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論文

低温熱年代学に基づくスラブ起源流体活動に伴う熱異常検出の試み

末岡 茂; 岩野 英樹*; 檀原 徹*; 岡本 晃*; 田上 高広*

フィッション・トラックニュースレター, (35), p.1 - 4, 2022/12

沈み込み帯では、スラブからの脱水によりメルトが生成され火山弧が形成されることはよく知られている。一方で、西南日本前弧域などでは、メルトの生成を伴わないスラブ起源流体の活動が報告されている。このような流体活動は、前弧域における熱輸送・物質移動に関わるのみならず、内陸の地震活動や泥火山の噴出との関連が指摘されている。また、地熱資源の開発や地下重要施設の安全性評価などの社会的な側面からも、その性質の理解が望まれている。本講演では、過去のスラブ起源流体活動の痕跡と考えられる熱水変質帯を対象に、低温領域の熱年代学に基づいて、流体活動の熱的特徴(到達温度,継続期間など)の検討を試みた事例を紹介する。事例対象としたのは、紀伊半島本宮地域と有馬地域の2つで、いずれもスラブ起源流体の湧出が盛んな地域として知られている。本宮地域では、平治川の露頭において、熱水脈およびその近傍の母岩(四万十帯砂岩)を採取した。有馬地域では、白水峡付近の六甲断層露頭から、断層からの距離に応じて基盤岩(風化花崗岩)を採取した。これらの試料から分離したジルコンとアパタイトを対象に、FT法, U-Pb法, (U-Th)/He法による熱年代解析を実施した。しかし、いずれの試料,いずれの熱年代計においても、新しい時代の熱異常は検出できない結果となった。そこで、一次元熱伝導モデルとHeFTy ver. 1.9.3のフォワードモデルに基づいて、熱水活動に伴う冷却年代の空間分布を再現して検証を行った。その結果、熱水温度が150$$^{circ}$$Cの、1000年程度の加熱期間ではこれらの熱年代計では熱異常の検出は困難と推定された。一方、熱水温度が200-300$$^{circ}$$Cの場合、1000年以下の加熱期間でも、アパタイトFT年代やジルコン(U-Th)/He年代の若返りが期待できる。スラブ起源流体の場合、火山性の熱水と異なり、地表付近で再加熱されないため、熱年代法で熱異常を検出するには、地表付近までどれだけ高温が維持されるかが鍵となる。スラブ起源流体の熱的特徴の把握と熱年代法によるアプローチの適用性のさらなる検証のためには、200-300$$^{circ}$$Cの熱水活動が期待される地域における事例の蓄積が望まれる。

論文

照来層群歌長流紋岩から得られたジルコンU-Pb年代

長田 充弘; 福田 将眞; 末岡 茂; 中嶋 徹; 梶田 侑弥*; 南 沙樹*; 岡本 晃*; 田上 高広*

フィッション・トラックニュースレター, (35), p.15 - 18, 2022/09

ジルコンを用いた年代測定の標準試料の探求の一環として、照来層群歌長流紋岩中のジルコンについて、U-Pb年代測定を実施した。歌長流紋岩からは、先行研究により約2.30-2.77Maのジルコンフィッション・トラック年代,ジルコン(U-Th)/He年代、および黒雲母K-Ar年代が報告されていた。ジルコンは短柱状から長柱状の自形を呈し、カソードルミネッセンス像観察では明瞭なコア・リム構造や累帯構造を示さない。レーザーアブレーション・マルチコレクター誘導結合プラズマ質量分析装置を用いてU-Pb同位体を測定した。2試料より得られたU-Pb年代は、いずれも2.5-3.0Maを示し、それぞれ2.65$$pm$$0.16Maおよび2.66$$pm$$0.15Maの$$^{238}$$U-$$^{206}$$Pb加重平均値を得た。得られた年代は、先行研究による閉鎖温度の異なる年代と整合的であるため、歌長流紋岩中のジルコンが標準試料として有効である可能性がある。今後、更なる各種年代、U, Th,希土類元素などの元素濃度の測定から標準試料として適切か検討する。

論文

Thermally altered subsurface material of asteroid (162173) Ryugu

北里 宏平*; Milliken, R. E.*; 岩田 隆浩*; 安部 正真*; 大竹 真紀子*; 松浦 周二*; 高木 靖彦*; 中村 智樹*; 廣井 孝弘*; 松岡 萌*; et al.

