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論文

A Simplified Cluster Analysis of Electron Track Structure for Estimating Complex DNA Damage Yields

松谷 悠佑; 中野 敏彰*; 甲斐 健師; 鹿園 直哉*; 赤松 憲*; 吉井 勇治*; 佐藤 達彦

International Journal of Molecular Sciences (Internet), 21(5), p.1701_1 - 1701_13, 2020/03

 被引用回数:2 パーセンタイル:100(Biochemistry & Molecular Biology)

電離放射線被ばく後に誘発されるDNA損傷の中でも、10から20塩基内に2つ以上のDNA損傷が誘発されるクラスター損傷は人体にとって致命的な損傷として知られている。そのようなクラスター損傷の収率はシミュレーション技術によって評価されてきたが、その推定精度についての検証は未だ不十分である。クラスター損傷を検出する科学技術の進歩に伴い、実験と推定の両方によりクラスター損傷を評価することが近年ようやく可能となった。本研究では、PHITSコードで得られる非弾性散乱(電離・電子的励起)数の空間密度を解析することによりクラスター損傷を推定するシンプルなモデルを考案し、ゲル電気泳動や原子間力顕微鏡により測定されるクラスター損傷(例:塩基損傷を伴うDNA二本鎖切断や2つ以上の塩基損傷)の実験結果と比較した。塩基損傷と主鎖切断の収率比を1.3と仮定することで、シミュレーションによって、主鎖切断ならびに塩基損傷に対するクラスター損傷生成率の実測値の再現に成功した。また、塩基損傷を伴う複雑な二本鎖切断に対する推定値と対応する実測値との比較結果から、電離・電子的励起数の凝集度がDNA損傷の複雑さを反映することが示唆された。開発したモデルにより、X線(電子線)により誘発されるクラスター損傷の種類の定量化が可能となり、クラスター塩基損傷に対する実験的な検出効率の解釈に成功した。

論文

Localization estimation of ionizing radiation-induced abasic sites in DNA in the solid state using fluorescence resonance energy transfer

赤松 憲; 鹿園 直哉; 齊藤 毅*

Radiation Research, 183(1), p.105 - 113, 2015/01

 被引用回数:16 パーセンタイル:26.36(Biology)

DNAに生じた傷(DNA損傷)のほとんどは生物が有する損傷修復機構によって元通りに修復されるが、中には修復困難なタイプの傷があり、これが突然変異や発癌の原因になるといわれている。修復困難とされる損傷型のひとつに「クラスター損傷」(複数の損傷がDNA鎖上の狭い領域に集中的に生じている)がある。しかしながら、その化学構造・損傷局在性の程度・生成頻度等の実体はほとんど明らかになっていない。そこで我々は、クラスター損傷の実体、特に局在性を実験的に解明するために、蛍光共鳴エネルギー移動を利用した損傷位置局在性評価法(FRET法)の開発を行ってきた。検出対象の損傷には脱塩基部位(AP)を選び、FRET法を、種々の放射線($$^{60}$$Co $$gamma$$線,ヘリウム・炭素イオンビーム)を照射した乾燥DNA試料に適用したところ、特に飛跡末端の炭素イオンビームでは、飛跡中でクラスター化した損傷が生じることが明らかとなった。

論文

Significance of DNA Polymerase I in ${it in vivo}$ processing of clustered DNA damage

鹿園 直哉; 赤松 憲; 高橋 桃子*; 野口 実穂; 漆原 あゆみ; O'Neill, P.*; 横谷 明徳

Mutation Research; Fundamental and Molecular Mechanisms of Mutagenesis, 749(1-2), p.9 - 15, 2013/09

 被引用回数:10 パーセンタイル:58.67(Biotechnology & Applied Microbiology)

クラスターDNA損傷は、電離放射線によってDNAへリックス二回転中に二つ以上の損傷が生じるものである。クラスターDNA損傷がどの程度、また、どのように生物影響を及ぼすのかに関しては不明な点が多い。本研究では、鎖切断と脱塩基部位や8-oxo-7,8-dihydroguanine (8-oxoG)を含むクラスターDNA損傷を用い、大腸菌に形質転換し、形質転換効率及び突然変異頻度を調べた。鎖切断と脱塩基部位からなるクラスターDNA損傷の場合、鎖切断及び脱塩基部位がそれぞれ単独であった場合に対し、形質転換効率は大幅に低下することが明らかになった。損傷間の距離を離す(10-20bp)と、形質転換効率はDNA polymerase I(Pol I)の作用により回復した。一方、鎖切断と8-oxoGからなるクラスターDNA損傷の場合、クラスターDNA損傷による突然変異頻度はPol Iの働きによって低下することが明らかとなった。これらの結果は、クラスターDNA損傷による生物効果にPol Iが深く関与することを示している。

