレーションにより確認した。
北垣 徹; 吉田 健太*; Liu, P.*; 菖蒲 敬久
npj Materials Degradation (Internet), 6(1), p.13_1 - 13_8, 2022/02
被引用回数:2 パーセンタイル:13.42(Materials Science, Multidisciplinary)Zircon's degradation due to reactivity with aqueous solutions renders it difficult to read past records. Therefore, the reactive behavior of zircon in various acid-base solutions was examined under normal temperature and pressure conditions. A piece of zircon mineral was immersed in three different solutions: 0.1M HCl (aq), ultrapure water, and 0.1M NaOH (aq). Consequently, the reaction was limited when zircon was immersed in ultrapure water. In the case of the zircon immersed in 0.1M HCl (aq), Zr precipitated on the surface after the dissolution of ZrSiO. In the zircon immersed in 0.1M NaOH (aq), dissolved Zr and Si precipitated on the surface in the early stages. Subsequently, the dissolution of ZrSiO
formed a porous layer, and most dissolved Zr precipitated as new zircon crystals.
勝部 大樹*; 大野 真也*; 高柳 周平*; 尾島 章輝*; 前田 元康*; 折口 直紀*; 小川 新*; 池田 夏紀*; 青柳 良英*; 甲谷 唯人*; et al.
Langmuir, 37(42), p.12313 - 12317, 2021/10
被引用回数:3 パーセンタイル:14.81(Chemistry, Multidisciplinary)超音速分子ビーム(SSMB)を用いて、アナターゼ型TiO(001)表面の酸素空孔の酸化を調べた。SSMBによって表面およびサブサーフェイスの酸素空孔を除去できた。格子間空孔が酸素空孔の大部分と考えられるが、SSMBによって効果的に除去できた。表面の酸素空孔は、TiO
結晶成長後の状態では安定であるが、SSMBを用いて同様に効果的に除去できた。
北里 宏平*; Milliken, R. E.*; 岩田 隆浩*; 安部 正真*; 大竹 真紀子*; 松浦 周二*; 高木 靖彦*; 中村 智樹*; 廣井 孝弘*; 松岡 萌*; et al.
Nature Astronomy (Internet), 5(3), p.246 - 250, 2021/03
被引用回数:57 パーセンタイル:96.00(Astronomy & Astrophysics)2019年4月「はやぶさ2」ミッションは、地球に近い炭素質の小惑星(162173)リュウグウの人工衝撃実験を成功させた。これは露出した地下物質を調査し、放射加熱の潜在的な影響をテストする機会を提供した。はやぶさ2の近赤外線分光器(NIRS3)によるリュウグウの地下物質の観測結果を報告する。発掘された材料の反射スペクトルは、表面で観測されたものと比較して、わずかに強くピークがシフトした水酸基(OH)の吸収を示す。これは、宇宙風化や放射加熱が最上部の表面で微妙なスペクトル変化を引き起こしたことを示している。ただし、このOH吸収の強度と形状は、表面と同様に、地下物質が300Cを超える加熱を経験したことを示している。一方、熱物理モデリングでは、軌道長半径が0.344AUに減少しても、推定される掘削深度1mでは放射加熱によって温度が200
Cを超えて上昇しないことが示されている。これは、リュウグウ母天体が放射加熱と衝撃加熱のいずれか、もしくは両方により熱変化が発生したという仮説を裏付けている。
井川 直樹; 樹神 克明; 田口 富嗣*; 吉田 幸彦*; 松川 健*; 星川 晃範*; 石垣 徹*
Transactions of the Materials Research Society of Japan, 43(6), p.329 - 332, 2018/12
プロトン伝導体BaSnIn
O
の電気的特性に及ぼす結晶構造の影響を理解するため、本材料における局所構造乱れを中性子回折/原子対分布関数(PDF)法を用いて解析した。本材料の局所構造は、
0.6nmの原子間距離範囲内では、リートベルト解析によって推定された平均構造と同様の立方晶構造(空間群
))である。一方、
0.6nmの範囲のPDFプロファイルは、立方晶構造よりも空間群
4/
の正方晶構造によって良い一致をみた。これらの結果は、格子内の局所構造乱れの存在を示している。本発表では、BaSn
In
O
の平均構造と局所構造との関係の詳細について考察する。
飯田 一樹*; 梶本 亮一; 水野 雄介*; 蒲沢 和也*; 稲村 泰弘; 星川 晃範*; 吉田 幸彦*; 松川 健*; 石垣 徹*; 河村 幸彦*; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 86(6), p.064803_1 - 064803_6, 2017/06
被引用回数:2 パーセンタイル:19.56(Physics, Multidisciplinary)The magnetic structure and spin wave excitations in the quasi-square-lattice layered perovskite compound LaMo
O
were studied by a combination of neutron diffraction and inelastic neutron scattering techniques using polycrystalline sample. Neutron powder diffraction refinement revealed that the magnetic structure is ferrimagnetic in the
plane with antiferromagnetic stacking along the
-axis. The inelastic neutron scattering results display strong easy-axis magnetic anisotropy along the
-axis due to the spin-orbit interaction in Mo ions. The model Hamiltonian consisting of in-plane anisotropic exchange interactions, the interlayer exchange interaction, and easy-axis single-ion anisotropy can explain our inelastic neutron scattering data well. Strong Ising-like anisotropy and weak interlayer coupling compared with the intralayer exchange interaction can explain both the high-temperature magnetoresistance and long-time magnetization decay recently observed in La
Mo
O
.