Nature Astronomy (Internet), 5(3), p.246 - 250, 2021/03

 被引用回数:44 パーセンタイル:97.1(Astronomy & Astrophysics)

2019年4月「はやぶさ2」ミッションは、地球に近い炭素質の小惑星(162173)リュウグウの人工衝撃実験を成功させた。これは露出した地下物質を調査し、放射加熱の潜在的な影響をテストする機会を提供した。はやぶさ2の近赤外線分光器(NIRS3)によるリュウグウの地下物質の観測結果を報告する。発掘された材料の反射スペクトルは、表面で観測されたものと比較して、わずかに強くピークがシフトした水酸基(OH)の吸収を示す。これは、宇宙風化や放射加熱が最上部の表面で微妙なスペクトル変化を引き起こしたことを示している。ただし、このOH吸収の強度と形状は、表面と同様に、地下物質が300$$^{circ}$$Cを超える加熱を経験したことを示している。一方、熱物理モデリングでは、軌道長半径が0.344AUに減少しても、推定される掘削深度1mでは放射加熱によって温度が200$$^{circ}$$Cを超えて上昇しないことが示されている。これは、リュウグウ母天体が放射加熱と衝撃加熱のいずれか、もしくは両方により熱変化が発生したという仮説を裏付けている。

論文

Effect of resistivity profile on current decay time of initial phase of current quench in neon-gas-puff inducing disruptions of JT-60U

河上 翔*; 柴田 欣秀; 渡邊 清政*; 大野 哲靖*; 諫山 明彦; 滝塚 知典*; 河野 康則; 岡本 征晃*

Physics of Plasmas, 20(11), p.112507_1 - 112507_6, 2013/11

 被引用回数:2 パーセンタイル:8.87(Physics, Fluids & Plasmas)

JT-60Uでは、ネオンガスパフディスラプションの電流クエンチの初期フェイズにおけるプラズマ電流減衰時間は、内部インダクタンスの増加率によって大きく影響されることが分かっていた。このフェイズにおいて内部インダクタンスが増加する理由を調べるために、電子温度(抵抗率)分布と電流密度分布の時間変化に着目し、数値計算を実施した。その結果、内部インダクタンスが増加する理由を解明した。電流クエンチ開始直後の電流密度分布は、数値計算で得られる定常状態での電流密度分布より広い分布をしており、電流密度分布はその後中心ピークした形へ変化していき、それに伴い内部インダクタンスが増加することを明らかにした。

論文

Perpendicular magnetic anisotropy with enhanced orbital moments of Fe adatoms on a topological surface of Bi$$_2$$Se$$_3$$

Ye, M.*; 黒田 健太*; 竹田 幸治; 斎藤 祐児; 岡本 和晃*; Zhu, S.-Y.*; 白井 開渡*; 宮本 幸治*; 有田 将司*; 仲武 昌史*; et al.

Journal of Physics; Condensed Matter, 25(23), p.232201_1 - 232201_5, 2013/06

 被引用回数:12 パーセンタイル:48.62(Physics, Condensed Matter)

トポロジカル絶縁体に磁性元素を入れると絶縁体表面に対して垂直方向に強磁性が発現するという理論研究があり、その実現は新しいスピントロにクス技術への足がかりになるものと期待されている。本研究では、トポロジカル絶縁体Bi$$_2$$Se$$_3$$の表面にFeを蒸着し、その磁性をFe L$$_{2,3}$$吸収端における軟X線磁気円二色性で、電子状態を角度分解光電子分光を用いて調べた。磁気円二色性実験ではFeの膜厚依存性、試料表面に対する角度依存性測定も行った。その結果、いずれのFe膜厚(0.013-0.9ML)においても強磁性発現は確認できなかったものの、試料表面に垂直方向に磁気モーメントが向く強い磁気異方性を持った常磁性状態が確認された。また軌道磁気モーメントがFe膜厚の小さい試料において増大し、スピン磁気モーメントと軌道磁気モーメントの比率が強い膜厚依存性を示すこともわかった。この結果はトポロジカル絶縁体に対する磁性元素の量を調節することにより、磁性及び量子輸送現象を制御できる可能性を示すものである。

