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岡本 芳浩; 小林 秀和; 塩飽 秀啓; 捧 賢一; 畠山 清司*; 永井 崇之
Journal of Non-Crystalline Solids, 551, p.120393_1 - 120393_8, 2021/01
模擬廃液を含有した鉄リン酸ガラス試料におけるルテニウムの化学状態を、X線吸収微細構造(XAFS)およびイメージングXAFSによって調べた。EXAFS分析の結果、30mol%FeO
-P
O
ベースガラスに、廃棄物成分が10wt.%以下の場合では、ルテニウムがガラス相に含まれることを示唆された。他の試料では、ルテニウムは、主に結晶性RuO
として存在することが確認された。イメージングXAFS分析からは、RuO
の析出が確認されたが、全ての試料において、大きさ50
m以下の小さいものであった。ホウケイ酸ガラス系で観察されるような、RuO
の凝集体は、本研究における鉄リン酸ガラス試料では確認されなかった。
永井 崇之; 秋山 大輔*; 桐島 陽*; 佐藤 修彰*; 岡本 芳浩
2019年度「物質・デバイス領域共同研究拠点」および「人・環境と物質をつなぐイノベーション創出ダイナミック・アライアンス」研究成果・活動報告書(CD-ROM), P. 20191107_1, 2020/11
本研究は、ウラン(U)濃度を高めたホウケイ酸ガラス組成中のUの化学状態を把握するため、異なる原料ガラス組成を用いてU含有ガラスを作製し、放射光XAFS測定によりUの原子価等を評価した。ホウケイ酸ガラス組成へのU溶解度はUO換算で15wt%以上であり、U含有ガラス中のUはガラス相に概ね6価状態で均一に存在する。
永井 崇之; 岡本 芳浩; 山岸 弘奈*; 太田 俊明*; 小島 一男*; 猪瀬 毅彦*; 佐藤 誠一*; 畠山 清司*
JAEA-Research 2020-009, 48 Pages, 2020/09
廃棄物ガラス中のガラス成分や廃棄物成分の局所構造は、その廃棄物ガラスの化学組成によって変化する。本研究では原料ガラスや模擬廃棄物ガラス試料を作製し、軟X線領域のXAFS測定によりホウ素(B),酸素(O)及び廃棄物成分のセリウム(Ce)やセシウム(Cs)等の化学的状態及び局所構造を評価した。化学組成や原料ガラス形態等が異なるガラス試料を対象に、BのK吸収端XANESスペクトルを測定した結果、NaO濃度が高くなるとB-Oの4配位sp
構造(BO
)の存在比が高まる傾向を確認した。また、OのK吸収端XANESスペクトルを測定した結果、OのK吸収端スペクトルで観察されるプリエッジの高さは、試料中のFe濃度に依存することを確認した。長期化学的耐久性を評価した浸出試験前後のガラス試料表面を対象に、BのK吸収端XANESスペクトルを測定した結果、浸出試験後に試料表面のB-Oの4配位sp
構造(BO
)の存在比が高まる傾向を確認した。また、CeやCsのM吸収端等のXANESスペクトルを測定した結果、表層に存在するCeは浸出試験により酸化され、表層のCsの多くが浸出試験後に失われていることを確認した。また、XAFS測定に供したガラス試料の状態をラマン分光測定で確認した結果、原料ガラス形態や作製方法によって同様な化学組成であってもラマンスペクトルが異なることを確認した。
永井 崇之; 岡本 芳浩; 秋山 大輔*; 上原 章寛*; 藤井 俊行*; 関本 俊*
KURNS Progress Report 2019, P. 257, 2020/08
中性子照射及びホウ素同位体組成によるホウケイ酸ガラスの構造変化を理解することを目的に、2019年度に京都大学研究炉KURにて照射実験を行い、2020年度に照射後のラマン分光測定によるSi-O架橋構造への影響を評価する予定である。2019年度は、照射実験に供したガラス試料の照射前Si-O架橋構造をラマン分光測定で評価した。
永井 崇之; 下山 巖; 岡本 芳浩; 秋山 大輔*; 有馬 立身*
Photon Factory Activity Report 2019 (Internet), 3 Pages, 2020/00
模擬HAWやガラス原料にU化合物を添加してU含有模擬廃棄物ガラスを作製し、U等の化学状態を硬X線領域のXAFS測定により評価した。その結果、U含有ガラスとU添加無ガラスのXAFS測定結果を比較し、廃棄物成分のCeの原子価がU共存により酸化する傾向を確認した。また、ラマン分光測定でガラス組成や作製条件によってSi-O構造が異なることから、軟X線領域のSiのK吸収端XAFS測定を試みた結果、Siの局所構造が組成によって僅かながら変化することを確認した。
永井 崇之; 捧 賢一; 岡本 芳浩; 塩飽 秀啓; 山岸 弘奈*; 太田 俊明*; 猪瀬 毅彦*; 佐藤 誠一*; 畠山 清司*; 高橋 友恵*; et al.