錦織 良; 小島 有志; 花田 磨砂也; 柏木 美恵子; 渡邊 和弘; 梅田 尚孝; 戸張 博之; 吉田 雅史; 市川 雅浩; 平塚 淳一; et al.
Plasma and Fusion Research (Internet), 11, p.2401014_1 - 2401014_4, 2016/03
ITERやJT-60SAにおける中性粒子入射装置では、多孔多段(MAMuG)加速器による高エネルギー、大電流ビームの安定供給が要求されている。これらの加速器の設計に向けては、真空放電で決まる耐電圧の予測が重大な課題となっており、原子力機構では、MAMuG加速器をの耐電圧を物理理解に基づいて設計するために、真空放電の物理過程の研究を実施している。これまでの研究成果から、この真空放電は電界放出電子による暗電流が起点となっていると考えている。しかし、F-N理論によれば、暗電流は電界増倍係数によって決まるが、これまで
は実験的にしか求めることができなかった。そこで、今回、
の決定機構を調べるために、MAMuG加速器の大面積電極の電界の異なる3つの領域で独立に暗電流を測定した。その結果、
は電極のコンディショニングと共に低下するが、絶縁破壊電界Eによって表される実効電界
Eが一定で1MV/mmであることが分かった。これは、小型電極から求めた実効電界
Eよりも1桁大きい値であり、面積の依存性を示唆していると考えている。この
Eの値を利用することにより、絶縁破壊電界時における
を求めることができ、暗電流の評価と耐電圧の予測を関連付けることができると考えている。
佐藤 猛; 武藤 重男; 秋山 聖光; 青木 一史; 岡本 明子; 川上 剛; 久米 伸英; 中西 千佳; 小家 雅博; 川又 宏之; et al.
JAEA-Review 2014-048, 69 Pages, 2015/02
日本原子力研究開発機構は、災害対策基本法及び武力攻撃事態対処法に基づき、「指定公共機関」として、国及び地方公共団体その他の機関に対し、災害対策又は武力攻撃事態等への対処において、原子力機構の防災業務計画及び国民保護業務計画に則り、技術支援をする責務を有している。原子力緊急時支援・研修センターは、緊急時には、全国を視野に入れた専門家の派遣、防災資機材の提供、防護対策のための技術的助言等の支援活動を行う。また、平常時には、我が国の防災対応体制強化・充実のために、自らの訓練・研修のほか、国、地方公共団体、警察、消防、自衛隊等の原子力防災関係者のための実践的な訓練・研修、原子力防災に関する調査研究及び国際協力を実施する。平成25年度においては、原子力機構の年度計画に基づき、以下の業務を推進した。(1)国, 地方公共団体等との連携を図った指定公共機関としての技術支援活動、(2)国, 地方公共団体等の原子力防災関係者の人材育成及び研修・訓練、(3)原子力防災に係る調査・研究の実施及び情報発信、(4)国際機関と連携を図ったアジア諸国への原子力防災に係る国際貢献。また、指定公共機関としてこれまでに培った経験及び福島事故への初動時からの対応等を活かし、国レベルでの防災対応基盤の強化に向け、専門家として技術的な支援を行うとともに、支援・研修センターの機能の維持・運営及び国との連携を図った自らの対応能力強化などに重点的に取り組んだ。
吉田 雅洋*; 石井 賢司; Jarrige, I.*; 綿貫 徹; 工藤 一貴*; 小池 洋二*; 熊谷 健一*; 平岡 望*; 石井 啓文*; Tsuei, K.-D.*; et al.
