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細見 健二; Ma, Y.*; 味村 周平*; 青木 香苗*; 大樂 誠司*; Fu, Y.*; 藤岡 宏之*; 二ツ川 健太*; 井元 済*; 垣口 豊*; et al.
Progress of Theoretical and Experimental Physics (Internet), 2015(8), p.081D01_1 - 081D01_8, 2015/08
被引用回数:14 パーセンタイル:66.39(Physics, Multidisciplinary)線分光によってCハイパー核のレベル構造を精密に測定した。ゲルマニウム検出器群Hyperball2を用いて、C反応からの4本の線遷移を同定することに成功した。基底状態スピン二重項のエネルギー間隔は直接遷移線により、(stat)(syst)keVと測定された。また、励起準位であるとについて、それぞれ、, keVと, keVと励起エネルギーを決定した。これらの測定されたCの励起エネルギーは反応分光によるハイパー核の実験研究において決定的な基準となる。
山崎 大; 曽山 和彦; 海老澤 徹*; 田村 格良; 田崎 誠司*
Proceedings of ICANS-XVI, Volume 1, p.407 - 415, 2003/06
Drabkin型エネルギー・フィルターは、空間的中性子スピン共鳴を利用して、望みの波長を持つ中性子を取り出すものである。これをパルス中性子に適用すれば、パルスの波長バンド幅やピーク高さを犠牲にすることなく、そのバースト幅を狭め、テールをカットすることができる。本講演では、Drabkin型エネルギー・フィルターを用いたJ-PARCパルス中性子のパルス整形についてシミュレーションを行った結果について報告する。計算では段階的な磁場勾配を導入し、J-PARCで予想されるパルスの性質に対応させて磁場の時間変化をさせるようにした。この結果、結合型モデレータから得られるパルスのテールが9割程度以上除去できること,パルス幅を非結合型モデレータ並みにすることが可能なことが示された。また、フィルター内部における磁場の周期幅の揺らぎが与える影響について考察し、100周期の磁場に対して1%以下の揺らぎであればほぼ影響はないことを示した。
山下 清信; 竹内 光男; 藤本 望; 藤崎 伸吾; 中野 正明*; 野尻 直喜; 田村 誠司*
日本原子力学会誌, 41(1), p.35 - 38, 1999/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)軽水炉等では制御棒を瞬時に挿入できることから、落下法による反応度測定で制御棒の全挿入が瞬時に完了しなければならない前提条件は満たされていた。反応度事故時でも燃料温度の上昇が緩慢であり安全上、制御棒を急速に挿入する必要がない高温工学試験研究炉では、制御棒駆動機構への負荷を軽減するため挿入時間は12秒以下としている。このような原子炉に従来の落下法を適用すると制御棒の反応度価値は大幅に過小評価され測定誤差が大きくなる。そこで、反応度を連続的に測定できるIKRD法を用いて落下時間が長い制御棒の反応度価値を測定できると考え、高温ガス炉臨界実験装置(VHTRC)で確認実験を行った。実験及び解析結果の比較から、IKRD法を用いても反応度価値は、10%以下の誤差で測定できることを確認した。
高津戸 裕司*; 田村 誠司*
PNC TN9440 88-008, 34 Pages, 1988/03
本報告書は、第6回定検時に行なった主冷却器伝熱管外面の掃除による伝熱特性の変化を、プラント運転特性より評価したものである。 主冷却器熱伝達モデルを構築し、そのモデル式に掃除前後のプラント運転データを使って多重回帰分析を行なった。その結果より最大除熱量及び主冷却器熱通過率を求め、掃除効果を比較した。 今回の評価により、Aループでは、掃除後熱通過率が1A主冷却器で約19%、2Aで約4.2%上昇した。これに対しBループでは、掃除効果がAループより小さかった。これは、主送風機入口空気温度と解析に使用した外気温度との時間遅れによる誤差の影響が大きく、解析精度の低下をまねいたものと思われる。第6回定検以降、プラント運転特性データに、主送風機室室温が追加されたので今後の解析ではその精度がさらに向上すると思われる。 今回の評価の結果、主冷却器伝熱特性の変化を回帰分析法で評価できることが明らかとなった。