JAEA-Research 2019-003, 94 Pages, 2019/09
廃棄物ガラス中のガラス成分や廃棄物成分の局所構造は、固化体の化学組成によって変化する。本研究は、リン又はバナジウムを添加したホウケイ酸ガラスと模擬廃液から模擬廃棄物ガラス試料を作製し、廃棄物濃度によるガラス成分の軽元素や廃棄物成分の希土類元素等の化学状態及び局所構造をXAFS測定により評価した。
永井 崇之; 小林 秀和; 岡本 芳浩; 秋山 大輔*; 佐藤 修彰*; 上原 章寛*; 藤井 俊行*; 関本 俊*
KURNS Progress Report 2018, P. 105, 2019/08
中性子照射によるホウケイ酸ガラスの構造変化を詳細に理解することを目的に、2017年度に京都大学研究炉KURにて照射実験を行い、2018年度に照射後のガラス試料の構造変化をラマン分光測定で評価した。照射前後のラマンスペクトルを比較した結果、照射によってSi-O架橋構造のピーク高さの変化を観察した。
永井 崇之; 秋山 大輔*; 佐藤 修彰*; 岡本 芳浩
「物質・デバイス領域共同研究拠点」および「人・環境と物質をつなぐイノベーション創出ダイナミック・アライアンス」研究成果・活動報告書(平成30年度)(CD-ROM), P. 20181080_1, 2019/06
本研究は、ホウケイ酸ガラス中に含まれる鉄(Fe)が2価と3価の混在状態を示す点に着目し、Feを共存させたガラス原料へウラン(U)を添加溶融し、ガラス中のU化学状態を放射光XAFS測定により評価した。Feを共存させたガラス中のUは、還元雰囲気での溶融処理後もガラス相内に4価状態で存在することを確認した。
岡本 芳浩; 永井 崇之; 塩飽 秀啓; 狩野 茂; 姫野 晴行*; 小林 大志*; 中谷 三喜雄*
JAEA-Research 2018-013, 18 Pages, 2019/03
模擬廃液を利用したガラス固化体モックアップ試験のうち、高レベル模擬廃液供給20バッチ分の流下ガラス試料中の元素の化学状態および局所構造を、放射光XAFS分析によって調べた。セリウム元素の分析の結果、バッチが進むにつれて、緩やかに酸化が進む傾向が確認された。マンガン, 鉄, 亜鉛については、バッチ間の違いはほとんど認められず、ガラスの骨格構造に入り込んで安定化しているものとみられた。EXAFS解析の結果では、白金族元素を除き、明らかに結晶性と思われる元素は無かった。イメージング分析の結果、ジルコニウムやモリブデンでは、目立った析出はほとんど観察されなかった。白金族元素では、筋状の析出が認められたが、いずれも小さなものであった。
岡本 芳浩; 永井 崇之; 塩飽 秀啓
溶融塩および高温化学, 62(1), p.11 - 17, 2019/01
高レベル放射性廃液の廃棄物形態であるガラス固化体は、多くの種類の元素が含まれる多成分系物質である。放射光XAFSは、高い元素選択性を有することから、固化体中の元素の分析に適している。XAFS分析からは、化学状態や局所構造が明らかにされる。XAFS分析の拡張版であるイメージングXAFSは、ガラス中の元素分布に基づく分析だが、ガラスへの溶解度の低い白金族元素やモリブデンの分析に特に有効である。たとえば、ロジウムとルテニウムの2元素同時測定分析から、ロジウムの化学形がルテニウムとの分布相関に強く支配されていることを明らかにした。我々は、XAFS分析に広角散乱、PDF解析及び小角散乱を加えたマルチスケールの構造解析を行い、固化体の健全性まで評価可能な構造情報の取得を目指している。
永井 崇之; 岡本 芳浩; 秋山 大輔*; 佐藤 修彰*
Photon Factory Activity Report 2018 (Internet), 2 Pages, 2019/00
