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遠矢 優一; 鷲谷 忠博; 小泉 健治; 森田 眞一
Proceedings of 14th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-14) (CD-ROM), 6 Pages, 2006/07
実用化戦略調査研究の一環として、日本原子力研究開発機構(JAEA)では高速炉酸化物燃料の再処理における合理的な解体システムを検討している。解体技術として、レーザビーム方式及び機械方式の2種類について検討を進めた結果、レーザビーム方式ではYAGレーザを適用することにより良好な切断性能及び設備の小型化が確保できることを確認したが、レーザ切断時における燃料ピンの損傷や溶着の発生が課題とされた。そこで、溶着を回避できる機械式解体方式に着目した。機械式解体システムでは、燃料集合体ラッパ管及び燃料ピン束の切断に切断砥石を使用し、ラッパ管を引抜くことで燃料ピンと分離する。模擬燃料集合体を用いた基礎試験を実施し、切断砥石の切断性能及び耐久性、並びにラッパ管の引抜性能を評価した結果、本システムが適用可能であることを確認した。また、実プラントにおける本装置の構造概念を確立した。
中村 博文; 西 正孝; 森田 健治*
JAERI-Research 2003-016, 32 Pages, 2003/08
核融合炉材料からのトリチウム除去回収に関する研究の一環として、核融合炉のトリチウム回収システムへの応用研究が進められているストロンチウム-セリウム(Sr-Ce)系酸化物セラミックスプロトン導電体にトリチウムを注入し、酸化物試料中のトリチウムの存在状態を等速昇温脱離法により調査した。その結果、Sr-Ce系酸化物中でのトリチウムは、主として水酸基の状態で存在しているため、その除去には1300K以上での加熱放出が必要なことを明らかにした。また、トリチウムを注入した試料を水蒸気濃度が異なる空気中に曝露し、その際のトリチウム放出量及び放出化学形の水蒸気濃度依存性を測定することにより、トリチウム除去機構について検討した。その結果、空気曝露によるトリチウム除去率は小さく、そのほとんどが、試料表層のOT基と水蒸気との同位体交換反応により水状として放出されるトリチウムであることを明らかにした。また、酸化物中の溶解トリチウムと酸素欠損への酸素の引き抜き現象に起因する水蒸気曝露による水素状でのトリチウム放出もわずかではあるが確認できた。以上の結果、酸化物中におけるトリチウムの存在状態の違いによる空気曝露時のトリチウム除去機構の違いを明らかにし、トリチウム除去法の最適化のための基礎データを得た。
土屋 文*; 森田 健治*; 山本 春也; 永田 晋二*; 大津 直史*; 四竈 樹男*; 楢本 洋
Journal of Nuclear Materials, 313-316, p.274 - 278, 2003/03
被引用回数:1 パーセンタイル:10.88(Materials Science, Multidisciplinary)あらかじめ水素をイオン注入したグラファイト試料に60~200keVのエネルギーでヘリウムイオン照射を行ない、水素の再放出過程を16MeV Oを分析ビームに用いた反跳粒子検出法を用いて調べた。グラファイト中の水素濃度は、ヘリウム照射により急速に減少し、さらにヘリウム照射量が増加すると水素/炭素の比が約0.2の一定値に達した。グラファイトからの水素再放出は、ヘリウムの照射エネルギーが低くなるとともに増加した。この実験結果を質量平衡方程式により解析した結果、このヘリウムの照射エネルギー範囲では、ヘリウムよってはじき出された炭素原子と水素との弾性衝突が水素の再放出の主な原因であることがわかった。
森田 健治*; 鈴木 宏規*; 曽田 一雄*; 岩原 弘育*; 中村 博文; 林 巧; 西 正孝
Journal of Nuclear Materials, 307-311(2), p.1461 - 1465, 2002/12
被引用回数:2 パーセンタイル:17.03(Materials Science, Multidisciplinary)原研と名古屋大学との協力研究に基づいて実施された酸化物セラミックス中に注入したトリチウムと大気中水蒸気の軽水素との同位体交換反応について報告する。実験は、まず、原研のイオン源により1試料あたり約7.4GBqの純トリチウムを注入した。トリチウム注入した試料を3グループに分け、それぞれ、大気(水分濃度約9000ppm),窒素ガス(水分濃度約100ppm),乾燥窒素(水分濃度0.01ppm以下)の環境に24時間曝露した後、0.5K/sec,1273Kまでの等速昇温脱離試験を実施した。試験の結果、水蒸気中の軽水素と材料表面に存在するトリチウムとの同位体交換反応が観察されるとともに、酸化物セラミックス中に打ち込まれたトリチウムは酸化物中の酸素原子と結合していることが明らかとなった。これらの結果をもとに、名古屋大学で考案された固体内水-水素同位体交換反応モデルに基づく解析を実施し、観察されたトリチウムの放出挙動との良い一致を得た。
森田 健治*; 石川 大*; 柚原 淳司*; 中村 大輔*; 曽田 一雄*; 山本 春也; 鳴海 一雅; 楢本 洋; 斉藤 和雄*
JAERI-Review 99-025, TIARA Annual Report 1998, p.179 - 181, 1999/10
イオン注入と化学エッチングにより作成したSi(111)自己支持薄膜に、Au及びAgを1原子層程度蒸着後、6MeV Liイオン等を入射させ、透過チャネリング解析を行った。その結果、以下の結論を得た。(1)Au原子は、Si(111)原子列から0.83離れた位置にあり、Si(111)-22 (Au, Ag)構造をとっている可能性が高い。(2)Ag原子については、2つの可能性がある。1つはチャネリング軸の中心であり、もう一方は軸からずれた成分である。しかしその割合等は、本実験だけでは決定できない。
西谷 健夫; 飯田 敏行*; 池田 裕二郎; 石塚 悦男; 角田 恒巳; 河西 敏; 河村 弘; 森田 洋右; 長島 章; 中道 勝; et al.
