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谷口 正樹; 中村 和幸; 佐藤 和義; 江里 幸一郎; 横山 堅二; 秋場 真人
Fusion Technology, 39(No.2 Part.2), p.890 - 893, 2001/03
ディスラプション等における高熱負荷に対するアーマ材料の損耗特性の把握は、機器の寿命を評価するうえで非常に重要である。本研究ではダイバータ用アーマ材の候補として有望な、ランタン酸化物含有タングステン材のディスラプション損耗特性を評価するために、電子ビーム照射装置を用いた熱衝撃試験を行った。熱衝撃後の試料表面を光学顕微鏡、SEMにより観察すると、純タングステンでは非常に滑らかな再凝固領域が見られるのに対し、ランタン含有タングステンでは激しい溶融・蒸発により、溶融層の飛散した痕跡が認められた。また、重量減少から評価した損耗量は、ランタン含有タングステンのほうが純タングステンに対し3倍程度大きいことがわかった。タングステンより融点の低いランタン酸化物成分の突沸が、激しい溶融層の飛散を引き起こし、損耗量の増加にとながっているものと考えられる。
鈴木 哲; 江里 幸一郎; 佐藤 和義; 中村 和幸; 秋場 真人
Fusion Engineering and Design, 49-50, p.343 - 348, 2000/11
被引用回数:5 パーセンタイル:37.58(Nuclear Science & Technology)サドル型及び平板型断面をもつダイバータ試験体の熱疲労実験について報告する。試験体の冷却管はアルミナ分散強化銅(DSCu)を使用しており、従来の無酸素銅製冷却管に比べ、強度に優れている。実験はITERダイバータ板の熱負荷条件を模擬して、熱負荷5MW/mの下でくり返し加熱を実施した。この結果、試験体の冷却管は約400サイクルの加熱で一部が破損し、冷却水の漏洩が認められた。SEMによる観察では、冷却管内外層にクラッドした無酸素銅皮膜には疲労破面に特有のストライエーションが認められたが、DSCu層には顕著な疲労の痕跡は観察されなかった。DSCu層の破面は無特徴であり、脆性的な破壊の様相が認められたため、冷却水バウンダリを構成する部材としてDSCuを使用するには、特に応力集中部の寿命評価に十分な注意を払う必要があることがわかった。
鈴木 哲; 佐藤 和義; 江里 幸一郎*; 横山 堅二; 大楽 正幸; 中村 和幸; 秋場 真人
Phys. Scr., T81, p.89 - 93, 1999/00
被引用回数:4 パーセンタイル:39.15(Physics, Multidisciplinary)本稿では原研におけるITER用高熱流束機器の開発の現状について報告する。特に、炭素系材料をアーマ材とした実規模ダイバータ模擬試験体の製作、及び高熱負荷実験について述べる。実規模ダイバータ模擬試験体は1次元もしくは3次元CFC材料のアーマ材を銅製ヒートシンクに冶金的に接合した構造をもっている。本試験体に対して、ITERダイバータの設計熱負荷である5~20MW/mの熱負荷をイオンビームによって繰り返し与え、接合部及び冷却管の熱疲労挙動を観察する高熱負荷実験を実施した。その結果、1次元CFC材を採用した試験体は一部にアーマ材の剥離が生じたものの、1000サイクルの繰り返しに対して健全性を維持した。一方、3次元CFC材を採用したものでは実験初期に多くのアーマ材が剥離し、接合技術のさらなる改良が必要であることが明らかになった。
佐藤 和義; 鈴木 哲; 江里 幸一郎*; 中村 和幸; 荒木 政則; 秋場 真人
Fusion Technology 1998, p.109 - 112, 1998/00
原研におけるITERプラズマ対向機器、特に、ダイバータ板の開発の成果について報告する。ITER7大R&Dプロジェクトの1つとなっているダイバータ板の開発は、ITERを実現する上で最重要項目の1つであり、参加各極の協力のもと精力的に開発が進められている。今回は、特に、実規模大のダイバータ試験体の製作及びイオンビームによる加熱試験の結果について報告する。試験体は設計寸法と同等の1.3m長であり、高熱負荷部には除熱性能と熱応力抑制効果の高い鞍型のCFCタイルを有し、高スパッタリング領域にはタングテスンを使用している。この内、特にタングステンについては、接合部の応力を緩和するため5mm厚さのCVDタングステンをコーティングした。イオンビームによる加熱試験を実施した結果、ITERの定常熱負荷条件(5MW/m,1000回)に耐えることを実証しタングステン接合の見通しを得た。
