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今野 力; 和田 政行*; 近藤 恵太郎; 大西 世紀; 高倉 耕祐; 落合 謙太郎; 佐藤 聡
Fusion Engineering and Design, 86(9-11), p.2682 - 2685, 2011/10
被引用回数:4 パーセンタイル:31.12(Nuclear Science & Technology)2010年春、日本の核データライブラリJENDLは大改訂が行われ、JENDL-4.0として公開された。今回、JENDL-4.0の鉄データの詳細ベンチマークテストとして、原子力機構FNSのDT中性子入射鉄積分ベンチマーク実験を、JENDL-4.0を用いてMCNP4Cコードで解析した。その結果、JENDL-3.3の 鉄データで指摘されていた問題点(例えば、Feの第1励起非弾性散乱断面積,
Feの弾性散乱の角分布)がJENDL-4.0の鉄データでは適切に修正されていることがわかった。JENDL-4.0の鉄データはENDF/B-VII.0やJEFF-3.1の鉄データと比べても遜色ないだけでなく、部分的には凌駕していると言える。
今野 力; 高倉 耕祐; 和田 政行*; 近藤 恵太郎; 大西 世紀*; 落合 謙太郎; 佐藤 聡
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 2, p.346 - 357, 2011/10
2010年の春、日本の核データライブラリJENDLは大改訂が行われ、JENDL-4.0として公開された。今回、遮蔽分野,核融合分野でのJENDL-4.0のベンチマークテストの一つとして、原子力機構FNSで以前実施した種々のDT中性子入射積分ベンチマーク実験(体系内実験,飛行時間法実験)を、JENDL-4.0を用いてMCNP4Cコードで解析した。解析は、JENDL-3.3からJENDL-4.0で改訂された核種(ベリリウム,炭素,ケイ素,バナジウム,銅,タングステン,鉛)を含むFNSの積分実験を対象にした。解析の結果、JENDL-4.0ではJENDL-3.3の問題点の多くが修正され、ENDF/B-VII.0やJEFF-3.1と比べても遜色ないことがわかった。
今野 力; 落合 謙太郎; 高倉 耕祐; 大西 世紀; 近藤 恵太郎; 和田 政行*; 佐藤 聡
Fusion Engineering and Design, 85(10-12), p.2054 - 2058, 2010/12
被引用回数:2 パーセンタイル:16.59(Nuclear Science & Technology)前回のISFNTで、原子力機構FNSで実施したベリリウム積分実験の再解析を発表し、JENDL-3.3, FENDL-2.1, JEFF-3.1とENDF/B-VII.0を用いたすべての計算が、低エネルギー中性子に関する実験値を過大評価すること、JEFF-3.1を用いた計算で得られた漏洩中性子スペクトルの12MeV付近に奇妙なピークがあらわれることを報告した。今回、この2つの問題の原因を詳細に調べた。その結果、JEFF-3.1の公式ACEファイルMCJEFF3.1がJEFF-3.1と整合性がとれておらず、そのため、12MeV付近に奇妙なピークがあらわれることがわかった。また、計算で得られた熱中性子ピークが大きすぎたために低エネルギー中性子に関する実験値を過大評価したと推察し、計算結果をもとに熱中性子散乱則データの干渉弾性散乱断面積が大きすぎるせいである可能性を指摘した。
今野 力; 佐藤 聡; 落合 謙太郎; 和田 政行*; 大西 世紀; 高倉 耕祐; 飯田 浩正
Nuclear Technology, 168(3), p.743 - 746, 2009/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)トランスパイア社の3次元SnコードAttilaは形状入力としてCADデータを直接使用することができ、複雑形状の構造でも取扱いが容易である。ITER機構は、核解析の標準コードの一つとしてAttilaコードを採用する計画をもっている。しかし、Attilaコードを用いた計算の妥当性検証はこれまで詳細には行われていない。そこで、原子力機構FNSで実施したDT中性子を用いたバルク実験,ストリーミング実験の解析を通して、Attilaコードの妥当性検証を行った。比較のために、他のSnコードDOORS、及びモンテカルロコードMCNPを用いた解析も行った。その結果、バルク実験に関しては、適切な多群ライブラリを用いることにより、Attilaコードを用いた解析は多くの計算時間,メモリが必要となるものの、DOORSを用いた解析とよく一致した。ストリーミング実験に関しても、DOORS同様、バイアス角度分点,最終衝突線源法等の適切な近似を行えば、MCNPとほぼ同程度の計算結果を得ることができることがわかった。
佐藤 聡; 高倉 耕祐; 落合 謙太郎; 近藤 恵太郎; 立部 洋介; 大西 世紀; 和田 政行*; 沓掛 忠三; 田中 滋; 阿部 雄一; et al.