論文

Development of "leaky" liposome triggered by radiation applicable to a drug reservoir and a simple radiation dosimeter

赤松 憲

Applied Radiation and Isotopes, 74, p.144 - 151, 2013/04

 被引用回数:2 パーセンタイル:77.33(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

現在、放射線の生物影響のターゲットしてDNAが最も重要視されているが、生物(細胞)はDNA以外にもさまざまな構造体を持っておりターゲットとして働くことが知られている。その代表的なものは脂質2重膜である。そこで放射線に対して脆弱な脂質組成・組成比・周辺環境とはどのようなものであるかを、リン脂質-コレステロール系リポソームを用いて調べた。なお、本リポソームを抗癌剤のリーザーバーとして用いることで癌の放射線療法と化学療法を同時に行うことができる。蛍光試薬を封入したリポソームを作成し、リン酸緩衝液中37度で軟X線を照射した。放出された蛍光薬剤の量を測定し、その量を放射線感受性の指標とした。その結果、放射線感受性の法則はおもに次の通りであることがわかった。(1)ビスアリル水素を有する不飽和リン脂質が不可欠、(2)不飽和リン脂質の中でもリノール酸リン脂質が最良、(3)線量率が低いほど放射線感受性が上がる、(4)不飽和リン脂質成分としてのリノール酸リン脂質は5$$sim$$20mol%が最良、(5)コレステロールは30$$sim$$60mol%が最良。不飽和リン脂質の連鎖的な酸化がリポソームの放射線感受性に重要な役割を担っていると考えられる。また、脂質成分の組成によって不飽和結合間の距離や、脂質ラジカルへの酸素分子の接近しやすさが変化することも併せて示している。

論文

A Methodology for estimating localization of apurinic/apyrimidinic sites in DNA using fluorescence resonance energy transfer

赤松 憲; 鹿園 直哉

Analytical Biochemistry, 433(2), p.171 - 180, 2013/02

 被引用回数:4 パーセンタイル:81.21(Biochemical Research Methods)

We have developed a methodology for estimating localization of lesions on double-stranded DNA using fluorescence resonance energy transfer (FRET). We have focused on apurinic/apyrimidinic (AP) sites, which are typical DNA lesions induced by radiation and chemicals, and produced spontaneously under physiological conditions. Donor-acceptor fluorescent probes with $$O$$-amino groups (AlexaFluor 350-488 dye pair) were used for selectively labeling AP sites. PUC19 plasmid subjected to heat treatment was used as a model double-stranded DNA containing AP sites. The results of both FRET analysis and theoretical study enabled us to prove that AP sites induced by the heat treatment are distributed almost randomly along the DNA molecule. This methodology will be useful for estimating the risk of ionizing radiation and chemicals based on the probability of producing "clustered DNA damage sites", which are considered to be less easily repairable and therefore more harmful to living systems.

論文

文部科学省「健康相談ホットライン」臨時電話相談員を務めて; より良いリスク・コミュニケーションを模索しながら

赤松 憲

放射線生物研究, 46(2), p.87 - 92, 2011/06

今回の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)による原子力災害に伴い、文部科学省に放射線・放射線影響に関する「健康相談ホットライン」が開設された。われわれ原子力機構の職員等も臨時相談員として日本全国からの問い合わせに対応した。今回の惨禍で、原子力や放射能・放射線に対する関心が国内のみならず世界中に広がった。本稿では、著者が受けた相談内容の種類,相談員を務めながら葛藤したことなどを幾つか挙げ、相談者に冷静な判断のもとに行動していただくためにはどのようなリスク・コミュニケーションをとればよいのか、相談員にできることは何かについて考察した。

論文

放射線DNA損傷の分析科学的諸問題と対策; DNAの放射線化学変化と生物応答の関係理解のために

赤松 憲

放射線化学(インターネット), (89), p.3 - 8, 2010/03

放射線作用によるDNAの化学構造変化は、後の細胞あるいは生物応答としてどのような形で反映されていくのか。またその化学構造変化の仕方は線質によってどのように違うのか。「線質が違えば生物応答の仕方も違ってくる」ことは半世紀以上前からわかっているが、ではなぜ違うのかについて「仮説」は数多存在するものの統一見解は得られていない。放射線の生物作用について矜持をもって語るためには、この問いに対する明瞭な回答が必要である。本稿では、DNAの放射線化学変化を知る意義についての概況、これまで開発されてきた、あるいは筆者が新規に開発したDNA損傷分析手段の特性について説明し、それらによって得られる放射線DNA損傷情報の意味について考察する。

