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論文

${it Desulfovibrio subterraneus}$ sp. nov., a mesophilic sulfate-reducing deltaproteobacterium isolated from a deep siliceous mudstone formation

上野 晃生*; 玉澤 聡*; 玉村 修司*; 村上 拓馬*; 木山 保*; 猪股 英紀*; 天野 由記; 宮川 和也; 玉木 秀幸*; 長沼 毅*; et al.

International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology, 71(2), p.004683_1 - 004683_10, 2021/02

 被引用回数:8 パーセンタイル:62.07(Microbiology)

幌延深地層研究計画における地上からのボーリング調査孔であるHDB-6の深度288.7-303.0m区間から採水された地下水中から、新種の嫌気的硫酸還元菌を単離した。これをHN2$$^{rm T}$$株と呼ぶ。採水深度の地質は新第三紀堆積岩の稚内層であり、上位の珪藻質泥岩である声問層から珪質泥岩である稚内層への遷移帯に当たる。単離されたHN2$$^{rm T}$$株は、温度5-43$$^{circ}$$C及びpH6.5-7.5の環境において成長が確認された。HN2$$^{rm T}$$株は、硫酸塩や亜硫酸塩, Fe$$^{3+}$$, マンガン酸化物等を電子受容体とし、硫黄元素や硝酸塩,亜硝酸塩は電子受容体として使用しない。HN2$$^{rm T}$$株は、NaClを必要としないが、最大でNaCl濃度4%(w/v)の高塩濃度環境において生息できた。表現型・分子的遺伝情報から、HN2$$^{rm T}$$株を新種と判断し、${it Desulfovibrio subterraneus}$ sp. nov.と命名する。

報告書

超深地層研究所計画における地下水の地球化学に関する調査研究; 瑞浪層群・土岐花崗岩の地下水の地球化学特性データ集(2019年度)

福田 健二; 渡辺 勇輔; 村上 裕晃; 天野 由記; 青才 大介*; 原 直広*

JAEA-Data/Code 2020-012, 80 Pages, 2020/10

JAEA-Data-Code-2020-012.pdf:3.55MB

日本原子力研究開発機構は岐阜県瑞浪市で進めている超深地層研究所計画において、研究坑道の掘削・維持管理が周辺の地下水の地球化学特性に与える影響の把握を目的とした調査研究を行っている。本データ集は、超深地層研究所計画において、2019年度に実施した地下水の採水調査によって得られた地球化学データおよび微生物データを取りまとめたものである。データの追跡性を確保するため、試料採取場所, 試料採取時間, 採取方法および分析方法などを示し、あわせてデータの品質管理方法について示した。

報告書

超深地層研究所計画における地下水の地球化学に関する調査研究; 瑞浪層群・土岐花崗岩の地下水の地球化学特性データ集(2018年度)

福田 健二; 渡辺 勇輔; 村上 裕晃; 天野 由記; 青才 大介*; 熊本 義治*; 岩月 輝希

JAEA-Data/Code 2019-019, 74 Pages, 2020/03

JAEA-Data-Code-2019-019.pdf:3.53MB

日本原子力研究開発機構は岐阜県瑞浪市で進めている超深地層研究所計画において、研究坑道の掘削・維持管理が周辺の地下水の地球化学特性に与える影響の把握を目的とした調査研究を行っている。本データ集は、超深地層研究所計画において、2018年度に実施した地下水の採水調査によって得られた地球化学データおよび微生物データを取りまとめたものである。データの追跡性を確保するため、試料採取場所, 試料採取時間, 採取方法および分析方法などを示し、あわせてデータの品質管理方法について示した。

報告書

超深地層研究所計画における地下水の地球化学に関する調査研究; 瑞浪層群・土岐花崗岩の地下水の地球化学特性データ集(2017年度)

福田 健二; 渡辺 勇輔; 村上 裕晃; 天野 由記; 林田 一貴*; 青才 大介*; 熊本 義治*; 岩月 輝希

JAEA-Data/Code 2018-021, 76 Pages, 2019/03

JAEA-Data-Code-2018-021.pdf:3.78MB

日本原子力研究開発機構は岐阜県瑞浪市で進めている超深地層研究所計画において、研究坑道の掘削・維持管理が周辺の地下水の地球化学特性に与える影響の把握を目的とした調査研究を行っている。本データ集は、超深地層研究所計画において、2017年度に実施した地下水の採水調査によって得られた地球化学データ及び微生物データを取りまとめたものである。データの追跡性を確保するため、試料採取場所、試料採取時間、採取方法および分析方法などを示し、あわせてデータの品質管理方法について示した。