Fusion Science and Technology, 56(1), p.227 - 231, 2009/07
被引用回数:2 パーセンタイル:16.97(Nuclear Science & Technology)これまでにFNSで行ってきたブランケット核特性実験において、FNSのDT中性子線源の周囲に反射体を設置した実験等で、トリチウム生成率の計算結果は、実験結果を10%以上過大評価していた。これらの過大評価の原因として、鉄やベリリウムでの後方散乱中性子の計算に問題がある可能性を指摘してきた。本研究では、この問題が他の実験データでも現れるかどうかを調べるために、放射化箔法を用いて、ITERテストブランケットモジュールを模擬したベリリウム体系とSUS体系の2つの模擬体系を用いて、各々、反射体あり及びなしの条件でDT中性子照射実験を行い、体系内の金とニオブの反応率分布を測定した。実験の解析は、モンテカルロ計算コードMCNP-4C,核データライブラリーFENDL-2.1で行った。金の反応率の計算結果は、ほとんどの位置で実験結果と7%以内で一致した。反射体ありの実験での計算結果と実験結果の比は、反射体なしの実験での比に比べて、高くなる傾向を示した。ニオブの反応率に関しては、反射体ありの実験での計算結果と実験結果の比と、反射体なしの実験での比との間で、有意な違いは見られなかった。詳細な結果を、本会議にて発表する。
今野 力; 落合 謙太郎; 和田 政行*; 高倉 耕祐; 佐藤 聡
Fusion Engineering and Design, 84(7-11), p.1095 - 1098, 2009/06
被引用回数:3 パーセンタイル:23.62(Nuclear Science & Technology)鉄は核融合炉の放射線遮へいの重要な物質の一つであり、将来の核融合炉ではより厚い遮へい体が使われるため、特に精度の高い核データが要求されている。そこで、最新の鉄の核データの精度評価を行うために、原子力機構FNSで実施した核融合中性子工学鉄ベンチマーク実験の詳細解析を実施した。この解析には、モンテカルロコードMCNP-4Cと最新の核データライブラリFENDL-2.1, JENDL-3.3, JEFF-3.1, ENDF/B-VII.0を用いた。解析の結果、ENDF/B-VII.0を用いた計算が最もよく実験と一致した。また、JENDL-3.3を用いた計算だけが鉄実験の10keV以下の中性子スペクトルを過大評価することもわかった。この過大評価の原因をENDF/B-VII.0との比較を通して調べ、JENDL-3.3のFeの第1励起非弾性散乱断面積のデータに問題があることをつきとめた。
今野 力; 落合 謙太郎; 和田 政行*; 佐藤 聡
Fusion Engineering and Design, 83(10-12), p.1774 - 1781, 2008/12
被引用回数:14 パーセンタイル:65.33(Nuclear Science & Technology)原子力機構FNSではこれまでにDT中性子による数多くの核データ検証積分ベンチマーク実験(単純組成・単純形状実験,飛行時間法実験,増殖ブランケット実験)を行ってきた。ここ数年で、新たに核データライブラリーJENDL-3.3, FENDL-2.1, JEFF-3.1及びENDF/B-VII.0が公開されているが、積分ベンチマーク実験の解析を通して、これらの核データライブラリーの妥当性検証を行うことが不可欠である。そこで、われわれは原子力機構FNSで実施した種々のベンチマーク実験の解析をFENDL-2.1及び他の最新の核データライブラリーを用いて行った。この解析にはモンテカルロコードMCNP-4Cを用いた。得られた計算結果を実験結果と比較するとともに、計算結果どうしの比較も行った。一部の実験を除いてJENDL-3.3, FENDL-2.1, JEFF-3.1及びENDF/B-VII.0の計算結果はほとんど一致し、実験結果をよく再現した。
落合 謙太郎; 佐藤 聡; 和田 政行*; 飯田 浩正; 高倉 耕祐; 沓掛 忠三; 田中 滋; 阿部 雄一; 今野 力
Fusion Engineering and Design, 83(10-12), p.1725 - 1728, 2008/12