論文

Quasiparticle interference on the surface of Bi$$_{2}$$Se$$_{3}$$ induced by cobalt adatom in the absence of ferromagnetic ordering

Ye. M.*; Eremeev, S. V.*; 黒田 健太*; Krasovskii, E. E.*; Chulkov, E. V.*; 竹田 幸治; 斎藤 祐児; 岡本 和晃*; Zhu, S. Y.*; 宮本 幸治*; et al.

Physical Review B, 85(20), p.205317_1 - 205317_5, 2012/05

 被引用回数:62 パーセンタイル:89.57(Materials Science, Multidisciplinary)

トポロジカル絶縁体Bi$$_2$$Se$$_3$$の表面にコバルトを蒸着した系に対して、コバルトの物性に注目して、トンネル分光,角度分解光電子分光,磁気円二色性及び理論計算を組合せて得られた研究成果である。原子力機構としての貢献は、磁気円二色性を用いてコバルトの磁性を調べた部分である。トポロジカル絶縁体表面では磁性元素が強磁性を示すという理論的予想があるが、今回の実験では、Bi$$_2$$Se$$_3$$とコバルトとの組合せでは強磁性を示さないという実験的証拠を示すことができた。

論文

Study of plasma current decay in the initial phase of high poloidal beta disruptions in JT-60U

柴田 欣秀*; 渡邊 清政*; 大野 哲靖*; 岡本 征晃*; 諫山 明彦; 栗原 研一; 大山 直幸; 仲野 友英; 河野 康則; 松永 剛; et al.

Plasma and Fusion Research (Internet), 6, p.1302136_1 - 1302136_4, 2011/10

トカマクで発生するディスラプション時の電流減衰時間のモデルとして、プラズマインダクタンス$$L$$とプラズマ抵抗$$R$$のみで電流減衰時間を表現する$$L/R$$モデルがその簡便さから使用されている。しかし、過去の著者らの研究において、(1)JT-60Uの密度限界ディスラプションでは電流減衰初期のプラズマインダクタンスの時間変化が電流減衰時間に大きく影響を与えているため$$L/R$$モデルは実験結果を再現することができないこと、及び(2)プラズマインダクタンスの時間変化を考慮した「改良$$L/R$$モデル」を用いることにより実験結果が再現できることがわかった。また、今回、このモデルの適用範囲が拡大できるか明らかにするため、別の原因で発生したディスラプションに対してモデルの検証を行った。対象としてはJT-60Uで発生した高$$beta_p$$ディスラプションのデータを用いた。その結果、前回同様、プラズマインダクタンスの時間変化を考慮することにより実験での電流減衰時間とモデルによる予測値がよく一致することがわかった。このことは、ディスラプションの発生原因が異なる場合でもプラズマインダクタンスの時間変化を考慮した改良電流減衰モデルで電流減衰時間が記述できることを示している。

論文

Study of current decay time during disruption in JT-60U tokamak

柴田 欣秀*; 渡邊 清政*; 岡本 征晃*; 大野 哲靖*; 諫山 明彦; 栗原 研一; 仲野 友英; 大山 直幸; 河野 康則; 松永 剛; et al.