JAERI-Research 98-053, 105 Pages, 1998/10
ITERをはじめとする核融合炉の計測装置の開発において最も重要な課題の一つは計測機器要素に対する放射線照射効果である。ITERの工学設計活動の一環として、セラミックス、窓材、光ファイバーといった基本要素及びボロメータ等の真空容器内計測センサーの照射試験を実施した。セラミックスに対しては、中性子による照射誘起伝導の測定を行った。光ファイバー、窓材及び反射鏡に対しては透過損失及び発光を線、14MeV中性子、原子炉中性子について測定した。またボロメータについては新たにセラミックス基板ボロメータを開発し、Co及びJMTRで照射試験を行った。磁気プローブについてはJMTRにおいて照射誘起起電力の測定を行った。
土屋 文*; 山本 春也; 鳴海 一雅; 青木 康*; 楢本 洋; 森田 健治*
Thin Solid Films, 335(1-2), p.134 - 137, 1998/00
被引用回数:2 パーセンタイル:16(Materials Science, Multidisciplinary)本研究では、温度をパラメータにしてイオン照射及びイオンチャネリング解析を交互に行い、Cu/Nb単結晶膜のイオン照射効果を考察した。電子ビーム蒸着法により50nm Cu(111)/71nm Nb(110)単結晶薄膜を-AlO(1120)基板上に作製した。イオンビーム解析実験は3MV静電加速器と400kVイオン注入器を用いて行った。260keVのArイオンを用いて室温及び低温(56K)において試料表面の法線から40°の傾きで照射を行い、各照射量後におけるCu,Nb層の結晶性をラザフォード後方散乱(RBS)/チャネリング法により評価した。また照射後、試料表面の形態変化を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した。照射後のSEM観察により、Arイオン照射の結果、Cu表面では位置選択的なスパッタリングがおこり、島状な表面を形成することが観測された。またRBS/チャネリング実験の結果から、Arイオン照射による弾性衝突の効果としては、Cu,Nbのように相互に固溶しない系ではイオンミキシングの結果は残存せず、スパッタリングの効果として顕著に現れることが明らかになった。
西谷 健夫; 飯田 敏行*; 池田 裕二郎; 石塚 悦男; 角田 恒巳; 河西 敏; 河村 弘; 前川 藤夫; 森田 洋右; 長島 章; et al.
JAERI-Tech 96-040, 22 Pages, 1996/10
ITER用計測装置の開発において最も重要な課題は計測機器要素の放射線照射損傷である。ITER工学設計活動の一環として、ボロメータ等の真空容器内計測センサー及びセラミックス、窓材、光ファイバー等の光/信号伝送用の基本要素の照射試験を実施した。FNSにおいて14MeV中性子に対するセラミックスの照射誘起伝導及び窓材の照射誘起発光の測定を行った。またJMTRでは窓材、光ファイバーの透過損失測定及び反射鏡のオフライン照射試験を行った。Co線照射下においてボロメータの特性測定を行った。
神保 龍太郎*; 西堂 雅博; 中村 和幸; 秋場 真人; 鈴木 哲; 後藤 純孝*; 鈴木 康隆*; 千葉 秋雄*; 山木 孝博*; 中川 師夫*; et al.
