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Kim, M.*; Lee, C.*; 杉田 裕; Kim, J.-S.*; Jeon, M.-K.*
Geomechanics for Energy and the Environment, 41, p.100628_1 - 100628_9, 2025/03
被引用回数:1 パーセンタイル:0.00(Energy & Fuels)この研究では、DECOVALEX-2023プロジェクトの一環として幌延の地下研究施設で実施された実規模大の人工バリア試験の数値解析を使用して、非等温二相流のモデリングに対する主要変数の選択の影響を調査した。検証済みの数値モデルを使用して、人工バリアシステム内の不均質多孔質媒体の熱-水連成挙動を解析した。支配方程式を離散化する際の2つの異なる主要変数スキームを比較したところ、結果に大きな違いがあることが明らかになった。
Wu, P.*; Fan, F.-R.*; 萩原 雅人*; 古府 麻衣子; Peng, K.*; 石川 喜久*; Lee, S.*; 本田 孝志*; 米村 雅雄*; 池田 一貴*; et al.
New Journal of Physics (Internet), 22(8), p.083083_1 - 083083_9, 2020/08
被引用回数:13 パーセンタイル:64.36(Physics, Multidisciplinary)熱電材料SnSeは、過去数年間で世界的な関心を呼び、その固有の強い格子非調和性は、その優れた熱電性能の重要な要素と見なされている。一方、SnSeにおける格子非調和性の理解は、特にフォノンダイナミクスがこの動作によってどのように影響を受けるかに関して、依然として不十分である。そのため、中性子全散乱,非弾性中性子散乱,ラマン分光法、および凍結フォノン計算により、NaSn
Se
S
の格子力学の包括的な研究を行った。格子非調和性は、対分布関数,非弾性中性子散乱、およびラマン測定によって確かめられた。熱膨張と多重フォノン散乱の影響を分離することにより、後者は高エネルギー光学フォノンモードで非常に重要であることがわかった。フォノンモードの強い温度依存性は、この系の非調和性を示している。さらに、我々のデータは、Sドーピングにより、高エネルギー光学フォノンの線幅が広がることを明らかにした。私たちの研究は、SnSeの熱電性能は、フォノンエンジニアリングを介して格子熱伝導率への高エネルギー光学フォノンモードの寄与を減らすことによってさらに強化できることを示唆する。
Lee, C.-G.*; 鈴木 大輔; 江坂 文孝; 間柄 正明; Song, K.*
Talanta, 141, p.92 - 96, 2015/08
被引用回数:16 パーセンタイル:48.65(Chemistry, Analytical)連続昇温法による表面電離質量分析法は極微量のウランの同位体比測定に有効であることが知られている。本研究では、プルトニウム(Pu, SRM947)を用いて連続昇温法による表面電離質量分析法の分析性能について調べた。fgレベルのPu溶液試料を用いて同位体比の正確さと精密さの蒸発フィラメントの加熱速度依存性を検討した。0.1-1000fg範囲の試料において蒸発フィラメント加熱速度を100mA/minから250mA/minまで変えた結果、同位体比の正確さ及び精密さにはほとんど影響しなかった。試料量が70fgまではPuのすべての同位体比が測定された。また、試料量0.1fg(0.2mのPuO
粒子の質量に相当)までは
Pu/
Puが測定された。さらに、
Puの信号は0.03fgまで検出でき、これは3
法により評価すると
Puの検出限界は0.006fgになる。本研究では、
Puの崩壊により生成される
Amと
Puは蒸発フィラメントの温度差により分別できた。その結果、連続昇温法による表面電離質量分析法では
Pu/
Puと
Pu/
Puだけではなく
Pu/
Puの比も化学分離なしで測定することができた。
Lee, K.-M.*; Kim, C. M.*; 佐藤 駿丞*; 乙部 智仁; 篠原 康*; 矢花 一浩; Jeong, T. M.*
Journal of Applied Physics, 115(5), p.053519_1 - 053519_8, 2014/02
被引用回数:27 パーセンタイル:70.20(Physics, Applied)超短パルスレーザーを照射した光学措置の応答とアブレーション閾値を第一原理多階層シミュレーションを用いて調べた。固体及び薄膜状水晶の反射率変化及びアブレーション閾値をしらべ、それらが実験値をよく再現することを確認した。この成果から我々の手法が光学素子のレーザー加工閾値の見積に使用できることがわかった。
Lee, C.*; Park, K. G.*; 松岡 稔幸; 松岡 俊文*