田村 誠司*; 吉見 宏孝*
PNC TN960 85-04, 40 Pages, 1985/04
日英運転経験専門家会議が,英国スコットランドの北端にあるDNPDA(DounreayNuclearPowerDevelopmentEstablishment)において,1984年4月2日より4日の間開催された。主題は運転中の燃料破損挙動,燃料破損検出と同定技術,および反応度特性である。 PFRは運転開始後10年になるが,蒸気発生器等のトラブルにより稼動率は14%と低い値を示している。現在,2次系,2ループの蒸気発生器等の改造工事が終了し,残る1ループの蒸気発生器の改造工事,コミッショニングテストが8月迄に終了し,今秋より定格出力運転が開始される予定。 PFRにおいて燃料破損を1978年に2度,1983年に1度と計3回経験している。またDFRにおいては,数多くの燃料閉塞試験を実施しており,これ等の経験より燃料破損時の基本的な対応を以下の様に定めている。破損の初期は緩なものであるため,そのままカバーガス系で監視しながら運転を続行する。またその間にセレクターバルブ法による破損燃料の同定を行う。その後,破損が拡大し(伝播は起きない),遅発中性子系の指示値が増大した時点で原子炉を停止する。 反応度特性についてのPFRは,運転が安定していないためか情報量としては少かった。
庄野 彰*; 田村 誠司*; 池上 哲雄*
PNC TN941 84-161, 156 Pages, 1984/12
昭和57年11月から58年3月にかけて実施された照射用炉心(MK―2炉心)出力上昇試験および58年8月より59年6月にかけて実施された定格第1第3サイクルにおいて測定された炉雑音データの解析・検討結果について報告する。測定対象とした信号は,中性子束,反応度信号のゆらぎ成分であり,必要に応じて1次系流量,制御棒荷重,原子炉出入口温度等のゆらぎ成分も同時に多チャンネルデータレコーダにて収録した。得られたデータは,汎用雑音解析コード"NOISA"によって処理し,各信号のrms値,パワースペクトル密度および信号間の相関を示すコヒーレンス等を求めた。解析の主目的は,中性子束ゆらぎ発生原因の同定および制御棒振動メカニズムの把握である。主要な結論を以下に列記する。(1)運転中の中性子束ゆらぎ量は予測値に比べて大きく,最大で+-2MW程度であった。ただし,警報レベル(103MW)に達するものではなかった。(2)中性子束ゆらぎの主要な発生源は制御俸の流力振動である。(3)制御棒振動の励振源は,従来考えられていた制御俸チャンネル内での冷却材の流動よりも,集合体出口上部における圧力変動の方が支配的である。(4)中性子束ゆらぎ量の低減方法としては,制御棒防振機構の改造が有効である。
中本 香一郎; 大山 信美; 田村 誠司; 山本 研*
Proceedings of 3rd International Conference on Liquid Metal Engineering and Technology in Emergy Production, 0 Pages, 1984/00
FBRにおけるボイド検出に渦電流式センサーを応用するために、ボイド計の開発とナトリウム中試験を実施した。炉心出口に設置するためには、ボイド計は小型、交換容易、且つナトリウムと非接触が必要条件となるが、電磁誘導を利用する渦電流式ボイド計はこの目的に最適であり、冷却材中へのカバーガス巻き込みやFPガスリリースのモニターに有用と期待される。ところで、冷却材中の気泡(ボイド)は不規則運動し、従来の渦電流式流速計や電磁流量計の出力に脈動を生じさせる。しかし、炉心出口においては、流動ゆらぎが非常に大きく、ボイド信号をマスクしてしまう。一次コイルと二つの二次コイルから成るボイド計を開発し、ナトリウム中試験をした結果、ボイド信号と流動ゆらぎによるバックグラウンドノイズとは位相が異なることが確認され、後者を最小にするような最適位相で同期整流することによりボイド検出のS/N比を大幅に改善できた。