被引用回数:1 パーセンタイル:9.68(Nuclear Science & Technology)ITER/ITAタスクにおいて、ITER真空容器壁と水平ポートプラグの境界にあるギャップ構造を模擬した体系によるDT中性子ストリーミング実験を実施した。ギャップ空間の高速及び低速中性子を測定するためにマイクロフィッションチェンバーと放射化箔による核分裂率及び反応率測定を行った。実験解析にはモンテカルロ計算コードMCNP4C並びにSn計算コードTORT, Attilaを用いた。核データライブラリはFENDL-2.1を採用した。実験結果から以下のことが明らかになった。(1)MCNP, TORT及びAttilaによる高速中性子輸送計算は深さ約100cmまで精度よく評価できる。(2)Sn計算コードTORT及びAttilaではupward biasedあるいはlast collided線源計算手法が不可欠である。
佐藤 聡; 落合 謙太郎; 和田 政行*; 今野 力; 西谷 健夫
Fusion Engineering and Design, 83(7-9), p.1304 - 1308, 2008/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)これまでに行われてきたFNSでのDT中性子照射ブランケット核特性実験において、線源の周囲に反射体を設置した実験及びベリリウムと接している増殖材層の後側境界面付近でのトリチウム生成率の計算値は、測定値を10%以上過大評価した。これらの過大評価の原因として、鉄やベリリウムの後方散乱中性子に問題がある可能性を指摘した。本研究では、核データライブラリーFENDL-2.1の鉄及びベリリウムの後方散乱断面積に関する角度分布を変更して、これまで行ったブランケット核特性実験の再評価を行い、過大評価が改善されるかどうかを調べた。0.11MeV以下の入射中性子に対するFeの弾性散乱の角度分布の後方部分を一様に50%減らした結果、反射体付き実験における過大評価が約5%改善した。また0.62
14.94MeVの入射中性子に対する
Beの弾性散乱の角度分布の後方部分を一様に20%及び30%減らした結果、ベリリウムと接している増殖材層の後側境界面付近での過大評価が3
6%改善した。これらの結果、弾性散乱の角度分布を変更することにより、トリチウム生成率予測精度を改善させることができることがわかった。
佐藤 聡; 落合 謙太郎; 和田 政行*; 山内 通則; 飯田 浩正; 西谷 健夫; 今野 力
Proceedings of International Conference on Nuclear Data for Science and Technology (ND 2007), Vol.2, p.995 - 998, 2008/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)原子力機構FNSのDT中性子源を用いて、原子力機構が開発を進めているITERテストブランケットモジュールを模擬した以下の3つのモックアップを用いてブランケット中性子工学実験を行い、増殖材中のトリチウム生成率を測定した。(1)ベリリウムと濃縮増殖材ブランケットモックアップ(核融合炉を想定したSUSの反射体ありとなし)、(2)水パネル付きブランケットモックアップ(反射体なし)、(3)ペブルベッドモックアップ(反射体なし)。これらの実験に対し、MCNP-4C,FENDL-2.1,JENDL-3.3を用いて実験解析を行った。反射体なしの実験に対しては、いずれの実験でも、ほとんどの計算値は、7%の実験誤差内で実験値と一致した。反射体付の実験では、計算値の実験値からのずれが増大した。本会議において、詳細なトリチウム生成率予測精度を議論する。
落合 謙太郎; 佐藤 聡; 和田 政行*; 久保田 直義; 近藤 恵太郎; 山内 通則; 阿部 雄一; 西谷 健夫; 今野 力
Fusion Engineering and Design, 82(15-24), p.2794 - 2798, 2007/10