Geosciences Journal, 14(4), p.393 - 401, 2010/12
被引用回数:1 パーセンタイル:5.33(Geosciences, Multidisciplinary)Image Pointは、発震点,受振点,反射面間のジオメトリーにより決められる反射面に対する発震点の鏡像点である。IP(Image Point)変換により、共通発震点記録(空間-時間領域)上の反射波は、IP領域(IPの深度-原点からIPまでの距離
)において、上記のImage Pointに集約される。さらにImage Pointと発震点の中点は、常に対応する反射面上に分布する特徴を有する。筆者らは、IP変換並びにIP中点を求める手順(IP中点イメージ法)を利用して、均質媒体中に傾斜する断層を模擬した2次元モデルを使った数値実験を実施した。その結果、断層に対応する反射面の位置とその傾斜情報を取得できることを確認した。
Lee, K. K.*; Laird, J. S.*; 大島 武; 小野田 忍; 平尾 敏雄; 伊藤 久義
Materials Science Forum, 645-648, p.1013 - 1016, 2010/04
六方晶(6H)炭化ケイ素(SiC)の電界効果トランジスタ(MOSFET)に対して重イオンを照射した際、ドレイン,ソース、及び背面電極において発生する過渡電流を計測した。その結果を、半導体デバイスシミュレータ(TCAD)を用いて解析した結果、MOSFETが動作していないOFF状態であっても、動作状態であっても、MOSFETのソース-ウェル-ドレインからなる寄生バイポーラトランジスタが原因となる両極性の過渡電流が発生することがわかった。
Lee, K. K.*; Laube, M.*; 大島 武; 伊藤 久義; Pensl, G.*
Materials Science Forum, 556-557, p.791 - 794, 2007/00
炭化ケイ素(SiC)金属-酸化膜-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)のチャンネル移動度と界面準位の関係をホール効果及びアドミッタンス測定を用いて調べた。水素燃焼酸化によりゲート酸化膜を作製した(Pyro)nチャンネル6H-SiC MOSFETと乾燥酸素での酸化に加え800Cでの水蒸気処理によりゲート酸化膜を作製した(Annealed)MOSFETを作製した。MOSFETの電流-電圧(I-V)測定より求めた有効チャンネル移動度は、それぞれ30及び75cm
/Vsであった。一方、ホール効果によりチャンネルに流れるキャリアの移動度を調べたところ両者とも85cm
/Vsであり、Annealed MOSFETでは良い一致を示したがPyro MOSFETは値が異なった。さらに、アドミッタンス測定を行った結果、Annealed MOSFETに比べPyro MOSFETは、伝導帯付近の界面準位濃度が二倍以上高いことが見いだされた。以上から、Pyro MOSFETは界面準位によりキャリアが捕獲されるために、実際にチャンネルに流れるキャリア濃度がI-V特性から有効チャンネル移動度を導出する際に用いる理想的なキャリア濃度より低くなっており、その結果、I-V特性から導出されるチャンネル移動度が低く見積もられたと結論できる。
Lee, J.-K.; 永沼 正行
Ceramics in Nuclear and Alternative Energy Applications, p.55 - 63, 2006/12
ガス冷却高速炉研究の一環として、ヘリウムガス冷却高速炉の炉心要素設計研究を行った。炉心要素の構造材料としてセラミックスが期待される中、特に炭化ケイ素繊維強化炭化ケイ素複合材料(SiC/SiC)は優れた特性を持っている。しかし、現在の高速炉設計要素はミーゼスの降伏条件のように金属の等方性をもとにしている。そこでセラミックス複合材料の特性を考慮した設計要素を研究し、その特徴を有限要素法で模擬した。改善した設計要素はGFRの炉心要素だけではなく、SiC/SiC複合材料の改善方向にも参考になると見積もられる。
Lee, J.-K.; 永沼 正行
Proceedings of 15th Pacific Basin Nuclear Conference (PBNC-15) (CD-ROM), 6 Pages, 2006/10
ガス冷却高速炉(GFR)はGeneration IVの候補概念の一つとして研究が行われている。GFRの主な特徴として、熱伝達効率のためには冷却ガスを高温かつ高圧に維持する必要がある。本研究では、ガス冷却高速炉として、SiC/SiC複合材料被覆管を用いる燃料ピン型炉心を想定し、被覆管壁の熱応力を線出力,温度条件に対して評価した。本作業を通して、SiC/SiC複合材料の適用可能性を高めるためには製造過程におけるマトリックスの緻密化と界面相の改善が効果的であることがわかった。また、炉心設計の観点からは照射による熱伝導度の減少が最も重要な因子であることが確認された。これらの結果は、炉心構成要素の寸法・形状の決定だけでなく、SiC/SiC複合材料の改善方向を提示するために有用である。