論文

Development of a thermal neutron-sensitive liposome for a novel drug delivery system aiming for radio-chemo-concurrent cancer therapy

赤松 憲

Radiation Physics and Chemistry, 78(12), p.1179 - 1183, 2009/12

 被引用回数:6 パーセンタイル:54.41(Chemistry, Physical)

熱中性子照射によって破壊される熱中性子感受性リポソームを開発する。腫瘍に蓄積した熱中性子感受性リポソームが熱中性子により破壊されて、封入した抗癌剤が放出されるような薬物放出制御システムを構築する。リポソーム破壊に最も寄与する化学種は、水の放射線分解物である・OHと予想した。その仮説に従い、まず実験室光源である軟X線を用いてリポソームの脂質組成と放射線感受性の関係を調べた。軟X線を用いた実験で得られた結果をもとに、ホウ素化合物と抗癌剤を封入したリポソームを作製し、中性子照射による抗癌剤の放出性を調べた。軟X線を用いた基礎検討により、3成分系リポソームの放射線感受性は、(1)リポソーム懸濁液の濃度,(2)リポソーム脂質組成,(3)線量率の影響を大きく受けることが明らかとなった。(1)(2)(3)を最適化した結果、100Gy未満の線量で破壊されるリポソームを構築することができた。基礎検討をもとに作製したリポソームにホウ素化合物及び抗癌剤カルボプラチンを封入し、ホウ素中性子捕捉反応による抗癌剤放出性を調べた。その結果、照射により抗癌剤の放出速度が有意に上昇することが明らかとなった。

論文

タンデム加速器を利用したマイナーアクチノイド分離用抽出剤への$$alpha$$線照射

須郷 由美; 赤松 憲; 長谷 純宏; 田口 光正; 佐々木 祐二; 広田 耕一; 木村 貴海

JAEA-Conf 2008-012, p.127 - 129, 2009/03

TIARAタンデム加速器のTC1ポートは、大気圧のもと水平方向に低エネルギーのヘリウムイオンビームを照射させることができる唯一の照射装置を備えている。タンデム加速器を利用したマイナーアクチノイド分離用抽出剤への$$alpha$$線照射実験の手法を確立させるため、TC1ポートの照射チャンバーの一部を改良するとともに、照射容器の製作など照射実験の条件を整備した。イオンの照射エネルギーは照射窓面から照射試料までの空気層の距離で調整し、フルエンスはファラデーカップで測定したビーム電流値と試料の照射時間から求まる計算値を固体飛跡検出器CR-39を用いて実測した値で補正した。

論文

Studies of soft X-ray-induced Auger effect on the induction of DNA damage

横谷 明徳; 藤井 健太郎; 鹿園 直哉; 赤松 憲; 漆原 あゆみ; 渡辺 立子

International Journal of Radiation Biology, 84(12), p.1069 - 1081, 2008/12

 被引用回数:11 パーセンタイル:35.75(Biology)

われわれはこれまで軟X線を生体試料に照射することで、DNA損傷過程におけるオージェ効果の寄与の程度を調べてきた。生体中で特定元素が内殻光吸収すると、オージェ効果が誘起され、光電子やオージェ電子が放出される。これらの低エネルギー電子は、分子内・外の他の官能基をさらにイオン化あるいは励起するため、数nm程度の領域に損傷が集中するいわゆる「クラスターDNA損傷」が生じやすいと予測される。これまでに、60keV付近の軟X線が$$gamma$$-rayに比べ極めて高頻度の塩基除去修復酵素により認識・除去される塩基損傷を誘発すること、より低エネルギー(数keV以下)の軟X線ではこの頻度が低下することからクラスター損傷の生成が起こっていることなどが示唆された。さらに放射光軟X線ビームラインに設置したEPR装置を用いて、DNAの損傷の前駆体であるラジカル過程を調べた結果についても合せて報告する。

論文

Characterization of lesions induced in linear-formed plasmid DNA by valence ionization and Auger decay at carbon, nitrogen and oxygen