Feを含むガラス原料を用いてウラン含有ガラス試料を作製し、UとFeの化学状態を評価した。その結果、アルゴンー酸素混合ガス掃気の酸化性雰囲気で作製した場合、Feの共存による影響はなく、6価状態でガラス中に存在することを確認した。一方、アルゴン-水素混合ガス掃気条件の還元雰囲気で作製した場合、Feが共存すると還元されたUが4価状態でガラス相に存在することを確認した。
永井 崇之; 岡本 芳浩; 塩飽 秀啓; 猪瀬 毅彦*; 佐藤 誠一*; 畠山 清司*; 廣野 和也*; 本間 将啓*; 小林 博美*; 高橋 友恵*; et al.
JAEA-Research 2018-007, 87 Pages, 2018/11
本研究は、資源エネルギー庁の「放射性廃棄物の減容化に向けたガラス固化技術の基盤研究事業」における、高レベル放射性廃液の充填率を高められる原料ガラス組成の開発として実施した。候補組成であるバナジウム(V)添加ガラス原料カレットへ模擬高レベル放射性廃液を混合溶融して作製した模擬廃棄物ガラス試料を対象に、レーザアブレーション(LA)法ICP-AES分析, ラマン分光測定及び放射光XAFS測定により評価を実施した。
岡本 芳浩; 高野 公秀
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 5, p.200 - 203, 2018/11
ウラン,ジルコニウム,鉄,カルシウムおよびランタノイドを含む模擬デブリ試料の化学状態を、放射光EXAFS分析によって調べた。試料中のウランは、蛍石型あるいはC型配位構造に分類された。UZr
Fe
Ca
O
試料では、単相からなるにも関わらず、短いU-O間距離が観察されたことなどから、ウランが5価で存在しているものとみられる。U-Zr-OおよびU-Zr-Fe-O系試料におけるジルコニウムの配位構造は正方晶ZrO
によく似ていたが、カルシウムが加わるとカルシア安定化ジルコニア(CSZ)に変化した。
永井 崇之; 小林 秀和; 嶋村 圭介; 大山 孝一; 捧 賢一; 岡本 芳浩; 塩飽 秀啓; 山中 恵介*; 太田 俊明*
JAEA-Research 2018-005, 72 Pages, 2018/09
ガラス固化プロセスで製造されるガラス固化体中の原料ガラス成分や廃棄物成分の局所構造は、固化体に含まれる廃棄物成分による影響を受ける。本研究は、リン添加ホウケイ酸ガラスを原料ガラスに用いて模擬廃棄物ガラス試料を作製し、放射光XAFS測定によりガラス成分の軽元素や廃棄物成分の希土類元素等の化学状態及び局所構造を評価した。
岡本 芳浩; 永井 崇之; 塩飽 秀啓
放射光, 31(4), p.274 - 280, 2018/07
ガラス固化技術は、放射性廃棄物の処理法として有望であるが、多くの種類の元素をガラス原料内に安定に閉じ込めることが要求されており、それらを確認する必要がある。我々は、元素選択性を有する放射光XAFS分析を利用し、様々なガラス固化試料における各元素の挙動を明らかにしてきた。さらに、イメージングXAFSの活用、XAFSデータの積み重ねにより、ガラス固化技術の高度化へ貢献する活動へと展開している。ここでは、それらの中から、高温スラグ融体の高エネルギーXAFS、高温ガラス融体のイメージング観察、およびイメージングXAFSによるホウケイ酸ガラス中の白金族元素分析の成果を紹介する。
永井 崇之; 小林 秀和; 岡本 芳浩; 秋山 大輔*; 佐藤 修彰*
Photon Factory Activity Report 2017, 2 Pages, 2018/00
本研究は、ホウケイ酸ガラス中に含有させたウランの化学状態を把握するため、ウラン含有ガラス試料のXAFS測定を実施した把握することを目的に実施した。アルゴン-酸素混合ガス掃気条件で溶製したホウケイ酸ガラス中のウランは、原料ガラス成分のSi/Bモル比を多少変動しても6価状態にある。また、アルゴン-水素混合ガス掃気条件の還元雰囲気で溶製したホウケイ酸ガラス中のウランが還元されるものの、一部はUOとしてガラス相から析出する可能性がある。