Lee, K. K.*; 大島 武; 大井 暁彦*; 伊藤 久義; Pensl, G.*
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 45(9A), p.6830 - 6836, 2006/09
被引用回数:17 パーセンタイル:52.19(Physics, Applied)六方晶炭化ケイ素(6H-SiC)上に作製した金属-酸化膜-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)のチャンネル移動度()にステップバンチングが及ぼす影響を調べた。チャンネル方向がステップバンチングに平行又は垂直になるように設計した6H-SiC MOSFETの
を比較したところ、ステップバンチングに垂直なチャンネル方向を有するMOSFET(垂直MOSFET)の
は平行なもの(平行MOSFET)に比べ低いことが判明した。さらに、これらのMOSFETに
線を照射したところ、平行MOSFETの
は単調に減少するのに対し、垂直MOSFETの
は4Mradまでの照射では増加を示し、それ以上の照射量では減少することが見いだされた。また、表面平坦性4nm以下の基板に作製したMOSFETの
は、
線照射により単調に減少することが確認された。これらの結果から、垂直MOSFETでは、結晶表面の乱れから電流はチャンネルの最表層ではなく深い部分を流れるため、
を減少させる原因となる界面準位の影響を受けづらいこと、さらに、低線量の
線照射ではスクリーニング効果により見かけ上
が増加することが示唆される。
森林 健悟; Lee, K.*; 香川 貴司*; Kim, D. E.*
Laser Physics, 16(2), p.322 - 324, 2006/02
被引用回数:1 パーセンタイル:7.07(Optics)多重内殻電離過程を用いた短パルス高強度X線の(1)強度,(2)パルス幅測定法の提案に関して講演を行う。(1)強度測定:高輝度短パルスX線源によるSi原子への照射の原子過程を取り扱った。電子がすべて電離した中空原子(
)と
電子が1つだけ残っている多重内殻励起状態(
)から発生するX線数の比は、照射X線源のパルス幅にほとんど依存せず、その強度のみに依存することがわかった。これにより、多重内殻電離状態から発生するX線が高輝度短パルスX線源の強度測定に利用できる可能性があることを示した。(2)パルス幅測定:2つの短パルスX線を
tの時間間隔だけあけて照射し多重内殻励起からのX線数の計算を行った。多重内殻励起の生成は、多X線吸収、すなわち、X線非線形過程で生じることを用いて2つのX線パルスの重なりによるX線数の違いからパルス幅の測定ができる可能性を探った。この方法は、X線パルス幅よりも十分短い時定数の自動イオン化状態を持つ標的に対して有効であることが明らかとなった。
Lee, J.-K.; 永沼 正行; Park, J.-S.*; 香山 晃*
Proceedings of International Conference on Nuclear Energy System for Future Generation and Global Sustainability (GLOBAL 2005) (CD-ROM), 6 Pages, 2005/10
None
Laube, M.*; Pensl, G.*; Lee, K. K.; 大島 武
Materials Science Forum, 457-460, p.1381 - 1384, 2004/10
六方晶炭化ケイ素(6H-SiC)上に作製した金属-酸化膜-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)のチャンネル内の電気特性とゲート酸化膜作製方法の関係をHall測定により調べた。その結果、水蒸気酸化により作製したMOSFETに比べ、乾燥酸素及び酸化後アルゴン中アニール処理したMOSFETの方がトランジスタ特性から見積もったキャリア移動度が高いにもかかわらず、Hall測定より見積もったキャリアの移動度は両者ともに60cm/Vsと同程度であることが明らかとなった。さらに、しきい値電圧の温度依存性から界面準位の発生量を見積もったところ、水蒸気酸化したMOSFETの方が2倍多く発生していることが見いだされた。このことより、チャンネルに流れるキャリアの真の移動度は酸化膜作製方法によらず同じであるが、界面準位の発生によりキャリアがトラップされるためにトランジスタ特性により求めたキャリア移動度が小さく見積もられることが明らかとなった。