大谷 秀二*; 庄野 彰*; 田村 誠司*
PNC TN941 83-54, 53 Pages, 1983/04
本報告では,高速実験炉「常陽」での炉雑音を用いた異常監視システムの確立の第一歩として,炉心過渡応答特性の推定および監視方法,さらに中性子ゆらぎの空間依存度の監視方法について検討した。「常陽」で実施した炉心安定性試験時の反応度一中性子束伝達関数は,WSモデル(WeightSequenceModel)により良好に同定できた。このWSモデルを用いて,75MW出力上昇試験時に経験した出力反応度係数の特異現象についてケーススタディを実施した結果,その時の反応度一中性子束伝達関数の変化として,その特性変化を検出できた。また,炉心の空間依存性をもつ中性子ゆらぎ特性の変化についても,中性子検出器間の伝達関数の変化として検出できた。WSモデルは,入出力関係にある信号間の関係をインパルス応答系列で表現するもので,1度モデル同定を行えば,観測信号による応答との比較で,プラントの変化または異常を検出することができる。「常陽」で実施してきた炉雑音解析によるプラントの異常監視は,データ収集に時間のかかること(45時間),また解析コードが大きいためオフライン処理となるため,プラントの常時監視は困難である。しかしWSモデル法の様に1度モデル同定を行えば,40分程度のデータ点数で異常検定が可能であり,またプログラムの容量もあまり大きくならず,オンライン異常監視の手法として有望なことが明らかとなった。
村松 寿晴; 庄野 彰*; 田村 誠司*; 池上 哲雄*; 綱島 幹泰*
PNC TN941 83-06, 70 Pages, 1983/02
高速実験炉「常陽」は,50MW出力上昇試験(1978年)を炉心燃料本数70体で開始して以来,サイクル運転の燃焼による反応度減少を炉心燃料本数の増加という手段で補なってきており,75MW最終定格運転サイクル時点(1981年)で79体炉心体系まで拡大された。そこで炉心体系拡大による炉心内流量配分変化を確認するために,低出力試験時(1977年6月,70体炉心構成時)の測定と同一の手法(永久磁石式流量計を集合体ハンドリングヘッドに密着させて測定)で合計89体の集合体流量の測定を実施した。得られた結果を以下に示す。高流量分布測定結果として,低出力試験時の結果と比べ炉心領域で平均6.3%の減少,内側ブランケット2領域で平均4.0%の増加,外側プランケット全体で平均2.5%減少した。低流量分布測定結果として,予測値と比べ各流量差は大きく,全て低目に測定された。試験期間中において,流量計をNa中に浸漬してから約115時間で出力電圧が約3.0%増加した。
村松 寿晴; 田村 誠司*
PNC TN941 82-269, 85 Pages, 1982/10
原子炉プラントを安全かつ効率よく運転させ得る計算機システム(DIAMINSYSTEM)を運転支援に利用することを目的として開発している。本システムは,従来のシーケンス制御を基盤としたプログラムによるものとは異なり,各異常状態に最適な対応手段を過去のデータ・ベースを参照し,探索・決定する。DIAMINSYSTEMの構成は,以下の4種に大別される。1)自然言語処理部(英文章解釈・作成)。2)ブラント制御処理部(プラント監視)。3)シミュレーション処理部(プラント・シミュレーション)。4)知識データ・ベース(知識バンク)、DIAMINSYSTEMを高速実験炉「常陽」に適用させた結果,以下のようなプラント異常状態を検出し,それぞれに対する異常処置ガイドを正常に実行することを確認した。1)中性子束高(熱出力調整時)。2)冷却系全停止(自然循環試験時)。3)2次系(A)流量低(ポンプ電動機故障時)。以上を通じて,本システムの応答性および信漏性についての検証がなされ,実用化の見通しが得られた。
田村 誠司*; 引地 貴義*; 林道 寛
PNC TG033 82-01(3), 13 Pages, 1982/01