Journal of Nuclear Materials, 233-237(PT.A), p.781 - 786, 1996/00
被引用回数:13 パーセンタイル:72.4(Materials Science, Multidisciplinary)新複合材料は、高熱伝導炭素繊維で作った平織りクロスを積層し、その間に多量のBCを均一に充填して焼成した。BCを20~35vol.%添加し、1700Cで焼結した材料は、250W/m・K前後の室温熱伝導率を示す。開発材の熱伝導率は、温度依存性が小さく、400C以上になると、室温で300W/m・K以上の高熱伝導フェルトC/C材の値より高くなり、高温材料として望ましい特性を示す。800Kにおける重水素イオンによるスパッタリング試験では、BCが35vol.%以上の材料は、エロージョン率がC/C材の40%に低下し、BC添加の効果が明らかである。電子ビームによる熱負荷試験では、22MW/mを5秒間照射し、表面温度が2500Cになっても割れの発生は起らなかった。リサイクリング特性は、黒鉛に比して、BCの添加量と共に向上する。以上により、本複合材料は、C/C材とBCの長所を併せ持つ複合材料であることがわかる。
荻原 徳男; 神保 龍太郎*; 西堂 雅博; 道園 真一郎*; 斎藤 芳男*; 森 弘一*; 森田 健治*; 山華 雅司*; 菅井 秀郎*
Journal of Nuclear Materials, 220-222, p.748 - 751, 1995/00
被引用回数:3 パーセンタイル:36.75(Materials Science, Multidisciplinary)JT-60Uにおいては、デカボラン(BH)を用いたボロナイゼーションを実施している。そこで、これと同一の手法により黒鉛上に形成されたボロン膜を用いて、高エネルギー酸素イオンとの反応を調べた。結果は以下の通りである。(1)室温から600CにおけるOイオン照射においては、~210 O/cmのフルーエンスまでOイオンはすべてボロン膜中に捕えられる。(2)室温で打ち込まれた酸素は、600Cまではボロン膜から脱離しない。以上の結果は、JT-60Uにおいて、実施されているボロナイゼーションの酸素ゲッタリング作用を明らかに指示するものである。
荻原 徳男; 神保 龍太郎*; 西堂 雅博; 道園 真一郎*; 斉藤 芳男*; 森 弘一*; 森田 健治*
Journal of Nuclear Materials, 212-215, p.1260 - 1265, 1994/00
被引用回数:7 パーセンタイル:56.56(Materials Science, Multidisciplinary)多結晶BCを用いて水蒸気、酸素および高エネルギー酸素イオンとの反応を調べた。その結果は以下の通り。(1)5keVOイオン照射においては110O/cmのフルーエンスまで室温から600C以下の範囲でOイオンは完全にBC中にとらえられる。(2)室温で打ち込まれたOイオンは、表面から~10nmに存在する。この酸素はボロンとは結合していない。基板温度が室温より高くなるにつれ、Oイオンはボロンと結合しボロン酸化物を形成する。(3)BCの水蒸気曝露において電子あるいはヘリウムイオンを同時に照射するとボロンの著しい酸化がおこる。以上の結果は、核融合装置第一壁のボロナイゼーションによる酸素ゲッタリングの有効性を明らかに指示するものである。
神保 龍太郎*; 西堂 雅博; 荻原 徳男; 安東 俊郎; 森田 健治*; 武藤 嘉男*
Journal of Nuclear Materials, 196-198, p.958 - 962, 1992/00
被引用回数:24 パーセンタイル:87.79(Materials Science, Multidisciplinary)CVD法及びコンバージョン法で作った、BC被覆等方性黒鉛とホットプレス法で作ったBCとの試料を用いて重水素のリテンション特性を測定した。重水素の打込みは加速電圧3kV、粒子密度3.610D/cm・sのDイオンを室温で打込み、そのリテンション量を反跳粒子検出法で測定した。リテンション量の温度依存性は、室温照射した試料を等時焼鈍することにより求めた。打込まれた重水素のリテンション量は、打込み量が10D/cmを超えると飽和する。リテンション量の飽和値は、試料により異なるが、焼鈍による減少傾向は類似している。未飽和の場合には、リテンション量が減少する温度は高温側にシフトする。以上の結果については、等方性黒鉛及び他の低原子番号材料の場合と比較すると共に、トカマクにおける水素同位体リサイクリングの観点から考察した。
樋口 英俊; 小泉 健治; 鷲谷 忠博; 森田 眞一; 近沢 孝弘*; 西村 建二*; 菊池 俊明*
no journal, ,
高速炉燃料再処理用ウラン晶析装置について、装置内冷却伝熱面へ付着する可能性がある硝酸ウラニル結晶(UNH結晶)による冷却効率への影響について検討した。
野村 和則; 渡部 創; 朝倉 俊英; 駒 義和; 佐野 雄一; 松村 達郎; 小泉 健治; 中島 靖雄; 森田 泰治; 鷲谷 忠博
no journal, ,
FBRサイクル全体の環境保全性,核不拡散性向上を目的として、マイナーアクチニド(MA)をMOX燃料とともにリサイクルするシステムを構築するため、HLLWからMAを分離回収する技術の開発が必要であり、その候補技術として抽出クロマトグラフィ法によるMA回収技術の開発を進めている。高レベル放射性廃液(HLLW)からのAm及びCm回収のための抽出クロマトグラフィシステムとしてTODGAとR-BTPの2段サイクルを選択し、目標達成を見通すことのできるAm及びCmの分離性能を実験室規模の試験で示すとともに、同システムの工学規模への基本的な適用性と開発課題を工学規模装置を用いたコールド試験等により示した。