被引用回数:5 パーセンタイル:36.18(Nuclear Science & Technology)JAEA-FNSではITER/ITAタスク73-10に基づき、ITER計測ポート周辺のスリット領域を模擬した鉄体系によるDT中性子ストリーミング実験を行い、モンテカルロ計算コードMCNPによる計算結果と実験値との比較から中性子輸送計算精度の検証を行った。奥行き55cm,横幅100cm,縦幅30cmの鉄ブロック2つを用いて、スリット幅2cmのストリーミング体系を組み立て、FNS-DT中性子源(点線源)で照射した。U-238及びU-235マイクロフィッションチャンバーを用い、深さ方向に対するスリット中の核分裂率を測定した。輸送計算コードはMCNP-4cを用い、U-238, U-235による核分裂率を計算した。実験結果から以下のことが明らかとなった。(1)U-238フィッションチャンバーの結果から、距離の効果及び鉄遮蔽による減衰効果を反映し、高速中性子束は体系表面からスリット内深さ50cmで0.1%まで減衰することを明らかにした。(2)U-235フィッションチャンバーの結果から10keV以下の中性子束は深さ50cmで体系表面での10%程度であることを明らかにした。(3)計算結果と実験結果の比(C/E)はU-238の場合1.10-1.22, U-235の場合は1.10-1.23となり、わずかに過大評価する傾向を示した。
佐藤 聡; 落合 謙太郎; Verzilov, Y.*; 和田 政行*; 久保田 直義; 近藤 恵太郎; 山内 通則; 西谷 健夫; 今野 力
Nuclear Fusion, 47(7), p.517 - 521, 2007/07
被引用回数:23 パーセンタイル:58.94(Physics, Fluids & Plasmas)水冷却ペブル充填ブランケットのトリチウム生成率の予測精度を明らかにするために、第一壁パネル,40%濃縮LiTiO
ブロック,ベリリウムブロック,隔壁パネルから成る多層構造モックアップ、及び酸化リチウムペブル充填層モックアップを構築し、FNSを用いてDT中性子照射核特性実験を行い、トリチウム生成率分布を測定した。トリチウム生成率検出器として、多層構造モックアップでは40%濃縮Li
CO
ペレット、ペブル充填層モックアップではペブルそのものを適用し、詳細なトリチウム生成率分布の取得に成功した。実験解析はモンテカルロコードMCNP及び核データライブラリーFENDL-2.1, JENDL-3.3を用いて行い、計算結果と実験結果の比は、多層構造ブランケットモックアップでは0.89
1.10、ペブル充填層モックアップでは0.95
1.13であり、ほとんどの計算結果は、10%以内で実験結果と一致した。ベリリウム近傍では、計算結果と実験結果の比の1からのずれが増大している。このずれは、ベリリウムの後方散乱断面積データに起因する可能性が高く、今後、この核データの改善を行っていく。
佐藤 聡; Verzilov, Y.*; 落合 謙太郎; 和田 政行*; 沓掛 忠三; 田中 滋; 阿部 雄一; 関 正和; 荻沼 義和*; 川辺 勝*; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 44(4), p.657 - 663, 2007/04
被引用回数:9 パーセンタイル:53.35(Nuclear Science & Technology)固体増殖材ブランケット中のトリチウム生成率に関する予測精度を評価するために、原子力機構FNSのDT中性子源を用いて、中性子工学積分実験を行っている。本研究では、DT中性子源の周囲に、核融合炉を想定した反射体を設置し、濃縮増殖材(チタン酸リチウム)2層,ベリリウム3層から成るブランケットモックアップを用いて、核特性実験を行った。トリチウム検出器として、濃縮増殖材(炭酸リチウム)ペレットを適用し、トリチウム生成率分布を詳細に測定した。モンテカルロ計算コードMCNP-4C,核データライブラリーFENDL-2.0及びJENDL-3.3を用いて、数値計算シミュレーションを行った。トリチウム生成率の計算結果の実験結果に対する比(C/E)は0.971.17、積算トリチウム生成量のC/Eは1.04
1.09であった。積算トリチウム生成量は、最新のモンテカルロ計算コード及び核データを用いることによって、10%以内の精度で予測できることがわかった。
佐藤 聡; Verzilov, Y.*; 落合 謙太郎; 和田 政行*; 久保田 直義; 近藤 恵太郎; 山内 通則; 西谷 健夫; 今野 力
Proceedings of 21st IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2006) (CD-ROM), 8 Pages, 2007/03
水冷却ペブル充填テストブランケットモジュールを模擬した2つの部分モックアップ体系を用いて、DT中性子照射による核特性実験を実施し、トリチウム生成率設計精度の基礎的な検証を行った。(1)多層構造核特性実験では、第一壁, 濃縮LiTiO
