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河裾 厚男; 吉川 正人; 伊藤 久義; Krause-Rehberg, R.*; Redmann, F.*; 樋口 高年*; 別役 潔*
Physica B; Condensed Matter, 376-377, p.350 - 353, 2006/04
被引用回数:13 パーセンタイル:52.39(Physics, Condensed Matter)電子線照射によって立方晶及び六方晶SiC中に生成する原子空孔を陽電子消滅による電子運動量分布測定と理論的解析を通じて同定した結果について報告する。立方晶SiCでは、孤立シリコン空孔が主たる陽電子捕獲サイトであり、格子緩和の効果で陽電子寿命が増加していること、及び局所的な四面体対称性によりその電子運動量分布が説明できることが明らかになった。一方、六方晶SiCでは孤立シリコン空孔が熱回復した後も残留する新たな空孔型欠陥が、c軸に沿って不対電子を有していること、及び炭素1s内殻電子軌道と陽電子の消滅頻度が増加することから、炭素空孔-アンチサイト炭素複合欠陥であることが明らかになった。
河裾 厚男; 吉川 正人; 伊藤 久義; 千葉 利信*; 樋口 高年*; 別役 潔*; Redmann, F.*; Krause-Rehberg, R.*
Physical Review B, 72(4), p.045204_1 - 045204_6, 2005/07
被引用回数:16 パーセンタイル:56.07(Materials Science, Multidisciplinary)孤立シリコン空孔が主たる陽電子捕獲中心である電子線照射された3C-SiCに対して、陽電子消滅二次元角相関と同時計数ドップラー拡がり測定が行われた。電子線照射によって、同時計数ドップラー拡がり曲線の変化が見いだされ、これが孤立シリコン空孔を考慮した第一原理計算によって再現できることが明らかになった。電子線照射後、二次元角相関はより等方的になったが、ジョーンズ(第二ブリルアン)領域に広がる異方性は依然残留することがわかった。このことは、これまでの電子スピン共鳴によって提案されていたように孤立シリコン空孔が四面体対象性を持つことを支持している。
河裾 厚男; Weidener, M.*; Redmann, F.*; Frank, T.*; Sperr, P.*; Kgel, G.*; 吉川 正人; 伊藤 久義; Krause-Rehberg, R.*; Triftsh
user, W.*; et al.
Silicon Carbide, p.563 - 584, 2004/00
本報告では、耐放射線性半導体として有望視されている炭化ケイ素(SiC)中の原子空孔型欠陥を陽電子消滅法によって研究した結果について詳述する。立方晶SiCでは主として孤立したシリコン原子空孔が陽電子捕獲サイトとして作用することが見いだされた。六方晶SiC中ではシリコン空孔以外にも炭素空孔が検出される。炭素空孔は比較的低温の熱処理で移動消滅するが、シリコン空孔は1500C程度まで安定に存在することが見いだされた。六方晶SiC中のシリコン空孔のアニール温度は、立方晶SiC中のそれに比べて高いことがわかった。立方晶SiCを用いて、シリコン原子のはじき出しエネルギーが決定され、炭素原子のそれよりも大きな値となることが明らかになった。陽電子消滅で検出される原子空孔型欠陥と深準位過渡応答測定から知られる電子準位との相関を調べ、負電子相関を持つ電子準位がシリコン原子空孔を伴う、複合欠陥であることを突き止めた。
河裾 厚男; 吉川 正人; 前川 雅樹; 伊藤 久義; 千葉 利信*; Redmann, F.*; Rehberg, R. K.*; Weidner, M.*; Frank, T.*; Pensl, G.*
Materials Science Forum, 433-436, p.477 - 480, 2003/08
これまでの研究では、放射線照射によってSiC中に生成する原子空孔の熱アニールに対する挙動が、多形とともにどのように変化するかは、不明であった。そこで、電子線照射及びヘリウムイオン照射した4H,6H及び3C SiCの原子空孔型欠陥を陽電子消滅で捉え、アニール挙動を調べた。また、消滅線の二次元角相関を測定し、六方晶と立方晶SiC中の主要な原子空孔の幾何学的知見を得た。その結果、電子線照射,ヘリウムイオン照射のいずれであっても3C SiC中の原子空孔は、1000
以下のアニールで消失するが、4H,6H SiC中のそれは、1500
まで残留することが明らかになった。即ち、3C SiC中の放射線照射損は、4H,6H SiCのそれに比べ、低温のアニールで除去できる。原子空孔の残留量は、3C
6H
4Hの順に増加することがわかり、Hexagonalityが原子空孔を安定化させる要因となることが示唆された。また、3C-SiC中の原子空孔は、単純な四面体対称をもつのに対し、六方晶中のそれは、C軸配向性をもつことが明らかになり、上の推察を裏付けた。