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弘田 実彌; 篠原 慶邦; 斉藤 慶一*; 黒田 義輝*; 福西 宏有*; 西原 英晃*; 藤田 祐志*; 角田 十三男*; 田村 誠司*; 須田 信英*
日本原子力学会誌, 24(3), p.188 - 198, 1982/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Nuclear Science & Technology)原子炉雑音解析の安全関連応用における最近の進歩を、1981年10月に東京で開催された第3回原子炉雑音専門家会合(SMORN-III)で発表された論文を中心にレビューした。ARモデルの応用、コヒーレンス解析およびパターン認識技法における進歩は1977年のSMORN-II以後著しい。炉雑音解析にもとづく原子炉診断システムの開発も進み、原子力発電プラントへの安全関連応用における実際的経験が蓄積されつつある。PWRにおける内部構造物の振動の定量的監視、BWRにおける炉心安定性や制御系特性の診断など、その進歩は注目に値する。また、LMFBRにおけるナトリウム沸騰検出のため、音響法も改良されてきた。さらに、SMORN-IIIと関連して日本が実施した炉雑音解析ベンチマークテストは成功し、ベンチマークテストの第2段階へ進むことが可能となった。
村松 寿晴; 佐野 健一*; 池上 哲雄*; 大谷 秀二*; 田村 誠司*
PNC TN941 81-75, 53 Pages, 1981/04
「常陽」中心燃料出口部に渦電流式温度流速計が設置されており,運転中の中心燃料集合体出口冷却材流速が測定できる。この情報は集合体毎に得られる出口Na温度情報と合わせて,炉内異常監視のための手法の1つとして活用される。本報告書は,50MW出力上昇試験時から75MW定格第3サイクル終了時までに得られた流速計の性能について記したものである。各種試験により得られた結果を以下に示す。不平衡残留電圧の正確な零調整を行なうことにより,1次系流量変化に対する流速信号の直線性および温度変化に対する流速信号への影響が,6%誤差内に納まる結果が得られた。不平衡残留電圧は,サイクル運転を行なうことにより大きな変化を起こし,毎サイクル開始前に零再調整を行なう必要が生じた。(1サイクルについて約4%の変化)原子炉定常状態において,フルスケールの2%程度に相当する流速信号のドリフトが見られた。和信号がスクラム時のNa温度変化を,ほぼ時間遅れなく忠実に検出していることが確認された。相関法を用いて流速を計算した結果,設計流量より20%程度低い値を示した。
大谷 秀二*; 佐野 健一*; 田村 誠司*
PNC TN941 81-03, 82 Pages, 1981/01
75MW出力上昇試験時に炉雑音測定を行い,主に中性子束信号のAPSDにおけるピークの存在および510-3710-2HZの周波数帯域で検出器位置の異なる中性子束信号間の相関が小さいという現象について検討を行った。また,最初の75MW出力上昇時に発生した異常反応度現象に伴ってこの現象の前後で炉出力50MWでの出力係数が変化しており,このため炉雑音特性も変化していると予想できる。この経時変化を調査し,その結果を用いて上述の中性子束信号に関する現象の検討を行った。炉雑音解折の結果,以下の事柄が明らかになった。中性子束信号間の相関が小さいという現象については,この現象の定量的検討および炉雑音特性の経時変化の検討の結果,この現象は中性子束ゆらぎの空間依存性によって生じていることがほぼ明らかになった。炉雑音持性の経時変化については,中性子束信号間のコヒーレンス関数,原子炉入口温度-中性子束信号間の伝達関数(ゲイン)などに経時変化が見られ,これらの現象間の対応づけもほぼ得られた。この結果,異常反応度による出力係数の変化に伴って中性子束ゆらぎの空間依存性の強さが変化していることがほぼ明らかになった。中性子束信号のAPSDのピークについては,この中性子束ゆらぎは炉固有のゆらぎであり,炉心構成要素の移動によって発生していると推定した。これに基づき,炉心集合体の移動を伴ったラッパ管の熱わん曲量と中性子束間の共振現象を仮定した。
寺田 和道*; 石川 真*; 田村 誠司*; 土井 基尾*; 鈴木 利明*; 山本 寿*