赤松 憲; 藤井 健太郎; 横谷 明徳

International Journal of Radiation Biology, 84(12), p.1082 - 1092, 2008/12

 被引用回数:0 パーセンタイル:100(Biology)

この研究の目的はCo-60$$gamma$$線及び超軟X線(USX)によって引き起こされるDNA損傷の違いを明らかにすることである。本研究ではDNA損傷の指標として、塩基遊離,リン酸のある、あるいはない3'鎖切断末端,ピペリジン脆弱性塩基損傷を選んだ。USXのエネルギーは270から560eVの範囲内で4点選択した。切断末端及びピペリジン脆弱性塩基損傷の定量には、ヘビ毒ホスホジエステラーゼ(SVPD)及びアルカリ・ホスファターゼ(CIAP)を用いた方法で行った。その結果、$$gamma$$線, USXともに、塩基遊離,全3'鎖切断末端量,リン酸がある3'鎖切断末端量の各々に有意な違いがないことがわかった。しかしながらピペリジン脆弱性塩基損傷部位に関してはUSXの窒素K吸収端のエネルギー近傍(400eV付近)で最も少なくなる傾向が伺えた。このエネルギー近傍では塩基損傷の量が少ないか、あるいはピペリジン耐性の塩基損傷が生じている可能性が示唆された。

論文

DNA damage induced by the direct effect of radiation

横谷 明徳; 鹿園 直哉; 藤井 健太郎; 漆原 あゆみ; 赤松 憲; 渡辺 立子

Radiation Physics and Chemistry, 77(10-12), p.1280 - 1285, 2008/10

 被引用回数:40 パーセンタイル:5.95(Chemistry, Physical)

電離放射線の生体への照射により細胞内のDNAに、放射線のエネルギーの直接付与(直接過程)及び拡散性の水ラジカルとの反応(間接効果)を通じて化学的変化(損傷)が生じる。このような損傷は、突然変異などの放射線生物照射効果を誘発する主要な原因の一つとされている。われわれのグループでは、まだ不明な点が数多くある直接効果に着目し、モデルDNA分子として選んだプラスミドDNAに照射したときの1本鎖切断,2本鎖切断及び塩基損傷の収率の放射線の線質依存性を調べた。特に塩基損傷については、塩基除去修復酵素をプローブとして用いて定量した。さらに損傷生成の詳細を調べるため、放射光軟X線ビームラインに設置したEPR装置を用いて短寿命の塩基ラジカルを測定した。これらの実験データを過去に報告されているデータと比較し、直接効果によるDNA損傷の生成機構について議論する。

論文

A Novel methodology to characterize DNA damage utilizing phosphodiesterase I function

赤松 憲

New Research on DNA damage, p.237 - 253, 2008/00

放射線によって生じるDNA損傷の種類・量・分布(損傷スペクトル)は線質あるいはそのエネルギーによって違うと考えられる。しかしながら、損傷の多様さ,直接・間接効果の寄与率,酸素濃度、さらには、実験条件等の多くの不確定要素のため、その違いに関する統一見解が得られていない。そこで、個々の損傷の化学構造に厳密にこだわらず、かつ損傷部位の脆弱性(pH・温度感受性が上がっている)に影響されにくい損傷スペクトル分析法を開発した。この方法では、分解酵素として、DNAの3'水酸基末端を認識し2'デオキシヌクレオシド-5'-リン酸を逐次切り出すホスホジエステラーゼI(SVPD)、及びアルカリホスファターゼを用いる。SVPDの基質特異性とそのミハエリス-メンテン型の反応速度論的性質を活用することによって、DNA鎖切断の3'末端におけるリン酸基の有無、ピペリジン脆弱性部位というカテゴリーで損傷を分類して定量することが可能である。本方法を用いることで、コバルト60$$gamma$$線を照射したDNA薄膜試料では、鎖切断の収率がおよそ0.1$$mu$$mol/Jであることがわかった。この値は他の方法で見積もられた結果と矛盾しない。この方法体系を基礎にさまざまな酵素を組合せることで、これまでにわからなかった放射線DNA損傷スペクトルが明らかになると期待できる。

論文

A Novel methodology for characterizing strand-break termini and damaged bases in plasmid DNA exposed to ionizing radiation

赤松 憲

Analytical Biochemistry, 362(2), p.229 - 235, 2007/03

 被引用回数:4 パーセンタイル:88.5(Biochemical Research Methods)