島田 亜佐子; 岡本 芳浩
Photon Factory Activity Report 2017, 2 Pages, 2018/00
加速器などの運転や廃止措置によって発生する放射化金属廃棄物に含まれるMo-93のインベントリ評価のために分析法を開発している。しかし、金属廃棄物の溶解液のようにFeの多い試料溶液からMoを分離する場合には、他の材質では見られなかった挙動が観測された。そこで、この原因はFeがMoの価数や錯体構造に影響を及ぼしているためであると考え、XAFSスペクトルを取得したところ、FeによりMo
がMo
に酸化し、MoO
Cl
になっていることを明らかにした。
岩田 景子; 高見澤 悠; 河 侑成; 岡本 芳浩; 下山 巖; 本田 充紀; 塙 悟史; 西山 裕孝
Photon Factory Activity Report 2017, 2 Pages, 2018/00
原子炉圧力容器内表面のステンレスオーバーレイクラッド直下に生じる溶接熱影響部(HAZ)は熱履歴により結晶粒径や析出物分布の異なる組織が複雑に分布し、母材とは機械的特性が異なることが知られている。本研究では、HAZ組織の特徴を調べるため炭化物分布に着目し、形成元素の一つであるMoの周辺微細構造について分析を行った。HAZ組織の狭い領域毎の構造情報を取得するため、キャピラリレンズを使用した広域X線吸収微細構造(EXAFS)によりmオーダーの領域測定を実施した。EXAFS結果からHAZ内で生成が確認されている炭化物種の一つであるMo
Cは粒径の小さい領域に比較的多く分布することが示唆された。
Booth, S. G.*; 上原 章寛*; Chang, S.-Y.*; La Fontaine, C.*; 藤井 俊行*; 岡本 芳浩; 今井 崇人*; Schroeder, S. L. M.*; Dryfe, R. A. W.*
Chemical Science, 8(12), p.7954 - 7962, 2017/12
被引用回数:9 パーセンタイル:47.13(Chemistry, Multidisciplinary)アルカンチオール保護金粒子の二相ブラスト法合成が、前駆種と反応物質の条件に依存して、異なる経路で進むことを示した。本研究では、反応メカニズムへの臭素の重要性を明白化するために、電気化学的手法とともに、X線吸収スペクトル分析が使用された。解析の結果、前駆体[AuBr]
について観察された挙動は、これまでの文献に報告された挙動との違いを説明できると考えられた。ここで報告されたメカニズムの理解により、サイズのそろったナノ粒子をより効率的に合成できるようになると期待される。
岡本 芳浩; 永井 崇之; 塩飽 秀啓; 猪瀬 毅彦*; 佐藤 誠一*
日本原子力学会和文論文誌, 16(4), p.180 - 190, 2017/12
模擬ガラス中のロジウムの化学状態を調べるために、X線吸収微細構造(XAFS)およびイメージングXAFS分析を実施した。ガラス中のロジウムの化学形は、EXAFSデータの線形結合解析の結果から、84%がRhO、残り16%がRh金属と見積もられた。イメージングXAFS分析によると、ルテニウムと共存しているロジウムの化学形は、RhO
であった。これは、模擬ガラス中に、安定な(Ru,Rh)O
固溶体が存在することを示唆している。一方、ルテニウムと分布が一致しないロジウムの化学形は金属であった。ガラス中の金属ロジウムは、凝集体になる傾向があった。これらの結果から、ロジウムの化学状態は、ルテニウム元素の存在とその分布に強く影響を受けると結論付けられた。