ブロック, Beブロック, 隔壁パネルから成るモックアップを構築し、濃縮Li
CO
ペレットを用いて、トリチウム生成率の詳細な分布を測定した。最新の計算コード及び核データを用いて、トリチウム生成率を計算した。計算結果の実験結果に対する比(C/E)の平均値は、増殖材第一層で0.99、第二層で1.04であり、非常に高精度にトリチウム生成量を予測できることを明らかにした。(2)ペブル充填層核特性実験の解析は、均質化したモデルと、個々のペブルをモデル化した非均質モデルでモンテカルロ計算を行った。均質モデルでのC/Eの平均値は0.97、非均質モデルでは0.99であった。均質モデルによる計算では、非均質モデルと比較して、トリチウム生成率が有意に減少し、濃縮度が増加するとより減少することがわかった。核設計では、非均質モデルによる評価が必要であることを明らかした。
佐藤 聡; 和田 政行*; 西谷 健夫; 今野 力
Plasma and Fusion Research (Internet), 2, p.002_1 - 002_4, 2007/02
FNSでは、これまで、DT中性子源を用いて、固体増殖ブランケット核特性実験を行い、ブランケットモックアップ中のトリチウム生成量を測定している。DT中性子源の周囲に中性子反射体を付けた体系と反射体なしの体系で行っている。これらの実験結果から、モンテカルロ法による計算精度を評価している。反射体付の体系では計算精度が、反射体なしの体系に比べて、悪くなっている。本論文では、トリチウム生成量計算精度に関する反射体の影響を調べた。個々の中性子の飛行経路を、モンテカルロ計算によって評価し、積算トリチウム生成量に関して、反射体から散乱された中性子によるものは、全生成量の24%57%の範囲であることがわかった。計算結果の実験結果に対する比の1からのずれは、反射体から散乱された中性子の割合が増加するにつれて、増大している。計算結果の実験結果に対する比の1からのずれの増大は、反射体から散乱された中性子によって引き起こされていると考えられる。したがって、後方散乱中性子の計算を改善することによって、トリチウム生成量の計算精度を向上させることが可能である。
Verzilov, Y. M.; 佐藤 聡; 落合 謙太郎; 和田 政行*; Klix, A.*; 西谷 健夫
Fusion Engineering and Design, 82(1), p.1 - 9, 2007/01
被引用回数:11 パーセンタイル:56.84(Nuclear Science & Technology)増殖ブランケット核特性実験に使用するベリリウムの核的特性の検証を目的として、ベリリウム体系の積分ベンチマーク実験を原子力機構FNSで実施した。直径628mm,厚さ355mmの疑似円柱体系に14MeV中性子を照射し、体系内に埋め込んだ炭酸リチウムペレットのトリチウム生成率を液体シンシレーションカウンタ法で測定した。実験結果は、中性子モンテカルロコードMCNP-4Cで解析した。なお中性子輸送用核データとしてはFENDL/MC-2.0及びJENDL-3.2/3.3、リチウムの反応率用にはJENDLドジメトリファイル及びENDF/B-VIを使用した。どの核データを使用した計算も、実験値と誤差10%以内で一致し、ベリリウムの核的特性に大きな問題はないことを確認した。
西谷 健夫; 山内 通則*; 西尾 敏; 和田 政行*
Fusion Engineering and Design, 81(8-14), p.1245 - 1249, 2006/02
被引用回数:14 パーセンタイル:66.95(Nuclear Science & Technology)低アスペクト比(アスペクト比2.3)のトカマクVECTORにおいて、超電導トロイダル磁場コイルの十分な遮蔽と1以上のトリチウム増殖比を確保することを目標に中性子工学設計を行った。増殖ブランケットとして自己冷役型LiPbブランケットを採用した場合、外側にLiPb自己冷役型ブランケットだけでは1以上のトリチウム増殖比は困難であるが、水素化バナジウムを主遮蔽材とする内側ブランケットに約13cm厚のLiPb層を追加することにより、内側超電導トロイダル磁場コイルの遮蔽と、1以上のトリチウム増殖比を同時に満足できることを示した。
佐藤 聡; Verzilov, Y. M.; 落合 謙太郎; 中尾 誠*; 和田 政行*; 久保田 直義; 近藤 恵太郎; 山内 通則*; 西谷 健夫