DNAの放射線損傷の特徴を調べるための新しい方法論を開発した。ヘビ毒ホスホジエステラーゼ(SVPD)と子牛腸アルカリ・ホスファターゼ(CIAP)から成る酵素システムを、鎖切断末端の3'側を調べるのに使用した。この研究では、鎖切断末端を2つのカテゴリー、CIAP非依存的SVPD部位とCIAP依存的SVPDに分けた。前者はSVPDがCIAP処理なしで直接認識できる鎖切断末端であり、後者はSVPDの認識にCIAP処理が必要な鎖切断末端である。SVPDで15分間処理する間に産生された未損傷デオキシヌクレオチドを定量することで放射線化学収率(G値)を見積もることができる。この方法で、Co-60$$gamma$$線照射された乾燥DNAの全鎖切断G値は$$sim$$0.1$$mu$$mol/Jであることがわかった。また、CIAP依存的SVPD部位のG値は0.078、CIAP非依存的SVPD部位のそれは0.024と見積もることができた。これらの結果は、生じた鎖切断3'末端'にはリン酸が残りやすいことを示している。

論文

放射線によるクラスターDNA損傷の生成機構

横谷 明徳; 鹿園 直哉; 漆原 あゆみ; 藤井 健太郎; 赤松 憲; 渡邊 立子

放射線生物研究, 40(2), p.168 - 184, 2005/06

放射線によるDNAへの作用と活性酸素(ROS)などの内因性ラジカルによる作用が大きく異なる点は、後者がラジカルの熱的拡散によるランダムヒット事象であるのに対し、前者は放射線の飛跡構造(トラック)に大きく依存することである。このような放射線による直接ヒットによるDNA損傷は、放射線のトラックに沿った微小領域に生じた複数の励起やイオン化を起点とする、いわゆるクラスター化して生じたDNA損傷を引き起こすと考えられるが、その化学構造を含めた実体及びこれに対する細胞中での修復作用機序については未だほとんど解明されていない。本稿では、クラスターDNA損傷研究の最近の動向とわれわれのグループが最近行っている実験の試みを紹介し、クラスターDNA損傷の生成機構と生体内での役割について考察する。

論文

"$$In situ$$" observation of guanine radicals induced by ultrasoft X-ray irradiation around the K-edge regions of nitrogen and oxygen

横谷 明徳; 赤松 憲; 藤井 健太郎; 鵜飼 正敏*

International Journal of Radiation Biology, 80(11-12), p.833 - 839, 2004/12

 被引用回数:7 パーセンタイル:52.27(Biology)

窒素及び酸素の内殻励起と、これに引き続き起こるオージェ過程により引き起こされるDNA塩基損傷のメカニズムを明らかにするため、SPring-8のアンジュレータービームラインに新たに設置された電子常磁性共鳴(EPR)装置を用いて、グアニンラジカルを調べた。この装置は、軟X線の照射とこれにより試料中に生じるラジカル測定を同時に行うことが可能である。このようなユニークな装置の特性を生かすことで、グアニンペレット中に極めて短寿命のラジカルが生じることが明らかにされた。このラジカルは、ビーム照射を止めても77kで安定に存在するグアニンカチオンラジカルとは、明らかに異なるスペクトルを示した。この短寿命ラジカルは、特に酸素の1S$$rightarrow$$$$sigma$$$$^{*}$$共鳴励起により強く観測され、窒素のK殻励起ではほとんど生じなかった。以上のことからグアニンラジカルの生成には、分子中のカルボニル酸素が重要と結論された。

論文

Decomposition of 2-deoxy-$$D$$-ribose by irradiation with 0.6 keV electrons and by 0.5 keV ultrasoft X-rays

藤井 健太郎; 赤松 憲; 横谷 明徳

International Journal of Radiation Biology, 80(11-12), p.909 - 914, 2004/11

 被引用回数:9 パーセンタイル:44.08(Biology)