PNC TN941 80-168, 53 Pages, 1980/12
高速実験炉「常陽」に於けるヒートバランスは,現在,1次主冷却系の原子炉出入口温度差と流量,より算出した発熱量と主冷却器の空気側の出入口温度と風量より算出した発熱量の間に75MW時Aループで約11%,Bループで約4%の差があり空気側が大となっている。空気側の出入口温度と風量は,主冷却器の出口ダクト部で熱電対及びピトー管により88個所測定を行ない,その平均値から算出している。更に,1次主冷却系の原子炉出入口温度差と流量から算出した発熱量と主冷却器のNa側の温度差と流量より算出した発熱量は,Aループはほぼ一致し,Bループは約8%1次側が大となっている。燃料集合体毎の出口冷却材温度と冷却材流量から積算した炉心発熱量は,1次主冷却系の温度,流量から算出した発熱量より,75MW出力時約7%程高くなっている。本理由として,燃料集合体出口の熱電対の位置が集合体に対し中心位置にあるため,その指示値が集合体の平均出口Na温度より高めの指示を示しているのではないかと考えられている。Aループに於ける1次系及び2次系基準と空気系基準の発熱量の差,Bループの1次系基準と2次系基準の発熱量及び2次系基準と空気系基準の発熱量の差は,現在考えられている測定誤差の範囲を超えるものである。本報告書は,高速実験炉部技術課で昭和55年2月より3月にかけて実施された熱出力検討会の内容をもとに,昭和55年3月末時点での「常陽」の熱出力とヒートバランスの現状と考察について,述べたものである。
山本 寿*; 関口 善之*; 広瀬 正史*; 三田 敏男*; 田村 誠司*; 古平 清*; 寺田 和道*
PNC TN941 80-179, 402 Pages, 1980/10
高速実験炉「常陽」は昭和52年4月24日臨界を達成し,昭和53年7月にはMK―1炉心の第1期出力の50Mwtに到達した。その後予定された50Mwt定格2サイクルの運転を行ない,昭和54年7月には75Mwt出力上昇試験を開始し7月16日にはMK―1炉心の最終原子炉出力である75Mwtに到達した。昭和55年2月には連続定格出力100時間運転を終り,MK―1炉心に於ける全性能試験を終った。本性能試験は炉心及びプラントに関する約40項目の試験から成り,試験の結果,「常陽」の諸性能は設計条件を満足し,引き続き予定されている75Mwt定格サイクル運転に支障がないことが確認された。本資料は臨界から50Mwt出力上昇及び75Mw出力上昇試験にかけて実施された,「常陽」MK―1炉心に於ける全性能試験の結果をまとめたものである。
佐野 健一*; 大谷 秀二*; 田村 誠司*
PNC TN941 80-146, 60 Pages, 1980/08
高速実験炉「常陽」では,ナトリウム沸騰等の炉内の異常を早期に発見するために,炉内音響検出器による異常監視を続行している。現在,炉内音響検出器は,炉心位置〔5A2〕,〔5C2〕および〔5F2〕に合計3体設置されており,これらの検出器による,75MW定格第1サイクルまでの測定および連続監視の結果,以下のことが明らかになった。ナトリウム沸騰音響検出を目的とする数+kHzの周波数帯域では,バックグランド雑音は1次冷却材流量制御系による電磁気的雑音が主となっており,周波数成分としては,22kHz付近を中心,とする福広いスペクトルを有している。このバックグランド雑音レベルは,原子炉出力および1次冷却材流量(主ポンプ運転時)には,ほとんど依存しない。ナトリウム過渡沸騰試験結果からの類推によると,現在の炉内音響測定系ではSN比が悪く,局所沸騰(サブクール沸騰)の検出はむずかしいかもしれない。〔5C2〕および〔5F2〕炉内音響検出器の絶縁抵抗は,予想通り温度の上昇とともに減少したが,〔5A2〕炉内音響検出器だけは330前後で300倍以上に急増した。4)現在までのところ,炉内音響監視から,炉内の異常を示す結果は得られていない。
妹尾 誠*; 田村 誠司*; 坂口 俊英*; 大谷 秀二*; 村松 寿晴
PNC TN941 80-145, 60 Pages, 1980/08