Journal of Synchrotron Radiation, 21(1), p.131 - 135, 2014/01
被引用回数:3 パーセンタイル:18.10(Instruments & Instrumentation)A single-crystal momentum-resolved resonant inelastic X-ray scattering (RIXS) experiment under high pressure using an originally designed diamond anvil cell (DAC) is reported. The diamond-in/diamond-out geometry was adopted with both the incident and scattered beams passing through a 1 mm-thick diamond. This enabled us to cover wide momentum space keeping the scattering angle condition near 90. Elastic and inelastic scattering from the diamond was drastically reduced using a pinhole placed after the DAC. Measurement of the momentum-resolved RIXS spectra of Sr
Ca
Cu
O
at the Cu
-edge was thus successful. Though the inelastic intensity becomes weaker by two orders than the ambient pressure, RIXS spectra both at the center and the edge of the Brillouin zone were obtained at 3 GPa and low-energy electronic excitations of the cuprate were found to change with pressure.
福井 国博*; 井川 友介*; 有満 直樹*; 鈴木 政浩; 瀬川 智臣; 藤井 寛一*; 山本 徹也*; 吉田 英人*
Chemical Engineering Journal, 211-212, p.1 - 8, 2012/11
被引用回数:13 パーセンタイル:39.55(Engineering, Environmental)核燃料サイクルにおいて使用済み核燃料を硝酸で溶解し、マイクロ波加熱脱硝法により混合酸化物(MOX)原料粉末に転換している。マイクロ波加熱脱硝特性の異なる複数の硝酸金属溶液からの金属酸化物粉末の生成プロセスについて明らかにするために、硝酸ニッケル水溶液と硝酸銅水溶液を用いたマイクロ波加熱脱硝特性の研究及び数値シミュレーションによる温度分布の解析を行った。マイクロ波加熱脱硝法により、硝酸銅水溶液から酸化銅を容易に得ることができる一方、硝酸ニッケル水溶液は270C以上に加熱することができなかった。マイクロ波加熱による脱硝反応過程は、外部加熱によるものと同じ過程をとることが確認でき、マイクロ波加熱により脱硝を行う上では、中間生成物と酸化物のマイクロ波吸収性だけでなく、中間生成物から酸化物に転換する温度が重要であることが示された。また、シミュレーションにより、反応容器内において中心部で最高温度となる半径方向に不均一な温度分布を形成することが明らかとなり、中心部から酸化物の生成が進行すると考えられる。
飛田 健次; 宇藤 裕康; Liu, C.; 谷川 尚; 鶴 大悟; 榎枝 幹男; 吉田 徹; 朝倉 伸幸
Fusion Engineering and Design, 85(7-9), p.1342 - 1347, 2010/12
被引用回数:40 パーセンタイル:91.68(Nuclear Science & Technology)出力2.95GWの核融合原型炉における実現可能性の高いブランケット概念を明確にするため核熱解析による設計検討を行った。ITER-TBMの日本案との連続性を考慮し、水冷却固体増殖ブランケット概念とし、トリチウム増殖材及び中性子増倍材の使用温度を満足するよう内部構造を決定した。また、冷却材領域比を低減し必要なトリチウム増殖比を確保するため、冷却水条件は23MPa, 290360
Cとした。ピーク中性子負荷(
=5MW/m
)となる外側赤道面付近のブランケットではトリチウム自給条件には達しないが、低
領域のブランケットではトリチウム増殖に余剰があり、全体で見るとトリチウム自給を何とか満足できることを示した。本研究に基づく将来の研究の方向性を併せて提示する。
飛田 健次; 西尾 敏*; 榎枝 幹男; 中村 博文; 林 巧; 朝倉 伸幸; 宇藤 裕康; 谷川 博康; 西谷 健夫; 礒野 高明; et al.