論文

坑道閉鎖試験に基づく坑道掘削・閉鎖時の化学環境変化プロセスの考察

林田 一貴; 加藤 利弘*; 久保田 満*; 村上 裕晃; 天野 由記; 岩月 輝希

地球化学, 52(1), p.55 - 71, 2018/03

坑道の建設・操業により乱された地質環境の坑道閉鎖後の定常化過程の確認を目的として、岐阜県瑞浪市の瑞浪超深地層研究所において深度500mの花崗岩中に模擬実験坑道を建設・閉鎖し、地下水の溶存成分や酸化還元電位、pHの経時変化の観測を行った。その結果、坑道建設時には坑道周囲の割れ目を介した地下水流動状態の変化に伴い坑道周囲の地下水水質が変化した。また坑道から坑道周囲の岩盤中への酸素の侵入により、酸化還元電位が上昇することが確認された。坑道閉鎖後は、微生物の還元作用により坑道内の地下水の酸化還元電位が低下するとともに、坑道周囲では岩盤中から還元的な地下水がもたらされることによって酸化還元電位が回復した。一方で、吹付コンクリートなどセメント材料の影響で坑道内の地下水がアルカリ化することが確認された。このアルカリ化に消費されたセメント材料はわずかであることから、その影響はセメント使用量に応じて長期的に続くと考えられた。

論文

Determination of dissolved natural thorium and uranium in Horonobe and Mizunami Underground Research Laboratory groundwater and its thermodynamic analysis

佐々木 隆之*; 鴻上 貴之*; 小林 大志*; 桐島 陽*; 村上 裕晃; 天野 由記; 水野 崇; 岩月 輝希; 笹本 広; 宮川 和也

Journal of Nuclear Science and Technology, 54(3), p.373 - 381, 2017/03

本研究では、幌延深地層研究センター及び瑞浪超深地層研究所の両地下施設を利用し、原位置の地下水中におけるウラン及びトリウムの存在状態について、ろ過径の異なるフィルターを用いて調査した。また、ろ過後の地下水の分析結果をもとに、熱力学的な解析を行い、溶解度制限固相について考察した。その結果、幌延の地下水では、ウラン及びトリウムともに溶存状態で存在する成分に加え、コロイドとしても存在していることがわかった。また、溶存状態で存在するウラン及びトリウムの濃度は、UO$$_{2}$$(cr)及びThO$$_{2}$$(cr)の溶解度でそれぞれ近似される可能性が示唆された。一方、瑞浪の地下水中のウラン・トリウムについては、幌延と比べるとコロイドとして存在する可能性は低く、地下水のウラン・トリウム濃度については、明確な制限固相を特定することが困難であった。これについては、さらなる研究が必要である。

論文

北海道幌延地域における深部地下水調査; 地上からの地球化学調査の妥当性評価と地下施設建設に伴う地球化学特性変化

天野 由記; 南條 功; 村上 裕晃; 藪内 聡; 横田 秀晴; 佐々木 祥人; 岩月 輝希

地下水学会誌, 54(4), p.207 - 228, 2012/11

北海道幌延町において、堆積岩を対象とした深地層の研究施設を利用して、地上からの地球化学調査技術の妥当性を検証した。また、地下施設建設が周辺の地球化学状態に及ぼす影響について考察した。地上からのボーリング調査数量と水質の深度分布の推定品質の関係を整理した結果、3本程度の基本ボーリング調査と断層・割れ目帯など高透水性の水理地質構造を対象とした追加ボーリング調査により、数キロメータースケールの調査解析断面の水質分布について不確実性も含めて評価できることが明らかになった。地下施設建設に伴う地下水の塩分濃度,pH,酸化還元状態の擾乱を観察した結果、一部の高透水性地質構造の周辺において、地下坑道への湧水により水圧や塩分濃度の変化が確認された。この変化量は事前の予測解析結果と整合的であった。これらの成果は、他の堆積岩地域における地上からのボーリング調査や地下施設建設時の地球化学調査の計画監理にも参照可能と考えられる。

報告書

幌延深地層研究計画; 平成23年度調査研究成果報告

中山 雅; 天野 健治; 常盤 哲也; 山本 陽一; 大山 卓也; 天野 由記; 村上 裕晃; 稲垣 大介; 津坂 仁和; 近藤 桂二; et al.