「常陽」データ処理装置のアプリケーション・プログラムの一部として納入された異常反応度監視システムの機能を検証するため,出力上昇試験の期間において検証試験を実施した。検証試験は,出力上昇試験における各種外乱応答試験時に異常反応度監視システムを動作させ各種のデータを取ってシステムの機能を確認する方法によった。試験は下記の5項目について実施した。1)制御棒小反応度外乱投入試験 2)炉出力変更試験 3)原子炉入口冷却材外乱試験 4)未知反応度投入試験 5)50MW時連続監視上記の5項目の試験に対し,それぞれ以下の結果を得た。1)の試験に対しては,制御棒の位置信号取込み周期と核出力信号の取込み周期のいずれにより残留反応度が制御棒位置変化時に大きくなるという問題があった。2)の試験については,約20MWの炉出力変化に対しても残留反応度が約2セント以内であり,かなり大きな炉出力変更に対しても対処できることがわかった。3)の試験では,炉入口冷却材変化に対しては残留反応度はほぼ零で問題ないが,流量変化に対して反応度変化の推定が悪い。4)の試験では,パイルオシレータロッドによる未知反応度を投入し,約10%の精度でその未知反応度の値を推定できることが確認された。5)の連続監視については,正常な通常運転において,残留反応度はほぼ2セント以内の値を示しており,異常反応度検出用判定値として約2.5セントが妥当と考えられる。
田村 誠司*; 村松 寿晴; 三田 敏男*; 池上 哲雄*
PNC TN941 80-03, 27 Pages, 1980/01
本報告書は,50MW出力上昇試験期間および50MW定格運転中に得られた燃料集合体出口温度の測定結果についてまとめたものである。炉心の中央部115体の燃料集合体出口に熱電対が設置され,運転中の冷却材温度が監視できる。この情報は,別に得られた集合体毎の流量と併わせて集合体毎の発熱および温度分布の推定に活用される。各種プラント状態で集合体出口冷却材温度測定により以下の結果が得られた。1)炉心冷却材温度250等温状態の測定温度の標準偏差は0.59で,+-2内に99.8%の測定点が入る。出力上昇試験前と1年後の2サイクル運転後における標準偏差の顕著な変化はない。2)50MW運転時の温度分布を計算値(計算による発熱分布と零出力時に測定した集合体毎の流量分布とより算出)と比較した結果,炉心部で約6,ブランケット部で約20程測定値が高い。検討の結果,低温等温状態の流量分布と高温運転時の流量分布とで差が生じていると思われる。3)原子炉入口温度をA,Bループで15の差をつけて集合体出口温度分布を測定した結果,炉心を2分する温度変化が観られ,炉容器下部プレナムではほとんどA,Bループの冷却材の混合はない。4)原子炉入口温度を370と250で運転した時の温度分布の比較で,370運転時で集合体流量の減少と思われ傾向が見られた。今後,集合体流量分布の温度依存性確認の観点より試験,検討を進めていく。
佐野 健一*; 池上 哲雄*; 大谷 秀二*; 田村 誠司*; 三田 敏男*; 山本 寿*
PNC TN941 80-02, 70 Pages, 1980/01
高速実験炉「常陽」の低出力および出力上昇試験期間中に1次冷却材の流動によって生じる制御棒振動の反応度への影響を調べるために,中性子束,制御棒荷重信号,制御棒駆動機構ハウジング上での音響信号および反応度信号を測定し解析した。1次冷却材流量,制御棒位置および原子炉出力に関する種々の運転条件において測定した信号は多チャンネルデータレコーダに記録した。これを再生して周波数分析器により,パワースペクトル密度,コヒーレンス関数およびrms値を求めた。その結果,以下のような特徴が認められた。制御棒(調整棒)駆動機構ハウジング上で検出される衝撃音は1次冷却材流量が100%に近付くと顕著になり,その生じる頻度は約2Hzである。測足した信号ゆらぎのパワースペクトル密度には約2Hzに顕著なピークがあり,信号間のコヒーレンス関数にも約2Hzに顕著なピークがある。反応度ゆらぎのrms値は制御棒が引き抜かれるにつれて減少し,50MWでは約0.1¢となる。以上のことより,1次冷却材の流動により引き起こされる制御棒(調整棒)振動の周波数は約2Hzであることと,50MWでの制御棒振動による反応度ゆらぎのrms値は約0.1¢であり,原子炉制御には外乱を与えないことがわかった。