大島 武; Lee, K. K.; 石田 夕起*; 児島 一聡*; 田中 保宣*; 高橋 徹夫*; 吉川 正人; 奥村 元*; 荒井 和雄*; 神谷 富裕
Materials Science Forum, 457-460(Part2), p.1405 - 1408, 2004/06
(001)立方晶炭化ケイ素(3C-SiC)ホモエピタキシャル膜上に作製した金属-酸化膜-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)の電気特性とチャンネル方向([-110]方向に垂直,水平)の関係を調べた。その結果、両方のMOSFETともにしきい値電圧は-0.5V、チャンネル移動度は215から230cm/Vsと同様であることが見いだされた。このチャンネル移動度の値はこれまでに六方晶SiCでは達成されていない優れた値である。サブシュレショールド領域でのドレイン電流の値を調べたところ、[-110]に垂直のMOSFETは10
Aオーダーであるのに対し、[-110]に平行なMOSFETは10
Aオーダーと二桁も高いことが明らかとなった。これは、3C-SiC基板を[-110]方向にアンジュレーションをつけたSi基板にエピタキシャル成長するが、成長後にもその際の欠陥が残留し、伝導に影響するため[-110]に沿うように電流が流れる場合はリークが大きくなるためと考えられる。
大島 武; Lee, K. K.; 小野田 忍*; 神谷 富裕; 及川 将一*; Laird, J. S.; 平尾 敏雄; 伊藤 久義
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 210, p.201 - 205, 2003/09
被引用回数:4 パーセンタイル:33.35(Instruments & Instrumentation)過渡イオンビーム誘起電流(TIBIC)システムを用いて、SiC pnダイオードの電極の信頼性を評価した。SiCダイオードのpn接合は、n型エピタキシャル単結晶SiC上に800CでのAlイオン注入及びアルゴン中での1800
C、1分間の熱処理により形成した。電極は、Al金属蒸着後にアルゴン中で850
C、5分間熱処理または、電極熱処理後さらにAl金属蒸着した2種類を比較した。15MeV酸素イオンまたは12MeVニッケルイオンのマイクロビームを用いTIBIC測定を行った。その結果、熱処理後再度Al蒸着した試料は、得られる過渡電流量は電極面内で均一であったが、熱処理のみの試料ではムラが生ずることがわかった。一方、収集電荷量を解析したところ、得られる電荷量は電極形成条件によらず同量であり、pn接合は面内で均一であると判断できた。電流-電圧特性に関しては、いずれの試料も逆バイアス30Vでの洩れ電流はpAオーダーであり、順方向では2V程度のバイアス印加でターンオンする理想的なSiCダイオード特性を示した。以上より、TIBICを用いることで、通常の電流-電圧測定ではわからない電極の電気特性の面内均一性が評価できることが明らかになった。
神谷 富裕; 及川 将一*; 大島 武; 平尾 敏雄; Lee, K. K.; 小野田 忍*; Laird, J. S.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 210, p.206 - 210, 2003/09
被引用回数:1 パーセンタイル:12.32(Instruments & Instrumentation)原研高崎の重イオンマイクロビーム・シングルイオンヒットシステムでは、宇宙空間における半導体素子のシングルイベント効果(SEU)の研究を目的として、微小半導体素子におけるシングルイオン誘起過渡電流特性の評価が行われている。このような測定では、微小領域に繰り返し入射される高エネルギー重イオンによる物質の照射損傷の影響が問題となる。しかし、入射イオンの個数を制御し、照射損傷の領域をmレベルで限定できるシングルイオンヒット技術により、シングルイオン入射により生成された電荷がいかなる空間的広がりにおいて収集されるかを知ることも可能である。実験では試験素子である炭化珪素P型PNダイオードの径1
mの領域に12MeV Niイオンを1個ずつ連続して照射し、過渡電流波形を計測した。その結果、シングルイオンの入射毎に連続してパルス波高及び収集電荷量が減衰するのが観測された。これはこの領域への1イオン入射による全ての電荷収集過程がそれまでの入射によって蓄積された照射損傷の影響を全て受けているためであると考えられる。これにより電荷収集過程は、横方向には1
mあるいはそれ以上の広がりをもつことが予測される。今回はこの現象と、イオンの飛程及び素子の空亡層の厚みとの関係について考察する。
Lee, K. K.; 大島 武; Saint, A.*; 神谷 富裕; Jamieson, D. N.*; 伊藤 久義