JAEA-Review 2012-035, 63 Pages, 2012/09

JAEA-Review-2012-035.pdf:12.23MB

幌延深地層研究計画は、「地上からの調査研究段階(第1段階)」、「坑道掘削(地下施設建設)時の調査研究段階(第2段階)」、「地下施設での調査研究段階(第3段階)」の3つの段階に分けて実施されている。平成23年度は、「幌延深地層研究計画平成23年度調査研究計画」に従って、調査研究及び地下施設の建設を継続した。研究開発は従来通り、「地層科学研究」と「地層処分研究開発」に区分して実施した。具体的には、「地層科学研究」では、地質環境調査技術開発、地質環境モニタリング技術開発、深地層における工学的技術の基礎の開発、地質環境の長期安定性に関する研究という研究課題を設定し、「地層処分研究開発」では、人工バリアなどの工学技術の検証、設計手法の適用性確認、安全評価モデルの高度化及び安全評価手法の適用性確認という研究課題を設定している。本報告書はそれらを取りまとめたものである。幌延深地層研究計画の成果は、原子力機構における他の研究開発拠点での成果と合わせて一連の地層処分技術として、処分事業や安全規制に適宜反映していく。

報告書

幌延深地層研究センター東立坑140m調査坑道における地下水の地球化学モニタリングに関する研究開発

南條 功; 天野 由記; 岩月 輝希; 國丸 貴紀; 村上 裕晃; 細谷 真一*; 森川 佳太

JAEA-Research 2011-048, 162 Pages, 2012/03

JAEA-Research-2011-048.pdf:8.53MB
JAEA-Research-2011-048-appendix(CD-ROM)-1.pdf:0.74MB
JAEA-Research-2011-048-appendix(CD-ROM)-2.pdf:7.55MB
JAEA-Research-2011-048-appendix(CD-ROM)-3.pdf:18.71MB
JAEA-Research-2011-048-appendix(CD-ROM)-4.pdf:0.11MB
JAEA-Research-2011-048-appendix(CD-ROM)-5.pdf:0.07MB
JAEA-Research-2011-048-appendix(CD-ROM)-6.pdf:0.68MB

北海道幌延地域のような低透水性の堆積岩においては、施設建設に伴う地下水の湧水とその水圧・水質変化の相関及びそれらの経時的な変化の観測例が少なく、その観測技術の開発が課題となっている。本研究では、地下施設の建設が周辺地質環境に与える影響を調査するための技術開発を目的として、施設建設過程及び建設後の地下水の間隙水圧と水質(pH,電気伝導度,溶存酸素,酸化還元電位,水温)の同時連続観測が可能なモニタリング装置を新たに製作・設置し、その適用試験を行った。その結果、低透水性並びに溶存ガスを含有する堆積岩環境において、間隙水圧のモニタリング及び原位置の圧力を維持した状態で物理化学パラメータを測定する技術を確立することができた。また、施設建設過程における間隙水圧/水質の変化について評価を行い、間隙水圧の低下が確認された区間においてもpH及び酸化還元状態はほとんど変化していないことが示された。

報告書

幌延深地層研究計画における地下水,河川水及び降水の水質データ; 2001$$sim$$2010年度

天野 由記; 山本 陽一; 南條 功; 村上 裕晃; 横田 秀晴; 山崎 雅則; 國丸 貴紀; 大山 隆弘*; 岩月 輝希

JAEA-Data/Code 2011-023, 312 Pages, 2012/02

JAEA-Data-Code-2011-023.pdf:5.46MB
JAEA-Data-Code-2011-023(errata).pdf:0.08MB

日本原子力研究開発機構幌延深地層研究センターでは、幌延深地層研究計画に基づきボーリング孔の掘削を伴う地上からの調査研究(第1段階)の一環として、平成13年度から表層水,地下水などの水質分析を行ってきた。分析の対象は、ボーリング孔から採取した地下水,掘削水,掘削リターン水,岩石コアからの抽出水,河川水及び雨水などである。また、平成18年度から幌延深地層研究計画における地下施設建設時の調査研究(第2段階)が進められており、立坑内の集水リング,立坑壁面湧水やボーリング孔などから地下水を採取し、水質分析を実施している。本報告書は、平成13年度から平成22年度までの水質分析データを取りまとめたものである。