江里 幸一郎*; 鈴木 哲; 佐藤 和義; 中村 和幸; 秋場 真人
日本機械学会第6回動力・エネルギー技術シンポジウム'98講演論文集, p.117 - 120, 1998/00
原研におけるITERダイバータ板開発の成果、特に実規模長のダイバータ試験体の製作、及びイオンビーム照射による加熱実験の結果について報告する。試験体は炭素系材料とタングステン材料をアーマ材とする約1.3mの垂直ターゲット及び約90cmのウィングと呼ばれるものである。加熱実験の結果、ITERダイバータ板の定常熱負荷条件(5MW/m,1000回以上)に耐える実規模長ダイバータ試験体の開発に成功した。
鈴木 哲; 荒木 政則; 佐藤 和義; 中村 和幸; 秋場 真人
Fusion Energy 1996, 3, p.565 - 570, 1997/00
ITERダイバータ板用に開発されたサドル型ダイバータ板模擬試験体の電子ビーム加熱実験について報告する。本試験体は、サドル型構造として初めて並列流路を採用したもので、より実機ダイバータ板に近い構造を有している。実験ではITERダイバータ板の熱負荷条件(定常時:5MW/m、非定常時:15MW/m、10秒)を模擬した熱負荷をくり返し与え、熱サイクルに対する試験体の除熱性能の変化を観察した。その結果、定常時を模擬した熱負荷条件において、本試験体はITERダイバータ板の寿命(1,000サイクル)を上回る10,000サイクルの加熱に耐えることを確認した。さらに、非定常時を模擬した条件においても、1,000サイクルの加熱に対し、本試験体は除熱性能の劣化もなく、健全性を維持することができた。
鈴木 哲; 佐藤 和義; 荒木 政則; 中村 和幸; 大楽 正幸; 横山 堅二; 秋場 真人
Fusion Technology, 30(3(PT.2A)), p.788 - 792, 1996/12
ITER等の次期核融合実験炉におけるダイバータ板はプラズマディスラプション等によって表面材料が損耗し、交換が必要となる。本報では、遠隔保守によるこの交換作業を容易にするために、熱接合層と呼ばれる低融点接合材料を用いたダイバータ模擬試験体の加熱実験について報告する。今回開発した試験体は、従来の銀ロウ(融点:約800C)に代えて、鉛(融点:約330C)を接合材料とすることで融点が低く、柔軟な接合層を形成している。実験では、ITERの定常条件・非定常条件を模擬し、熱負荷5MW/m、15MW/mの2つの条件の下で加熱を実施し、除熱状態の変化を観察した。その結果、これらの熱負荷に対して試験体は安定した除熱性能を維持することを確認し、熱接合層を有するダイバータ構造が、遠隔保守を必要とする次期装置のダイバータ板として非常に有望な構造であることが明らかになった。
鈴木 哲; 佐藤 和義; 荒木 政則; 中村 和幸; 大楽 正幸; 横山 堅二; 秋場 真人
Fusion Technology, 30(3(PT.2A)), p.793 - 797, 1996/12
ITER等の次期核融合実験炉におけるダイバータ板はプラズマからの高熱負荷によって変形を生じる。隣り合うダイバータ板との段差が生じることを避けるために、ダイバータ板支持構造の開発が急務となっている。本報では、冷却基板自体を剛な支持構造とするダイバータ模擬試験体を開発し、その熱疲労特性を評価するために実施した熱サイクル実験について報告する。実験は熱負荷25MW/m、加熱時間15秒の条件下にて実施した。その結果、約1250サイクルを負荷した時点で、加熱側冷却管(純銅製)に貫通き裂が発生した。実験後のSEM観察の結果、き裂はくり返し熱応力による疲労き裂であることが確認された。さらに、実験を模擬した3次元弾塑性熱応力解析の結果、冷却管には局部的に極めて高い歪みが発生することが判明したため、より疲労強度の高い冷却管構造材料の開発が必要であることが明らかとなった。
中村 和幸; 秋場 真人; 荒木 政則; 大楽 正幸; 佐藤 和義; 鈴木 哲; 横山 堅二; J.Linke*; R.Duwe*; H.Bolt*; et al.