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 210, p.489 - 494, 2003/09
被引用回数:22 パーセンタイル:78.93(Instruments & Instrumentation)プロトン,アルファ線,炭素イオンマイクロビームを10から10
ion/cm
照射した六方晶炭化ケイ素(6H-SiC)ショットキーダイオードのイオン誘起電荷収集(IBICC)の効率を調べることで耐放射線性に関する知見を得た。2MeVアルファ線マイクロビーム照射の結果、基板がn型,p型によらず類似する劣化挙動を示した。また、IBICCの減少量を非イオン化エネルギー損失(NIEL)を用いて解析したところ良い一致を示した。さらに、プロトン照射試料についてイオンルミネッセンス(IL),紫外フォトルミネッセンス(UV-PL)測定を行ったところ、2.32eVの準位が観測された。
大島 武; 上殿 明良*; 江龍 修*; Lee, K. K.; 安部 功二*; 伊藤 久義; 中嶋 賢志郎*
Materials Science Forum, 433-436, p.633 - 636, 2003/08
6方晶炭化ケイ素(6H-SiC)へボロンの注入を行い、注入後熱処理による結晶性の回復とボロンの拡散の関係を調べた。結晶性に関しては陽電子消滅法を用い空孔型欠陥を、ボロン拡散については二次イオン質量分析法(SIMS)を用いて調べた。その結果、800から1000
の熱処理により空孔型欠陥がクラスター化すること、1100
以上の熱処理により空孔クラスターのサイズの減少が生じること、1500
以上の熱処理で空孔型欠陥は観測限界以下になり結晶性が回復することが分かった。一方、ボロン拡散に関しては、1300
以下では観測されず、1400
以上の熱処理で、表面拡散が観測された。このことより、ボロン拡散は空孔型欠陥の拡散や移動とは直接関係ないことが見い出された。陽電子消滅の詳細な解析を行ったところ、1500
で空孔型欠陥は観測されないが、陽電子の拡散長は未注入試料に比べ短いことが分かった。この結果は、空孔型欠陥はないものの、格子間元素等の散乱体が依然存在することを意味する。このことより、ボロン拡散は、格子間元素とボロンの交換によるkick-out機構で発生することが示唆される。
Lee, K. K.; 大島 武; 伊藤 久義
Materials Science Forum, 433-436, p.761 - 764, 2003/08
pチャンネル炭化ケイ素(SiC)金属-酸化膜-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)の線線量計への応用の可能性を調べた。SiC MOSFETは、n型エピ基板へ800
でアルミニウム(Al)イオンを注入後、アルゴン(Ar)中で1800
,1分間熱処理することでソース,ドレイン領域を形成し、1100
での水素燃焼酸化によりゲート酸化膜を作製した。ソース,ドレインのAl電極は蒸着後にAr中で850
,5分間熱処理することでオーミック化した。
線照射は室温で1MR/hの線量率で行った。照射によるしきい値電圧(V
)の変化と線量(D)の関係を解析した結果、V
の変化はK
D
,K=-6.4,n=0.39で表せることを見出した。
大島 武; Lee, K. K.; 石田 夕起*; 児島 一聡*; 田中 保宣*; 高橋 徹夫*; 吉川 正人; 奥村 元*; 荒井 和雄*; 神谷 富裕
Japanese Journal of Applied Physics, Part 2, 42(6B), p.L625 - L627, 2003/06
被引用回数:41 パーセンタイル:77.94(Physics, Applied)炭化ケイ素(SiC)半導体は、大電力・高周波素子への応用が期待されているが、結晶成長や素子作製技術が確立しておらず、実用化への課題となっている。特に、金属-酸化膜-半導体(MOS)電界効果トランジスタ(FET)のチャンネル移動度の向上は実用化に不可欠となっている。これまで、結晶作製技術の問題より六方晶SiCが主な研究対象であったが、近年、立方晶SiC(3C-SiC)の厚膜化が可能となり、その厚膜を基板とすることでホモエピタキシャル成長を行うことが可能となった。本研究では、化学気相法により1650Cでホモエピタキシャル成長させた立方晶SiC上にMOSFETを作製した。MOSFETのソース,ドレイン領域は800
Cでのイオン注入及び1650
Cで3分間のAr熱処理することで作製し、ゲート酸化膜は1100
Cでの水素燃焼酸化により形成した。電気特性よりチャンネル移動度を見積もったところ260 cm
/Vsという非常に優れた値が得られた。また、酸化膜耐電圧を計測したところ絶縁破壊開始電界が8.5MV/cmというほぼ理想値を得た。