報告書

深部地質環境に対する微生物の影響に関する研究 -地下微生物群集の種組成と代謝の多様性に関する研究-

長沼 毅*; 岩月 輝希; 村上 由記; 濱 克宏; 岡本 拓士*; 谷本 大輔*; 藤田 夕佳*; 渡辺 史子*; 足立 奈保美*; 佐藤 誠*

JNC TY7400 2003-001, 116 Pages, 2003/05

JNC-TY7400-2003-001.pdf:4.97MB

本報告書は、核燃料サイクル開発機構東濃地科学センターと広島大学生物生産学部間で行われた先行基礎工学共同研究「深部地質環境に対する微生物の影響に関する研究-地下微生物群集の種組成と代謝の多様性に関する研究」の成果を取りまとめるものである。概要を以下に示す。岐阜県東濃地域において、地下深部の微生物の存在量と多様性に関する研究を行った。蛍光染色法による全菌数の計測、呼吸活性やエステラーゼ活性等に基づいて、生菌数を調査したところ、全菌数の約0.001%-100%と求められた。これらの微生物の存在量は、環境要因(岩盤中の割れ目本数、地下水の水理・地球化学条件等)に依存していた。ウラン鉱床を含む堆積岩深部においては、地下水中の酸化還元化学種、微生物生息数、硫酸イオンの硫黄同位体比から、硫酸還元菌による硫酸還元反応が主要な酸化還元反応であることが明らかになった。また、硫酸イオンと塩酸イオンが良い相関を示しながら震度とともに増加しており、硫酸イオンの期限は堆積岩上部の海成層であると考えられた。このような地下水-鉱物-微生物システムにおける酸化還元プロセスは、海成層が陸地化してからも、硫酸還元菌が海成層から供給される硫酸イオンを堆積岩下部に豊富に存在する有機物で還元することで長期間続いてきたと推察される。硫酸イオンの供給速度と岩層中の硫酸態硫黄の含有量から、現在の水理条件が続く場合、硫酸還元菌による硫酸還元反応は今後数十万年間以上にわたって継続し、ウランを保持する還元環境が維持されると推察される。一方、花崗岩中の地下水においては、鉄関連細菌が鉄による酸化還元状態の形成に重要な役割を果たしていると考えられる。特に、花崗岩上部では鉄酸化菌が鉄コロイドの沈没に関与していると推察される。

報告書

深部地質環境に対する微生物の影響に関する研究(先行基礎工学共同研究)

長沼 毅*; 今中 忠行*; 跡見 晴幸*; 村上 由記*; 岩月 輝希

JNC TY7400 2000-002, 37 Pages, 2000/05

JNC-TY7400-2000-002.pdf:1.17MB

近年地下には地表よりも大きいバイオマスが存在している可能性が示唆され、地下生物圏の存在が注目され始めている。これらの微生物は、深部地質環境における酸化・還元や溶解・沈澱に影響を与えている可能性がある。地下深部の微生物について基礎的な知見を得るため,岐阜県東濃地域において,微生物現存量や活性に関する調査研究を行った。地下水中の全菌数は、概ね107cells/ml(堆積岩層)$$sim$$106cells/ml(花崗岩層)であり、全般的に堆積岩層で一桁高くなっていた。一方、微生物の種類(形態)および形態種数は深度ごとにかなり異なっていた。酸化還元状態との関連を見ると、花崗岩層の深度180$$sim$$330mの酸化還元電位はFe2+/Fe(OH)3の酸化還元境界に相当し、ここに鉄関連細菌生菌数のピークが見られ、深度500m以深の酸化還元電位はHS/SO42-の酸化還元境界にあたり、硫酸還元菌の存在しうる酸化還元電位があると想定される深度帯(深度300$$sim$$500m)に硫酸還元の存在が認められた。深部地質環境における微生物の存在量と活性は、地下の地球化学プロセスと密接な関係にあることが示唆された。