Nuclear Fusion, 50(2), p.025015_1 - 025015_7, 2010/01

 被引用回数:17 パーセンタイル:54.49(Physics, Fluids & Plasmas)

JT-60Uのディスラプション時のプラズマ電流の減衰時間を計測データ及び平衡解析から得られた値を用いて詳細に評価した。まず、電子温度を電子サイクロトロン放射及びヘリウムI線強度比から独立に評価し、それぞれの値から得られたプラズマ抵抗値を${it L/R}$モデルに適用して電流減衰時間を算出した。その結果、実験での電流減衰時間が長い($$sim$$100ms)領域では${it L/R}$モデルから算出した電流減衰時間は実験値と同程度であるが、電流減衰時間が短くなるにつれ${it L/R}$モデルでの値が実験値よりも大きくなり、実験での電流減衰時間が10ms程度の領域では${it L/R}$モデルでの値は1桁程度大きく評価されることがわかった。次に、内部インダクタンスをCauchy Condition Surface法により評価するとともに、内部インダクタンスの時間変化を考慮するようにモデルを改良した。その結果、広い電流減衰時間の範囲(10$$sim$$100ms)に渡り実験値と近い値が得られ、内部インダクタンスの時間変化の効果が重要であることがわかった。

論文

Evaluation of dependence of current decay time on electron temperature measured by He I line intensity ratios in JT-60U tokamak

岡本 征晃*; 平石 剛大*; 大野 哲靖*; 高村 秀一*; 仲野 友英; 河野 康則; 小関 隆久; 杉原 正芳

Europhysics Conference Abstracts (CD-ROM), 31F, 4 Pages, 2007/00

トカマクプラズマのディスラプション時に真空容器にかかる電磁力を推定するにはプラズマ電流の減衰時間を正確に定めることが重要で、L/Rモデルによるとそれは電子温度の3/2乗に比例する。ディスラプション発生時には莫大な熱負荷がかかるためラングミュアプローブを挿入して電子温度を定めることは困難である。そこでわれわれは電子温度に敏感な中性ヘリウムの発光線を高時間分解で測定する方法を提案する。分光器では観測光を3分岐しそれぞれバンドパスフィルターを用いて分光し光電子増倍管を用いて計数する。この3本の発光線の強度比を衝突放射モデルによって解析する。この手法を幾つかのプラズマ装置で試し、ラングミュアプローブによる測定値と比較することで妥当性が確認された。ここではJT-60Uのディスラプション発生時の電子温度の時間変化を測定する。

口頭

ヘリウム線強度比を用いた電子温度密度計測法と静電プローブ法との比較

梶田 信*; 大野 哲靖*; 岡本 征晃*; 仲野 友英; 高村 秀一*

no journal, , 

静電プローブを用いたプラズマ計測では、特に低温プラズマで電流-電圧特性に異常がみられ、電子温度・密度の評価が難しくなる場合がある。一方、電子温度・密度は分光計測(中性ヘリウムの発光線の強度比を用いる)からも評価することができる。この2つの計測法で得られた電子温度・密度を比較するため、名古屋大学のダイバータシミュレータNAGDIS-IIでヘリウムプラズマを用いて実験を行った。その結果、電子温度・密度ともに分光計測から得られた値の方がわずかに大きかった。この理由を放射輸送などの効果を取り入れた解析コードにより議論する。

口頭

核反応分析法を用いた核融合炉ブランケット候補材Li$$_2$$TiO$$_3$$のLi同位体分布測定

高橋 元喜*; 古山 雄一*; 岡本 将典*; 河津 翔*; 谷池 晃*; 北村 晃*; 久保田 直義; 落合 謙太郎; 西谷 健夫

no journal, , 

トリチウム増殖候補材の一つである40%$$^6$$Li濃縮チタン酸リチウム(Li$$_2$$TiO$$_3$$)表面近傍の$$^6$$Li及び$$^7$$Li密度を調べるために、1.27MeVの陽子及び重陽子を用いた$$^7$$Li(p,$$alpha$$)$$^4$$He, $$^6$$Li(p,$$^3$$He)$$^4$$He及び$$^6$$Li(d,$$alpha$$)$$^4$$He核反応分析(NRA)を適用した。まず、これらの分析に必要な核データがないため、LiOH標準試料を使って微分核反応断面積を測定した。次にこれらの断面積を用いて、Li$$_2$$TiO$$_3$$試料のNRAを行い、表面から6$$mu$$mまでの$$^6$$Li及び$$^7$$Li深さ密度分布を得た。$$^6$$Liは、表面から2$$mu$$m付近で最大値を示す分布であったのに対して、$$^7$$Liは表面から一様に分布していた。また、表面から5$$mu$$mまでの積分値から、$$^6$$Liの濃縮率を見積もると35%であった。