Journal of Nuclear Materials, 233-237(PT.A), p.730 - 735, 1996/00
被引用回数:7 パーセンタイル:54.35(Materials Science, Multidisciplinary)国際熱核融合実験炉(ITER)のような大型トカマク装置では、ダイバータ板の寿命を予測するためにはディスラプションによる表面材料の損耗を評価することが不可欠である。そこで、電子ビームを用いてプラズマ対向材料の損耗量を評価した。試験に供した試料は、低原子番号材料であるベリリウム及び高熱伝導の炭素せんい強化複合材(CFC材)である。特にCFC材は、スパッタリング特性を改善する目的でBCを含浸させた材料及び高引っ張強度を有する三次元CFC材を新たに開発し、試験を行った。電子ビームの熱負荷条件は、ディスラプション時に予測される2000MW/m、2msである。試験の結果、BCの含有量が5%までは損耗量が増加しないことが明らかとなった。
鈴木 哲; 荒木 政則; 中村 和幸; 佐藤 和義; 横山 堅二; 大楽 正幸; 秋場 真人
JAERI-Tech 95-033, 63 Pages, 1995/06
ITERダイバータ部を構成する冷却構造模擬試験体を製作し、電子ビーム照射による高熱負荷実験を実施した。本試験体はモノブロック型断面をもつ1m級の冷却構造体であり、プラズマ側への熱変形を抑制するための摺動支持機構を有している。実験ではITER概念設計における設計熱負荷を模擬し、定常熱負荷15MW/mの下で繰り返し加熱を行った。その結果、支持部における熱変形は0.5mm以内(上下方向)に抑制され、摺動機構の有効性が確認された。また、実験に合わせて弾性熱応力解析を実施した結果、アーマタイル間の冷却管部に高い熱応力が発生することがわかり、熱サイクルに対する銅製冷却管の損傷評価が必要なことが明らかとなった。
荒木 政則; 小川 益郎; 功刀 資彰; 池田 秀一*; 佐藤 和義; 鈴木 哲; 西野 好彦*; 大楽 正幸; 中村 和幸; 横山 堅二; et al.
JAERI-Tech 95-022, 89 Pages, 1995/03
片面加熱条件下における熱伝達特性の予測に関して、例えば、ThomやShahの提案する一様加熱条件での熱伝達相関式の適用性についての研究はなされておらず、不明である。さらに、これらの熱伝達相関式において、同一の解析条件のもとで得られる熱伝達率には大きな相違があるため、問題となっている。一方、核融合炉ダイバータ板では、高い表面熱流束のため過熱度20K以上の核沸騰が部分的に予想される。したがって、片面加熱条件下における熱伝達現象を系統的に評価するために、2種類の冷却管構造に対する熱伝達実験を実施した。本報では、異なる冷却及び加熱条件のもとでの温度測定結果を示すとともに、実験結果と既存の熱伝達相関式からの予測結果の比較を実施して、既存の熱伝達相関式の適用性を調べた。また、新たな熱伝達相関式を開発する目的で熱伝導逆問題解法コードを開発した。
佐藤 和義; 鈴木 哲; 荒木 政則; 中村 和幸; 渡邊 和弘; 横山 堅二; 大楽 正幸; 奥村 義和; 小原 祥裕; 秋場 真人
16th IEEE/NPSS Symp. on Fusion Engineering (SOFE '95), 1, p.220 - 223, 1995/00
原研におけるITERプラズマ対向機器の設計及び工学R&Dの現状について報告する。ITERにおいてプラズマ対向機器は、プラズマからの高熱流束及び粒子負荷に対し健全性を維持しなければならない。このため、原研では炭素繊維強化炭素複合材料を用いたダイバータ試験体を用いITER加熱条件を上回る25MW/mの定常熱負荷に耐えることを実証した。また、材料研究の一環としてディスラプション条件を模擬した熱衝撃試験を実施した結果、CVD-Wを使用することに明るい見通しを得た。さらにベリリウム/銅合金接合体に対する機械試験の結果についても併せて報告する。
中村 和幸; 秋場 真人; 荒木 政則; 大楽 正幸; 佐藤 和義; 鈴木 哲; 横山 堅二; 安東 俊郎; 神保 龍太郎*; 西堂 雅博; et al.