論文

深部地質環境における微生物群集; 東濃地域を例として

村上 由記*; 長沼 毅*; 岩月 輝希

原子力バックエンド研究, 5(2), p.59 - 66, 1999/03

近年、地下の微生物に関する知見が世界各地で報告されつつある。本件では、岐阜県東濃地域の地下深部の微生物現存量の調査を行った。その結果、花崗岩中の地下水には、105$$sim$$106cell/mlの密度で微生物が存在することが明らかになった。また、微生物の菌数は、鉄の化学種あるいは硫黄の化学種の酸化還元境界と良い相関を示し、深部地質環境の地球化学的状態と微生物の活性には密接な関連があると考えられた。

論文

東濃地域における地下水化学と地下微生物の相互作用

村上 由記; 岩月 輝希

地学雑誌, 112(3), 17 Pages, 

地下の堆積岩および花崗岩地下水中の微生物現存量について、その深度分布を考察する。また、微生物代謝による酸化還元ないしは沈澱・溶解の影響が大きい硫黄および鉄に関係する微生物について紹介する。

口頭

幌延深地層研究所における地球化学特性調査; 地下施設建設に伴う周辺地下水の水圧・水質変化について

村上 裕晃; 天野 由記; 南條 功; 岩月 輝希

no journal, , 

高レベル放射性廃棄物の地層処分場のような大規模地下施設の建設は周辺の水理・地球化学特性にさまざまな影響を及ぼすため、それらの影響を評価する手法の開発が必要とされている。本研究では、地下施設の建設に伴い発生する湧水の水質分析と、地下施設周辺の水圧・水質の連続観測に基づき明らかになった地下水の擾乱プロセスについて報告する。現在、幌延深地層研究所では東立坑と換気立坑を約250mまで掘削しており、各立坑に深度約30mごとに設置された集水リングにおいて定期的に湧水量測定と水質分析を実施している。また、深度140mの水平坑道においてボーリング孔を掘削し、東立坑の深度140m以深を掘削する前の水質・水圧の初期値を把握した後、深度140m以深の立坑掘削前後の水圧の変化を把握した。その結果、立坑から少なくとも約80m以上の領域において、東立坑の掘削に伴い水圧が影響を受けることが示された。集水リングの地下水からは表層水や塩分濃度の高い地下水の流入と推察される水質の変化が観測された。

口頭

幌延深地層研究所における水理・地球化学特性評価技術開発の現状

南條 功; 天野 由記; 岩月 輝希; 村上 裕晃; 佐々木 祥人; 吉川 英樹

no journal, , 

JAEA幌延深地層研究所では、地下施設の建設が周辺地質環境に与える影響を評価するための技術開発を目的として、地下坑道で地下水の採水と間隙水圧及び物理化学パラメーター(pH,電気伝導度,溶存酸素,酸化還元電位,水温)の同時連続観測が可能なモニタリング装置を製作・設置し、観測を行っている。設置したモニタリング装置による観測の結果、観測区間すべてにおいて立坑掘削の影響に伴う水圧低下の傾向が示され、立坑により近い区間において大きな水圧変化が確認された。また、地下水中の微生物群集について遺伝子解析を行った結果、深度が深くなるにつれてメタン生成菌が優占する群集組成であり、地下水の酸化還元状態を反映した微生物組成となっていることが示された。今後の連続観測により地下水湧水量と水圧・水質の変化量などの関係を整理していく。また、本装置の稼働にあたってガスの発生が原因と思われる水圧異常値が確認されていることから、ガスの発生に対応した水圧・水質モニタリング装置の改良を行い、観測技術を整備していく。

口頭

北海道幌延町における$$^{14}$$Cを用いた堆積岩中の地下水の滞留時間推定の試み

村上 裕晃; 天野 由記; 國分 陽子; 岩月 輝希

no journal, , 

高レベル放射性廃棄物の地層処分では、その安全性を評価するために深部地下水の流動状態を把握することが重要である。地下水の流動状態を把握する方法として、放射性同位体などを利用する地球化学的方法と岩盤の透水係数や動水勾配などに基づいて数値解析を行う水理学的な手法がある。本研究では、北海道幌延地域を対象として地下水中の放射性炭素同位体($$^{14}$$C)濃度を測定し、地下水の滞留時間の推測を試みた。測定対象は、新第三系の声問層中に建設された深度140mと250mの調査坑道から得られる地下水湧水とした。採取した地下水中の$$^{14}$$C濃度は0.39から1.04pMCと求められた。研究地域の深部の地下水は$$^{14}$$Cを含まない化石海水と考えられているが、検出した$$^{14}$$Cは計算結果から掘削水の混入や汚染ではないと判断される。この$$^{14}$$C濃度から単純に計算した地下水の滞留時間は約四万年と見積もられる。一方、実際の地層中では$$^{14}$$Cを含まないデッドカーボンの付加による$$^{14}$$C濃度の希釈や同位体分別反応が起きていると考えられるため、これらのプロセスを理解し$$^{14}$$C濃度を補正する必要がある。今後、その要因について検討を行っていく。