口頭

He I線強度比を用いたトカマクプラズマの電子温度,電子密度の評価

平石 剛大*; 岡本 征晃*; 梶田 信*; 長谷部 優*; 大野 哲靖*; 高村 秀一*; 仲野 友英

no journal, , 

He I線強度比を用いて電子温度・密度を高速で計測する方法を開発した。その手法を初めてJT-60トカマクプラズマに対して適用した結果を報告する。主プラズマ周辺部で発生したモードによる熱・粒子の吐き出しに伴い、ダイバータプラズマの電子温度が減少し、少し遅れて密度が増加する様子が観測された。この電子温度と密度の波形は、ダイバータ板に熱・粒子パルスが到達し、中性粒子が放出され、それが電離される際にプラズマがエネルギーを失い、また電離によってプラズマ密度が上昇した、と解釈される。

口頭

小型トマカクHYBTOK-IIにおけるプラズマ崩壊時の内部構造ダイナミックスの観測

岡本 征晃*; 山田 隆*; 菊池 祐介*; 大野 哲靖*; 高村 秀一*; 上杉 喜彦*; 小関 隆久; 河野 康則; 杉原 正芳

no journal, , 

ディスラプションの発生は、プラズマの電流密度分布や圧力分布等の内部構造に依存していることが報告されている。小型トカマク装置はプラズマ内部のプローブによる直接計測が可能であるため、ディスラプション物理の解明を目的として、磁気・静電プローブを用いたプラズマ内部計測実験を行った。その結果、プラズマ電流減衰直前において電子圧力の急減が観測された。この現象は、プラズマ粒子を閉じ込めていた磁気面が破壊されたことで、熱や粒子が壁へ吐出されたことが考えられる。また、電流密度分布の時間変化から、短い時間スケールで中心部の電流が吐出されており、m/n=2/1と3/1のティアリングモードとm/n=1/1内部モードとの相互作用が明らかとなった。また、トリプルプローブによる浮遊電位計測から、誘導電場により高速電子の生成が推測される。

口頭

JT-60Uにおけるディスラプション時の電子温度と電流減衰時間の評価

柴田 欣秀*; 大野 哲靖*; 岡本 征晃*; 仲野 友英; 河野 康則

no journal, , 

JT-60Uのディスラプション時の電流減衰時間を、ヘリウムの発光線の強度比から評価した電子温度の関数として調べた。プラズマ断面積で規格化した電流減衰時間は、L/Rモデルでは電子温度に対して単調に増加するが、測定した電子温度に対しては明瞭な依存性は見られず、絶対値も1桁から2桁異なる。ヘリウム発光線から評価した電子温度がプラズマのどの位置の温度を反映しているかが明らかでないことが原因であると考えられる。

口頭

JT-60Uトカマクにおけるディスラプション時のヘリウム発光線強度比を用いた電子温度と電流減衰時間の評価

岡本 征晃*; 柴田 欣秀*; 大野 哲靖*; 高村 秀一*; 仲野 友英; 河野 康則; 杉原 正芳*

no journal, , 

トカマクプラズマのディスラプション時に真空容器にかかる電磁力を推定するにはプラズマ電流の減衰時間を正確に定めることが重要で、プラズマをコイルと抵抗からなる閉回路とみたてたL/Rモデルによると、それは電子温度の3/2乗に比例する。ディスラプション発生時には莫大な熱負荷がかかるためラングミュアプローブを挿入して電子温度を定めることは困難である。そこでわれわれは電子温度に敏感な中性ヘリウムの発光線を高時間分解で測定する方法を用いた。熱クエンチ発生直後に、電子温度が急激に低下するのが観測された。この低下した後の電子温度をディスラプション中のプラズマの温度と考え、それと電流消滅時間の関係をデータベース化した。しかし、現状では明確な依存性は見いだされていない。