Fusion Engineering and Design, 30, p.291 - 298, 1995/00
被引用回数:2 パーセンタイル:28.65(Nuclear Science & Technology)JT-60Uへの適用を目的として、三種類の方法でBCを被覆した炭素系材料の耐熱試験を前回実施し、CVR法で被覆された試料が密着性の最も優れていることを明らかにした。今回は、前回より2~3倍熱負荷の高い条件で耐熱試験を実施し、熱負荷依存性を調べた。その結果、全吸収エネルギーが同じでも、高い熱負荷(従って、照射時間は短い)で照射された方が、損耗や表面の損傷の大きいことが明らかとなった。また、照射後表面のボロンと炭素の混合比に関しても、強い熱負荷依存性のあることが明らかとなった。
中村 和幸; 石川 博史*; 安東 俊郎; 佐藤 和義; 横山 堅二; 鈴木 哲; 大楽 正幸; 荒木 政則; 秋場 真人
JAERI-M 94-046, 28 Pages, 1994/03
JT-60U用ダイバータ材としての本格的使用を開始する前に、JEBISを用いて高熱負荷試験を行い、材料の耐熱特性を調べた。試験を行った材料は、前回の試験で最も密着性に優れた被覆法として評価された化学反応法(CVR)でBCを被覆した炭素系材料である。加熱条件は、JT-60Uで想定されている10MW/mで5秒及び約3MJ/mの二条件である。試験の結果、10MW/m、5秒の加熱条件では、約300~400mの膜厚までは、溶融、剥離等の有害な損傷が見られないこと、3MJ/mの加熱条件では、複数回の被覆処理を行った試料にのみ剥離が生じることなどが明らかとなった。
中村 和幸; 安東 俊郎; 秋場 真人; 荒木 政則; 鈴木 哲; 佐藤 和義; 横山 堅二; 大楽 正幸; 西堂 雅博; 神保 龍太郎*
Fusion Engineering and Design, 24, p.431 - 435, 1994/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.49(Nuclear Science & Technology)JT-60Uへの適用を目的として、三種類の方法でBCを被覆した炭素系材料の耐熱試験を前回実施し、CVR法で被覆された試料が密着性に最も優れていることを明らかにした。今回は、前回の試験結果を基に、最も密着性に優れているCVR法によって炭素表面をBC転化した試料を膜厚を変えて作製し、その限界膜厚を調べた。その結果、JT-60Uで想定されている10MW/mの熱負荷に対しては、BC転化膜の厚みを600m以下にする必要のあること、また、膜中にポーラスな層がある場合、その場所で剥離が生じていることから、実機へはポーラスのない転化膜を供給する必要のあることなどを明らかにした。
中村 和幸; 鈴木 哲; 佐藤 和義; 荒木 政則; 横山 堅二; 大楽 正幸; 秋場 真人
Journal of Nuclear Materials, 212-215(Part B), p.1201 - 1205, 1994/00
次期核融合装置用ダイバータ板候補材である炭素繊維強化複合材(CFC材)およびタングステンの高熱負荷下での損耗量を、試料温度の関数として測定した。試料装置はJEBISで、熱負荷は1800MW/m、試料温度は室温から1100Cの範囲で実験を行った。その結果、(1)全ての試料について、規格化後の損耗量は試料温度の上昇に伴い増加すること、(2)炭素系材料について、規格化後の損耗量は試料の熱伝導率が大きいほど小さいこと、(3)同じ入熱条件下では、タングステンの損耗量の方が、炭素系試料のそれより小さいこと、等が明らかとなった。
山崎 弘司; 北村 敏勝; 水島 俊彦; 角田 恒巳; 内藤 彰*; 中原 健; 冨永 峰男*; 神谷 栄世; 工藤 隆広; 中村 和義
JAERI-M 91-212, 107 Pages, 1992/01
日本の原子力第一船として開発した「むつ」の海上試運転を1990年10月末から同年12月に掛けて実施した。海上試運転は原子動力による推進性能及び操縦性能を確認することを目的として実施したものである。本報告書では海上試運転の結果を(1)速力及び機関性能に関する試験(2)運動性能に関する試験(3)振動に関する試験(4)その他の試験に分類して取りまとめ報告する。また、試験技術として新しく採用した汎地球測位システムGPSの海上試運転への適用について紹介する。