河裾 厚男; Weidner, M.*; Redmann, F.*; Frank, T.*; Krause-Rehberg, R.*; Pensl, G.*; Sperr, P.*; Triftshuser, W.*; 伊藤 久義
Materials Science Forum, 389-393, p.489 - 492, 2002/05
2MeVの電子線照射を行った4H及び6H SiCエピ膜について、陽電子ビームによる陽電子消滅測定及びDLTS測定を行い、高温で残留する深準位を同定した。電子線照射直後には、多くの電子準位が存在することがわかった。これらの多くは、1000までのアニールで消失し、その後E
(6H-SiC)とZ
(4H SiC)が残留することが見いだされた。これらは、負の電子相関を持つ特殊な電子準位である。また、最終的に1200~1500
のアニールで消失することが明らかになった。一方、陽電子消滅測定の結果、シリコン空孔に起因する複合欠陥が検出され、これが、上述の電子準位と同一の温度域で消失することがわかった。以上より、E
(6H-SiC)とZ
(4H SiC)準位は、何れもシリコン空孔を伴う複合欠陥であると結論できる。
河裾 厚男; Redmann, F.*; Krause-Rehberg, R.*; Weidner, M.*; Frank, T.*; Pensl, G.*; Sperr, P.*; Triftshuser, W.*; 伊藤 久義
Applied Physics Letters, 79(24), p.3950 - 3952, 2001/12
被引用回数:39 パーセンタイル:79.73(Physics, Applied)陽電子消滅及びDLTS法を用いて、電子線照射した4H SiCエピ膜中の原子空孔とZ準位のアニール挙動を研究した。等時アニールの結果、シリコン空孔が有力な陽電子捕獲中心として作用することがわかった。電子線照射後には、幾つかの電子準位が検出されたが、1200
のアニール後には、Z
準位が残留することが明らかになった。陽電子消滅で検出された原子空孔とDLTSで検出されたZ
準位は、何れも1200~1500
のアニールで消失することが明らかになった。この同時性から、Z
準位は、シリコン原子空孔に由来すると結論できる。
Redmann, F.*; 河裾 厚男; Petters, K.*; 伊藤 久義; Krause-Rehberg, R.*
Physica B; Condensed Matter, 308-310, p.629 - 632, 2001/12
被引用回数:3 パーセンタイル:22.41(Physics, Condensed Matter)バルクSiC中には、既に多くの成長欠陥が存在する。これらの欠陥は、結晶の電気的・光学的特性に影響を与えるが、結晶の複雑な熱履歴から、その特定は難しい。そこで本研究では、電子線照射によって素性の知れた欠陥を導入し、陽電子消滅法で、それらの欠陥の性質を調べた。電子線照射により、欠陥濃度の増加が認められた。主たるアニールステージは、10001400
Cに現れることがわかった。このアニールステージは、エピ膜を用いた陽電子消滅とDLTS測定で見いだされた原子空孔とE1/E2準位のアニールステージに対応している。光学励起による陽電子消滅実験から、上記の原子空孔に関係する陽電子寿命が、光子エネルギー0.47eVを閾値として変化することが見いだされた。このエネルギーは、E1/E2準位のそれ(0.44eV)ともよく一致している。同時計数ドップラー拡がり測定の結果、観測された原子空孔は炭素原子により囲まれていることが示唆された。すなわち、原子空孔は、シリコン空孔を伴う複合欠陥であると考えられる。
河裾 厚男; Weidner, M.*; Redmann, F.*; Frank, T.*; Sperr, P.*; Krause-Rehberg, R.*; Triftshuser, W.*; Pensl, G.*
Physica B; Condensed Matter, 308-310, p.660 - 663, 2001/12
被引用回数:13 パーセンタイル:58.15(Physics, Condensed Matter)現在のSiC研究では、放射線によって形成される欠陥を同定することが、一つの課題となっている。これまで、ヘリウム注入により発生する深い準位のアニール挙動が研究されている。それらのあるものは、原子空孔に起因すると考えられている。そこで、本研究では、ヘリウム注入した高品質6H及び4H SiCエピ膜に対して、陽電子消滅及び深準位過渡応答(DLTS)測定を行った。陽電子消滅で得られた原子空孔深さプロファイルは、TRIMコードを用いて計算された結果と良く一致していた。ドップラーSパラメータ及び陽電子寿命ともに単一空孔の値を上回っており、単一空孔だけでなく、原子空孔クラスターも形成していることが示唆された。検出された原子空孔は、700及び1500
のアニール温度で消失することがわかった。一方、DLTS測定の結果、いずれの多形においても、相対的に浅い準位と深い準位が形成されていることがわかった。これらは、1000