口頭

大型トカマク装置JT-60Uにおけるディスラプション時の電流減衰時間決定機構の解明

柴田 欣秀*; 岡本 征晃*; 渡邊 清政*; 大野 哲靖*; 河野 康則; 諫山 明彦; 坂本 宜照; 大山 直幸; 栗原 研一; 後藤 基志*

no journal, , 

トカマクにおいては、真空容器に大きな熱負荷や電磁力を与えるディスラプションを制御することは重要な研究課題である。真空容器に発生する電磁力を正確に見積もるためにはプラズマ電流減衰時間の正確な予測が必要であり、現在、プラズマ抵抗$$R$$とインダクタンス$$L$$を用いて電流減衰時間を評価する$$L/R$$モデルが専ら用いられている。プラズマ抵抗率は電子温度$$T_{e}$$の3/2乗に反比例することから、$$L/R$$モデルではプラズマ電流減衰時間は$$T_{e}$$の3/2乗に比例する。まず、電流減衰時の電子温度を正確に評価するため、He線強度比法より電子温度を求め電子温度と電流減衰時間との関係を調べたが、モデルで予測されている依存性は実験データでは見られなかった。この原因として、$$L/R$$モデルでは$$L$$$$R$$が時間的に変化しないという仮定のもとで導かれていることがあると考え、$$L/R$$モデルに$$L$$の時間変化を取り入れて電流減衰時間を再評価し実験値を比較したところ、広い電子温度の範囲で良い一致が見られた。これは電流減衰初期の減衰時間の評価ではプラズマ抵抗だけではなく、インダクタンスの時間変化も考慮しなければならないことを示している。

口頭

JT-60Uディスラプションにおける速い電流減衰消滅に対するプラズマインダクタンスの影響と電流減衰モデルの検討

柴田 欣秀*; 渡邊 清政*; 岡本 征晃*; 大野 哲靖*; 諫山 明彦; 栗原 研一; 大山 直幸; 仲野 友英; 河野 康則; 松永 剛; et al.

no journal, , 

トカマク型核融合装置で発生するディスラプション時の電磁力を評価する方法として電流クエンチ時の電流減衰時間の予測が考えられている。電流減衰時間の予測の一般的なモデルとして$$L/R$$モデルという単純なモデルがこれまでに使われてきた。過去の研究において限定的なディスラプション放電でモデル検証が行われ、電流減衰初期においては$$L/R$$モデルは成り立たず、プラズマインダクタンスの時間変化が電流減衰時間に大きく影響を与えていることがわかっている。しかし、さまざまなディスラプション放電でモデルの検証は行われておらず、一般的なモデル検証のためには広いパラメータの放電に対してモデルの検証が必要である。そこで、今回プラズマ表面の安全係数$$q_{surf}$$が4-13、プラズマ断面積$$S$$が2.5-4m$$^2$$という広いパラメータを有したディスラプション放電においてモデルの検証を行った。実際に評価した結果、このように広いパラメータ範囲におけるディスラプションでも各放電において電流減衰初期ではプラズマインダクタンスの時間変化が大きいことがわかった。すなわち、JT-60Uにおけるディスラプション時の一般的な電流減衰モデルには$$L/R$$モデルは適さず、プラズマインダクタンスの時間変化を考慮した電流減衰モデルが適していることがわかった。

口頭

JT-60U高$$beta$$$$_{rm p}$$プラズマにおけるディスラプション時の電流減衰時間決定モデルの評価

柴田 欣秀*; 渡邊 清政*; 大野 哲靖*; 岡本 征晃*; 諫山 明彦; 栗原 研一; 大山 直幸; 仲野 友英; 河野 康則; 松永 剛; et al.