Fusion Engineering and Design, 81(8-14), p.1183 - 1193, 2006/02
被引用回数:19 パーセンタイル:76.30(Nuclear Science & Technology)原研FNSでは、発電実証ブランケット開発に向けて、中性子工学実験を行っている。おもに、ブランケットモックアップ積分実験によるトリチウム生成率検証,クリーンベンチマークベリリウム積分実験,トリチウム生成率測定手法の国際比較を行ってきた。現在、タングステン,低放射化フェライト鋼,水,チタン酸リチウム,ベリリウムから成る試験体を用いて、ブランケットモックアップ積分実験を行っている。5, 12.6, 25.2mm厚のタングステンアーマを設置することにより、積算したトリチウム生成量は、アーマ無しの場合と比較して、約2, 3, 6%減少することを確認した。原研が進めているブランケット設計では、トリチウム増殖率の減少は2%以下と予測され、許容範囲である。反射体無しの実験では、モンテカルロコードによる積算したトリチウム生成量の計算値は、実験値と比較して4%以内で一致しており、高精度にトリチウム生成量を予測できることを明らかにした。クリーンベンチマークベリリウム積分実験では、厚さ約30cmの体系において、放射化箔やペレットによる各種反応率の計算結果は、実験結果と10%以内で一致することを明らかにした。
山内 通則*; 落合 謙太郎; 森本 裕一*; 和田 政行*; 佐藤 聡; 西谷 健夫
Radiation Protection Dosimetry, 116(1-4), p.542 - 546, 2005/12
被引用回数:3 パーセンタイル:23.49(Environmental Sciences)核融合炉にはRF加熱ポートや計測用プラグ周りの間隙等、屈曲を設けた放射線ストリーミング経路が幾つかあり、遮蔽設計上の問題となる。モンテカルロ計算はストリーミング効果の詳細評価に重要であるが、一方簡易計算はストリーミング効果を軽減するための設計オプションの選定に有効である。実験と解析によりこれらの計算法の信頼性を評価した。実験は原研FNSの14MeV中性子源により、高さ170cm,幅140cm,厚さ180cmの遮蔽体に断面が30cm30cmの2回屈曲ダクトを設けた体系で行った。モンテカルロ計算は実験体系,線源周り構造体、及び実験室を詳細にモデル化し、MCNP/4CコードとFENDL/2及びJENDL-3.3ライブラリーを用いて行った。実験値との差は30%以内であった。簡易計算はDUCT-IIIコードによって行った。その結果は屈曲によるストリーミング成分の変化を良好に再現し、充分な信頼性を持つことを確認した。すなわち、モンテカルロ計算法とともに簡易計算法もまた遮蔽設計評価のために有効な役割を果たすと期待できる。
佐藤 聡; 中尾 誠*; Verzilov, Y. M.; 落合 謙太郎; 和田 政行*; 久保田 直義; 近藤 恵太郎; 山内 通則*; 西谷 健夫
Nuclear Fusion, 45(7), p.656 - 662, 2005/07
被引用回数:8 パーセンタイル:27.42(Physics, Fluids & Plasmas)タングステンアーマの核融合炉ブランケットトリチウム増殖率(TBR)への影響を実験的に評価するため、原研FNSを用いたDT核融合線源による中性子工学実験を行った。F82H, LiTiO
, Beから成る試験体を組立、DT核融合中性子照射実験を行った。タングステンアーマ無しの場合、及び有りの場合(厚さ12.6及び25.2mm)の3種類の試験体を用いた。金属箔をあらかじめ試験体中の各境界面に設置し、照射後、高純度Ge検出器を用いて、各種反応率を評価した。同様に、炭酸リチウムペレットを、Li
TiO
中に設置し、照射後、液体シンチレーションカウンターを用いて、トリチウム生成率(TPR)を評価した。25.2mm厚のタングステンを設置することにより、Li
TiO
中のNb, Al, Auの反応率は、各々20
30%, 30%, 10
30%減少した。12.6mm厚のタングステンを設置した場合は、各々20%, 20%, 5
30%減少した。25.2及び12.6mm厚のタングステンを設置することにより、TPRは最大で15及び13%、積算で8及び3%減少した。原研が提案しているブランケット設計においては、5mm厚以下のタングステンアーマであるならば、本実験結果からTBRの減少は2%以下と予測できる。