JAEA-Research 2010-019, 194 Pages, 2010/08
発電実証だけでなく、最終的には経済性までを一段階で見通しうる核融合原型炉SlimCSの概念設計の成果を報告する。核融合の開発では、これまで、1990年に提案されたSSTR(Steady State Tokamak Reactor)が標準的な原型炉概念とされてきたが、本研究はSSTRより軽量化を図るため小規模な中心ソレノイドを採用して炉全体の小型化と低アスペクト比化を図り、高ベータ及び高楕円度(グリーンワルド密度限界を高めうる)を持つ炉心プラズマにより高出力密度を目指した。主要パラメータは、プラズマ主半径5.5m,アスペクト比2.6,楕円度2.0,規格化ベータ値4.3,核融合出力2.95GW,平均中性子壁負荷3MW/mとした。この炉概念の技術的成立性を、プラズマ物理,炉構造,ブランケット,超伝導コイル,保守及び建屋の観点から検討した。
八巻 徹也; 小林 美咲*; 浅野 雅春; 野村 久美子*; 高木 繁治*; 前川 康成; 吉田 勝*
Proceedings of Sadoway 60 Symposium, p.114 - 120, 2010/06
日本原子力研究開発機構では、独自の量子ビーム技術を駆使して、燃料電池に応用可能な高分子電解質膜の開発を進めている。本講演では、発表者らによるその活動のうち、高エネルギー重イオンビーム照射によるグラフト重合を利用したナノ構造制御電解質膜の開発について報告する。今回は、膜中に形成されるプロトン伝導部のナノ構造や、プロトン伝導度など各種物性を線グラフト電解質膜と比較しながら議論する。
八巻 徹也; 澤田 真一; 浅野 雅春; 前川 康成; 吉田 勝*; Gubler, L.*; Alkan Grsel, S.*; Scherer, G. G.*
ECS Transactions, 25(1), p.1439 - 1450, 2009/10
被引用回数:5 パーセンタイル:85.04(Electrochemistry)本発表では、これまでに蓄積した燃料電池試験の結果をもとに、独自の放射線プロセスで高分子主鎖と側鎖の両方に橋架け構造を導入した"多重架橋"イオン交換膜の発電性能と耐久性に関する基礎的知見を報告する。発表で強調すべき興味深い結果は、95Cという高温下において耐久性加速試験(開回路電圧保持試験)により性能を強制的に大きく低下させても、セルのオーム抵抗に全く変化がなかったばかりか、試験後のイオン交換膜に何の化学分解も認められなかったことである。この結果は、本試験のような過酷な作動条件においても膜自体が極めて安定であり、その劣化が性能に影響を与えるほど大きくないことを示している。インピーダンス測定の結果から、電極との接触性低下に由来した分極抵抗の増大が性能低下の主原因であると考えられ、この推測に基づいた電極との接合体の設計指針についても発表では提案したい。
飛田 健次; 西尾 敏; 榎枝 幹男; 川島 寿人; 栗田 源一; 谷川 博康; 中村 博文; 本多 充; 斎藤 愛*; 佐藤 聡; et al.
Nuclear Fusion, 49(7), p.075029_1 - 075029_10, 2009/07
被引用回数:141 パーセンタイル:97.57(Physics, Fluids & Plasmas)最近の核融合原型炉SlimCSに関する設計研究では、おもに、ブランケット,ダイバータ,材料,保守を含む炉構造の検討に重点を置いている。この設計研究における炉構造の基本的考え方とそれに関連する課題を報告する。楕円度のついたプラズマの安定化と高ベータ化のため、セクター大の導体シェルを交換ブランケットと固定ブランケット間に設置する構造とした。また、ブランケットには、加圧水冷却,固体増殖材を採用することとした。従来の原型炉設計で検討していた超臨界水冷却を利用するブランケット概念に比べ、トリチウム自給を満足するブランケット概念の選択肢はかなり絞られる。ダイバータ技術やその材料について考慮すると、原型炉のダイバータ板での熱流束上限は8MW/m以下とすべきであり、これは原型炉で取り扱うパワー(すなわち、アルファ加熱パワーと電流駆動パワーの和)に対して大きな制約となりうる。
吉田 英一; 山本 鋼志*; 天野 由記; 勝田 長貴*; 林 徹*; 長沼 毅
Environmental Geology, 55(6), p.1363 - 1374, 2008/09
被引用回数:10 パーセンタイル:28.68(Environmental Sciences)高師小僧は日本において第四紀の堆積岩に生じる現象である。それらは、植物の根の周囲に形成された円筒状の鉄酸化物の塊である。構造的な特徴から、植物の根が分解された後、中央の空洞に酸化性の水が流れることによって、鉄酸化物が濃集されると考えられている。鉄酸化物から採取した微生物の遺伝子解析を行った結果、鉄酸化反応を行う微生物に近縁な種が検出されており、団塊の形成に関与した可能性が示唆された。顕微鏡観察の結果からも、空隙を満たしている鉄酸化物には微生物のコロニーが付着していることが明らかになっている。地質史及びナノ化石から、これらの鉄団塊は少なくとも10万年間もの間深度数十メートルの還元的な第四紀の堆積物中に埋蔵されていたと考えられており、水-岩石-微生物の相互作用によって形成された鉄酸化物の団塊は、還元環境下で持続しうることが示された。このような現象は、核種の移行に影響を及ぼす可能性が考えられるため、放射性廃棄物を地層処分した後のアナログとして重要である。