no journal, , 

ディスラプション時に真空容器等に発生する電磁力は電流クエンチ時の電流減衰時間から予測される。これまで、電流減衰時間の予測の一般的なモデルとしてプラズマの抵抗とインダクタンスだけで評価するL/Rモデルが使われてきた。しかし、JT-60Uの多量ガスパフディスラプション放電では、電流クエンチ時でもプラズマ中心で数100eV程度の電子温度を有しており、電流減衰初期において単純なL/Rモデルが成り立たないことが過去に示された。今回、これまでとは電子温度,電流分布,加熱方式が異なる定常負磁気シア放電のディスラプション時の電流減衰時間と電子温度の関係について調べた。その結果、電流減衰初期の電子温度($$T_e$$)が数倍程度異なっているにもかかわらず電流減衰時間がほぼ同じとなる場合があることがわかった。このことは今回解析した放電においてもプラズマ抵抗($$propto T_e^{-1.5}$$)以外の効果の寄与が電流減衰時間を決定するうえで重要であることを示唆している。

口頭

Investigation of the current decay time in high $$beta_p$$ disruptive discharges of JT-60U

柴田 欣秀*; 渡邊 清政*; 大野 哲靖*; 岡本 征晃*; 諫山 明彦; 栗原 研一; 大山 直幸; 仲野 友英; 河野 康則; 杉原 正芳*

no journal, , 

トカマク型核融合装置で発生するディスラプション時の電流減衰時間の予測の一般的なモデルとして、インダクタンスLと抵抗Rの比のみで表すL/Rモデルが使用されている。しかし、過去の著者らの研究により、L/Rモデルでは実験データを再現できず、また電流減衰初期においてはプラズマインダクタンスの時間変化が電流減衰時間に大きな影響を与えていることが明らかになった。しかし、この検証では放射崩壊によるディスラプションのみを用いてモデルの検証を行っていたため、より一般的なモデル検証のためには別の原因で発生したディスラプションに対してもモデルの検証を行うことが必要となっていた。そこで、今回JT-60Uで発生した高$$beta_p$$ディスラプション放電においてモデルの検証を行った。その結果、CCSコードから得られた電流減衰時間は実験値から評価した電流減衰時間より短くなることがわかった。そこで、電子サイクロトロン放射計測から評価した電子温度分布を用いて電子温度のみが変化するという仮定でプラズマインダクタンスの時間変化率を評価し、CCSから評価できる値と比較した。その結果、電子温度の変化より求めた電流減衰時間は実験値よりはるかに大きくなり、電子密度等の変化も考慮する必要があることがわかった。

口頭

JT-60U高$$beta_p$$プラズマ放電におけるマイナーコラプスとメジャーディスラプション時の電流減衰時間の比較

柴田 欣秀*; 渡邊 清政*; 大野 哲靖*; 岡本 征晃*; 諫山 明彦; 栗原 研一; 大山 直幸; 仲野 友英; 河野 康則; 松永 剛; et al.

no journal, , 

JT-60Uの高$$beta_p$$プラズマ放電ではマイナーコラプスが多く発生している。マイナーコラプスはメジャーディスラプションとは違い、一度プラズマの閉じ込めは悪くなり電流減衰が始まるが、その後、定常状態時のプラズマ電流まで回復する。電流減衰時間の制御の観点から考えるとこの現象を調べることにより、電流減衰時間の制御方法の確立を行える可能性がある。そこで、本研究ではマイナーコラプスとメジャーディスラプション時の電子温度や磁気計測などのプラズマ計測を比較することにより両現象中の電流減衰の違いを調べた。両現象において電流スパイク発生中では内部インダクタンス$$ell_i$$は上昇するが、マイナーコラプスの電流減衰時では$$ell_i$$は緩やかに減少、ディスラプションの電流減衰時では引き続き$$ell_i$$が上昇するという異なる振舞いをしていた。また、マイナーコラプスでは電流減衰時のプラズマ周辺部の電子温度$$T_e$$は一旦減少し、その後元の状態まで回復するが、ディスラプションでは周辺部から$$T_e$$の減少が始まり、最終的にプラズマ中心部の$$T_e$$も低下していた。このことから、電流減衰時の$$ell_i$$の変化が異なる原因の1つとして$$T_e$$の振る舞いの違いが考えられる。

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