以上のアニールで前後して消失することが見いだされ、陽電子消滅で得られた原子空孔のアニール挙動と良く一致していることが判明した。これより、ヘリウム照射で生成するDLTS準位は、原子空孔型欠陥に由来すると結論できる。
河裾 厚男; Redmann, F.*; Krause-Rehberg, R.*; Frank, T.*; Weidner, M.*; Pensl, G.*; Sperr, P.*; 伊藤 久義
Journal of Applied Physics, 90(7), p.3377 - 3382, 2001/10
被引用回数:42 パーセンタイル:81.3(Physics, Applied)2MeV電子線照射したn型6H SiCエピ膜中の格子欠陥のアニール挙動を陽電子消滅及びDLTS測定によって研究した。原子空孔型欠陥は、500-700及び1200-1400
でアニールされることが見いだされた。内殻電子運動量分布の解析から、後者のアニール過程は、シリコン空孔を含む複合欠陥に起因していることが明らかになった。観測された電子準位のうち、E
準位のみが、1000
以上において、上記の原子空孔と同様のアニール挙動を示すことが明らかになった。これより、E
準位は、シリコン空孔を含む複合欠陥に起源をもつと結論できる。
Redmann, F.*; 河裾 厚男; Petters, K.*; Krause-Rehberg, R.*; 伊藤 久義
Materials Science Forum, 363-365, p.126 - 128, 2001/05
炭化ケイ素(SiC)半導体中の欠陥は電気・光学特性に大きな影響を与えるため、欠陥挙動の解明は物理的にも工学的にも重要な課題である。SiC半導体における欠陥挙動解明研究の一環として、われわれはn型6H-SiCに2MeV電子線を110
/cm
照射し、光照射下で陽電子寿命測定を行った。この結果、電子線照射により陽電子寿命の増加が観測され、空孔型欠陥の形成が確認できた。さらに、150K以下の温度において光照射により陽電子寿命が減少することを見いだした。これは、光照射により欠陥の荷電状態が負から中性あるいは正に変化して、欠陥の陽電子捕獲が抑制されることに起因すると考えられる。また、この光照射効果は永続的ではなく、18Kでは光遮断後約30分で回復する結果が得られた。この挙動は、DLTS測定で観測されるE1/E2欠陥が示す光照射後の準安定状態と類似しており、E1/E2準位が空孔型欠陥に起因することが示唆される。
河裾 厚男; Redmann, F.*; Krause-Rehberg, R.*; 吉川 正人; 児島 一聡; 伊藤 久義
Physica Status Solidi (B), 223(2), p.R8 - R10, 2001/01
炭化ケイ素(SiC)半導体の空孔型欠陥における陽電子消滅パラメータを実験的に決定するため、1MeV電子線を照射したn型立方晶(3C)及び六方晶(6H)SiC単結晶に対し、陽電子ビームを用いて消滅線エネルギーのドップラー拡がり測定を行った。未照射SiCのS及びWを各々エネルギーウィンドウを511.0-5113.8keV,516.0-522.0keVに設定して求めた結果、バルク領域の値として結晶型によらずS
=0.435-0.437,W
=0.0032-0.0033が得られた。また、照射後の等時アニールによりSパラメータは約200
,700
で減少すること、Wパラメータに比例して変化することがわかり、照射SiCでは陽電子は1種類の欠陥、即ちSi空孔で捕獲されると見なせることが確認できた。Si空孔濃度を考慮した解析の結果、Si空孔における特性S,WパラメータとしてS
=1.028
0.003,W
=0.834
0.005が決定できた。
河裾 厚男; Redmann, F.*; Krause-Rehberg, R.*; Sperr, P.*; Frank, T.*; Weidner, M.*; Pensl, G.*; 伊藤 久義
Materials Science Forum, 353-356, p.537 - 540, 2001/00
炭化ケイ素(SiC)半導体を素子化するうえではイオン注入等の放射線プロセスが不可欠であり、付随する照射欠陥の構造、電子準位やアニール挙動を明確にすることが極めて重要である。そこで、われわれは、エピタキシャル成長により製造した高品質六方晶SiC単結晶にヘリウムイオンや電子線を照射し、発生する欠陥を陽電子消滅法を用いて評価した。ヘリウムイオンは、欠陥濃度が照射領域でほぼ均一になるように30~950keVの範囲内でエネルギーを変えながら照射を行い、電子線は2MeVで照射した。等時アニールは100~1700の温度範囲で実施した。陽電子寿命及びドップラー広がり測定の結果、ヘリウムイオン照射で導入した空孔型欠陥の濃度はアニール温度1400
付近で急激に減少することを見いだした。同様な結果が電子線照射試料でも得られた。本発表では、これらの空孔型欠陥のアニール過程をDLTS中心との相関を含めて議論する。