放射線のトラックエンドで生じる低エネルギー電子によって引き起こされるDNAダメージは、さまざまな過程を経て進むと考えられ、非常に複雑である。損傷を引き起こす線源として単色超軟X線を利用した内殻励起を用いることにより、このような複雑なプロセスをオージェ過程といった特定の過程を選択することが可能になる。本研究では軟X線及び低エネルギー電子線を照射することにより、2-deoxy-$$D$$-ribose分子の酸素K殻励起を行い、その後に生成する正イオンの脱離を四重極質量分析器によって観測した。それによると、538eVの軟X線照射によって、H$$^{+}$$,CH$$_{x}^{+}$$,C$$_{2}$$H$$_{x}^{+}$$,CO$$^{+}$$,CHO$$^{+}$$,CH$$_{2}$$OH$$^{+}$$及びC$$_{3}$$H$$_{x}$$O$$^{+}$$の脱離が観測された。一方、低エネルギー電子衝撃によって得られたマスパターンは、H$$^{+}$$イオン収量が比較的多い以外は、軟X線衝撃によって得られたスペクトルと良い一致を示した。両者の違いは軟X線と電子線の衝突モードの違いによるものと考えられる。このように、異なる線源による照射によって得られたデータを比較することによって、2-deoxy-$$D$$-riboseの分解を通して、DNA鎖切断や塩基損傷のメカニズムについてのディスカッションを行った。

論文

Low-energy auger- and photo-electron effects on the degradation of thymine by ultrasoft X-irradiation

赤松 憲; 藤井 健太郎; 横谷 明徳

International Journal of Radiation Biology, 80(11-12), p.849 - 853, 2004/11

 被引用回数:10 パーセンタイル:40.92(Biology)

放射線エネルギーが生体分子に移動した場合、分子の励起や共有結合の切断を起こすことが知られている。吸収線量と突然変異等の関係についてはこれまで多くの情報の蓄積があるが、付与されたエネルギーと分子損傷の定量・定性関係についてはほとんど知られていない。これを明らかにすることにより線質による放射線影響の相違をさらに明確化できると考えられる。われわれはこれまでに放射光の分光により得られる単色軟X線を用いることでDNA構成分子の特定原子を選択的にK殻励起できることを示してきた。また単色軟X線により光電子やオージェ電子等の二次電子のエネルギーが決まるので、二次電子からのエネルギー付与と分子変化の特徴を抽出して調べることが可能である。本研究では上記目的のための最初のステップとして照射サンプルにチミンを選択した。光子には395, 407, 538eV単色光子及び$$^{60}$$Co$$gamma$$線を用いた。分析はEPR法により行った。EPR分析では5-thymil radicalなどの安定ラジカルが同定された。生成したラジカルの種類は用いた光子間で明確な差はなかったが、定量的には違いが認められた。これらの相違はサンプル中に発生する全ラジカル種の密度の違いによるものと考えられる。本発表では生成したラジカル種の定性的性質についても詳細に報告する。

論文

EPR studies of 5-bromouracil crystal after irradiation with X-rays in the bromine K-edge region

横谷 明徳; 高倉 かほる*; 渡邊 立子; 赤松 憲*; 伊藤 隆*

Radiation Research, 162(4), p.469 - 473, 2004/10

DNAの放射線増感剤として用いられる5-bromouracilの単結晶に対し、BrのK吸収端付近(13.461-13482keV)の偏光単色X線を照射し、生じるラジカルをEPR法により調べた。照射には、5-bromouracilの吸収スペクトル上に観測された3つの共鳴励起エネルギーを用い、80及び300Kで照射を行った。観測されたEPRスペクトルから、分子のN1部位からの脱水素ラジカルが、照射した全てのエネルギーに共通して現われることがわかった。しかしその収率は、励起エネルギーに依存した。このラジカルは、BrのK吸収端を外した低エネルギー側とコバルト60$$gamma$$線でも、同様に観測された。一方、室温(300K)で照射した場合の方が(80K)で照射した場合よりも、ラジカル収量は約10倍以上高かった。以上の結果から、DNAのBrウラシル置換分子の放射線増感を議論する。

論文

EPR studies of 5-bromouracil crystal after irradiation with X rays in the bromine K-edge region

横谷 明徳; 高倉 かほる*; 渡邊 立子; 赤松 憲*; 伊藤 隆*

Radiation Research, 162(4), p.469 - 473, 2004/10

 被引用回数:2 パーセンタイル:92.42(Biology)

DNAの放射線増感剤の一つである、5-bromouracilの単結晶に対するX線吸収スペクトルの測定を、水平面内に直線偏光した放射光を用いて、透過法により13.41から13.50keVのBrK吸収端領域で行った。その結果、4つの共鳴ピーク構造が観測された。これらのピークの相対強度は、X線の入射方向と平行にした結晶のb-c面の法線に関する回転に強く依存した。分子軌道計算により、これらのピーク構造はBr-C結合の反結合分子軌道への励起及び形状共鳴に由来することが示された。観測されたX線吸収の異方性は、これら分子軌道の角度依存性に由来すると考えられる。

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