口頭

The Analysis of hydrochemical buffering process at Horonobe Underground Research Laboratory, Japan

岩月 輝希; 天野 由記; 村上 裕晃; 南條 功; 青木 和弘; 佐々木 祥人; 吉川 英樹

no journal, , 

地下施設建設時の周辺岩盤への水理化学的影響の調査評価方法を構築するため、幌延深地層研究所において周辺地下水の水圧変化,水質変化,酸化還元緩衝能力の観測と解析を行った。その結果、水圧の減少など水理的影響は地下施設から数百メーターの範囲に及んでおり、付随して地下水水質の変化も確認された。一方で、地下水の酸化還元電位には変化が認められず、水質や微生物相の解析から、鉄や硫黄の化学種を含む生物化学反応が岩盤中の酸化還元緩衝能力にかかわる主要な反応であることが明らかになった。

口頭

幌延深地層研究所における地下施設の建設に伴う深部地下水の地球化学特性変化

宮川 和也; 天野 由記; 南條 功; 村上 裕晃; 藪内 聡; 横田 秀晴; 岩月 輝希

no journal, , 

日本原子力研究開発機構の幌延深地層研究所では、高レベル放射性廃棄物の地層処分の安全性と実現性を提示するための地質環境調査・評価技術にかかわる研究開発を行っている。その一環として本研究所では、地下施設の建設が周辺の地質環境に与える影響の評価を目的として、地下坑道を利用した地質環境調査を実施している。本報告では、施設建設過程における深度250mまでの水理・地球化学特性の観測結果と、地上からのボーリング調査で把握した地球化学特性とを比較し、施設建設に伴う周辺の水理・地球化学環境の変化についての考察を報告する。施設建設開始後数年では、地下水の化学条件変化は坑道直近に限られることが示され、この理由として、割れ目などの連結性が乏しい低透水性層では地下水の湧出量が少ないことや、堆積岩中に含鉄鉱物や硫化物,微生物などが多く含まれており、岩盤自体に環境変化に対する十分な緩衝能力があることが考えられる。

口頭

脱ガスに伴う溶存ガス組成の変化

宮川 和也; 天野 由記; 村上 裕晃; 岩月 輝希

no journal, , 

高レベル放射性廃棄物の地層処分では、地下深部の地質環境の把握と、地下施設建設に伴う掘削影響の評価が重要となる。日本原子力研究開発機構は、堆積岩地域を対象として北海道北部幌延町にある幌延深地層研究所において、広域的な地下水流動に関連する水理地質構造を推定するため、複数地点で試錐調査を行っている。本研究では、各深層ボーリング孔掘削時の岩芯ガス組成と溶存ガス組成を、各試錐調査報告書から調べた。溶存ガスの主成分はCH$$_{4}$$とCO$$_{2}$$である。溶存ガス組成のCH$$_{4}$$/Ar濃度比を縦軸にとり、CO$$_{2}$$/Ar濃度比を横軸にとると、傾きが8程度の直線の相関が得られた。深い深度で得られた試料ほど図の右上にプロットされる傾向がある。このことは、深度が深いほど地下水の滞留年代が長く、CH$$_{4}$$とCO$$_{2}$$の蓄積量が多いためであると考えられる。また、地下で生成・蓄積されたガスは、掘削などによる圧力の解放によって脱ガスする。このとき、溶解度の差から、脱ガスが進行するほど溶存ガス組成のCH$$_{4}$$/CO$$_{2}$$比が小さくなっていく可能性が示唆される。試錐調査が行われたときは地下施設の掘削前であり、その時のCH$$_{4}$$/ CO$$_{2}$$比は約8である。2011年に地下施設から得られた溶存ガス組成のCH$$_{4}$$/CO$$_{2}$$比は約0.7である。これらの時間変化のデータは、脱ガスが進行するほど溶存ガス組成のCH$$_{4}$$/CO$$_{2}$$比が小さくなることを支持している。

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